こんにちは。妻です。
ありがたいことに最近、プライベートと仕事それぞれで新しいことを学んでいます。本を読む時間がなかなか取れずで夫の更新が目立ちますが、そんな忙しいわたしでもサクッと読めて勉強にもなったタイパ抜群の本を今日は紹介したいと思います。
わたし妻がタイムパフォーマンスが高いと実感した本、それは『なんとかするアイデア ビジネスに役立つひらめきがすらすら生まれる思考トレーニング』です。
著者はいしかわかずやさん。
いしかわさんはYahoo! JAPANのブランドマネジメント職に就きながら、Twitterでアイデア思考についてつぶやいたり、大学や大手メーカーから講師を務めています。また、『第12回シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション』や『第24回 サンスター文具アイデアコンテスト』など、多数のデザインコンペを受賞しています。
いしかわさんの経歴を見ると、ここでいうアイデアとは「何かを作るクリエイター・企画/開発といった職種にのみ関わってくることなのかな?」と思ってしまいますが、アイデアやひらめきは職種に関係なく、すべての仕事に必要とされています。そして現在、どこにいてもアイデアやひらめきは人と違うものが求められています。
本書では、そういったさまざまな場で使える独自の視点からアイデアやひらめきを生み出す方法がまとめられています。
こういったアイデア出しの手法やツールを紹介してくれる本は、なんだか複雑なことが書かれているイメージなのですが、本書は”真剣に勉強しようと気合を入れて読むよりも、新しい遊びを見つけたくらいの感覚で、楽しく使っていただけたら”と書かれているくらいかなり読みやすい本です。今回紹介するのはほんの一部分なので、アイデア出しに苦手意識のある方はぜひ手に取ってみてください。
アイデアが劇的に生まれる2つの方法
あなたは何かアイデア出しをしなければならないとき、どうやって考えていますか?
わたしは「ここからここまでアイデアを考える時間!」と区切って考えますが、まあ出てきません…なぜかお風呂に入っているときや寝る前に思い浮かびメモせず忘れるの繰り返しです…
アイデアを考える際、いしかわさんが行なっていることは大きく以下の2つだと言います。
- 「テーマから考える」「テーマから離れて考える」を行き来し、発想を広げる
- そのうち「これは!」と思うものを深掘りし、アイデアの質を高める
1つずつ詳しく見ていきます。
「テーマから考える」「テーマから離れて考える」を行き来し、発想を広げる
「テーマから考える」はその名の通り、あるテーマを中心に思いついたことやキーワードをどんどん挙げていき、発想を広げていく思考法です。
例えば、”これからの時代における幸せとは?”というテーマがあったとします。あなたは「オンライン生活が当たり前になる」と思いつきました。
これが「テーマから考える」ことです。
テーマから外れることがないため、共感されやすい一方、人とアイデアが被りやすいというデメリットがあります。
これを解消する方法が「テーマから離れて考える」という手法になります。
「テーマから離れて考える」は、別の言い方をするとアイデア発想のスタート地点を変えるアプローチになります。
人と全く違うところから発想をスタートさせるため、そこから出たものは誰かと被ることがない独自性のあるキーワードが生まれやすくなります。
といっても、「テーマから離れて考える」とは具体的にどうすればいいのでしょう…?
こうしなければならないという決まりがあるわけではありませんが、ここでは目に入ったものとテーマを結びつけるという手法が紹介されています。
目に入ったものとテーマを結びつける
今、あなたは何かのテーマについてアイデアを考えているとします。考えても考えてもなかなか出てこない…では一度、そのテーマについて考えることをやめます。
このブログからも目を離して、周りを見渡します。パソコン、ペン、ドリンクの缶など、さまざまなものが見えるかと思います。その中から何か一つのものをピックアップし「もっと、別の使い方ができないか?」「もっと、便利にできないか?」といったことを自由に妄想します。
たとえば、充電器などのコード類が目についたとします。
(スマホ用・タブレット用・ノートパソコン用とさまざまな形をしたケーブルがあるからどれがどの種類なのかひとまとめにされた図鑑があったらわかりやすいな…)といった形で、自由に想像して思いついたことを頭の片隅に置いておきます。
これが「テーマから離れて考えること」です。正解・不正解はなく、たくさん考えなければならないという縛りもありません。
わたしの作業机には茶筒が置いてあります。茶筒はペンスタンドとして使っているのですが、これはまさに「別の使い方」をしているものなので、ここからさらに妄想すれば広がりそうですね…!
という形でテーマから離れて考えることができたら、再びテーマに戻ります。
“これからの時代における幸せとは?”で思い浮かんだ「オンライン生活が当たり前になる」から、目に入ったコード類から妄想した「図鑑があるとわかりやすい」を繋げてみます。
(リモートワークが定着してガジェットや家電が多くなれば、図鑑を必要とする人がいるかもしれない…)といった形でテーマと結びつけることができたらアタリです。
“これからの時代における幸せとは?”という壮大なテーマを前に、コード類といったものを取り上げる人はどれくらいいるでしょうか?この時点で発想に独自性が生まれました。
しかも、テーマに沿った「オンライン生活」とも結びついているため、言われてみればそうかも!という共感も確保できます。
…といった形で「テーマから考える発想法」と「テーマから離れて考える発想法」を行き来することで、発想の幅が自然に広がります。
仮に、テーマから離れて考えたことがテーマと結び付かなければ、目に入った他のもので考えればいいですもんね…たしかにこの手法ならいつかアタリが出そうです!
そのうち「これは!」と思うものを深掘りし、アイデアの質を高める
テーマから考えたりテーマから離れて考えたりしている段階は思考を「拡散」している状態です。
ここからはアタリだと思うものについては「深掘り」していきます。
深掘りといっても、実際に行うのは先ほどの「拡散」と同じく、頭の中でふんわりと考えることです。
では先ほどの”これからの時代における幸せとは?”というテーマを使って考えていきましょう。
“これからの時代における幸せとは?” → オンライン生活 → オンラインショッピング と考えたとします。
オンラインショッピング=段ボール、配送 というキーワードが思い浮かびました。
そのキーワードから段ボールを以下の形で深掘りしていきます。
- もっと使いたくなる方法は?
- もっと楽しくなるには?
- もっと便利にする方法は?
- もっと嬉しくさせる方法は?
ここでいう「深掘り」は、アイデアの価値(これがこの世の中にあったほうがいい理由)を掘ることです。
最終的に、「(自分が)こういうのが欲しかった」「(○○さんなら)喜ぶだろう」と思えたら深掘り完了です。
本書では、この方法で『幸せな気持ちになるガムテープ』が生まれたと書かれていました。
↓
ちょっと幸せな気持ちになる
↓
嬉しくなり、またそこで買いたくなる
という深掘りにより、段ボールを使うシーンを想像して「ガムテープ」というアイテムにたどり着き、それを「リボン」というモチーフと組み合わせることでアイデアが着地しました。
「ガムテープ」と「リボン」というみんな知ってるアイテムの組み合わせなので、プレゼンで詳しく説明せずとも分かってもらえますし、使いたい・受け取りたいという気持ちになるので経済が回ることも見えますよね…!すごい…!
アイデア脳が刺激される場所
アイデアを考えるには、テーマから考えたり離れたりを行き来するところから始まりました。離れるときは周りを見渡して目に入ったものから自由に妄想しましたが、目に入るものには当然限界があります。
いしかわさんは、苦戦しているときには自分からアイデアの種を探しに行くことをおすすめしています。
アイデア脳が刺激される場所1.LOFTやハンズ
いしかわさんは文具のアイデアを考える機会が多いということもあり、LOFTやハンズに行っていました。
頭の中で想像できるアイテムが少なかったため、インプットを増やしていたそうです。
そして、足を運んだ際は文具コーナーだけでなくあえて自分とは関係ない売り場に足を向けます。「なんで、こうなんだろう?」という疑問が浮かび、「このほうがよくない?」という素直なアイデアが湧いてくるそうです。
アイデア脳が刺激される場所2.カプセルトイコーナー
大人になってからはなかなか行く機会が少ないカプセルトイコーナーですが、いしかわさんはアイデア思考の教室だと言います。
かけ離れたものともとを組み合わせたり、関連なさそうなものを組み合わせたりしたものが多いため、新たなアイデアが湧くことはもちろん、こういったアイデアを考えた人の気持ちになって考えることで、開発者の思考をインプットすることもできると言います。
見ているだけでワクワクするとこばかりですね…!他にも品揃えが豊富な100円ショップやホームセンターなどでもアイデアが浮かびそう…!
オリジナルのアイデア思考を生み出そう
ということで今日は『なんとかするアイデア ビジネスに役立つひらめきがすらすら生まれる思考トレーニング』についてざっくりと紹介させていただきました。
他にも本書には
- アイデアがすんなりひらめく環境
- アイデアを形にするツール
- アイデアの伝え方
など、アイデアに関する内容が盛りだくさんです。
さらに巻末には演習問題がいくつかあります。読んだ内容が実践できるか若干プレッシャーですが、正解・不正解がないので妄想して自由に解答できます…!
最後に、本書の中で印象的だった内容を引用して終わりたいと思います。
僕は大学生時代からコンペに出し続けていましたが、最初に出した作品で受賞できたものの、以降、鳴かず飛ばずで、まったく評価されませんでした。
<中略>
苦しみもがき続けるなかで、あるとき、開き直って「もういいや、これで」と出したアイデアが、「独自性がある」と評価されたのです。
その経験で気づくことができました。
それまでの僕は、学校で習った、基本の発想法を忠実に守っていました。
それで出したアイデアは、周りに埋もれてしまうようなものでした。
開き直ったときに、テーマを忘れてそこから離れてみるとか、似ているものに見立ててみるといった、教科書にない方法でアイデアを考えてみたのです。
それ以来、受賞する打率は9割という好成績をキープしています。
本書を読むまで、アイデアを思いつく人は才能やセンスがある人だと思っていました。習ったことから考えていればそりゃ独自性は生まれませんよね…わたしも勉強したことを忠実に守る部分があり、応用ができません。笑 アイデアも本書に書かれていた「テーマから考える」ばかりなので、まず発想を広げるところから始めていきたいと思います。
ではまた。
この記事を書いた人
- インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
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