こんにちは。妻です。
今日は、
- いつもなにかしらの不調を感じている
- ついつい頑張り過ぎてしまう
- パートナーがなぜ疲れているのか知りたい
という方にぜひ手に取っていただきたい本、『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』を紹介します。
わたしも常日頃、背中や腰の痛みを感じています。『女はいつも、どっかが痛い』このタイトルを見て、わたしだけじゃないんだ…となんだか嬉しくなり、手に取りました。
女性は臓器が複雑かつ毎月ホルモンの影響を受け続けているため、様々な痛みや不調が襲ってきます。しかもその痛みや不調を大半の人生で味わうことになります。
本書では、こういった不調が一体何が原因で起こっているのか、少しでも軽減するコツについて教えてくれます。
読み進めていくと「まだまだ若いし自分には関係なさそう…」と思ってしまう部分かもしれません。しかし、現段階で不調や痛みを感じている人であれば必ず当てはまる部分があるはずです。本書を通じ、少しでも痛みを軽減させることができれば幸いです。
本の制作に至ったワケ
本書の著者は、鍼灸師のやまざきあつこさん、取材・文に鳥居りんこさんのお2人。
1963年生まれ。鍼灸師。藤崎市辻堂にある鍼灸院「鍼灸師 やまざきあつこ」院長。
やまざきさんは学生時代、バスケットボールに明け暮れ、実業団入りを考えていました。しかし、練習中に負った大怪我により断念。
もう一つの夢であった中学校の教員になりましたが、着任先は校内暴力の嵐が吹き荒れる学校で、いつしかストレスから自律神経のバランスを崩して心身ともに不調をきたすようになります。
やまざきさんはバスケをしていた時から鍼灸院に怪我の治療をしていました。鍼灸はストレス緩和にも効果があるということで、教員時代も引き続き鍼灸治療に通っていました。
自身の体の中からエネルギーが湧き上がってくるような感覚を感じ、鍼灸師の道を志したいと教員を辞め、鍼灸学校に入り直します。
そこからプロスポーツトレーナーの職を得て、様々なスポーツ選手の治療に携わりますが、自律神経失調症に苦しむ人のお役に立ちたいと独立して鍼灸院を始めて今に至ります。
1962年生まれ。作家、教育&介護アドバイザー。
鳥居さんは長年、体のどこかが痛いと頓服薬のお世話になりながら生きていました。
世界中でコロナウイルスが流行り出した頃、血圧が急上昇したことで身の危険を感じ、病院に駆け込みますが、自律神経失調症と告げられるのみでした。
自律神経失調症と言われてもよくわからない、言葉で説明しきれないこの嫌な症状を一刻も早くどうにかしたい、とやまざき先生の元に飛び込みます。これが2人の出会いのきっかけです。
施術中に「自律神経失調症の症状は辛いけど、病気ではないから」「女はいつも、どっかが痛いの。あなたのせいじゃない!」と励まし続けてもらい、同じように苦しんでいる女性に届けたいという思いで本書の制作に至ります。
鳥居さんのように急に体の異常を感じ、病院に行っても原因がわからないことってあるあるですよね…そんな鳥居さんの実体験や、やまざきさんの元に訪れる患者さんの実体験を基に作られたのが本書になります。
体の痛み・不調が起こる原因
女性の身に起こる体の痛みや不調ですが、病院に行っても特に悪い病気が見当たらないケースが多いです。原因が見つからない以上、病名の付けようがないため、診断結果は以下で様子見とされます。
- 不定愁訴
- 自律神経失調症
- 更年期障害
不定愁訴とは患者さんが頭が重い、ダルい、イライラ、不眠、皮膚のかゆみ、めまい、頭痛、便秘、下痢、手足のしびれ、などなど色んな症状を訴えていても、お医者さんでは特に悪い病気が見当たらない時に診断される症状のことを指します。
最近では自律神経失調症と診断されます。
不規則な生活習慣やストレスだけでなく、軽度のうつ病、不安障害などのメンタルヘルスの不調の可能性も指摘されます。
更年期障害は更年期に起こる自律神経系の不定愁訴のことを指し、ホルモンが減少していくことでホルモンバランスが乱れ、体に不快な症状を引き起こします。
ではこれらの症状はなぜ起こるのか、原因は大きく2つに分類されます。
- 働き過ぎ・根を詰め過ぎ・がんばり過ぎ
仕事でも家事でも遊びでも全力投球で無理が利かなくなり、ある日突然症状の悪化に。 - 個人の体質や性格
ストレスを感じやすい繊細な人とその身を置く環境の微妙なシンクロで症状の悪化に。
働き過ぎ・根を詰め過ぎ・がんばり過ぎに該当する場合は、ゆっくり休んで食べて寝て、回復してきたらヨガや筋トレ散歩鍼灸などの体にいいことを取り入れ、暮らしを整えると快復につながります。
個人の体質や性格については思考を変えていくことが有効ではありますが、そんなすぐに変えれるなら苦労しないですよね。
そこでやまざきさんは、自分の行動を見つめ直していくのが効果的、と言います。
「自分の世話より他人の世話」という気働き上手の思考を見つめ直し、自分を褒めつつ気疲れを起こしていないかチェックをしていくことが快復の第一歩につながります。
不調はがんばりすぎのサイン
人は心に何かが起こると体にも影響が出ます。例えば、
- プレッシャーがかかるとお腹が痛くなる
- 心配事があると寝れない
- 大事な場面の直前でやたらトイレに行きたくなる
このようなことを感じたことはありませんか?
これは”心”と”体”が”一体”で動いているため、症状が体に出ている状態なのだそうです。実は不調とは、体のほうに先に出やすいもの、とやまざきさんは言います。
特に、女性は器官が複雑で壊れやすく、子宮があることでホルモンバランスが乱れやすいため、ダイレクトに体調不良や感情を乱すことにつながってしまいます。
「生活には支障ないレベルなんで大丈夫!」と我慢していると簡単にキャパ超えし、ある日突然ポキっと心が折れてしまうのだそうです。
ある時、やまざきさんの元へ「毎日、頭が痛くて何もする気にならない」と訴える患者さんが来られました。施術を重ねるうちに、”姑の声を聞くだけで頭痛が起こっている”ことが分かり、姑さんとの同居生活が原因であると見えてきました。
この解決策について、やまざきさんは「自分はどうしたいのか?」という意思の確認が重要、と言います。
今回のケースでは、声を聞きたくないため別居をするのが一番手っ取り早い解決策ですが、色々な事情があり別居はできないとのこと。
そこで別の考えにシフトチェンジします。それは姑に反撃の狼煙を上げること。
今までは姑に言われっぱなしだったところを、施術で体調も良くなってきたタイミングで言い返したそうです。
姑は一瞬驚きましたが、「そうね、あなたの言い分も一理ある」と理解を示したそうです。
するとみるみるうちに頭痛の症状が治まり、姑の言動も「まあ、いっか」で流せるくらいに気にならなくなったそうです。
不調は辛いものですが、自分の障りとなっている本当の原因に気づくことができる人生のターニングポイントとも言えます。
何らかの不調を感じた時点で「あれ?私ってもしかしてがんばり過ぎ?」と振り返ることが大切です。
コリの原因は重いバッグにあり
やまざきさんの患者さんの一人に、季節を問わずいつも大荷物の方がいました。
ある日、バッグに何が入っているのか全て出していただいたところ、ざっと数えるだけでこれだけのモノが出てきたそうです。
- パンパンに膨れた長財布
- テーブルに立つほどのポイントカードの山
- キーケース
- 携帯
- 充電器
- 充電用ケーブル
- iPod
- 各種常備薬とサプリ
- 絆創膏
- 除菌スプレー
- 替えマスク
- ウェットティッシュ
- ティッシュ
- 目薬
- ハンカチ
- タオル
- ヘアゴム
- ブラシ
- 日焼け止めクリーム
- 制汗スプレー
- メガネ
- ノート
- 手帳
- 文庫本
- 折りたたみ傘
- のど飴
- 生理用品
- 歯ブラシ
- エコバッグ
- リップ
- グロス
- パウダー
- アトマイザー(香水噴射器)
- 手鏡などが入ったコスメポーチ
- ペットボトル
- ストール
- 携帯型扇風機
- 替え下着
これを持った状態で「私、腰が痛くて、肩が凝って、凝ると頭が痛くなって、それで、あっちもこっちも痛くて、辛い……」と仰られていたそうです。言うまでもなく、岩のような重いバッグが原因の一つになります。
重いバッグは肩コリや腰痛の天敵。特に重いものを常時同じ手や肩で持っていると、体の左右どちらか一方の筋肉が酷使されて硬くなり、血流が悪化してしまいます。
加えて現代人は前かがみになって作業することが多いため、首や肩はもちろん連動する背中もカッチコチ。
コリは体の歪みや内臓の病気から来ている可能性もありますが、圧倒的に多い原因が「使い過ぎ」または「使わなさ過ぎ」、とやまざきさんは言います。
「(荷物が)なくてもなんとかなる」という気持ちの割り切りができる人は丁度いい荷物の量を探り、難しい人は左右交互にバランス良く持つこと。
そしてコリを感じたら、歩いたりストレッチをして体を動かしたり、入浴やマッサージで温めることが大切です。
ため息と涙は体に良い
「ため息をつくと幸せが逃げる」という言葉があります。
そもそも、ため息は心配事がある時や気苦労を重ねている時、またはガッカリしてしまった時につきやすいもの。出そうと思って意識的にやる行為ではなく、大抵は気づいたら出ています。
そんな無意識に出るため息ですが、役割は大きく分けて「酸欠状態の改善」と「自律神経のバランスを保つ」の2つが挙げられます。
酸欠状態の改善は、人間は凹んでいる時には俯いています。その姿勢が肺を圧迫するため、浅い呼吸になり、酸欠につながります。それを緊急回避するため、ため息をつくシステムなのだそう。
自律神経のバランスについては、自律神経にはアクセルである交感神経とブレーキである副交感神経があり、活動中は交感神経が優位に、お休み中は副交感神経が優位という形でバランスを保って生活しています。
しかし、ストレス状態に長く置かれると交感神経が興奮しっぱなしになり、体が危険を感じてため息でリカバリーしているのだそうです。
また、ため息は緊張している体をほぐす効果があるので、血流も良くなることにつながります。血流も良くなるということは、幸せを逃すどころかむしろ新鮮な酸素と共に「幸せ御一行様をご招待」しているとも言えるのでは、とやまざきさんは言います。
そしてもうひとつ、涙にもストレス解放の効果があります。
泣くとスッキリしたという経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?涙はリフレッシュに効果的です。
女性は感情豊かなので涙もろいもの。しかし、色んなことを我慢して、耐えて、忍んで、という状態が当たり前になってしまうと泣き方を忘れてしまうのだそうです。
涙もため息も、思わず込み上げてくる時にぐっと堪えるのではなく、遠慮せず溢れる思いを吐き出すことが大切です。
痛い時はとりあえず、さすっとけ
白内障の手術をした50代の女性から、「手術中に看護師さんがずっと手を握ってくれていたことが本当に心強かった」という話を聞いたやまざきさん。これはぬくもりが痛みを和らげているから感じる現象なのだそうです。
なぜ痛みが和らぐのか、それは手で肌や体に触れる時に脳から幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンという物質が分泌されるからだと言われています。
さらに、さすると血流が良くなるという効果もあります。
血の流れが良くなるとリンパも流れる。すると気持ちいいな〜という感覚になります。
恋人やパートナーなど、愛する人に触れられるのが最も効果的ですが、そのような人が常にいるとは限らないので、そんな時は自分の手でさすってみてください。
手のひらから伝わる体温や湿気を感じることで痛みが和らぎ、気持ちも落ち着いていくのだそうです。
ただしひとつだけ注意点が。女性の体は精密機器並みにデリケートなので、押してはいけません。優しく、優しくさすってあげてください。
「嫌い」という感情を押し殺すべからず
ある日、やまざきさんの元に、ワンオペレーション(ひとりでは回らない作業をたったひとりで担当しなければいけない過酷な状況)で育児をがんばっている女性が来院されました。
「腰痛が酷い」との訴えでしたが、施術を重ねるうちにより具体的な悩みが浮き彫りになりました。
それは”上の子の幼稚園の送り迎えが辛い”というもの。やまざきさんは、下のお子さんを抱っこしての通園ということでそれが腰に負担をかける原因かなと思っていました。が、「実は、ボスママに嫌われたらしく、ママ友の中で孤立しているんです……」と打ち明けられたそうです。
このように、実は心理的ストレスが腰痛の原因になることは少なくないのだそうです。
ストレスがかかると腰の筋肉の血流が悪くなってしまうのですが、さらに脳機能にも影響を与えてしまいます。
問題がない時のわたしたちの脳は、痛みを感じるとドーパミンという神経伝達物質を放出します。すると、オピオイドという鎮痛作用のある物質が大量に放出され、痛みを抑えるという仕組みがあるのだそう。
しかし、ストレスにさらされるとこの機能がうまく働くことができません。
こうなってしまうと、たとえ僅かな腰の痛みであっても激痛に感じてしまうため、その恐怖や不安で今度は腹痛そのものがストレスになるという負の連鎖に陥りやすくなります。
ストレスから来る痛みは”元から断つこと”が重要になります。
ママ友集団に会わないといけないと思うだけで憂鬱になるとのことだったので、旦那さんに送り迎えを代わってもらったら?と提案するやまざきさん。
しかし、真面目な性格の患者さん。「そんなことは頼めない」の一点張りで「働いている夫に申し訳ない」「夫に怠け者だと思われなくない」と言います。
その後も変わらず患者さんが送り迎えをおこなっていましたが、ある日、事態は動きます。
どうにも腰が痛くて動けなくなってしまった患者さんは、旦那さんに「送り迎えを代わってほしい」と頼まざるを得ない状況になりました。
すると嫌な顔ひとつせず「いいよ!ずっとリモートだし!」と承諾してくださったそうです。
さらに、ママ友の件を話すと「そんなに辛かったなんて、気づいてあげられずごめんね。これからは、園行事も俺が行くから」と言ってくださったそうです。
わたしたちは小さな頃、「好き嫌いはいけません」「みんなと仲良くしましょう」という仲良しこよし文化の中で育っています。そのため、他人のことを「嫌い」と口に出すことは悪いことと思ってしまいがちです。しかし、気の合う人もいれば合わない人もいるのが現実問題。
「嫌い」という感情を押し殺していると、その感情はいつか爆発してしまい、周囲をも巻き込む大きな事故につながりかねません。恐れることなく、距離を取るなり逃げるなりを選びましょう、とやまざきさんは言います。
うまくいかない相手もいるということを受け入れると、人生たのしく過ごせます。
自分で自分を応援しよう
ということで『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』より一部分を紹介させていただきました。
他にも、生き方のヒントになることがたくさん書かれています。気になった方はぜひ手に取ってみてください。
最後に、本書で一番印象に残った部分を紹介して終わりたいと思います。
やまざきさんの施術室には”自信のない人”がやってくることが多いそうです。
自信がない人の特徴として、すごくいい人のせいか「すみません」と言う癖が身についている、とやまざきさんは言います。
わたしもよくすみませんと言ってしまいます…別に謝っているわけではなく、反射的に出ちゃうんですよね…
やまざきさんは、「あ〜自分なんか……」って時こそ自分を元気にさせてくれる言葉を口に出してみることをおすすめしています。
「大丈夫!」
「きっと、うまくいく」
「自分はできる子!必ず出来る」
「よくがんばってる!」
とりわけ「大丈夫!」っていう言葉は最強ワード。根拠なんて、なくていいんです。弱気な自分は、褒め言葉で覆い尽くせば良いんです。自分の足を引っ張る言葉で生き辛くなるのなら、その言葉とは、もう華麗にサヨナラです。
他人に何か言われても自分自身が認めていればいいじゃない、というやまざきさんの考え方がわたしの心を軽くしてくれました。これが不調を回復する第一歩につながるんですね…!
女性の人生はある意味”痛み”との共存人生。
体と心のバランスを上手に取りつつ、日々をたのしみながら生きていきましょう!
ではまた。
この記事を書いた人
- インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
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