夫を笑わせたい、その一心で「笑わせる技術」を学ぶ

笑わせる技術 世界は9つの笑いでできている 実用書
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あまり笑わない夫を笑わせたい、そんな欲がこの本「笑わせる技術 世界は9つの笑いでできている」と出逢わせてくれました。

わたしは小さな頃からお笑いがだいすきで、保育園に通っていた頃はコント番組の代表とも言われているごっつええ感じや短いダジャレネタがクスッと笑えるボキャブラ天国を、小学生の頃はウリナリ!!や笑う犬シリーズでやっていたコント番組を、中学・高校生の頃は爆笑オンエアバトルやエンタの神様・爆笑レッドカーペットといった数々のネタ番組を見て育ちました。

その結果、20代前半はお笑いライブにしょっちゅう足を運んでいました。今は昔と比べるとライブに足を運ぶ機会は減りましたが、アメトーーク!やしゃべくり007・家事ヤロウ!!!やバナナサンド等のバラエティー番組を見ています。

こういった環境だったということもあり、ふとした時に人を笑わせたい衝動に駆られます。身近にいる人をターゲットとし、学生時代は友人を、社会人になってからは職場の人や家族を、そして今は夫を、笑わせようと試みますが、夫はなかなかの強敵です。

夫は一般的に笑われている面白い出来事には笑わず、そこで笑う?!というところで笑う人。そのため、わたしが手っ取り早く笑わせる方法の一つとして持っている顔芸を見せても効果がありません。
この顔芸はふとした時に変な顔をするという技なんですが、変な顔をすると心配されるか真似されてしまいます。
おうち時間が増えたということもあり、なんとしても笑わせたいと友人に相談したところ「あんたがそんなに悩むなんてよっぽど笑わない人なんだね…」と慰められて終わりました。アドバイスをくれ…

そんな夫を笑わせるために購入したこの本で、今日は笑いについて学びたいと思います。

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笑いの先生

まず、笑わせる技術を教えてくださる講師の先生、西条みつとしさんのご紹介から。

西条みつとし(さいじょうみつとし)さんは1978年生まれ。
1997年に吉本総合芸能学院(NSC)入学。卒業後はお笑い芸人として吉本興業に所属。2000年に渡辺プロダクションに移籍し、舞台やテレビで活躍。2010年に芸人活動をやめ、放送作家に。
現在、ドラマや映画の監督・脚本、舞台の演出・脚本なども手掛けながら、数多くのお笑いスクールやお笑い事務所の講師も担当。

芸人を経て放送作家・脚本家になった人が教えてくれるということで、もうこれは期待大。ここからは先生と呼ばせていただきます。

先生は笑わせる方法や技術を学ぶ前に、そもそもなぜ笑いが必要なのかを教えてくれます。

わたしたち人間は家族・友だち・恋人・学校・会社・ネットなど、必ず何かしらのコミュニティーに所属しています。このコミュニティーに所属している以上、避けて通れないのが人間関係。

では、どうすれば「人間関係」を上手く築きあげることができるのか?
それは「笑う」ことなのです。

<中略>

笑いを人に与えることができれば、あなた自身も相手も幸せになり、人間関係も上手くいくはずです。

つまり、人間関係を良好にするために笑いが必要なんだそう。笑いの取れる人は人がたくさん寄ってくるしモテるし仕事ができる、そう先生は言います。

笑いが必要な理由がわかったところで、いよいよ本題です。

この本では笑いの種類を9つに分け、笑いを取る方法や技術を解説してくれます。
どういう場や相手に適しているか・笑いを取る方法(具体例)、さらには笑いを取る時の注意点なんかも教えてくれます。

今回はその9つの中から、初級編の笑いを2つ・上級編の笑いを1つ・老若男女や万国共通の笑いを1つ、学んでいこうと思います。

共感の笑い(難易度★)

ではまず初級編の笑いを。

共感させることができれば、基本的に笑いは取れると先生は言います。

相手に共感させた瞬間、相手と、自分の心の距離は縮まります。

つまり、自分と相手の心の距離が縮まれば、共感させることができ、笑いを取ることができるのだそう。

ではなぜ心の距離感によって笑いが生まれるのでしょうか?

それを知るためにはまず、心の距離感によって何が生まれるかを知る必要があると先生は言います。

それは”仲間意識”です。

相手との心の距離が縮まれば縮まるほど、仲間意識が生まれ、相手との心の距離が離れれば離れるほど、仲間意識がなくなっていきます。

つまり、笑いを起こすために仲間意識を与え、仲間意識を与えるために共感させる、するとおのずと笑いが生まれるのだそう。簡単に言うと自分の言動で相手を共感させていくと、相手から自然に笑いが生まれるという構図です。

「共感の笑い」の取り方

ではここからは笑いにならない共感と笑いになる共感を見比べてみましょう。

・笑いにならない共感
例)夏になると暑いよね?

・笑いになる共感
例)課題とかやらなきゃいけない時に限って、部屋の掃除したくならない?

『夏になると暑いよね?』といった常識的な内容は、共感が生まれても笑いは取れません。
一方、『部屋の掃除したくならない?』という相手が口に出さないような感情・行動をあえて口にし、共感させると笑いが取れます。
そして共感度が大きければ大きいほど、笑いは大きくなっていきます。

ただし、相手によって共感する度合いが違うため、誰が聞いても共感度が高い内容・低い内容というのは存在しません。

「共感の笑い」の確率

多くの人に共感されやすい内容を選べば、もちろん共感する確率は上がります。しかし、共感するであろう予想人数が多い内容だと、共感はしても心の距離までは縮まりません。
しかし、「誰もそんなふうに考えてはいないだろうと思っていたのにこの人は自分と同じ考えだ」と共感するであろう予想人数が少ない内容だと、一気にその人への仲間意識が生まれます。

つまり、大勢が共感できる内容より、一部の人しか共感できない内容の方が、大きな笑いが取れると先生は言います。

・大きな笑いにならない「共感の笑い」
例)彼氏と上手くいってない時は連絡してきて、上手くいってる時は全く連絡してこない女の子って結構多いよね〜

・大きな笑いになる「共感の笑い」
例)彼氏のつむじの匂いを嗅ぐと、なんだか落ち着くんだよね〜

共感するであろう人が多い内容は、大きな笑いにはなりにくいもしくは笑いになりません。
一方、共感させることができれば仲間意識が生まれ、共感した相手からは大きな笑いを取ることができます。

共感するであろう予想人数の多さと、笑いの大きさは反比例すると先生は言います。

「共感の笑い」の注意点

ここまでを整理すると、「共感の笑い」では大きな笑いを取りたい場合、共感するであろう人数が多い内容を選ぶより、少ない人数だけが共感する内容を選ぶ方が笑いが取りやすいとのことでした。

しかし、大勢の人がいる場で誰か1人の相手から「共感の笑い」を取ろうとする時、ばっちり共感させても大きな笑いが取れないケースもあるため、注意が必要です。

例えば、会社の忘年会で居酒屋に社員100人集まっており、その100人の前であなたが挨拶をするとします。この場を利用して、同僚かつ友人である1人を「共感の笑い」で大爆笑させたいと思ったとします。

「あっという間に1年が終わってしまいました。本当にビックリです。ビックリといえばもう一つ。今、お酒を運んでくれた店員さん、僕の母親にそっくりです。」

同僚かつ友人である1人はあなたの母親を知っており、本当にそっくりだと思い、とても共感しました。共感度数:100%。でもこの同僚かつ友人である1人が必ず笑うとは限りません。
その理由は恥ずかしいから。
1人だけ笑っていいのか、笑ったら注目されてしまう…このような理由から、笑いを押し殺すのだとか。

そのため、大勢の人がいる場で誰か1人(もしくは一部)の相手から「共感の笑い」を大きく取りたい時は、笑う人が恥ずかしくないようにその場にいる人たち全員を共感させる内容もしくは過半数以上を共感させる内容を選んだ方が良いと先生は言います。

大勢の場合は、その集まりの共通項を探り、それに当てはまる共感する内容を使うのが得策なのだそうです。

自虐の笑い(難易度★)

人間という生きものは他人と比較して自分が優位に立つと、自然と笑いやすくなります。なぜなら、優位に立つと幸せだから。

これを利用し、相手に優越感をもたせることができれば、基本的に笑いは取れると先生は言います。

自分のマイナス要素を晒し、自分を下に見せることが大切です。

「自虐の笑い」の取り方

自分を下に見せる方法として、先生は不幸の告白を挙げています。

自分の不幸(容姿、欠点、悲しい出来事、恥ずかしい出来事、など)を自ら相手に告白するのです。

<中略>

自分の言動で相手に優越感を与えていきましょう。すると、自然に笑いが生まれてくるはずです。

相手に知られたくない部分を晒すため、相手の警戒心も薄れ、初対面の人や仲良くなりたい先輩・後輩・異性など、基本的にどういった相手にも有効なんだそう。

例)女性1の太っている自虐(女性3人でお昼ご飯を食べ終わった状況)

女性1「ごちそうさまでした〜〜」
女性2「ごちそうさま〜。はぁ、お腹いっぱい」
女性3「本当お腹いっぱい。この後、どこ行く?」
女性1「焼肉行こう」
女性2「まだ食べる気かよ(笑)」
女性3「(笑)」

相手の気持ち良さが大きければ大きいほど、爆笑へ繋がります。

「自虐の笑い」に必要なもの

相手を気持ち良くさせ、優越感を高めるには”自虐の不幸度”を上げることが重要だと先生は言います。

ではどうすればこの”自虐の不幸度”を上げることができるんでしょうか。ここでは3つの方法を教えてくれます。

1.前置きをつくる
いつ・どこで・誰に・どんな状況で など、前置きを作ることで不幸度を上げる

・いつ
例)バイト先をクビになりました → 誕生日にバイト先をクビになりました
・どこで
例)風邪をうつされました → 病院で風邪をうつされました
・誰に
例)カツアゲされました → 年下の女の子にカツアゲされました
・どんな状況で
例)お腹壊しました → おかゆでお腹壊しました

2.違う種類の笑いを足す
「自虐の笑い」+「共感の笑い」など、違う種類の笑いを混ぜることで不幸度を上げる

例)中年1がソワソワしている気持ちを自虐(中年2人が駅で待ち合わせをして、遊びに出かける状況)

中年1(ソワソワしながら歩いている)
中年2「お前、なんかソワソワしてないか」
中年1「バレたか」
中年2「どうした?」
中年1「俺、財布に5000円以上入っていると落ち着かないんだ」
中年2「わかる(笑)」

中学生の時、大金を持つと感じたドキドキ(共感)に、いい大人が所持金5000円程度で不安になるという気持ち(自虐)を重ねて笑いにしています。

3.出来事を大きくしていく
不幸の内容を激しくすることで不幸度を上げる

例)躓く → 転ぶ → 転倒する → 怪我する → 事故る

ただし、この出来事を大きくしていくには注意点があります。

「自虐の笑い」の注意点

「自虐の笑い」はある一定のラインを超えると、優越感を通り越して哀れみの感情や悲しみの感情が生まれ、笑いが起きなくなってしまいます。

例)男性1が恥ずかしい出来事の自虐(男性2人が、喫茶店で話している状況)

男性1「は〜コーヒー美味しい」
男性2「結婚式どうだったの?俺行けなかったから」
男性1「それがさ、めっちゃ恥ずかしかったよ」
男性2「どうしたの?」
男性1「最初バージンロードを1人で歩いて入る時、緊張して転んで、頭打って血だらけになって5針縫った」
男性2「え……そうなの」

このように、許容範囲を超えると相手は引きます。そのため、この許容範囲を越えずになるべく不幸度を上げる必要があると先生は言います。

笑顔 → 小笑 → 中笑 → 爆笑 → 大爆笑 →*(笑いにならない壁) → 引く(哀れみ、悲しみ)

大爆笑と相手が引いてしまうギリギリのラインである*が、一番大きな自虐の笑いとなるのだそうです。

ただ、相手の許容範囲に明確な答えはありません。そのため、相手の性別や年齢・職業・場面などを加味して、相手の許容範囲を慎重に予想することが求められると先生は言います。

発想の笑い(難易度★★★★★)

この項目は上級編の笑いです。初級編と比べるとかなり短くまとめられていました。そりゃそうですよね、基本ができていない人が応用するのは難しいですもんね。

人は、自分が思い描いてもいなかった世界と出会った時、自然と笑顔になるのだそうです。

「そんな考えあるんだ?」と相手をワクワクさせることができれば、時に笑いに繋がると先生は言います。

「発想の笑い」の取り方

例)自分の家の上に住んでいる人が、夜中、めちゃくちゃうるさい状況で、カップル2人が寝ている

彼氏「あ〜うるさい」
彼女「大丈夫、我慢すればねれるよ」
彼氏「無理だよ!このうるささ、白雪姫でも起きるわ!」
彼女「(笑)」

また、発想の笑いを大きく取るには、相手になるべく「そんなこと考えたことなかった!」と思わせる必要があります。
今までに聞いたことがないような発想が、より大きな笑いに繋がります。

「発想の笑い」の注意点

「発想の笑い」は、あなたが思い描いている内容を相手と共感しなければ伝えられないため、子供など想像力が乏しい相手には通用しないので注意が必要です。

また、相手に想像力がないと、「え?どういうこと?」となってしまい、笑いがおきません。

相手がしっかり想像でき、しかもワクワクする内容であれば、大きな笑いを取れる可能性が十分にあります。

キャラクターの笑い(難易度★★★)

この項目では老若男女や万国共通の笑いを教えてくれます。

そもそも、この「キャラクターの笑い」で言っているキャラクターとはなんなんでしょうか。

ここで言う「キャラクター」とは、笑わせたい相手が自分をどういう人間だと認識しているか、つまり、相手から見える自分のイメージのことです。

ここでは大きく次の2つに分けられます。

・表面的キャラクター
太っている、ハゲているなど見た目のキャラクター
性別、年齢、出身地、職業、立場などからイメージするキャラクター

・内面的キャラクター
熱血、ネガティブ、せっかちなどの性格的なキャラクター
いじられキャラ、スベりキャラなど対人的なキャラクター

その場での自分のキャラクターを客観的に把握することが大切だと先生は言います。

「キャラクターの笑い」の取り方

あなたの言動で、相手に嬉しさを与えることができれば、基本的に笑いは取れます。嬉しいと人は笑います。それは幸せになるからです。

例)お腹いっぱい食べた後の居酒屋(相手が自分を恐妻家の旦那(キャラクター)だと認識していて、それを利用して笑いを取りたい場合)

先輩「は〜お腹いっぱい」
後輩「この残った焼き鳥、持って帰ってもいいですか?」
先輩「え?まだ食うの?」
後輩「いや、妻にお土産持っていかないと怒られるんで」
先輩「大変だな(笑)」

自分の言動により、「やっぱりコイツはこういう奴だよな!」など、相手がイメージしていた自分の人間像と、実際の人間像が一致した場合、人は嬉しくなり、笑いへ繋がります。

「キャラクターの笑い」の注意点

当然と言えば当然ですが、この笑いはあくまで自分に対してイメージしている人間像がある相手にのみ、使えます。

大勢の前で「キャラクターの笑い」を取る際、自分がその集団からどういうキャラクターとして認識されているかの判断が必要となります。

人により、イメージ像が異なる場合が多々あるため、自分のことをあまり知られていない集団の前では見た目のキャラクターなど、わかりやすいものを利用した方がいいかもしれませんと先生は言います。

夫を笑わせるために

以上、今回は本書に書かれている9つの笑いから4つを紹介させていただきました。

お笑い番組を見て、大喜利は発想の笑いに当てはまるのかな〜とか、あの芸人さんはキャラクターの笑いで笑いを取ってるんだな〜等、振り返ると笑いって本当に奥深いものなんだなと感じました。

夫を笑わせるには、まず夫が思っているわたしという人間はどんな人間なのか、夫自身に興味を持つことが大切かつ、自分自身どんな人間なのか、自分の魅力的な部分を探すことも大切なことが分かりました。

あなたも笑わせたい人がいるのであれば、きっとこの本が勉強になるはず。

この本を通じてあなたが、そしてわたしが、身近な人から1人でも多くの人に、笑顔を届けることができますように。

ではまた。

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