睡眠に関する全て|Sleep,Sleep,Sleep

睡眠に関する全て|Sleep,Sleep,Sleep 実用書
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こんにちは。夫です。
昨日は何時間寝ましたか?寝付きは良かったですか?今、十分頭は冴えていますか?

夫

ブログ記事を読むにせよ、本を読むにせよ、YouTubeを見るにせよ、時間をかけてインプットする以上、それに見合った成果が欲しいですよね。でも、あるとき読んだ本はあまり内容が入ってこなかった、理解が追いつかず途中まで読んで積読している…そんなことも珍しくありません。もしかしたらその理由は、「睡眠」にあるかもしれません。

今回紹介する本は「Sleep,Sleep,Sleep
説明するまでもありませんが、睡眠、眠りに関する本です。

睡眠が大切だということは十分わかっている。ショートスリーパーが憧れだったのは過去の話。いまや長く寝る人、よく寝る人のほうが評価される。

でも、、
眠れない。

でも、、
長く寝てると損をした気分になる。

僕もそうです。寝たほうが良いことはわかっていても、夜中まで本を読んだり動画を見たり、インプットを続けてしまいます。結果、次の日の仕事のクオリティは下がるし、インプットした事はほとんど頭に残っていない。
なのに、8時間も9時間も寝るくらいなら、本を読んだほうが良いんじゃないか、、そう考えてしまいます。

でも本書を読んで「なぜ寝ないといけないのか」が明確になりました。
睡眠を犠牲にするということがどういうことなのか、イメージできました。

夫

ちなみに、妻は僕よりかなり睡眠に課題がある(と思う)。ので、妻よ。この記事を読んだ後、本棚に置いておくから「Sleep,Sleep,Sleep」をサラッとで良いから読んでくれ…

本書の著者は科学者、睡眠研究者なので、まず睡眠とはなにかを科学的に分析。その後、睡眠の効果や睡眠不足の害、良質な睡眠のための方法などを紹介してくれています。

が、今回は難しい科学的な話は省いて、睡眠の効果と、良質な睡眠のための方法だけを紹介していこうと思います。
「なぜそうなの?」と思うところがいっぱいあると思いますが、それは本書を読んでください。本書の中では脳の仕組みやいろんな研究結果、ホルモンについてなど、細かな分析や理論も紹介されています。

夫

それでは早速。睡眠が持つ5つの効果を見ていきましょう。本書では8つ紹介されていますが、 5つにまとめました。睡眠って脳の休息では?いえいえ、すごい効果がたくさんあります。

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睡眠研究が解き明かした睡眠のすごい効果

正しい眠りが頭を良くする

睡眠が脳に与える影響は一番わかりやすいですね。というか、睡眠=脳というイメージがあります。
一夜漬けでテスト勉強するくらいなら、ちょこっと勉強して早く寝たほうがテストの点数が良い、そんな話を聞いたことがあります。

起きている間、脳はフルスピードで動いています。今僕は本を読んで、付箋に貼ったメモを見ながらこの記事を書いていますが、これは当然、かなり脳を使う作業です。でも、無意識でテレビを見ているときも、ボーッとTwitterのタイムラインを眺めているときも、脳は働き続けています。

実際、僕たちは日々の出来事の大半を忘れたつもりになりますが、脳は新しく入ってきた情報のすべてに反応して、新しい神経回路を生み出しています。
何も考えていなくても、脳が休んでいるわけではありません。

そして寝てるとき、ようやく脳は休むことができます。
一日中、意味のないものも合わせて大量の情報を受け取り、新しい神経回路を生み出した脳は、寝てる間にほとんどの神経回路を削除していきます。

逆に、これは必要だという情報は、寝てる間に神経回路が補強され、記憶されます。
寝てる間に出る「睡眠紡錘波」という脳波が、記憶の強化、つまり神経回路の強化を行います。

「睡眠紡錘波」はその名の通り寝ている間に出る脳波なので、寝ないとちゃんと記憶できない、ということです。

これが睡眠のすごい力の1つ目。ちゃんと寝れば、頭が良くなります。
逆に寝不足は記憶力を低下させ、飲酒状態と同じくらい判断能力がなくなり、衝動的になります。

夫

記憶の定着には睡眠が必要。当然のように聞こえますが、記憶の定着に必要な脳波が眠っている間にしか出ない、というのは驚きですね。睡眠不足で衝動的、感情的になってしまうことについては本書でいろいろな例が書かれています。

睡眠は記憶の定着だけでなく、アイデア、創造性にも繋がります。深い睡眠中、脳は記憶の強化を行い、睡眠は深さで何段階化のレベルに分かれますが、浅い睡眠中はもっとランダムな記憶の再生や組み合わせが行われています。

夫

一晩寝かせるともっといいアイデアが思いつく、ということは珍しくありませんが、それは脳波の研究からも証明されているようです。

睡眠がストレスを処理する

睡眠は感情にも作用します。寝る前にあれこれ考えが浮かんで寝付けなかった経験はありませんか?「同僚に言ったあの言葉、ちょっと言いすぎだったかな。もしかしたら嫌われたかも…ひょっとしたら上司に報告していて、明日呼び出しをくらうかも…」とか、そんな感じです。

ひとつの出来事からいろんなエピソードを生み出し、ドラマ化する。これは人間の脳の優れた能力ですが、ネガティブに働くことも珍しくありません。
睡眠中、情報が処理される過程で感情的な記憶からドラマティックな部分を削ぎ落とし、理性的な事実に絞り込むという作業が行われています。

ちなみにこれは起きている間にも影響します。どういうことかというと、寝不足で、感情的な記憶からドラマティックな部分を削ぎ落としていない状態だと、よけい感情的になってしまう、ということです。
実験では、徹夜明けで衝撃的な写真を見た人は、すぐに感情的に反応し、十分に睡眠をとっていた人は感情と切り離して理性的になることができたそうです。

睡眠を取り入れた治療によって、恐怖症を克服したという例もあります。

睡眠不足はありもしない心配事に悩まされ、しかもどんどんドラマティックに脚色していってしまいます。
ちょっとした出来事をネガティブに捉え、ありもしないストーリーを考えさらに不安になる。それは性格によるものだけでなく、睡眠不足から来ているのかもしれません。

認知症を予防する睡眠

寝ている間に、脳は起きている間に溜まった汚れ、脳老廃物を除去します。これも睡眠の重要な役割で、老廃物が貯まるといろいろな悪影響があります。

夫

ちなみに、そもそも眠気を感じる、という症状が、脳に老廃物が溜まっていることのシグナルだそうです。眠気を感じたらちゃんと寝る。あたりまえのことが大切ということですね。

脳の老廃物によって引き起こされていると言われているのが、認知症、アルツハイマー病です。

脳の老廃物がちゃんと除去されず、蓄積されることで脳細胞を傷つけるのです。

脳の老廃物は脳が活動する、エネルギーを消費することで生成されますが、その老廃物の中に「活性酸素」もあります。
健康系の本を読んでいる方であればご存知と思いますが、増えすぎると厄介な働きをして、あらゆる病気や老化の原因にもなる活性酸素。それが、脳の老廃物として放出されるのです。

当然、睡眠不足が続くと、この活性酸素も脳にたまり、それによって神経細胞が損傷し、認知症の原因になります。

さらに、睡眠不足の人の血液を検査したところ、血中に急性の外傷性脳損傷(頭を強打するなど)の場合に出る分子の濃度が上昇していることがわかったそうです。
つまり、寝不足は頭を強打するのと同じくらい、脳にとってはダメージがあるということです。

夫

ちなみに、脳の中で活性酸素の働きをコントロールしているのが「サーチェイン」と呼ばれるタンパク質。以前紹介した「LIFE SPAN」で長寿遺伝子、老化をコントロールする唯一の原因と言われた、あのサーチェインです。

体型は眠っている間に決まる

睡眠不足と肥満の関係性については聞いたことがあるかもしれません。睡眠時間が短いと、肥満になるリスクが高まります。
具体的には、1日の睡眠時間が7時間未満の人は、7~8時間の人に比べ、肥満リスクが50%も高くなります

これにはいろんな理由がありますが、まずそもそも人間はエネルギーを消費するより貯める傾向にあります。これはサバイバルでは役に立ちます。次、食べ物にありつけるのがいつかわからない時代では、無駄にエネルギーを消費する人より、ちゃんと貯め込める人のほうが生存率が高かったはずです。

そしてその傾向は夜遅くのほうが顕著。つまり、夜中の食事は、昼間の食事より、貯め込まれるのです。睡眠時間が短い人は夕食の時間も遅くなる傾向にあるため、同じ量食べていても太りやすいということですね。

さらに、睡眠不足ということは、脳が老廃物を処理できておらず、記憶の整理もおぼつかない状態ということです。そんなとき脳はできるだけ省エネにしようとします。ただでさえ老廃物が溜まって大変なのに、さらに大変なことは避けたいですよね。
つまり、寝不足の次の日は、普段より疲れやすく脳が勘違いさせてきます。これも睡眠不足が肥満につながる理由です。

さらに、睡眠不足は判断力にも影響を与えます。
研究では、睡眠不足の人は食欲のコントロールが難しく、十分な睡眠をとった人よりサイズの大きな食事やファストフードなど高カロリーな食事や甘いものを選択する傾向にあることも明らかになっています。
食欲も脳からでるホルモンが司るものですが、その脳が疲労していたら、食欲のコントロールもめちゃくちゃになってしまいます。

夫

睡眠と肥満の関係は知っていましたが、実際のメカニズムを知るとびっくりしますね。単なる傾向ではなく、ちゃんとロジックとして、睡眠不足が肥満に直結しています。ちなみに本書では逆の可能性、肥満が睡眠不足につながるということも科学的に紹介されています。

睡眠が免疫を強化し、がんや糖尿病を予防する

これも聞いたことがあるかもしれませんが、睡眠は免疫にも影響します。
ある研究では、6時間睡眠の人は7時間睡眠の人より、風邪にかかるリスクが4倍も高かった、という報告もあります。

人間の体は外部から入ってきた細菌やウイルスと戦うシステムがあり、これによって健康が保たれています。もしこのシステムがなければ、ちょっと指先を怪我しただけで、そこから入ってきた細菌によって命を落としてしまいます。

この免疫システムの効果は睡眠によって左右されます。脳にとって睡眠は必要不可欠。老廃物を代謝し、正しく働けるようエネルギーを貯めたり、整理したりします。でも睡眠不足でこれらが十分ではないとき、脳は他の作業の優先順位を落として、なんとか脳がちゃんと機能するようにがんばります。
つまり、睡眠不足で脳の中がパニックなのに、免疫システムのためにホルモンを出したりする余裕はない、というわけです。

夫

ちなみに、何かと話題のワクチン。ワクチンも免疫システムに働きかけて健康を守るものですが、ワクチン接種後に徹夜すると、抗体や免疫細胞がちゃんと生成されない、という例もあるそうです。三密を避けて手洗いうがいマスク、と言われていますが、睡眠を追加しないといけないですね。そもそも睡眠をしっかりとって免疫力を高めておいたらウイルス感染も防げます。

そして、体の中をパトロールし、異常がないかチェックもしガン化しそうな細胞を見つけると破壊してくれる「ナチュラルキラー細胞」も、主に睡眠中に働きます。

ちなみにナチュラルキラー細胞は通称NK細胞で、「はたらく細胞」ではこういうかっこいいお姉さんです。

ナチュラルキラー細胞|はたらく細胞

ナチュラルキラー細胞|はたらく細胞

アニメ「はたらく細胞Ⅱ」の第7、8話はこのナチュラルキラー細胞が主人公なのですが、タイトルは「がん細胞」

夫

「はたらく細胞」のアニメは見ているのですが、原作の漫画は読んでいません。めちゃくちゃ勉強になるので、いつかIntro Booksでも紹介したいと思います。

ナチュラルキラー細胞は睡眠中に活発化するので、睡眠不足にガンリスクを高めてしまいます。
メラトニンというホルモンもガン予防に関わっているとされていますが、これも寝てる間に分泌されるもの。

本書ではさらに、糖尿病と睡眠や、心臓への負担と睡眠など、他の病気と睡眠の関係についても書かれています。

夫

こうして整理すると、睡眠が大切だという認識がいかに甘いか実感させられました。睡眠は大切どころか、睡眠が全てです。僕が今日、この記事を書けているのは、昨日の睡眠のおかげ。もしこの記事が面白くなければ、それも睡眠に原因があるかもしれません(ちなみに昨日は結構深酒してしまいました…)。

より良い睡眠のヒント

ここまで睡眠の効果についていろいろ見てきましたが、ここからはそんな大切な睡眠を、どうやったらベストな形で取れるのかを見ていきたいと思います。

本書ではものすごくたくさんのことが書かれているので、僕は僕が理解できたこと、納得できたことを中心にぎゅっとまとめました。
まとめる過程でもしかしたら間違うかもしれませんし、もっと良い方法を見落としてしまうかもしれません。なので、もし本気で睡眠の質を高めていこう!と思ったらぜひ本書や、他の睡眠の本を読んでみてください。

想像以上に「光」に影響される

本書では2~4章で質の高い睡眠について書かれていて、全部で35の項目があります。そしてそのうち10項目くらいが光について書かれています。僕らは思っている以上に、光に影響されているようです。

人間は光によって体内時計が調整されます。夜、ベッドに入ってからスマホをいじるなど論外。眠りにとっては最悪です。電子書籍と紙の本でその後の睡眠の質が違うなど、そうしたデータも数多く紹介されています。

本書にはいろいろなメカニズムや条件(光を浴びる時間や光の種類まで)が書かれていますが、シンプルにまとめるとこういうことです。

  • 寝るときは部屋を暗くする
  • 寝る前に明るい光を見ない
  • 朝起きたら太陽を浴びる

もう当たり前のこと過ぎてなんの発見もありませんが、そういうことです。当たり前だけどできていませんよね。特に2つ目。寝る前に明るい光を見ない。つまり、スマホを見るなということですが、全然できていません。
ただもう当たり前すぎると感じるくらい色んな人が言っているので、おそらく真実なんでしょう。おとなしく従ったほうが良さそうです。

夫

ベッドではスマホを見ない。見るにしても、画面のモードを切り替えて、強い光にならないように調整するというのが大切ですね。

体温を下げる

続いては寝るときの体温です。体温なんてコントロールできないと思うかもしれませんが、実は簡単にできます。

体温の低下は体内時計に眠りの準備を始める合図になります。一日の中で最も体温が下がるのは明け方の3~5時頃で、起きる直前に体温が上昇します。この一連の流れが睡眠には必要。

体温をコントロールするには、まず温かいお風呂に入ります。お風呂に入ると、血管が広がり、体温の放出が活発になる、つまり体温が下がりやすくなります。それから寝室は少し涼しいくらいをキープ。夏は冷房を付け、冬の暖房は控えめに。

それから、酸素がちゃんと循環するようにしておく。冷暖房は適切に使ったほうが良いですが、空気が循環する程度には窓を開けておいたほうが良いようです。

夫

体温を下げると睡眠の質が上がるからといって、キンキンに冷えたジュースを寝る前にがぶ飲みしちゃだめですよ。

食事は19時までに済ませる

朝は皇帝のように。昼は王子のように。夜は貧者のように食べよ」という言葉がヨーロッパにはあるそうですが、これは科学的にも確かだそうです。
朝起きて光を浴びた瞬間、体内時計がリセットされ一日が始まりますが、脳だけでなく腸も朝活発に動き始めます。一方、夜は腸もおやすみモードに入ろうとしています。
結果、朝はしっかり食べて、夜は少しにしておく。それもできるだけ早く、19時までに食べ終わるようにしておいたほうが、腸にとっては良いようです。

夫

これは今の社会で生活する僕らには難しいですね。19時はだいたいまだ仕事中で、夕食は20時以降になることが多い。意識的にできることとしては、朝しっかり食べて、夜は何も食べないか、できるだけ減らすことですね。

コーヒーは朝の1杯だけにする

睡眠を話題にするなら避けて通れないのがコーヒー、というかカフェインです。エナジードリンクに大量に入っているあれですね。興奮作用があり頭が冴える。僕はエナジードリンクはほとんど飲みませんが、1日2回以上コーヒーを飲むカフェイン中毒者です。

それが睡眠にどう影響するのか。

カフェインは体内時計をずらします。実験ではカフェイン錠剤を飲んだ人のメラトニン分泌時間が40分程度遅れたことが確認されました。つまり、眠りにくくなる、眠っても眠りが浅くなるということです。
ちなみに、寝る前に日中の太陽に匹敵する光を3時間たっぷり浴びると、メラトニンの分泌時間は85分遅れたそう。

ただしカフェインがいつも悪者というわけではありません。
朝に飲む1杯のコーヒーは肝臓のリズムを整え、代謝が良くなります。

夫

僕は朝に1杯、お昼ご飯の後に1杯飲みます。本書では午後の遅い時間のカフェインはよくないと書かれているので、ギリギリセーフ…?逆に夜飲んだほうがいいのは牛乳だそうです。僕も寝付き悪いなというときはよくホットミルクを飲みます。

Sleep,Sleep,Sleep

今回は健康の基礎、睡眠について書かれた「Sleep,Sleep,Sleep」の内容をざっくりと紹介しました。
前半は睡眠が持つすごい効果、後半は質の良い睡眠のポイントを簡単に見ていきましたが、本書では他にも、寝る前に使うスマホなどのディスプレイ設定や、寝具、夜食べて良いものなども紹介されています。

筆者は睡眠の研究者なので、それぞれにちゃんと科学的な根拠、メカニズムや実験結果があわせて教えてくれるので、どれも納得できるものばかり。

ただ、本書でいちばん大切なメッセージはたった一つ。

毎晩無料でものすごい効果が得られる睡眠は、24時間労働である。

これだと思います。夜寝る前にこうをすればいいとか、枕を変えたら良いとか、そういう話じゃないんです。朝起きた瞬間、太陽を浴びるかどうか、日中どんな脳の使い方、食事をするか、体内時計が狂ういろんな行動をとっているかどうか、そうしたことの全て、言ってしまえば日中の行動全てが睡眠に影響します。

夫

睡眠は24時間労働。本書を読めばその理由がすごくわかりました。この記事を書いている現在、もうそろそろ寝る時間です。公開し終わったらホットミルクを飲んで、冷房をかけて涼しくして寝たいと思います。それから明日の朝、起きたら太陽ですね。起きた瞬間から次の睡眠に向けて、簡単に意識できることから実践していこうと思います。

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