この間、本屋さんに行くと、見覚えのある漫画の続編が置いてありました。
その漫画とは2012年4月より2014年12月まで連載されていた『喰う寝るふたり 住むふたり』の続編、『喰う寝るふたり 住むふたり 続』。
前作はわたしが今も所有しているだいすきな漫画のひとつで、思わず大興奮。
購入した後すぐさま家に帰り、懐かしさに浸りながら読みました。
そして続編を読むと、読みたくなる前作。
というわけで、今回は前作『喰う寝るふたり 住むふたり』について、書いていきたいと思います。
『喰う寝るふたり 住むふたり』は全5巻。2014年にNHK BSプレミアムでテレビドラマ化され、今年8月より新装版が発売されました。単行本の累計発行部数は2021年10月現在150万部を超えている漫画になります。
著者は日暮キノコ(ひぐらしきのこ)さん。
日暮キノコさんはこの続編を連載する前まで、身体ごと性別が変わってしまう”異性化”をテーマとした『個人差あります』という漫画を描いていました。
余談ですが、『個人差あります』は日暮キノコさんが元々『らんま1/2』の水をかぶると女になってしまう特異体質が出てくる漫画がすきだったということがあり、連載作品として挑戦した作品だそうです。漫画アプリ:マガポケで読めるので、興味がある方はぜひ…!
『喰う寝るふたり 住むふたり』の魅力は、男女のすれ違いが発生する原因がわかるところ。
同じ出来事だったとしても、男性と女性では見ている部分が異なるためすれ違いが起こってしまうという点がうまく描かれている作品です。
男女の違いについては過去に『新装版 話を聞かない男、地図が読めない女』や『「最初の男」になりたがる男、「最後の女」になりたがる女 夜の世界で学ぶ男と女の新・心理大全』でも紹介しましたが、文章だけでなく表情も描かれている漫画だとよりリアルでわかりやすいです…!
あらすじ
あなたは『喰う寝るふたり 住むふたり』というタイトルを見て、どんなストーリーを想像しますか?
わたしは最初、1巻の表紙で納豆やプリンが描かれていたこともあり、食べものの話がテーマなのかな?と思っていました。
メインはタイトルに2度出てくる”ふたり”という部分になります。
町田りつ子(リツコ)と野々山修一(のんちゃん)は交際10年、同棲生活8年目。
恋人以上、夫婦未満の三十路直前カップル。
そんなふたりに起こるちょっとした日常を男女両方の視点から描いたザッピングストーリー。引用:喰う寝るふたり 住むふたり 1巻 裏表紙
同棲カップル:リツコとのんちゃん2人の日常が描かれています。
と、ここまでは漫画にありがちな展開ですが、本漫画では夜の生活・食事・旅行など、ある一つのテーマについて描かれており、そのテーマごとにリツコ編とのんちゃん編、2つの視点が描かれています。
読み進めていくと、交際10年で結婚していない理由やふたりが付き合ったキッカケなども明らかに。
そしてある日、仕事環境に大きな変化が生まれます。
リツコとのんちゃんは最後にどうなるのか……知りたい方はぜひ読んでみてください。
感想
交際10年のリツコとのんちゃん。長年連れ添っていると、お互いわかるだろうと思い込んでしまい、些細なことからずれが生じます。
この漫画では、どんなに仲が良くてもすれ違いは起こってしまうものなので、なんでわかってくれないのと相手を責めるのではなく、視点を変えることが大事だと教えてくれます。
ちょっとした日常が描かれているということもあり、ハラハラドキドキする漫画ではありませんが、男女両方の視点から描かれているため、性別問わずたのしめて読める漫画なのではと思います。
最後に、『喰う寝るふたり 住むふたり』でわたしがすきな話を一つ紹介して終わりたいと思います。お酒に関する話です。
のんちゃんは会社の飲み会はワイワイ、家飲みはダラダラとTPOに合わせてたのしむスタイル。
飲みのスタイルが異なるため、ふたりで一緒にお酒を飲む機会はありません。
・リツコ編
リツコはある日、家であたりめ片手にビールをダラダラ飲むのんちゃんを見て、日曜日のお父さんみたいでなんか嫌だとイライラし、「350ml2本買うなら500ml1本にしたら?節約しなよ」と言います。そして後に言いすぎたと自己嫌悪に陥ります。
翌日、リツコは家飲みは片付けが面倒といったなんでも効率的に思考ではなく、付き合いたてのなんでもムダに楽しむあのテンションも大事だよなと思いながら帰ると、のんちゃんと同じタイミングで家に着きます。
リツコはのんちゃんの持っている買い物袋から透けて見えるロング缶1本を見て、付き合いたてのあのテンションを出そうと「今日ちょっと飲み行こっか?」と提案します。
「…でも車……」と言われてしまいますが、「たまにはタクシー乗っちゃおうよ!」と返します。
こうしてふたりで飲みに行くことに。
ふたり飲みを通じ、長年連れ添っていても新たな発見や新しい楽しみ方がまだまだあるんだなと実感したリツコでした。
・のんちゃん編
のんちゃんはある日、家飲み用のおつまみとお酒をコンビニでセレクト。リツコが「私も飲みたーい」と言った時のことを考え、お酒は350ml缶2本を選びます。
家に帰り、好きなバラエティ番組に囲まれながら家飲みを楽しんでいると、リツコが帰ってきます。
さりげなく一緒に飲もうと「リツコも一緒にカンパーイ!!」と缶を渡して誘いますが、缶はゴミ箱に捨てられます。既にのんちゃんが2本とも飲んでいたのです。
ショックを受けていると「350ml2本買うなら500ml1本にしたら?節約しなよ」と言われます。一緒に飲みたいから350ml缶2本買ってきていることが伝わらず、さらにショックを受けるのんちゃん。
まあ自分で2本飲んでしまっているので伝わらないのも仕方がない、別に酒を飲むだけがリツコとの交流じゃないんだし…と翌日はリツコに言われた通り、500ml1本とおつまみのみ買って帰ります。
リツコと同じタイミングで家に着き、家に入ろうとするとリツコから突然「今日ちょっと飲み行こっか?」と誘われます。
普段ふたりでどこかへ行く時はのんちゃんの車で行くことが多かったため、「…でも車……」と返すのんちゃん。すると笑顔で「たまにはタクシー乗っちゃおうよ!」と言うリツコ。
こうしてふたりで飲みに行くことに。
夢だったふたり飲みが実現したことで思わず「幸せだな…」と声を漏らすのんちゃんでした。
リツコ視点とのんちゃん視点で描かれているため、リツコの思いもわかるし、のんちゃんの思いもわかる…!このずれが最終的にまとまるのが良いんですよね…!
このような形で男女のすれ違いが起こる原因が見えてくるのが本漫画。
リツコとのんちゃんのように同棲しているカップルも、そうでないカップルも、長年連れ添っている夫婦も、独り身ですがなにか?という方も、誰が読んでも共感する部分が一つはあるのではと思います。
相手が急に不機嫌になった際、本漫画が解決方法を導いてくれるかも…!?
ではまた。
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インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
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