もう振り回されない|他人の言葉をスルーする技術

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こんにちは。妻です。

今日は、他人から言われたあの言葉がいつまでも頭から離れず、気づいたらそのことばかり考えてしまう…というお悩みを持つ方に、ぜひ読んでいただきたい『プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術』という本を紹介します。

わたしもあのとき言われたあの言葉が頭から離れない…ということが多くあります。言われたその場ではあまり考えずスルーしますが、お風呂に入っているときや寝る前などに思い出し、考え込んでしまいます…

著者はトラウマや愛着障害などのケアを専門とする心理カウンセラーのみきいちたろうさん。

みきさんはカウンセラーとして日々臨床に携わっています。その中で多く聞く悩みが対人関係に関する内容。
この悩みは、他人の言葉をうまくスルーできない”言葉に振り回されてしまっている人”が抱えています。さらに近年ではリモートワークが普及したことによって、より言葉に振り回されるケースが増えているそうです。

本書では、

  • 話を聞くことは本当に大切なのか?
  • 私たちが振り回されなければならないほどの価値が言葉にはあるのか?

ということを様々な角度から見ていった後、実際に言葉に振り回されないためにはどうすれば良いかを教えてくれます。

ズバリ他人の言葉に振り回されない方法はこちら!という内容だけではなく、言葉に関する具体的なエピソードや実際にあった出来事などが書かれています。今回紹介する内容はほんの一部なので、もっと知りたい・興味があると思った方はぜひ手に取ってみてください…!

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他人の言葉に振り回されやすい人の特徴

そもそも、他人の言葉に振り回されやすい人はどんな人なのでしょうか?

著者のみきさんは、特徴としていくつかの共通点があると感じている、と言います。

例えば、

  • 言葉には真摯に耳を傾けなければ、と考えている。一言一句受け取ろうとしてしまう。
  • 言葉をスルーすると自分の評価が下がる、他人から見放されてしまうという過度の恐れを持っている。
  • 他人が怒っていないか、気分を害していないかが気になってしまう。
  • 真面目な人、誠実な人。
  • いい人でいたいがために、ノーガード状態。失礼なことを言われても反論したり、怒ったりしない。
  • 言葉は大切で、どんな言葉にも意味があると考えている。
  • なにかあるとすぐに自分が悪いと思ってしまう。
  • 他人から指摘を受けたら、それをもとに反省し、自分を改善、向上させなければいけないと考えている。
  • いい加減に言葉を扱うことができない。

などなど。

これらを見ると、他人の言葉の価値を高く、自分を低く捉えている傾向にあることがわかります。みきさんはその傾向について、他人の言葉の下僕のような状態になっていると言ってもよいかもしれません、と言います。

「他人の言葉の下僕」であれば、言葉に振り回されてしまうのも当然ですね…

言葉に振り回されないようにするには、このでき上がっている関係性を変える必要があります。

「人の話を聞くことは大切」という前提を疑う

先ほど、言葉に振り回されないようにするには他人の言葉の下僕という関係性を変えなければならないと書きました。
しかし、既にでき上がっている関係性を変えるのは一筋縄ではいきません。

「人の話はよく聞け」「人の話に耳を傾けろ」「言葉は大切に扱うものだ」
わたしたちはこれらのことを幼少期から言われてきました。さらに、小学生の国語の時間などで言葉の素晴らしさについて学び、「人の話を聞くことは大切だ」と植え付けられてきました。

他人の言葉をスルーするためにはまず、この前提から捉え直す必要があります

本当はたいした価値がない「言葉」

日常生活で言葉によって振り回されるケースは、極端な例になりますがDVやいじめに近しい部分があります。

DVやいじめは暴力だけでなく、言葉(暴言)が伴います。

加害者は、近所や学校・職場ではそんなことをする人には見えず、家というプライベートな空間に入ると人が変わり豹変してしまう・被害者と2人きりになると人が変わったかのようにひどい発言や嫌がらせをするという、外と内でのギャップがあります。

被害者は、このギャップによって「外では評価が良いということは自分によほど問題があるに違いない」と考えて、振り回されてしまいます。

DVやいじめとまでいかなくても、身近な人の態度が突然変わったり、友だちが急に無視するようになったり、急に自分の悪口を言うようになって疎遠になったりということを経験したことがある方もいるのではないでしょうか?
人はなぜか突然、理不尽なことをしたり言ったりとおかしな状態になります。

著者のみきさんは、なぜこのようなことが起こってしまうのか、臨床をしながら人間の心理のしくみの構造を探究することである一つの仮説にたどり着きます。

それは、人間はプライベートな空間ではおかしくなりやすいというもの。言い換えると、公私が曖昧になると、人間は不安定になりやすい生き物だということでした。

人間は成長する中で、教育を受け、教養を身につけ、仕事など社会の中で位置と役割を得ることで「社会的(公的)な人格」として自らを作り上げています。
ところが、失業したり、周囲からの期待が得られなかったりといった状態になると、不安になります。
不安が生まれると、他人に因縁をつけることで自分を満たそうとします。相手に絡む際に用いられるのはもちろん「言葉」です。

これらによって受けた言葉を、全て真正面に受け止める必要はありません。

発言者が「正しいことを言っている」と思っているから、他人の言葉一つに振り回されてしまうんですね…もし言葉をそのまま受け取るのであれば、その発言は本当に正しいのか吟味する必要があります…

3つのスルースキル

ここまでで、今まで頭の中にあった「人の話を聞くことの大切さ」や「言葉の大切さ」の前提が揺さぶられました。
前提に疑問を持った状態であれば、日常でスルースキルを実践することができます。

ここではスルーする技術について、厳選して3点解説します。

1.他人の言葉はすべて戯言として接する

わたしたち人間はちょっとしたことでおかしくなってしまいます。嫉妬や因縁などで発せられる言葉は信頼性が低いです。

コロナ禍の初期の頃にアビガンなど、別の病気の薬が新型コロナウイルスへの治療薬として注目されたことがありました。
専門家である医師が「効果がありそう」と声を出し、実際に検証をしてみましたが、効果は見られませんでした。

数人が「効きそうだ」と言っていても、莫大な資金をかけて何千人・何万人のデータで検証、何段階にも分けてテストし、薬が本当に効くかという事実を確定させています。

この検証のプロセスを見ると、わたしたちが日常で接する言葉や事実がいかに信頼性の低い怪しいものであるかがわかります。日常生活で飛んでくる数人の言葉など、科学から見たら事実として取り上げるにまったく値しません。

もしあなたが他人の言葉に振り回されそうになったら、「わずか1人、2人の治験しかしていない薬(言葉)を飲めるだろうか?」と自分に問いかけてみてください。
あるいは、頭の中で「エビデンスを示してください」と相手の言葉を検査することをイメージします。当然、ほぼすべての言葉は証拠不十分で却下となります。他人の言葉から距離を置き、スルーしやすくなります。

2.他人の機嫌をうかがったり、頭の中を覗き込まない

他人の頭の中というのは、様々な価値観や感情などドロドロとしたものが集まったような状態です。それを本音だと思って耳を傾けようとすると、理不尽な言いがかりが飛んでくることになります。

他人の機嫌も同様です。機嫌というのはその人のもので、多くの場合はあなたとは関係のないところでアップダウンをしています。「もしかしたら私のせいかも?」と考えて下手に機嫌をうかがうと「あんたのせいよ」と本当は責任がないのに因縁を向けられてしまうこともあります。

あくまで、外側に出ている言動だけを相手にしましょう。あなたに関わりのないことには気を向けないことです。
他人の機嫌や考えが気になったら、「相手の頭の中を覗き込んでいないか?」とチェックしてみてください。だんだん、振り回されにくくなってきます。

3.相手に寄り添わない、共感しない

いつからか、しっかりと言葉を受け止めて、相手の痛みがわかること・理解できることが良いことだと言われるようになりました。
そのため、他人の言葉に振り回されてしまう人の中には「共感しなければならない」と考えるあまり、言葉をスルーできなくなるということが少なくありません。

しかし、この共感の持つ本来の意味はまったく異なります。

例えば、溺れている人を救援する人は一緒に溺れますか?一緒の苦しみを味われても困りますよね。
助けてくれる人が冷静な態度で状況を把握してくれていると、それだけで安心安全を感じて落ち着きます。そのうえで「大変でしたね」と気遣いをしてくれる。近すぎず遠すぎず、これが本来の共感です。

言葉に振り回されてしまう人が行っている気遣いは共感ではありません。「巻き込まれ」です。あなたが他人の言葉に振り回されそうになったら、間違った共感をしていないか、巻き込まれていないかと振り返ってみてください。そして、木で鼻を括った態度で接して、言葉はスルーする。本当に関わりが必要であれば、適度な距離をとったうえで相手から援助を求められるものです。

何事も右から左へ受け流す

ということで以上、『プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術』より、一部分を紹介させていただきました。

今まで散々教えられてきた「人の話を聞かなければならない」「人の言葉は重要だ」ということが、言葉に振り回されてしまう要因であったということが衝撃的でした…

言葉は重要、人の話はよく聞くべき、そう思えば思うほど他人に振り回されてしまいます。また、他人に振り回されてしまうと自分を見失います。

他人の言葉にはたいした価値がないと上手に受け流すことで、自分自身の心の安定につながります。

といっても、本書に書かれていることもいわば戯言。取捨選択して、自分に役立つ情報をインプットしていきましょう!

ではまた。

本書はご恵贈いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
Intro Booksではたくさんの本との出会いの導入になればと様々な本や漫画を紹介しています。「ご恵贈いただいたから必ず記事にします!」とは言えませんが、いただいたものは必ず読ませていただきますので、何かございましたら問い合わせフォームよりご連絡ください。

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この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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