新しいライフスタイルFIREを「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」で学ぶ

本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法 資産形成
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米国で発祥したFIREムーブメントが日本でも広がり始めています。

FIREとはFinancial Independence and Retire Early(ファイナンシャルインディペンデンスアンドリタイヤアーリー)の略で、そのまま訳すと経済的自立と早期退職という意味。

経済的自立と早期退職というと、会社に勤めて給料をある程度貯金して迎える定年退職。退職後は貯金や年金で過ごす…という人生や、早期退職して毎日何をするでもなくダラダラ生活する…といった人生を想像する方がいらっしゃるかもしれません。

ここでいう経済的自立とは、職場で嫌々働いてお金を稼ぐのではなく、自分が何もしなくても収入がある状態であったり、自分の好きな時間に好きなことでお金を稼げることを指します。

自分が何もしなくても収入がある状態というのは配当金だったり広告収入だったり様々です。

また、自分の好きな時間に好きなことでお金を稼ぐには、すきなことがなければ難しいですし、知識やなによりお金に余裕がなければ生活ができません。

予め自分に必要な生活費を賄える状態をつくり、お金のために働く生活から自分のやりたいことをやって生活するスタイルを手に入れる、つまり時間を自由にコントロールできる状態であることをFIREと言っています。

…回りくどい言い方になりましたが要は、労働に縛られず自分のやりたいことをやって生きる新しいライフスタイル、これがFIREです。

妻

嫌々働くのは体だけでなく心も疲弊します。でも生活のために働かなくては…この状況が辛すぎてわたしは一時、40歳で死にたいなーと思っていましたし、周りにもそう宣言していました。今はこんなこと言うと夫が悲しむので控えていますが、『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』に、今が人生100年時代、もうすぐ人生120年時代とか書いてあるじゃないですか。だったら早期退職はともかく、経済的自立はしておいて損はないですよね。

そこで、『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法』で経済的自立と早期退職について学びたいと思います。

この本の著者は穂高唯希(ほたかゆいき)さん。

ブログ:三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみたを運営。「30歳でセミリタイヤを達成する」という目標を掲げ、給与の8割を日米英豪中などの高配当株・連続増配当株へ投資し、金融資産約7000万円、月平均20万超の配当収入を得られるしくみを形成、30歳で退職しセミリタイヤ、FIREを達成。

妻

以前、夫が『FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド』を紹介していましたが、この本の著者であるクリスティー・シェンさんは31歳でミリオネアになり、仕事を辞めました。今回の穂高さんは30歳でセミリタイア達成(厳密には1年前倒しの29歳で既に達成していた模様)。2人とも若くして経済的自立と早期退職を手にしています。

労働に縛られない新しいライフスタイル:FIRE。どうすればFIREできるのか、この本を通じて一緒に学んでいきませんか?

…とその前に、まず著者がFIREを目指した理由について、触れていきたいと思います。

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著者が早期セミリタイアをめざした理由

穂高さんは新卒で入社した初日、精神的な牢獄に入ってしまったかのような感覚を覚え、セミリタイア・アーリーリタイアを決意します。

「普通でいなければいけない」という空気を感じ、そして今まで生きてきた自由な世界とあまりに異なる文化、人々に囲まれていると強烈に感じたことを、今でも鮮明に覚えています。

<中略>

型にはまった言動が評価される会社への息苦しさは強くなる一方で、いつしか私には会社が「豚舎」に見えてくるようになったのです。決められた時間に豚が豚舎に入り、12時から13時には1時間だけ豚から人間に戻れる放牧タイム、そして夜にようやく解放され、豚から人間に戻る……。まるで養豚場です。

妻

穂高さんがそう感じた背景には、のびのびと過ごした学生時代とのギャップが大きかったのではとのこと。一体どんな人生を歩んできたんでしょうか…?

穂高さんは2歳の頃、海外登山での遭難により突然、お父さんを亡くします。その後はお母さんが女手ひとつで穂高さんとお姉さんを育てます。
穂高さんは「私が少しでもお金を稼ぐことができれば、母が少しでも楽になるかもしれない」と考え始め、中学生でお金に興味を持ち始めます。

14歳の頃、「バブル時代は金利が7%の時期もあった」ことを知ります。その頃は1%を大きく下回る金利であった日本円に対し、海外を見れば金利5%がザラにあった時代。「これは日本円で預金をするのではなく、外貨で貯金をした方が良いのではないか?」と為替について研究し始めます。

高校を卒業し、慶應義塾大学経済学部に進学した18歳の頃、ほかの外貨建て金融商品に比べて相対的に手数料(スプレッド)が安いFX(外国為替証拠金取引)に手を出します。資金の増加に気を良くし、レストランで一番高いものをオーダー・旅行は1泊3万円の旅館に泊まるという生活でした。
ところがリーマンショックにより、一気に元本割れを経験。損失を機にお金の大切さを身を以て知り、節約するようになります。そしてややトラウマ気味となり、1年ほどFXから離れます。このままでは負けて引き下がれないという思いで再スタートし、なんとか地道に利益を積み重ねます。

20歳の頃、中国・北京にある北京大学に1年留学をし、中国語で経済学や金融論を学びます。

中学留学を通じて感じたことは、「日本で正しいとされていることは、必ずしも正しくないんだ」ということです。国が変われば皆変わるとは本当にその通りで、お国柄・文化・国民性・是とされる価値観・宗教観など本当に様々です。「正しい」とは果たして何だろうか、「正解」とは果たして何だろうか、そんな思いを抱きました。

そして就職活動を意識し始めた22歳の頃、日本株へ参入します。
また、就職活動はグローバルと目される日本の大手企業に絞り、新卒で三菱グループに属する大企業に入社します。

妻

自由に生き、留学を経験したことで感じた日本で正しい・正解とされていることに対して疑問を抱く。その疑問が社会人になったことでより大きくなり、30歳でセミリタイアするという目標を掲げたんですね。

資産形成方法

穂高さんは元々お金に興味があり、為替について研究を始め、FXに手を出し、日本株に参入しました。

日本株ではまず手始めに、興味の湧いた企業群の株式を次々に買い付けていきます。

そしてこれらの銘柄から配当金が振り込まれた時、「逐一市場をチェックせずとも、夜中に市場をチェックせずとも、レバレッジや証拠金維持率を気にせずとも、中央銀行や金融当局のヘッドラインを逐次チェックせずとも、株式を保有していれば配当金が自動的に振り込まれる」という素晴らしい仕組みが存在することを、身を以て実感しました。

このあたりで社会人になり、早期セミリタイアを決意しますが、セミリタイアを目指すためにすることは今までと変わりありません。これらの投資で資産形成を行います。

日本株を始めた後もFXを主として労力を割いていましたが、市場をいくら研究しても値動きは読めないと痛感し、利益を積み上げても結局失うことを何度も経験するうちにFXで安定的に利益を積み上げることに限界を感じます

日本株投資を経て、「株式を継続的に購入することで、株式から得られる配当金を継続的に積み上げていくことが好適である」という結論に至り、その後は米国株中心の外国株投資に移行します。

配当金という定期的に生まれる不労所得・キャッシュフローを最大化するには、いかに多くの資金を作り、高配当株・連続増配株を購入し続けられるかが鍵となります。そのためには、「定期的な証券口座への入金」「入金額の最大化」が必要不可欠です。

<中略>

「給与の大部分を投資に回すこと」と「支出の最適化(節約)」を両輪として、優良と判断した高配当株・連続配当株に資金をひたすら投下し続けました。

私はこれこそが、資産形成をする上で最も大切なポイントだと思います。

穂高さんは支出をなるべく削減し、収入の8割を株式買い付けに回していきます。

妻

この本では支出をなるべく削減する支出最適化15選について説明されています。内容は「ペットボトル飲料を買わず、水筒持参」や「コンビニでの買い物は避ける」など日々使うお金の見直しや、『お金の大学』でも言われていた「携帯は格安SIMにする」「保険には入らない」など、固定費の削減についても書かれていました。そして「たばこを買わず、たばこ株を買う」「書籍は図書館利用」など極端なものも。

注意点

株式投資は株価に一喜一憂してしまうと、冷静な判断を下せず狼狽売り(株価が急速に下落したときに慌てふためいて売ること)に繋がってしまいがちです。

株式投資は良いことばかりではなく、金融危機や不景気、戦争や災害、パンデミックなどで株式市場全体が大きく下落することがあります。市場の動きは読めないからこそ、損を避けることは困難です。

むしろ株価が低迷・下落したときこそ、淡々と株数を増やして次なる上昇を目指すのが良いと穂高さんは言います。

相場低迷期における一部の高配当株の株価は、配当利回りが上昇することでクッションになることもありますし、配当金も使って株式を買い増していくことで、配当金をさらに増やしていくことも可能になります。「下落局面をチャンスに変えやすい」、そして「心理的にも心地よく続けやすい」、それが高配当株の大きな魅力でもあります。

妻

たしかに、株価に一喜一憂してしまうと、株価が下落した時に「もっと株価が下落して大損してしまうのでは…」という考えから安値で売ってしまい、逆に株価が上昇した時は「これだけ上がってきたんだからもっと上がるかもしれない…」と高値で購入してしまう。だから振り回されないようにすることが大切ですね…!

資産形成法

資産運用の目的は「老後のため」であったり、「アーリーリタイアあるいはセミリタイアをしたい」であったり、「明確な目的は決まっていないが、人生の選択肢を増やしたい」であったり、人それぞれ異なります。

ただし共通するのは、「資産形成をしたい」「資産を増やしたい」という点です。

ということで、ここでは「資産を増やすことを目的とする」という前提で5つのケースに合う資産形成法を教えてくれます。

今回はこの5つから2つをピックアップ。

妻

今回紹介するものはあくまで穂高さんの考えなので、「わたしこのケースに当てはまるから〜」と安易に実行するのではなく、本書をきちんと読んだり調べたりして判断するようにしてください。

ケース1:将来が不安

27歳(女性)・独身・年収350万円の場合

投資先の一例:つみたてNISAへ毎年40万円
→ 20年後には800万円から1356万円に増える可能性も

つみたてNISAとは長期の積立・分散投資を支援するために創設された税制優遇制度のこと。
毎年40万円を上限として投資信託や一部ETFの購入が可能で、保有している間に得た分配金・値上がりした後に売却して得た利益が購入した年から最長20年間は課税されません。

27歳独身ということで、一般的には恋に結婚、仕事にキャリアに、スキンケアにお化粧に、ファッションに趣味に、色々とお金を使いたいところがあると思います。

<中略>

そこで、つみたてNISA満額分となる、年間40万円、これだけは投資用資金として確保するという選択肢が、無理のない一案になってくると思います。毎月、約3万3000円を定期的に次のいずれかの商品に積み立てる形です。

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

どちらの商品も手数料や内容に大差はなく、米国株に幅広く分散して投資可能な商品となっています。

妻

つみたてNISAは「資産形成をしたいものの、あまり投資に時間をかけたくないという人」や「配当にこだわらず、あくまで老後の資産形成目的など長期的に資産の最大化をめざす人」に向いていると穂高さんは言います。我が家も夫がつみたてNISAを利用していますが、給料が入った直後に約3万3000円を入れて商品に積み立てるだけ。これだけで長期的に資産の最大化を目指せるのであればいいですよね。

ケース2:少しでも生活を豊かにしたい

36歳(男性)・夫婦共働き・年収500万円の場合

投資先の一例:一般NISAに毎年100万円
→ 8年後にはお小遣いが毎月4万円プラスに!?

一般NISAとは少額からの投資を行う人のための税制優遇制度のこと。
2023年まで年間120万円を、2024年以降は年間102万円を上限として株式(ETF含む)や投資信託の購入が可能で、保有している間に得た分配金・値上がりした後に売却して得た利益が購入した年から最長5年間は課税されません。

そのため、2020年で一般NISAで投資を始めた場合、8年間で870万円のNISA枠を活用できることになります。配当利回りが概ね4.5%であってきた米国高配当株ETFである「SPYD」に毎年投資したとすると、NISA活用により、配当に対する課税のうち、日本における課税分がなくなるため、次の式の通り、10%分だけが配当に対して課税されます。

配当課税額=税引前配当金×20.315%×10%

よって、配当利回り4.5%とすると、10%分課税され約4.1%が税引後の配当利回りとなります。8年間、毎月分散して購入することで投じた元本870万円に対し、配当再投資なしの単利計算前提で4.1%を乗じて、8年後には年間36万円、月にして3万円の配当金を得ることが可能です。「2018年サラリーマンお小遣い調査」によれば、サラリーマンの毎月お小遣いの平均額は3万9836円とのことなので、お小遣いがおよそ倍増する形になります。

妻

一般NISAは「高配当株・連続増配株などで配当金を積み上げ、近い将来にキャッシュフローを増やすことで、人生の選択肢を増やしたり、セミリタイア・FIREやアーリーリタイアをめざしたい人」や「個別株やETFで配当金というキャッシュフローを最大化したい人」向けと穂高さんは言います。わたしも最近、一般NISAを利用し始めましたが、近い将来の配当収入を少しでも増やしたいと考えている人には本当にオススメ。つみたてNISAと比べると世の中の動きについて敏感になる必要がありますが、自分が普段使っている商品に関連している企業の株を購入すると、なんだかより経済に貢献している気分になります。

資産形成は目的ではなく手段

本書で穂高さんはこう言っています。

誤解して頂きたくないのは、資産形成、そしてお金というのは、あくまで目的ではなく手段であって、それ以上でもそれ以下でもないということです。お金自体を最大の目的としてしまうと、方向性を見失います。お金自体を最大の目的としてしまうと、真の幸福感や充実感を得ることはできません。お金はあくまで「人生の選択肢を増やす可能性を大いに秘めたもの」という位置づけです。

あなたの夢や目標はなんですか?その夢や目標に向けて、何ができますか?

妻

わたしの目標は、生活のために嫌々働かないこと。嫌々働くのが嫌だから40歳で死にたいと思っていましたが、逆に考えると、嫌々働かなければ良い、自分の好きなことで好きな時間にお金を稼ぐことができれば良いんですよね。

ひょっとしたらあなたの夢や目標の達成にもFIREという生活スタイルが合うかもしれません。

妻

実際、わたしはFIREという生活スタイルがあると知り、40歳で死にたいではなく、40歳でFIREしたいと思うようになりました。FIREするには穂高さんが言うように「支出の最適化」と「投資に回す額を増やす」ことが大事。そこで家計の見直しを行い、投資について勉強し、一般NISAを始めました。まだまだ始めたてですが、ぼんやりしていたFIREへの道が、少しずつ見え始めてきた気がします。

ちなみに、今回紹介した内容はほんの一部です。
本書では他に、配当金のメリットやおすすめの証券会社、ETFについて、穂高さんが投資している米国配当株10銘柄の紹介、穂高さんのポートフォリオなど、様々な内容が盛りだくさん。
興味を持った方はぜひ読んでみてください。

ではまた。

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