ミニマリストに学ぶ「自由」と「幸せ」について|手ぶらで生きる。

手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて自由になる50の方法 実用書
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こんにちは。今日は「手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて自由になる50の方法」という本を紹介します。

この本は福岡県にある四畳半の家で一人暮らしをしている1995年生まれの男性ミニマリストしぶさんが書いています。
ミニマリストしぶさんは月間100万PVを超えるブログ:ミニマリストしぶのブログを運営。2018年にはミニマリズムの魅力を広めるを目的にMinimal Arts 株式会社(旧:株式会社ミニマリスト)代表取締役に就任。さらにミニマルな機能美を追求するブランド:less isを監修しています。

そもそもミニマリストって最近よく聞く言葉だけど、どんな意味なの?と思った方もいらっしゃるかと思います。
ここでいうミニマリストとは、持ちものをできるだけ減らし必要最小限のものだけで暮らす人を指します。
元々は「最小限の」という意味の「ミニマル(minimal)」から派生したミニマリズム(minimalism)という言葉が1960年代にアメリカで生まれ、芸術分野で使われるようになりました。
例えばファッション業界では装飾を排除し、単純な形・色によって表現する手法のことをミニマリズムと呼びます。
のちに芸術分野だけでなく、必要最小限のものしか持たないライフスタイルという意味でも使われるようになります。

わたしたちが生きているこの世界では物だけでなく、多くの情報が出回るようになりました。
それにより、たくさんのものを手に入れても心が満たされなかったり、多くのものに埋もれて必要なものが見えなくなり生きづらさを感じる人が増えています。
そこで、自分にとって本当に必要なものだけを持つことで却って豊かに生きられるという考え方:ミニマリズムが重要視されており、その考え方を実行している人のことをミニマリストと呼ばれています。

そんなミニマリストの一人であるしぶさんがこの本を通じて教えてくれる見栄とお金を捨てて、自由になる50の方法に書いてある内容をご紹介します。

…とその前に、まずは著者のミニマリストしぶさんがミニマリストになったキッカケについて見ていきましょう。

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ミニマリストになったキッカケ

ミニマリストしぶさんは幼少期、あれも欲しいこれも欲しいがなんでも叶う裕福な家庭で育ちました。
しかし、中学進学と同時に父親の自己破産が原因で両親が離婚。なんでも手に入る裕福な生活からお金がない状況へ転落。「幸せな人生に必要なのは金。そのためにはいい大学、いい企業に入るしかない」と進学校の高校に進みますが、大学受験に失敗し、浪人生活に突入。二浪したあげく、大学進学を諦めます。
フリーターとなった19歳のしぶさんは実家を離れて一人暮らしがしたいと夢見るようになりました。ある日、Googleで「冷蔵庫 なし」と検索したところ、冷蔵庫を持たないどころか電子レンジや洗濯機・テレビなど一般的に必要とされる家具や家電を一切持たずに生活する人のブログを見つけ、衝撃を受けます。

「とにかくお金を稼いで、物質的に豊かになれば幸せになれる」と思い込んでいた僕に、「物では幸せになれない」ということを気づかせてくれた。

すぐさま自分の持ち物をバッサバサと処分し、必要最低限の生活に目覚めます。

ちなみにしぶさんのお家はこんな感じ。


今回紹介する本にはしぶさんのお部屋の写真も載っているんですが、見比べると少し物が増え、ちょっと質素に見えていた部屋がオシャレになっていました。

ここまで聞くとミニマリストって物を持たない人ってことなのねと思った方もいるかと思います。その解釈は半分は正しく、半分は間違っています。

しぶさんがミニマリストになった最初の目的は「一人暮らしをしたい」というものでした。お金が全然ない中で新しい生活を始めるにはどうすればいいか、まず稼ぎを増やす前に無駄な出費を削ぎ落とすことから始めました。
そして「無駄」を洗い出しては削ぎ落とし、自分にとって大切な「強調」すべきポイントを把握し、必要最小限の物に囲まれ、必要最小限のお金で生活をしています。
自分にとって何が幸せかを考えると、この「強調」すべきポイントは見えてきます。そして幸せを知ると、おのずとお金の出費や物の量だけでなく、生活スタイルや思考・人付き合いまで「無駄」なものが洗い出されてくるのだそう。

物だけでなく、人生のあらゆる場面でミニマリズムを応用してこそ、ミニマリストだ。

つまり、しぶさんは物を持たないだけでなく、ありとあらゆるものを最小限にし、より良く生きることがミニマリズムであり、それを実行してこそミニマリストだと述べています。

思考や人付き合いまで最小限にするなんて一人の人間としてどうなんだろうかと思う部分はありますが、しぶさんはそうすることでストレスなく生活できているのだそう。人からよく思われたい・恥ずかしい思いをしたくないという「見栄」を捨てています。

ではキッカケを知ったところで、見栄と財布を捨てて自由になる50の方法に入りましょう。

暮らしを自由にする

この項目では暮らしに関する自由になる9つの方法を教えてくれます。

しぶさんが言う暮らしを自由にとは、冷蔵庫やテレビは持たない床にそのまま寝るといった極端な項目が多くあります。これらは一人暮らしだからこそできる術だろと感じたので省略。
この項目でわたしがなるほどと思ったのが変動費より固定費を大きくするという項目。

しぶさんはいくらかかるか「読めない」変動日は人を不幸にし、確実に「読める」固定費は人を幸せにすると言っています。

例えばわたしは職場とおうちにお菓子BOXを置き、小腹が空いた時にそのBOXからお菓子を出して食べています。これを買い足すタイミングは職場もしくはおうちからお菓子がなくなりそうになった時。毎日食べているわけではありませんし、たくさん食べる日もあれば食べない日もあるので、読めない変動費にあたります。
それをおやつの定期便サービスを提供しているsnaq.meなど、お菓子のサブスクリプションサービスを使えば読める固定費に変わります。

今の時代はお得で便利な定額サービスが次々と登場しています。こういった新たなサービスをキャッチする情報力とそれを積極的に取り入れる柔軟性が必要だと述べています。

物を自由にする

この項目では物に関する自由になる10の項目を教えてくれます。

しぶさんが言う物を自由にとは、毎日同じ服を着る限定物ではなく定番物を買うなど、これまた極端。
毎日同じ服よりは今日は仕事終わりに飲み会だからお腹に負荷のかからないスカートを履こうとか、休日は普段会社では着れないワンピースを着ようとか、シチュエーションと気分により変えたいですし、スニーカーはこのブランドだけしか買わないと決めるよりはいろんなブランドを試したい。ということで省略。
この項目からは消費する側から、生産する側にまわるという点を紹介します。

仕事などのストレスをちょっといい物を買うことで発散する人はジャンクフードやタバコと同じ不健康な快感だとしぶさんは言います。対する健康的な快感はサウナ・スポーツ・瞑想・恋人とのセックスなどを指します。
本来、この健康的な状態でストレスは解消されるべきなのに、即効性が高くお気軽な不健康な快感に頼る人が今の日本には多すぎるのだそう。
物の消費でストレスを発散してしまう状況から抜け出すには「消費する側でなく、生産する側にまわる」ことが大事だと言います。
消費と生産の違いについては以下の通り。

・消費活動=お金を払って「与えられる」側になること
例)なんとなく給料日だからと買い物をする・気が乗らない飲み会に付き合いで参加する など

・生産活動=自分で生み出して「与える」側になること
例)本や映画の感想をブログに書く・料理を作って家族にふるまう など

ちなみにわたしはお金に余裕があるととにかく本や漫画を買いますが、買ったことに満足して読み切れていない本や漫画が何十冊とあります。それをこのIntro Booksで発信するために読みたい本を買うという考え方に変えることで消費する側でなく、生産する側にまわることができます。

お金を払い続けて物の奴隷になるか・人生を自分でコントロールするかはあなたの選択次第で決まります。

体を自由にする

この項目では体に関する自由になる7つの項目を教えてくれます。

しぶさんが言う体を自由にとは、食材を定番化する中毒性のある食べ物を避けるなど、これまた一人だからできるんでしょという項目ばかり。さっきからこいつ批判ばっかだなと思っている方もいるかと思うので、ここではわたしが一人暮らしだったとしても難しく感じる「1日1食」で生活するをピックアップします。

1日1食生活はタモリさんやビートたけしさん・福山雅治さんなど芸能人も多く実践しているのだそう。皆さん今も超元気ですよね。
本来、人間は「飢餓(食物が不足して飢えること)に強く、飽食(十分に食べて満ち足りること)に弱い」生き物と言われています。1日3食が当たり前になったことで、むしろ食べ過ぎによる肥満や糖尿病・アレルギーやアトピーといった現代病が急速したとも言えるのだとか。なので今、飽食になった現代の食スタイルを見直し、本来の正しい生活である1日1食に回帰する人が増えています。
確かに雑誌でも最近、週に1回断食をして体をリセットしようなど、取り上げられていますよね。

ちなみにしぶさんの1日の食生活はこんな感じ。

朝:食物繊維イヌリンのパウダーを混ぜたコップ1杯の水
昼:プロテインや豆乳などのドリンク類
夜:主食に玄米かサツマイモ・たんぱく源としてサバ缶やサーモンなどの鮮魚・野菜たっぷりのスープ・アボカドなどのフルーツ など

わたしは小学生の頃、朝ごはんに5個入りクリームパンを全部食べて学校に行き、食べ過ぎてか具合が悪くなり、吐いて早退したことがあり、それから朝ごはんを食べなくなりました(汚い話ですみません)。それによりほぼ毎日、お昼までにめちゃくちゃお腹が空いて集中できなくなり、ランチ後は眠気に襲われます。
これが1日1食生活により、改善することができます。まあ1日1食生活じゃなくても3食きちんと適切な量を食べていれば改善できるんですが。

固形物を食べるのは夕食だけにすることで、仮にお腹が空いても夕食を楽しみに頑張ろうと前向きな気分になり、食事の準備にかけていた時間とお金が3分の1になり、自由になる時間とお金が飛躍的に増えると語っています。
食べる絶対量が減れば、その分1食にかけられる予算も増え、食事のクオリティも上がってますます健康になると言います。

ただし、長年の食生活を急に変えるのは危ないので、少しずつ変えていくのがおすすめです。

時間を自由にする

この項目では時間に関する自由になる4つの項目を教えてくれます。

しぶさんが言う時間を自由にとは、自分の時間を幸せにしてくれるものを選ぶ荷物はコンビニでしか受け取らないなどこれまた一人暮らしだからでしょ…という内容。
この章をまとめると、自分の苦手な家事は最新の家電に頼り、その空いた時間を好きなことに当てようという内容です。以上。

思考を自由にする

この項目では思想に関する自由になる12の項目を教えてくれます。

しぶさんが言う思想を自由にとは、3択に絞る自分の定番をあえて壊す顔がわかる人からの情報を最大限に浴びるなどなんですがこれらは置いておき、コンプレックスをポジティブ変換するをご紹介。

しぶさんは父親より身長が10cm低く、自分以外の家族はみんな健康体なのに自分だけアトピーやアレルギー・ぜんそくなどを患っていたそう。しかし、見栄を捨て自分に自信が持てるようになってから、身長が低いと威圧感がなく、相手から警戒されにくいため、親近感を持たれやすく人間関係も構築しやすい、だから低身長も魅力的だと考え方が変わったそうです。また、幼少期にアトピーやアレルギー・ぜんそくに悩み、苦しい思いをしたことにより、健康に対する意識が高くなったことも良い点と述べています。

つまり、自分で思っている身長が低いや健康でないなどは、一般的にネガティブ寄りのワードですが、身長が低いからこそ魅力的なことや健康でないからこそ気付ける真実があるということなんだそう。

わたしも低身長で食べた分だけ体重が増えていくことがコンプレックスですが、丸みを帯びた体型が女性らしいボディーラインとも言えますし、スレンダーな女性より健康的に見えるという利点もあるかと思います。いや食べた分運動したら済む話だろというごもっともなお言葉はおやめください。

コンプレックスは、チャームポイントにも武器にもなるんです。

人間関係を自由にする

この項目では人間関係に関する8つの自由になる項目を教えてくれます。

しぶさんが言う人間関係を自由にとは、60万以上は貯金しない「恩」の奴隷にならないなど、これは一人暮らしとか関係なしにわかるわ〜という項目ばかり。一方で利益をもたらす人間としか付き合わないなど、考えが合わないなーと思う部分もあります。その中から今回は人を傷つけ、人から傷つけられることを恐れないをピックアップ。

裕福な頃は親にゲームを買ってもらえない友人たちをなんで?と思い、貧乏生活の頃は洋服をバンバン買う友人たちを羨ましく眺めていたしぶさん。恵まれている状況もそうでない状況も経験したからこそ、人を蔑んだり羨んだりするのはある程度仕方がないことと実感しています。今、自分がやっている「4畳半の部屋に住む」「1日1食」などを発信すると、理解されないどころか責められることすらあるそうですが、異なる意見はそれぞれに尊いことを理解しているから、受けた批判に対して反論することもないんだそう。

つまり、多様な価値観があるのは当たり前。世の中に正解がないからこそ自分の意見はうやむやにしない方がいいと言っています。

このへんは難しいですよね。自分にとって当たり前のことでも人から見たら当たり前ではないことなんていくらでもありますし。ただ、それを「まあいろいろな考え方があるよね」と話を終わらせる人との人間関係はとてもつまらないし、一緒にいても退屈だなと感じることは個人的によくあるので納得。それぞれ言いたいことを言えないっていうのは関係性としてもあまり良くないですよね。

幸せってなんだろう

以上、この本に書いてあった全6章の中で6つの方法をピックアップして紹介させていただきました。

ミニマリストについて書いている時、貧乏な人ほどものを手放すことができないと言われていることを思い出しました。貧乏な人ほど、いつか必要になるかもしれないと物を捨てずに取っておいたり、捨てなければ買わずに済むと溜め込んでしまい、精神的にも物理的にも手放すことができないんだそう。
また、ドラマのセットを作る時も”貧困を表現する時は隙間なく壁にちぐはぐなタンスを並べたりと物を増やし、逆に豪邸を表現する時は物を減らして何も置いていない面を増やし余裕を表現している”と聞いたことがあります。

わたしの母も物を捨てられない人なので、実家には公共料金の領収書など届いた紙類やよくわからない食器など、様々な物で溢れかえっています。今年こそ掃除しようよと声をかけてもそうだね〜で終わり。捨てる気がないようです。そんなわたしも母の血を受け継いでいるからか、物を捨てることができません。買った時に入っていた箱とかお店の紙袋とか、とにかく取っておきたい病です。

しぶさんがミニマリストになったキッカケとして、物では幸せになれないということを気づかせてくれたと言っていましたが、わたしや母は心の奥底では物で幸せになれると思っているのかもしれません。

ミニマリズムという考え方については全てが正しいとは思いません。むしろ批判的な意見も多いかと思います。
でも自分にとって何が幸せなのか考えることは大切です。その幸せを得るためにしぶさんは持ちものをできるだけ減らし、必要最小限のものだけで暮らすことを選択しました。

あなたにとって自由とは、幸せとは、なんですか?もしさっと答えることができなければ、この本を読んで参考にしてみてはいかがでしょうか。

ではまた。

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この記事を書いた人

妻
インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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