こんにちは。本日紹介する本は「あの子が結婚するなんて」という小説。
この本は五十嵐貴久(いがらしたかひさ)さんが書いている本で、五十嵐貴久さんといえば「リカ」や「交渉人」、「パパとムスメの7日間」などがドラマ化されています。小説は読んだことないけどドラマは見たことあるという方も多いかもしれません。
「パパとムスメの7日間」はわたしもドラマを見ていました。舘ひろしさん演じるパパと、新垣結衣さん演じるムスメが、事故をきっかけに心が入れ替わってしまうという話で、舘ひろしさんのムスメ役がとにかくかわいかった。
しかし今回この小説と出会ったきっかけはこういった人気作を経由したからではなく、たまたま。ジャケ買いというやつです。
あらすじ
大手起業に勤める32歳・七々未は、突如イケメン婚約者を捕まえた親友の結婚死を盛り上げる花嫁の付添人「ブライズメイド」のリーダーに任命されてしまった。友人の幸せと喜ぶ気持ちとうらやましさで複雑な心境のまま準備がはじまるなか、新郎側の付添人の英也に惹かれてしまい―!?アラサー女子の心情を描く痛快ブライダル・コメディ
引用:あの子が結婚するなんて 裏表紙より
この裏表紙に書いてある内容から4つに分け、もう少し説明していきます。
ブライズメイドに任命編
主人公:七々未の元に高校生の頃からの仲良し5人組の一人である美宇から突如個人ライン。内容は突然の婚約報告。
突然の報告に混乱しながらも後日、5人組でファミレスに集まります。そこで話を聞く中でブライズメイドになってほしいと頼まれます。プライズメイドとは以下の通り。
花嫁の付き添い人や立会い人として、結婚式の準備のお手伝いや、花嫁の精神的なサポートを行う女性のことです。その名の通り、ブライズ(花嫁の)メイド(お手伝いさん)です。
引用:WEDDABROAD
日本ではあまり聞かない言葉ですが、欧米では割とポピュラーなもののようで、当日は花嫁より目立たないようにみんなでお揃いのドレスを着て、式を盛り上げるのだとか。
そしてブライズメイドの中でも花嫁と一番親しく、女性側の代表となる女性をメイド・オブ・オナーと呼ばれており、花嫁:美宇の一番付き合いの長い主人公:七々未が頼まれます。
七々未は心の中で自分が美宇より先に結婚すると思っていたのにと複雑な心境でしたが、後日、花婿:裕二にも頼まれ、引き受けます。
そして、花婿側の代表である裕二の従兄弟:英也を紹介されます。七々未と英也は花嫁・花婿が結婚式に行いたいことをヒアリングし、協力して準備をすることに。
その内容は大きく3点。
・新郎新婦の紹介を写真と動画で作成+素材準備
・二次会:場所選定、招待状の作成、イベント考案
・独身最後の夜:男性は男性と女性は女性と過ごせるイベント考案
恋する編
主人公:七々未は花婿の従兄弟:英也と連絡先を交換し、準備を進めることに。
が、花嫁:美宇からの要望により、結婚式の衣装決めに付き合わされます。七々未はブライズメイドに選ばれた他3人も呼んで一緒に行きますが、そこにいたスタッフと美宇がドレスサイズについて揉めてしまいます。七々未がどうしようか考えているとき、英也の登場により場は収まります。
英也は日本最大手の広告代理店に勤めており、彼女もいない、ルックス・性格も良いため、七々未はいつしか意識するように。
美宇から付き合っちゃいなよとからかわれたり、素材準備を行うべく英也と2人きりで会ったり連絡する機会が増えたりしたため、恋心を抱き始めます。
イベント編
独身最後の夜のイベントはいろいろあり、結婚式2週間前にブライダルシャワーを行う形に変わります。
ある日、ブライダルシャワーの招待客リストを確認していると、高校時代に美宇のことを馬鹿にしていたクラスメイト2人が来ることが分かります。クラスメイトの一人は結婚と離婚を経験し、もう一人は未婚。
美宇はなぜ呼んだのか、結局幸せを掴んだのは自分よと見せつけたいのでは…?と思い、兎にも角にも楽しいイベントに、美宇に不愉快な思いをさせないようにしようと決意します。
イベント前日、七々未は英也と会い、良い雰囲気になるか…!?というタイミングで英也の会社からトラブルの電話がかかってきてしまいます。七々未は悲しく寂しい気持ちを抱えながらイベント当日を迎えます。
たくさん寝たことで元気を取り戻し、イベントも何事もなく進み2時間ほど経過したとき、美宇のことを馬鹿にしていた例のクラスメイト2人がやってきます。最初は美宇に対し、普通に絡んでいましたが、徐々に悪意が見え始める言い方に。七々未は我慢ならず、止めに入ります。
それでもまだ追い討ちをかけるクラスメイト2人。七々未はプールにつき落とします。爆発音のような拍手が起き、落とされた2人はぽたぽたと滴を落としながら出て行きます。
落ち込む美宇を5人組の一人がサプライズイベントとして、会場にいるみんなまとめてとあるお店に連れて行き、楽しいイベントに変えます。
まさか編
結婚式を明後日に迎え、七々未は英也と「最後の確認」と称して会うことに。酔いが回り、家まで送ってもらい、いい雰囲気になるかと思っていましたが、とある理由で振られてしまいます。七々未は美宇がそのことを知っていたと察し、怒りの電話をかけ、結婚式に出ないと宣言します。
翌日、七々未は会社を休み、一人で街に出て昼から飲みまくります。スマホの充電もなくなり、夜も引き続き一人で飲んでいると、仲良し5人組の3人+美宇がやってきます。
美宇は七々未に無意識で引き立て役として使われているのが嫌で、結婚でやっと上に立てる、見せつけてやるという気持ちで英也のことも言わなかったと語ります。
これを聞いた七々未は結婚式に出るのか、5人組の友情はどうなるのか………これ以上は秘密です。興味があればぜひご購入ください。
感想
裏表紙に痛快ブライダル・コメディと書いてあったかと思いますが、わたしは全く笑えませんでした。むしろイライラしかしなかった。
イライラの対象は花嫁:美宇のことを馬鹿にしていたクラスメイト2人、美宇、主人公:七々未………もう終始イラつきました。
美宇のことを馬鹿にしていたクラスメイト2人はもう言わなくてもわかりますよね。祝い事の場に来てまでいじめとかお前ら何歳よ。30過ぎたアラサーのくせに中身は学生時代と変わらないなんて、イライラを通り越して逆に笑っちゃいました。
そして美宇。なんでもかんでも七々未に任せすぎじゃないですか?まあ見せつけてやるという気持ちはわかりますが、自分の結婚式だろと初めから終わりまでイライラ。
さらに七々未。え、七々未にイラつく要素ありましたか?と思う方もいるかもしれませんが、やりたくないのにな〜と思いつつ、なんでもやっちゃうところにイラつきました。なんだろうか、こなしてる自分かっこいいでしょと自分に酔ってる感じが鼻につくというか。美宇が嫌だったのもわかるな〜という感じでした。
わたしがこの小説を読んで思った感想は「女ってめんどくさい」、ただこれだけ。
自分より不幸であれという感情はよくわかるし、だからこそ見せつけたいという気持ちもわかります。
女という生き物はそういった出来事が人生で何度も起こります。だからこそわたしは女友だちというのが苦手。なんで思ってもいないのにいちいち「かわいい〜」と言わないといけないのか、なんでわたしはあの子より下とか上とか上下関係でしか物事が見れないのかとか、改めて女の友情とはなんぞやと思いました。(まあ、こんなこと思ってる自分がいちばんめんどくさいことは理解しています。)
めんどくさいめんどくさい言っていますが、女の友情はいざという時、めちゃくちゃ強いです。1人だとどうすることもできないことが、2人・3人・4人・5人…と束になった時は最強です。
小学生の頃、バレンタインデー間近に「○○ちゃん(友人)がクラスメイトの△△くんのことがすき」と言う話を聞き、数人の友だちと一緒に、学校には持ってきてはいけないバレンタインデーのチョコレートを先生や△△くん以外の男にバレないようどうやって渡すかという会議をし、成就するよう動いていたことを思い出しました。こう考えると女の友情ってやつも悪くないですね。
最後に、なんだかんだ言いましたが、男性が女性の気持ちを少しでもわかりたいという目線で見たり、こういうのわかるわかる〜と共感したい女性にはおすすめの小説です。
ではまた会う日まで。
この記事を書いた人
- インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
最新の投稿
- 小説・エッセイ2024-01-07個性が光る、妻おすすめノンフィクション本4選
- 実用書2024-01-06なんだか疲れている人へ|私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない
- ビジネス・マーケティング2023-04-15凝り固まった思考を変えてくれる「なんとかするアイデア」
- マンガ2023-02-16「僕はメイクしてみることにした」を読んで思い出す化粧の楽しさ
コメント