平凡な結婚生活こそ愛おしい「今日もふたり、スキップで」

今日もふたり、スキップで〜結婚って ‶なんかいい″ 小説・エッセイ
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今日はふら〜っと行った本屋さんでおすすめの本として紹介されていた「今日もふたり、スキップで~結婚って“なんかいい”」をご紹介します。

夫婦、ふたり暮らしのサイコーにハッピーな日常。と書かれた帯に興味を持ち、気づけば購入。

ブックカバーを付けてもらったのでブログ用の写真を撮るまで気づかなかったのですが、あの人気ロックバンドくるりの岸田繁さんも推薦している本らしいです。

著者はエッセイストであり薬剤師のものすごい愛さん。

結婚後、薬剤師として馬車馬のごとく社畜生活を送るが、肉体的にも精神的にも限界を感じ、夫の後押しもあって勤めていた会社を退職。

ニートになり、時間を持て余した日々を過ごす中、趣味として楽しんでいたTwitterを見た出版社から声がかかり、初の書籍にして全編書き下ろしのエッセイ「ものすごい愛のものすごい愛し方、ものすごい愛され方」や、恋愛相談コラムでの連載内容を大幅に加筆修正し書き下ろしを加えた書籍「命に過ぎたる愛なし ~女の子のための恋愛相談」を刊行。

そして2020年11月22日、いい夫婦の日に結婚生活にまつわるエッセイ「今日もふたり、スキップで~結婚って“なんかいい”」を上梓。

現在は様々なメディアでエッセイを寄稿し、Twitterやメディアに書きたくても書けない内容を、気軽に書き散らかしたい気持ちが爆発し、個人ブログを開設。

この本は一言で言えばなんの変哲もない日常って本当に愛おしいしたのしいものと改めて気づかせてくれます。

読みやすい本なので、できれば自身の目で見てクスっと笑っていただきたいので、今日はたくさんある話から2つをご紹介。

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狭小寝具生活

計画性も何もないまま勢いだけで入籍をしたため、一つのシングルベッドで一緒に寝ていたものすごい愛さんと旦那さん。

ものすごい愛さんは眠りが深く、一度寝たらちょっとやそっとのことでは起きない体質。一方、旦那さんは繊細で心配事があればなかなか寝付けず、小さな物音や明かりでも目を覚ましてしまうのだそう。

そんな夫にストレスを与えている大きな要因が、なにを隠そうわたしである。

毎朝起きるといびきや歯軋り、寝言の大きさや寝相の悪さなどを旦那さんに糾弾されるものすごい愛さん。

わたしだって、夫のことは心配で、なんてかわいそうなんだ!と寄り添う気持ちはあるし、愛する人には質のよい睡眠を取って健康でいてほしいとも思っている。

しかし、寝たあとのことは記憶がなく、自分がひどいことをしているという自覚もまるでないので、いくら苦情を言われたところで、どうすることもできない。

ものすごい愛さんが別々に寝る案を提案したところ、「嫌だ、絶対一緒に寝る」の一点張り。なぜそんなにもつらい思いをしてまで一緒に寝たいのか。

夫は曇りのない目をわたしに向け、
「え、君のことを愛してるから以外に理由なんてあるの!?」
と心底驚いたように言った。

ある日、引っ越しが決まり、寝具を新調することになります。旦那さんは今まで我慢していたのでマットレスはいいものがほしいと言い、有名マットレスのメーカーのそれぞれのメリットとデメリットを比較したりと7時間かけて調べ尽くします。

そして2人で寝具専門店へ行き、ものすごい愛さんがこれいいねと遠慮がちに寝返りを打つと、旦那さんにそんな甘い見方をしてはいけないと一刀両断されます。

「違う!寝ているときの君はそんなレベルじゃない!もっと!ガッシガシ寝返りを打って!ガッシガシ!」
夫に言われるがまま、目が回るほど勢いよく体を回転させまくる。

<中略>

夫は目をつむりながら「これはいい、振動がこない。素晴らしい商品だ」と満足したように頷いた。

結局、シングルサイズを二個くっつけるという決断をし、購入したそうです。めでたしめでたし。

実はわたしたち夫婦もいまだに一つのシングルベッドで寝ています。

毛布を独り占めするわたしを夫がどう思っているかは定かではありませんが、繊細な性格ではないのでおそらく大丈夫でしょう…大丈夫だよね…?

寝相が悪くても一緒に寝たいという旦那さんにもうキュンです。

「やりたくない」は立派な理由

料理担当はものすごい愛さん。ストレスフリーな生活をモットーに掲げているため、できる限り負担を減らした料理を心がけているのだそう。

こんなにも勝手なことをしていながら、それでもわたしが我が家の料理担当であり続ける理由は「夫よりはマシ」という、その一点に尽きる。

どうやら旦那さんは料理の腕が壊滅的。知り合いの家に遊びに行った時に振る舞ってもらった人参のサラダをものすごい愛さんに食べさせたいと、作ってくれたことがあるそうですが…

おそるおそるそれを食べてみると、あまりの塩辛さに吐き出してしまった。
一瞬、海で溺れたのかと錯覚するほどだ。

<中略>

食べ物を無駄にはしたくない。でも、全部食べれば血管がブチ上がり、脳の血管が破裂することは容易に想像できる。二人で生産者のみなさんに心から謝罪をしつつ、捨てるしかなかった。

この一件で旦那さんは料理と距離を置くようになったそうで、ものすごい愛さんは何度か一緒につくらない?と声をかけます。すると旦那さんは真剣な表情でこう言います。

ほんとうに、ほんとうに、料理がなによりも苦痛なんだ……この世で一番やりたくないんだ……。

声を上げて笑うものすごい愛さん。夫婦二人暮らし、やりたくないことは極力避け、気楽にやっていこうとなりました。めでたしめでたし。

わたしたち夫婦は料理は担当制ではなく、平日であれば早く帰ってきた人・休日は主に夫が作ってくれています。料理がすきらしいので本当にありがたい…
わたしも料理そのものはきらいではありませんが、凝ったものは作れないし何より後片付けがめんどくさいので、なるべくなら手を出したくない家事のひとつです。

人参のサラダを食べさせたいという思いで作ったのに、失敗したことで作りたくなくなってしまう旦那さんにわたしも笑いが止まりませんでした。

最後に

こんな形でいくつもの日常が詰まった一冊。一つの話につきひと笑いあるので何も考えずゆる〜く読めちゃいます。

ものすごい愛さんは既婚者なので日常というものが必然的に結婚生活と絡まりますが、結婚という制度について押し付けているわけではなく、あくまで自分が幸せになるための数ある手段のひとつであると語っています。

毎日仕事で忙しいし、なんだか疲れは取れないし、良いことなんて何ひとつない、と思っている方はぜひ、この本を読んでみてはいかがでしょうか。

最後に、結婚ってメリットがないとか言われがちですが、割とたのしいし意外といいものですよ、本当に!

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この記事を書いた人

妻
インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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