コロナ禍の今だから学びたい「おつきあいのマナーとコツ」Part1

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新型コロナウイルスの影響により、人付き合いに悩む人が増えています。

例えば職場。今までは対面で少し話せば確認できていたようなことが、テレワークの導入によりメールやLINEなど文字のやり取りが主流に。文字上では時間がかかる点や細かなニュアンスが伝わりづらく、伝える側と受け取る側で食い違いが起こったりする点に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

わたしの職場もテレワークが導入されました。わたし自身は職場が徒歩圏内ということもあり出社していますが、テレワークの人とのやり取りが本当に難しい…

そしてプライベート。今までは友人・知人とショッピングに行ったり、仕事終わりに仕事仲間と飲みに行くなど、対面での交流の場が多くありましたが、外出自粛により会うことが困難に。家にいる時間が長くなることで不安やストレスが溜まり、家族との関係にヒビが入ってしまうケースもあります。

普段は仕事や学校で家にいなかった家族が集まることにより、口論が増え、暴言や暴力に発展するケースも。コロナ離婚という言葉も生まれましたよね。ウイルスより人間が怖い…

しかしデメリットばかりではなく、職場では苦手な人と顔を合わさなくていいという面や通勤時の人混みを避けれたり通勤時間がない面がメリットでもありますし、プライベートでは誘われたら渋々行っていた飲み会の誘いが減って安心している人や子どもと接する機会が増えたことに喜びを感じている人もいます。

そんなコロナ禍の今だからこそ、改めて人とのおつきあいについて考えてみてもいいかもしれません。今日は『暮らしの絵本 おつきあいのマナーとコツ』という本で学びたいと思います。

この本は2007年に発売され、わたしは20代前半に購入しました。今回ご紹介する本以外にも、くらしの絵本シリーズとして『話し方のマナーとコツ』や『お仕事のマナーとコツ』などがあります。

この本の著者は監修:石原壮一郎(いしはらそういちろう)さん、絵:伊藤美紀(いとうみき)さん。

石原壮一郎さんはコラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に「大人養成講座」でデビュー。以来、大人モノの元祖&本家として、大人のあるべき姿を深く広く追求し続けています。大人ブームの火付け役となった『大人力検定』はニンテンドーDS版のゲームソフト『大人力検定』にもなりました。

伊藤美紀さんはイラストレーター。ふいに思い立って2001年よりフリーのイラストレーターとして活動開始。『「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』など、多くの書籍・雑誌・広告のイラストを描いています。さらに自身で『全国ステキな古都さんぽ 郷土ごはん&ご当地みやげ』などの本も手がけています。

監修している石原壮一郎さんはこの本のはじめにこう言っています。

「おつきあい」という言葉に、どういうイメージを抱いていますか?
わずらわしい、ややこしい、面倒くさい、苦しい、怖い……。
もし、そういったマイナスのイメージだとしたら、
それは、残念で、もったいないことです。
人生において、嬉しさや楽しさやあたたかさといった、
いろんな種類の幸せをもたらしてくれるものは何か。
それは自分以外の誰かとの「おつきあい」にほかなりません。
「おつきあい」と上手におつきあいすることが、
人生を充実させる必須条件と言ってもいいでしょう。

「おつきあい」には絶対的な正解がなく、難しい部分もありますが、相手や状況に応じて自分で正解を見つけていくことで「おつきあい」の醍醐味を堪能でき、人生を充実させることができるのだそう。コロナ禍により現在、おつきあいは減りつつあります。コミュニケーション不足が課題となっている今、特定の人とだけの繋がりよりは様々な人とおつきあいがある方が心が豊かになるしきっと幸せなはず。

ということで今回はこの記事を通じ、大人のおつきあい力に磨きをかけていきましょう。しばしのおつきあい、よろしくお願いします。

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本の概要

この本は、おつきあい町のアルプスマンションに引っ越してきた4人家族の大月一家を中心に、マンションの住民や子どもが通う小学校・幼稚園、スーパーや夫の家族など様々な人とのおつきあいをイラストでわかりやすく紹介されています。

細かな登場人物の紹介は省略しますが、この関係性を知った上で見るとまた面白い一冊です。イラストもかわいいし、手書き文字も読みやすい。もうぜひ手に取って見てほしい。

引っ越してきたときのあいさつ編

皆さん、引っ越しされた際にあいさつはしていますか?

この本によると、ひとり暮らしや賃貸の場合、お互いがより強くプライバシー空間を守りたいと思っていることが少なくないため、顔を合わせたらあいさつを交わす程度のケースも多いようです。

確かに女性のひとり暮らしの場合、むやみにあいさつへ行くと一人で暮らしていることが分かり、却って危険になるケースがありますもんね…わたしも初めてひとり暮らしするとき、不動産屋さんにあいさつまわりはしない方がいいですよとアドバイスされました。

ただし、あいさつをするかしないかを迷うくらいなら、あいさつしておきましょうとのこと。ということで、重要な部分を箇条書きで紹介します。

転居のあいさつは、引っ越し当日に。

家族揃ってあいさつするのがベストですが、一人であいさつに行くときは、家族構成を伝えます。

共働きで昼間留守にすることが多い、夫の仕事が不規則で深夜に帰宅することが少なくない、子供がピアノを習っている(ピアノの音)など、伝えたほうがよい情報はしっかりと。

一戸建ての場合は、向こう三軒両隣りへ。

マンションの場合は、両隣りと上下の住人にあいさつを。

引っ越しといえばおそば。そばには「細く長くおつきあいください」と「あなたのおそばにやってまいりました」という意味があります。といっても生麺ではかえって迷惑。いかにもおいしそうな乾麺がいいかも。ほかにはタオル、お菓子が当たり障りなくポピュラー。500円程度のもので十分です。

のしには「ご挨拶」
先方が留守の場合は「あらためてうかがいます」というメモのみを郵便受けに入れておきましょう。手土産まで投げ込むのは失礼です。

賃貸の場合、大家さんが近くにいるなら必ず挨拶を。手土産は千円程度に。

引っ越してきたときのあいさつはお互いの不安を取り除くことがいちばんの目的
騒音などで隣人トラブルに巻き込まれないよう、予防線を張っておきましょう。

いつ何が起こるかわからない時代なので、引っ越しとは関係なく、今だからこそご近所付き合いを深めた方がいいかもしれませんね。今のおうちに長年住んでいるのであれば、今さらあいさつに行くのもおかしな話なので、出会ったときにあいさつをして顔見知り程度の関係を作ってもいいかもしれません。
遠くの親戚より近くの他人ということわざもありますし、ぜひ参考にしたい部分です。

日常のあいさつ編

日常と付くだけあり、当たり前のあいさつです。職場では「おはようございます」「お疲れさまです」「お先に失礼します」など、日常ではおはようございますに加え「こんにちは」「こんばんは」「おやすみなさい」などをよく使うかと思いますが、ここで一つあなたに質問です。

あなたは12階建てのマンションの10階に住んでいます。出かけるとき、いつも通りエレベーターへ乗ると7階に止まり、住民と乗り合わせました。このとき、あなたはあいさつをしますか?

わたしはよっぽど疲れているときや荷物が多いとき以外はエレベーターを使わず階段で上り下りしているため、そもそも乗り合わせることがあまりありません。すれ違ったときや乗り合わせたときはお辞儀で済ませてしまいます…

「こんにちは」などの一言によって、なんとなく居心地の悪い空間になごみの風が吹きます

わたしが住んでいるマンションにも自分の階で降りようとしたらわたしより上の階に住む住民の方に「おやすみなさい」と言ってもらえたことがあります。ほっこりしました。またこの方と乗り合わせたらいいな〜と思っているんですが、出会うことがなくなってしまいました…引っ越したのかな…?それともわたしがあまり乗らないから会わないだけ…?

そして「おはよう」「こんにちは」の後にお天気の話題を続けるとさらになごやかに。ここでは天気や季節で万能な話題をご紹介。

  • 晴れの日
    例)絶好の洗濯日和ですね
  • 曇りの日
    例)かえってすごしやすいですね(夏に)
  • 雨の日
    例)草木には嬉しいでしょうね(梅雨どき)

  • 例)すっかり春めいてきましたね

  • 例)日が長くなりましたね(夏至に近づいた頃)

  • 例)朝晩は冷え込みますね(秋が深まった頃)

  • 例)日が短くなりましたね(冬至に近づいた頃)

日本語には天気や季節ごとに美しい表現が揃っています。”ちょっと美しい日本語”で調べると、雨に関係する言葉や季節に関する言葉など、たくさん出てきました。

天気や季節とは少し外れますが美しい表現の一つに、水の表面のことを”すいめん”と言いますが、”みなも”とも言われています。

川の流れを見て「水面(みなも)がキラキラしていて綺麗だね」って一度でいいから言ってみたい。

勧める・紹介する編

ひとつ間違えれば押し付けになってしまう行為。書評・レビューブログを書いている身としては覚えておかなければならない項目です。今日はこの項目から物を勧めるにピックアップ。

物を勧める

  • 理由を伝える
    「すごくいい」というだけでなく、なぜオススメなのか、具体的な理由を言うこと。
  • 相手を選ぶ
    自分にとって有意義な情報が、必ずしも相手にとってもありがたい情報だと思い込まないように。
  • 勧める行為にはブレーキを
    「駅前にパスタのおいしいお店ができたわよ」ここでブレーキ。この後に「オーナーが知り合いだから紹介しましょうか」とまでは言わないで。

わたしがこの3点を活かしてIntro Booksを勧めるとしたらこんな感じです。

コロナ禍でおうち時間が増えたため趣味を探している友人に(相手を選ぶ)
本や漫画を読むと自分の知らなかったことが知れてたのしいし勉強になるよ〜
例えばわたしはお金について全く知識がなかったけど、本を読むようになってから家計簿を付けたり、通信費や保険といった固定支出を見直して、支出が多い生活から毎月貯金ができる生活に変わったよ〜(理由を伝える)
もしよかったら夫とIntro Booksっていう書評・レビューサイトを運営しているので、そこから気になった本があったら読んでみてもいいかも〜(勧める行為にはブレーキを)

そう言えば、夫が『他人とうまくやっていく』の本について書いたとき、Intro Booksを多くの人に読んでもらいたいという目的でスピーチする場合のことを考えていました。理由を伝え、相手を選び、勧める行為にはブレーキを…今考えるとこの3つが活かされた文章構成だったなあ…

お願いする編

職場や家など日常生活でお願いしにくいことをお願いしなければならないときがあるかと思います。そんなとき、大切なのはクッションとなる言葉。キレイな跳躍(段取り)は安定した着地につながります。

お願いの3段跳び

  • ホップ:心の準備
    └心の準備をさせる
    例)お力をお借りしたいことがあるんですか
  • ステップ:相手をちょっといい気持ちに
    └あなただから頼みたい、という姿勢を示す
    例)こんなこと頼めるのは○○さんしかいないんです
  • ジャンプ:お願い上手はことわられ上手
    └直前や今回といった言葉を強調し、ことわる側の気を楽に
    例)こんな直前になってからお願いしても難しいとは思うんですが

たいした手間は取らせませんと言っておきながら大変なことを頼む結果になるよりも、先に大袈裟気味に言っておくのがコツなんだそう。「あの程度のことで役に立ててよかった」と思ってもらえれば、おつきあいの円滑さが増します。結果ばかりを求めるのではなく、相手のことを考えて逃げ道を提供してあげることが大切です。

身近なおつきあいこそマナーを

今回はここまで。実はまだ本に書いてある3分の1のマナーとコツしか紹介できていません。まだまだこの本にはたくさんのマナーとコツが書かれているので、また紹介したいと思います。

勧める・紹介する編では自分にとって良い情報が相手にとってもそうであるとは限らないという点、お願いする編では相手のことを考えて逃げ道を提示することがコツだと書かれていました。

人はみな自分と違っていて当たり前、その違いを受け入れることこそがおつきあいのマナーとコツなのではとわたしは思いました。

人とのおつきあいが難しい状況ではありますが、こんなときだからこそマナーを身に付け、人とのおつきあいをたのしみましょう!

ではまた。

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この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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