小さな暮らしでたのしく過ごす|住まいと暮らしのサイズダウン

住まいと暮らしのサイズダウン 実用書
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わたしには一つ変わった趣味があります。それは見知らぬ人の部屋を見ること。

InstagramなどSNSやインテリア雑誌などで見知らぬ人が使っている家具や置いてある小物などを見て、すきな配置のものがあれば画像保存して、定期的に見返してニヤついています。

また、どこかへ出かける際は家具屋さんに行き、「こんなステキなものに囲まれて暮らしていたらしあわせなんだろうな〜」「この棚が我が家にあったら最高だな〜」と妄想しています。買いもしないのに家具屋さんに行くので、そろそろ一部のお店からは不審者扱いされるのではないかと心配しています。

妻

こんなこと言うと「妻さんの住んでいるお家もさぞかしオシャレなんでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、我が家は良くも悪くも普通なんです、普通…

そんな人のインテリアコーディネートに興味津々なわたしが、本屋さんに行ってたまたま見つけた『住まいと暮らしのサイズダウン』という本を今回は紹介します。

本書は一言で言うと、ものを手放しサイズダウンして暮らしている10の家族が取り上げられており、その10の家族から小さく暮らしていても楽しく過ごせるということを教えてもらえます。

妻

先ほど、「我が家は良くも悪くも普通」と言いましたが、普通の原因はものが多いからなんですよね…引っ越しを機にものを減らすようにしていますが、わたしたち夫婦は今住んでいる家より広い家を求める傾向になるため、広い家に住むことでさらに増える数々のものたち…

著者は約20年間、住宅・インテリア雑誌の取材を行っている編集者・ライターの柳澤智子(やなぎさわともこ)さん。

ある日、「最近、暮らしをサイズダウンして、小さな家に住む人が増えているらしいですよ」という雑談を機に、本書を企画することに。
柳澤さんは本・器・登山やキャンプ道具などの収集癖があり、”もの”が大好き。自身の暮らしをもっとすっきりさせたいと興味を持ち、2018年4月に刊行します。
そして2021年10月、感染症によって住まいのあり方や暮らし方を見つめ直す機会が増えたことによりあたらしい暮らし方のヒントになるのでは?と文庫化します。

別の場所に住もうかなと考えているという方や、引っ越しをする予定は今のところないけど暮らしをもう少しサイズダウンしたいかも…という方にオススメです。

ということで、今日はわたしと一緒に小さな暮らしについて見ていきましょう!

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「小さく暮らす」とは

そもそも、「小さく暮らす」という考え方、自分が持っている価値観や常識と合わないと思う方もおられるのではないでしょうか。
また、結婚して子どもが生まれて家族が増えるにつれ、家はどんどん大きくなっていくのが普通じゃないの?という方もいらっしゃるのではと思います。

現在小さく暮らしている10の家族も、最初は上に挙げた内容と同じような考え方が大半でした。

しかし、どの家族も何かしらきっかけがあり、サイズダウンに至ります。
何をどういうふうにサイズダウンしたかは十人十色ですが、入り口は違っても大きく3つの柱があるように感じられた、と本書には書かれています。

1.住まいを小さくする

通勤の利便性、親が近くに住んでいる、保育園・幼稚園・学校が近いなどの子育てのバックアップの存在、緑が多くて生活がしやすいなど、住みたい地域を優先したい背景。不景気もあって住居費を絞り教育費や将来の積み立てなどほかのところにお金を使いたいという金銭的な背景。
住まいを小さくした背景はいろいろありますが、根底に流れる共通の価値観は大きな家には惹かれなくなったということ。

➡︎ 暮らし自体が小さくなったことで、前の家では気がつかなかった小さな家だからこその魅力が満載。

2.ものを少なくする

自家用車・ソファ・ダイニングテーブル・収納家具など手放しやすい大きなもの、来客用のふとん・タオルケット・バスタオル・冠婚葬祭の衣類などなくてもいいよねというもの、ミキサー・炊飯器など調理家電や洋服…各家庭で手放したものは種類・量ともにたくさん。
しかし、自分たちの生活に必要なものは持つけれどそれ以外は別になくてもいい、ミニマリストではないから趣味のものは手放したくないしコレクションだってする、といった自分らしいものとのつきあい方もたのしんでいます。

➡︎ ただ捨てる、手放すだけではなくて残したものにもきちんと理由があり、そういった考え方は勉強になることも。

3.余計な支出と手間を減らす

家を小さくして住居費・光熱費などが減る、ものを少なくすることで購入にかかる支出や維持費が減る。
こういったことを積み重ねていくと、余計な支出が結果としてぐんと減り、お金には換算できない掃除などの家事時間やストレス減少にもつながり、お金・時間・気持ちへの余裕が生まれます。

➡︎ 人生の次の転機や予定外のトラブルを迎えてもフレキシブルに対応でき、身軽に軽やかに暮らすことが可能に。

「小さく暮らす」とは、住まいやものを少なくしたり、余計な支出や手間を減らすことを言います。
また、小さく暮らすことで、家の選択肢が広がったり、家賃・維持費や光熱費が安くなったり、家事の負担が少なくなったり、といいこともたくさんあります。

小さく暮らす人々

ではここからは実際に10の家族を見ていきましょう。

著者が取材へ行ってお聞きしたことや間取り・実際の部屋の写真などが載っているんですが、今回は10の家族から厳選して3つの家族をピックアップさせていただきます。

住まい、ものを軽くしてムダのない家計に

5人家族/分譲中古マンション(リノベーション)/約70平米/3LDK

マンションの老朽化による建て替えと東日本大震災をきっかけに価値観が変わり、約90平米の分譲マンションを売却してローンを返済し、その売却益で約70平米の中古マンションを現金購入。

リビングにはソファを置かず床でくつろげる状態に、部屋を広く使えるよう家族全員ふとん生活、家族の服は1カ所に収納、子ども部屋は長男・次男の部屋のみにし本棚を壁付けにしてその下に机を置くスタイル(三男が子ども部屋を欲しくなるタイミングに長男が家を出ていることを想定)、キッチンでは炊飯器は鍋・小さなボウルは器・トースターは魚焼きグリル・ホットプレートは大きなフライパンと代用できる調理道具を持たないようにしています。

住居費から解放されたことで子ども3人の教育費や将来の不安の軽減に、ベッドやソファといった家具やものを手放すことで費用や時間から解放され気持ちがラクになったそうです。

妻

掃除がラクそうで子どもたちも進んでキレイにしてくれそう…!今回きっかけとなった地震だけでなく台風・水害などの自然災害はいつどこで何が起こるかわかりません。そう考えると、ものをたくさん持っていることが良いとは言えませんね…

祖母の家を受け継いで”不親切”にフルリノベーション

3人家族/戸建て 築80年(リノベーション)/70.10平米/2LDK

元々は賃貸に住んでいましたが、ある日、旦那さんの祖母の家を受け継がないかと相談を受けます。細かい部屋に分かれていてどんより暗い築80年の日本家屋に最初は受け継ぐことを躊躇しますが、「リノベーションを前提に考えれば素敵になるかも」と設計事務所に依頼して、古い日本家屋の持つ良さを生かしながら快適な住まいになるようプランニングしてもらいます。

外壁を取り壊して駐車場を確保し、車は駐車場の小ささに合わせ古いローバーミニに。玄関までは門がないアプローチにしてオープンな雰囲気にして光を取り込み。1階は奥さんの仕事部屋(将来はお子さんのお部屋になる予定)と寝室のみにし、仕事部屋には本や雑貨など好きなものは手放さず大切に保存、寝室にはベッド以外なにもない状態に。2階はLDKのみにして好きな家具を置いたり、キッチンは鉄のフレームに木の天板シンクとガスコンロだけをはめこんだシンプルなキッチンにしています。

キッチンは最小限で階段は危なく、子どもがいる今では不親切な家に見えるかもだがこの完璧じゃない部分が心地良い、と旦那さんは言い、古きものと新しいものを調和させて家族3人たのしく過ごしています。

妻

「たくさんものはいらないけど趣味のものは別」という考えを持つ夫婦。奥さんの仕事部屋に本や雑貨を置いているとのことでしたが、旦那さんは体を動かすことがすきでクローゼットにスポーツウェアや道具をたくさん置いているそうです。それぞれがそれぞれの趣味を否定することなくたのしめているというのがめちゃくちゃ良いですよね…!

船橋から館山への移住で始まるあたらしい生き方

2人家族/賃貸団地 築39年/63.86平米/1LDK

千葉県船橋市でマンションを購入して暮らしていましたが、奥さんの地元でもある館山で祖父が残した洋館を有意義に使いたいとカフェを始めようしていたタイミングで「館山におもしろい団地がある」との情報が入ります。
そのおもしろい団地とは、公務員宿舎だった建物をひとりの男性が落札しDIY自由な賃貸物件として蘇らせたもの。庭には大きなキャンピングトレーラーがあり、住人のみんなで海や花火大会に出かけるときはタイの3輪タクシー:トゥクトゥクが走ります。
改装前でまだ誰も住んでいない状態でしたが見学に行ってピンと来て、入居者第一号に。

今まで持っていた家具はカフェで使い、ありあわせの家具で生活。家具は小道具屋で買うことが多く、リビングソファは病院の待合室で使われていたベンチをチョイス。押し入れは天井からカーテンを吊るして目隠ししたり、昭和感とシンプルさのバランスを上手く活用しています。

購入したマンションを手放し、勤めていた会社を辞めて自分らしい生き方を選択した夫婦。カフェでの役割分担は奥さんが料理や写真・WEBデザインを、旦那さんは在庫管理と経営を、それぞれがフォローし合いながら毎日たのしく暮らしています。

妻

新生活を始めるタイミングで偶然出会えたお家。これはもう運命ですね…!また、新生活を始めるきっかけになったカフェは元々、奥さんが「人のためになることがしたい」と始めましたが、旦那さんも「今は、人の幸せに携わることができて楽しい」と言っていました。ステキ…!

小さく暮らす工夫

ということで短いですが、今日は『住まいと暮らしのサイズダウン』をご紹介させていただきました。

ここまで、小さく暮らすことのメリットやいろんなきっかけで小さく暮らす家族を見てきましたが、では実際にどうやってものを少なくしたらいいんでしょうか?

本書に載っている10の家族が工夫していることは大きく以下7つ。

  • 宅配&保管クリーニングを利用する
    発送用のバッグにつめて送るだけ。大量の衣類をクリーニング店に持ち込む手間もなく、そのまま次のシーズンまで預かってもらえるのでクローゼットもすっきり。
  • バスタオルをやめる
    洗面所でかさばるバスタオルをやめて、フェイスタオルに。乾くのも早く一石二鳥です。
  • 洋服や靴を見直す
    着て行く機会がなければタンスの肥やし。バリエーションを求めず、自分らしいと思えるものを消耗するまで身につけます。
  • 寝具を見直す
    夏場のタオルケットをやめ、年中使える薄ふとんへ替えました。
  • カーシェアを利用する
    平日は乗る機会がなく乗って月2〜3日だったので、維持費がもったいなく手放しました。10分単位で借りられて、ガソリンを入れて返却しなくてもいいのでレンタカーより気軽です。
  • シンプルな食器にする
    我が家に食器棚がないので、キッチン吊戸棚に収まる量だけと決めています。和洋中、どんな料理にも合うものを、と考えると白い食器に。
  • 子どものおもちゃは長く使えるものに
    使い捨てや安いおもちゃより、次の使い手を考えて、耐久性があったりロングセラーで質の良いおもちゃを揃えています。
妻

この7つ、どれかは自身の暮らしに取り入れれそうな気がするぞ…!

本書を通じて、小さく暮らすことは苦しいことではなく、むしろ楽しいことだと学びました。また、おうち時間が増えた今、家の中にいて”楽しい”はとても重要です。

あなたが今、住んでいるお家は暮らしていてたのしいですか?

もしたのしくないのであれば、本書をぜひ参考にしてみてください。
そして、今たのしく暮らしているというあなたも、もっとたのしくなるヒントが本書に隠されているのではと思います。

軽やかに生きる新しい暮らしの教科書として、ぜひ本書を活用してみてはいかがでしょうか。

ではまた。

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この記事を書いた人

妻
インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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