「シン・読書術」でもっと自由に本をたのしもう

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コロナ禍により、おうち時間が増えて読書を趣味にする人が増えています。

いつだかネットニュースで「4人に1人がコロナ禍により読書時間が増えたと回答している」という記事を見ました。その影響で、本の販売数が2年連続で上昇しているとのこと。その中でも読みたい時にすぐ購入できる電子書籍の売上が大きく増えているそうですが、フリマアプリなどでの売買も見据えて紙の本を購入する人もまだまだ多いらしいです。

しかし、せっかく買ったのに全部読むことができない、買った本がどんどん溜まって積読している、読んだはずが内容を覚えていない、といったことで読書が続かず離れていく人も。

一冊すべてを読み込まないといけない、著者の意見を正しく読まないといけない、読書はまとまった時間で集中しなければならない…読書が苦手な人はこういった読書へのイメージが強いかと思います。

今日はそんな方へ向け、『ものの見方が変わるシン・読書術』で読書へのイメージを変えていこうと思います。

この本は一言で言うと、最新の脳科学・認知心理学などの学説から読書のこれまでの常識を変えてくれて、今までよりもっと自由に本をたのしむことができる方法が書かれている本です。

著者は日本トップレベルの読書家と言われている渡邊康弘(わたなべやすひろ)さん。

幼少期より、読書が大の苦手だったこともあり、二度大学受験に失敗する。20歳のときに神田昌典氏の本に出合い本が読めるようになり、人生が激変。ベンチャー企業の立ち上げに関わり、ゼロから8億の売上を作る(のちにマザーズ上場)。
昌典氏の会社のパートナーとして、事業参画し、日本最大級の読書会「リード・フォー・アクション」を立ち上げ独立。独立後、最新の脳科学、行動経済学、認知心理学を基にした独自の読書法「レゾナンスリーディング」を生み出し、10歳から91歳まで全国3500人以上が実践している。
年間の読書数は、(洋書含め)ビジネス書で2000冊、文芸書、実用書含め年間3000冊以上。「日本トップ5」に間違いなく入るほどの読書家。

タイトルにもあるシン・読書術のシンとは「新」「真」「深」「信」「sin(罪)」「syn(共)」…とさまざまな意味が含まれており、自分のために読むのがシン読書術だと著者は言っています。

読書が苦手だった人だからこそ伝えることができる新しい読書方法。今日はもっと自由に本をたのしむ術について、共に学びませんか?

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時代と共に変化する「読書」

脳科学の分野で大変権威のあるジョージ・ワシントン大学のウィリアム・スティクスラッド教授は「デジタル社会に触れた我々は、これまでの直線的な読書ではなく、もはや、キーワードをつなげて読む、拾い読みに変わってしまった」と述べています。

また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教育情報学大学院のディスレクシア・多様な学習者・社会的公正センター所長メアリアン・ウルフも「人の脳は変化してしまっていて、これまでのゆっくりと文字を追う方法ではなく、トップスピードで、目を移動させ、キーワードを探しまくる方法へ変化した」と述べています。

この2つの内容から、時代が変わり、昔と今で読書というものが変わってきていることがわかります。

著者は昔の読書を「罪悪感」という言い方で、今の読書を「読書の新常識」という言い方で、まとめています。

罪悪感1:最初の一ページから最終ページまで読み落としがあってはならない

読書の新常識1:自分に必要な部分だけ読めばいい

本を一回だけ読んで著者の意見を100%理解するというのは、どこぞの天才以外無理。それに、頭のいい人ほど、そういう読み方をしない。
頭のいい人ほど、全部読まないし、自分に必要な部分だけ読む。そして、無駄な時間を省き、効率的に読む。

罪悪感2:読書にはまとまった時間が必要だ

読書の新常識2:休憩をはさみながら短い時間のほうが結果は出る

そもそも人の集中力は何時間も長く続かない。
夜寝る前に本を開いて、本が睡眠薬になっているというのは、ごく普通なんだ。
人は、10分から40分たつと自然に集中力が落ちてくるという事実がある。
それ以上かけても無駄。かけた時間に対する見返りは小さい。
<中略>
休憩をはさみながらのランダムな学習は、効果を倍増させる。

罪悪感3:読んでも内容を忘れてしまう

読書の新常識3:内容は忘れてもいい。思い出す練習をすればいい

本を読んだのに、すぐに思い出すことができなくなるのは、記憶が長期記憶化していないから。
だから、はじめは思い出せない内容があってもいい。思い出す練習をすれば、「ここがわからない」「うまく思い出せない」というフィードバックが起こる。
なかなか思い出せないけど、がんばって思い出そうとするとそこに感情が生まれ、それがきっかけで思い出せることもある

罪悪感4:著者の意見を正しく理解しなくてはならない

読書の新常識4:著者の意見より自分に「役立つ」ことを見つければいい

ロンドン大学教授で世界的に有名な神経学者ボー・ロットは、脳が記憶するのは「正しさ」ではなく「役に立つ」ことだと言っている。
<中略>
また、スタンフォード大学の心理学者ゴードン・バウワーは、人がなにを記憶するかに、気持ちの差がどう影響するのかを調べた。
バウワーによると、記憶とは単に過去に起きた出来事を正確に報告するものではなく、ぼくたちの各自の世界観や利益に合うように、起きた出来事を高度に選択し直したものだと述べている。

罪悪感5:本に線を引くことができない

読書の新常識5:無理に線を引かなくてもいい

脳科学者の池谷裕二さんは、著者『デキる大人の勉強脳の作り方』で、線を引くことや、ふせんを貼っただけで、わかった気持ちになる危険性を指摘している
<中略>
もちろん、本に線を引いてもいい。メリットもある。
線を引くことやメモを取ることによって、脳に「なじみ感」を残すことができる

罪悪感6:積読になっている本が大量にある

読書の新常識6:ときめきが復活するまで積読でいい

じつは、本はただ置いてあるだけで意味がある。
机や本棚に大量の本が置かれている状態でも、その背表紙やタイトルを見るたびに、ぼくたちの潜在意識には情報を伝えているのだ
たとえ、積読となってしまっても、パッと手に取るだけで、またその本を読みたい気持ちが復活してくる。
<中略>
案外、本は触れて開いてしまえば、ときめきが復活するものだ

罪悪感7:速く読みたいけど、速読はしたくない

読書の新常識7:指を使えば、速く読めて集中できる

昔ながらの「眼球式トレーニング」を用いた速読がある。
<中略>
ぼくは、自分のセミナーの中で、この10年ほど、研究、調査を行ったところ、指というガイドを置くことで眼球式速読と同じような効果が得られることを発見した
<中略>
加速学習の世界的エキスパート、ジム・クウィックは、著書『LIMITLESS 超加速学習』の中で、指を使って読むことで、速読ができると述べている。

この7つの新常識で読むことにより、手にする5つの力があると著者は言います。

  1. 情報の実を見極める力がつき、物事の骨組みが構造的にわかる
  2. 物事をく考えられる力が身に付く
  3. 自分をじられる力がつき、自己肯定感が高まる
  4. 著者と共することで、多様な「ものの見方」ができるようになる
  5. 自分自身を化、歩させ、新しいアイデアを生み出し、実行できる

どれも良い力ですね。自己肯定感が低いわたしも、この新常識で読めば少しは自己肯定感が高まることでしょう…!ということで、読書に対する罪悪感を払拭し、読書に対する見方を変えることができれば次へ進みましょう。

読書の効果をアップさせる方法

ここでは読書や学習を始めるにあたり、効果をアップさせる方法を4つご紹介。

1.水を一口含む

イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究者によれば、知的作業に集中する前に約0.5リットルの水を飲んだ人は、飲まなかった人と比べて、14%反応時間が速くなることを発見
<中略>
脳の80%は水でできており、水分不足の脳への影響は、ホルモンの不均衡につながる。そのため、わずかな水分不足が、私たちの知的パフォーマンスに大きく影響してしまうのだ。

2.ゆったりとした呼吸

呼吸は、丹田を意識して行う。
丹田は、おへそから指三つ下の位置にある。この丹田を意識して、息を口からほーっと吐き出し、すぅーっと鼻から息を吸う。息を吐き出して、吸うのを一サイクルに、これをゆっくりと分間10サイクル以下、四回から六回することで、脳波が変わり、意識力、集中力が高まる

3.太陽の光を感じる

じつは、太陽の光を浴びることで、私たちはビタミンD3を体内で生成することができる
ビタミンD3とは、免疫力を高めることでも知られている。さらに血中のビタミンDの濃度が高いと認知機能を正常にしてくれる。
また、アメリカのコロンビア大学遺伝発達学教授のジェラール・カーセンティは、骨から出るオステオカルシンという物質が記憶力アップに関係すると発見した。このオステオカルシンはビタミンD3を補給・生成したときにも分泌される。

4.部屋の温度を調節する

温度を適正にするだけで、学習が進む。
でも、適正な温度は、人それぞれ。女性は、男性より基礎代謝量が低い傾向にあるため、寒さを感じやすい。また季節や天候の影響があるため、正確な温度を明確にするのは難しい。
<中略>
経験則として、夏場の目安は24度、冬場は22度湿度は40%前後ここを目安に温度調整を行っている
そこから、温度を1度、2度下げると、冷静になり、事務処理能力、集中力が上がる。反対に、温度を1度、2度上げると、その場でのコミュニケーションが活発になってくる。

…ん?こんな方法が効果的なの?と思う方もいらっしゃるでしょう。なんでも、人間の脳の機能に影響を及ぼすんだそうです。

1967年、アメリカ国立精神保健研究所のポール・マクリーンが、ダーウィンの進化論を脳に適用し、「脳には三つの階層(三位一体脳)がある」と発表します。

脳は人間の進化に伴って、脳の一番内部にある脳幹や小脳・基底核を含む部分「爬虫類脳」、大脳基底核などの外側にある大脳辺緑系で間脳と合わせて呼ばれる「哺乳類脳」、さらに外側にあり大脳皮質の中でもっとも新しい「ヒト脳」の三層に分かれています。

ちなみに、「爬虫類脳」は平衡感覚や呼吸・消化・心臓の鼓動・血圧などの動物としての基本機能を、「哺乳類脳」は記憶や感情を、「ヒト脳」は思考を司っているそうです。

脳は、腸→爬虫類脳→哺乳類脳→ヒト脳という流れで活性化していく。

最近の研究で明らかになり別名:第二の脳と呼ばれている「腸」や「哺乳類脳」を満たす水や光・心理的安全性が重要となるため、先ほど紹介した4つの方法が効果的と言われているそうです。

まさかここでも腸が出てくるとは…!なにをするにも腸は大事。腸が乱れると体の不調や身体的不調が起こりますからね。体の不調については以前紹介した『腸がすべて』を、身体的不調については『ちょっと「敏感な人」が気持ちよく生きる本』で触れているので、知りたい方は見てみてください。

シン・読書術を無理なく実践する習慣

読書への罪悪感も前よりはなくなり、読書の効果をアップさせる方法もわかったけど、それでもわたし続かないんだよなー…という方もいるかと思います。

小さな習慣』の著者、スティーヴン・ガイズは「小さい形にすること、無理なくできる形にすることがとても大事だ」と述べています。
さらに、失敗しないように”または”を考えることが秘けつだと述べています。

著者もこの本に書かれている通り、習慣化が大切だと言います。
例えば、朝三分読書または一日三分間読書。”または”見開き一ページ読むといったもの。

ただ、習慣がある程度続いた後に途絶えてしまうケースも。

アメリカのベストセラー作家、人気ブロガーのジョン・エイカフの著書『FINISH! 必ず最後までやりきる人になる最強の方法』では途絶えたタイミングから、リスタートするタイミングを定めることが秘けつと述べています。

リスタートするタイミングさえ決めてしまえば、何度でもやり直すことができます。

まず無理なくできることを2つ決め、どちらかができる環境をつくることが大切。わたしは気分が乗ったときにしか本を読まないので、これを機に習慣化しようと思います。今日からお昼ごはんを食べた後”または”お風呂上がりに最低1ページ本を読むぞ…!

よい書店はいい本と出合わせてくれる

以上、『ものの見方が変わるシン・読書術』より、基本的な部分を紹介させていただきました。

本書では他に「本能と理性の磨き方」や「著者の問いを見つける三つのステップ」「読書を忘れなくするフィードバック法」「成功者は本を読んだ後、どう行動するのか?」など、応用的な部分も書かれています。
さらに、最後には日本トップレベルの読書家と言われている著者がおすすめする本275冊も。

応用編はわたしが紹介するより読む方が絶対身に付くので省略。本の紹介はすきな人はすきかもしれませんが、わたしは自分で探して読む方が性に合うのであまり興味をそそられませんでした。夫が持っている・読んでいる本が多く紹介されていたので、読む本が夫と似ている方にはオススメです◎

最後に、本との出合いは友人知人からの紹介、書店で偶然見つけるなど、さまざまです。

書店によって並べ方や扱う本のジャンルが異なるため、お店によって出合える本が変わってきます。

なので、著者は本を書店で購入すること、お気に入りの書店を作ることをオススメしています。
ピンときた本を手に取り三分間読んでみて、ビビッときたり、背筋がゾクッとする感覚があったり、自分を後押ししてくれる一文があれば、その本は買いだと言います。

わたしたち夫婦は最低でも月に一回、本との出合いを求めて本屋に足を運びます。お互いが本を勧めたり、自身で決めた本を選んだりして購入する本を決めます。この時間がたのしいんですよね〜ネットで本を買うこともありますが、やっぱり本屋さんがいい!

文章力や語彙力が上がったり、新しいことが学べる読書。あなたもシン・読書術を参考にして、本のある日常を自由にたのしみませんか?

わたしもこの記事をアップしたらまずは散歩がてら、新たな出合いを求めて本屋さんに行こうと思います。

ではまた。

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この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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