すべての会社、あらゆる仕事で使える【50種類のビジネススキル】|ビジネススキル図鑑

ビジネス・マーケティング
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日本だけでなく、世界全体に大きな影響をもたらした新型コロナウイルス感染症。
コロナ禍により、わたしたちの働き方は大きく変わり、在宅勤務やリモートワークを実施する企業が増えました。

働き方が変わることにより、仕事に対する考え方にも変化が生まれ、会社や事業の将来性や働き方に疑問を持って転職を考える人が増えました。しかし、自分のスキルや経験が不足している・時間や手間がかかる、などの理由で転職活動まで踏み出せていない方も多いのが現状。

今日は「他の会社でも通用するスキルがないから転職の一歩がなかなか踏み出せない…」と嘆いている方に『ビジネススキル図鑑』で、スキルについて共に学んでいければと思います。

ちなみにわたしも何かあるたびに「転職したい!」と思うんですが、最初の一歩すら踏み出せていない一人です。これといった経験がなく、転職してまでやりたいことがないため、今のままでいいや状態…

本書の内容をざっくり説明すると、著者の堀公俊(ほりきみとし)さんが、すべての会社・あらゆる仕事で一生使える50種類(+15種類)のスキルを分かりやすく解説している本となります。

堀公俊さんは大手精密機器メーカーにて経営企画、マーケティング、海外営業、研究開発、生産管理、新規事業開発など幅広い業務に従事。
現在は組織コンサルタント、堀公俊事務所代表、大阪大学非常勤講師(テクノロジーデザイン論)、日本ファシリテーション協会フェロー。
著書に『ビジネス・フレームワーク』『職場と仕事の法則図鑑』など多数あり、多くは海外でも翻訳・出版されています。

わたしたちは今、大きな困難とデジタル技術革新、2つ同時に直面しています。
これを乗り切るには、仕事のやり方や働き方の根本的な見直しをせざるを得ません。

まさにピンチはチャンス。ビジネススキルに磨きをかけ、新たな時代を切り拓く人材を目指して、未知の時代に一歩踏み出しましょう!

なお、本記事ではすべてのスキルを一つ一つ紹介すると莫大な量となってしまうため、50種類のスキルをさらっと触れるのみとさせていただきます。気になる部分があれば、本書を手に取って読んでみたり調べたりと自身で深掘りしてください…!

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ビジネススキルとは

必要なスキルの話に入るまえに、そもそもビジネススキルとはどういったスキルのことなのでしょうか?

本書では仕事をする上で必要な能力について、セールスパーソンを例として大きく3つの要素で成り立っている、と書かれています。

  1. 知識
    商品の知識・顧客のニーズ・売り買いのルール など
  2. 技能
    コミュニケーション・プレゼンテーション・交渉 など
  3. 態度
    明るく元気な言動・誠実な態度・モチベーション(やる気) など

業務を遂行する能力はこれら3つの掛け算で成り立っています。どれかひとつが欠けてもうまくいきません。

今回焦点を当てるのは知識でも態度でもなく、2つ目の技能:スキル

複雑化するビジネス環境の中で持続的に成果を出していくには、広範で高度なスキルが求められます。
スキルは技能ですから、やり方を「知っている」(Know)だけでは、身についているとはいえません。
<中略>
大事なのは、セオリー通りに「できる」(Do)ことです。知識を行動に変換できないとスキルとは呼べません。

会社は学校ではないため、現場で安定してできるだけではなく、何らかの成果を出さなければなりません。
仕事で高いパフォーマンスを出すための技術がビジネススキルとなります。

では仕事をする上で、具体的にどんなスキルを身につければいいのでしょうか…?

ビジネスパーソンに求められるスキルは、1950年代にアメリカの経済学者:ロバート・カッツ氏が大きく以下3つに整理しました。

  1. コンセプチュアルスキル
    知識や情報などを体系的に組み合わせ、複雑な事象を概念化することにより、物事の本質を把握する能力(概念化能力)
  2. ヒューマンスキル
    他者や周囲との円滑な関係を構築・維持する能力(対人関係力)
  3. テクニカルスキル
    ある特定の職務を遂行するのに必要とされる能力(専門技能)

この3つのスキルは別名:カッツモデルと呼ばれ、今でも有能で優れたフレームワークと言われています。
しかし、このカッツモデルは数十年前に提唱されたということもあり、現代とは合わない部分も出て来ています。

そのため本書では、このカッツモデルを以下5つに整理しなおされています。

  1. 思考系のスキル
  2. 対人系のスキル
  3. 組織系のスキル
  4. 業務系のスキル
  5. 知的生産系のスキル

ちょ、ちょっと待って…、3つのスキルから5つに細分化されてしまうとますます難しくなった気がするのはわたしだけ…?そもそも一体どのスキルから手をつければいいの…!?

選択のひとつの手掛かりは、今の仕事に欠かせないスキル(Must)はどれかです。たとえば、カッツモデルでは、マネジメントの階層を上がるにつれて、テクニカル→ヒューマン→コンセプチュアルの順番でスキルが必要になるとされています。
<中略>
ところが、これだと苦手なものにも手をつけざるをえなくなります。やる気があまり出てこず、習得に時間がかかります。
だったら、自分が得意なスキル(Can)をさらに伸ばすという手があります。今できることを軸にして、少しずつ近い領域に手を広げていく作戦です。
<中略>
モチベーションを維持するには、自分が興味や関心のあるもの(Will)から始めるのも、あながち悪くないやり方です。それが、いつか仕事の役に立つかもしれません。

欠かせないスキルを取るか、得意なスキルを取るか、興味関心があるスキルを取るか、どれが自分にとってベストか考え、ひとつひとつ着実に身につけていけばいいんですね…!

ではここから、本書で整理しなおされた5つのスキルについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

思考性のスキル

思考と行動の質を高める
※カッツモデル「コンセプチュアルスキル」にあたる

現在、わたしたちは不透明で不確実な時代で生きています。何が正解か、どの道を進めばいいか、誰も教えてはくれず、自分の頭で答えを見つけていかなければなりません。

そのためには、持てる知識や情報を組み合わせ、物事の本質をつかみとり、合理的で創造的な答えを紡いでいく必要があります。

そしてビジネスでは、それぞれの組織で培われた思考力がぶつかり合う頭脳戦。世の中の変化を先取りし、いち早く商品やサービスを具現化できたところが、大きな果実を得ることができます。
逆に、自らが築いた思考の壁を打ち破れない組織は、退場を余儀なくされてしまいます。

定型で既知の業務を淡々とこなせばすむ時代は終わり、非定型で未知の仕事が山のように降ってきます。日々発生する問題の解決と意思決定をスピーディーにできるかが問われています。

思考に関係するスキルは以下10種類。

1.ロジカルシンキング

筋道を立てて考える

2.批判的思考

自分の考えに批判の眼を向け、確かな考えを導きだす

3.創造思考

筋道にとらわれず、クリエイティブに考える

4.アイデア発想

自らの枠組みを打ち破り、独創的な考えを生み出す

5.問題解決

理想と現実のギャップをなくし、あるべき姿を実現する

6.意思決定

取るべき行動を選び、最善の手を判断する

7.戦略立案

選択と集中を明らかにし、勝てる戦い方を考える

8.マーケティング

顧客のニーズから価値を生み出し、売れる仕組みをつくりだす

9.企業会計

企業の実態をとらえ、お金をマネジメントする

10.定量分析

数値やデータを用いて明らかにする

これらのスキルは仕事の基本となるものばかりです。程度の差はあれすべての職種や階層に求められます。いわばビジネスの共通言語であり、身につけておかないと仕事が思うように回らなくなります。できれば若いうちに習得しておくのが得策です。

競合他社はどんな動きをしているか、売上を伸ばすにはどうすればいいか、自分が働いている企業の経営状態がどうなっているか、これらはすべて基本的なスキルだなんて嘘だと言ってくれ…わたしにはまだまだ未熟なものばかりなので精進します…

対人系のスキル

関係を築き連携を高める
※カッツモデル「ヒューマンスキル」にあたる

学生と社会人の一番の違いは、与えられた課題をひとりでやるか、みんなとやるかです。
いくら能力が高かったとしても、人と連携して仕事ができなければ職場では歓迎されません。

対人系のスキルの特徴は、ひとりでは発揮できず、必ず相手がいることです。いくらスキルを磨いても、相手をコントロールすることはできません。両者の協働作業としてともにつくりあげるのがコミュニケーションです。

対人系スキルは以下10種類。

11.コミュニケーション

思いを伝え合い、情報を着実に伝達する

12.コーチング

答えを見つけるサポートをし、個人の成長を支援する

13.アサーション

自分も相手も大切にし、自己主張をする

14.アンガーマネジメント

怒りとうまく付き合い、コントロールする

15.クレーム対応

顧客の不満を解消し、要求に応える

16.プレゼンテーション

情報を伝え賛同を得て、多くの人の心を動かす

17.説得

相手を巧みに説きふせ、人の思考・行動に影響を与える

18.交渉

力ではなく言葉で、利害を超えて合意する

19.ファシリテーション

話し合いを促進する

20.ライティング

伝わる文章を的確に作成する

これらのスキルは重なり合う部分も多く、ひとつをマスターすれば他にも応用が利きます。どれかひとつに狙いを定めて、集中的にトレーニングするのが習得への近道です、多様な経験(場数)を踏み、自分に合ったスタイルを身につけることも大事です。

対お客様との対応はもちろん大切ですが、テレワークが進んだことで社員同士のコミュニケーションがこれまでのやり方では通用しなくなりました。今までは口頭で直接話し合えたことも、何分もかけて文面にして伝えなければならない現状…ライティングの重要性を感じることが増えました。

組織系のスキル

組織のパワーを発揮させる
※カッツモデル「ヒューマンスキル」にあたる

わたしたちは一人ではなしえないことをするために組織化します。
しかし、人が集まっただけではチームにはなりません。みんなで力を合わせるために、それなりの仕掛けや働き方が必要となります。

そのために、何より大切なのは人を育てることです。仕事を通じて能力を開花させ、仲間とともに技と心を高め合い、次の時代の担い手となる人を育んでいきます。
人が育てば組織が成長します。組織が成長すれば人も育ちます。そんな好循環をつくることが組織づくりに他なりません。

組織系のスキルは以下10種類。

21.マネジメント

人・金・仕事・時間など、ありとあらゆる要素において組織を取りまとめる

22.リーダーシップ

チームを未来へ先導する

23.フォロワーシップ

リーダーを支援する

24.チームビルディング

集団を一枚岩の組織に育てあげる

25.モチベーション

動機づけして意欲を引き出し、やる気を最大限に高める

26.人材開発

個人が持つ能力を高め、人を育てる

27.キャリアデザイン

職業人生を設計する

28.グローバル人材

異文化状況で仕事をこなす

29.メンタルヘルス

心の健康をしっかり保つ

30.ハラスメント防止

職場での嫌がらせを未然に防ぐ

実際には、これらのスキルは、マネジャー(管理職)が使うことが多くなります。しかしながら、組織に関わるすべての人に基礎スキルとして習得してほしいものばかりです。みんなが身につければ、スキルが目指す効用がより一層高まります。

一見すると「みんながみんな身につけるスキルではないのでは?」と思ってしまいますが、組織として動くにはチームとしてかみ合ってなければ極めて困難です。また、昔と比べ、人との接し方について慎重にならなければいけない場面が増えました。メンタル面やハラスメントについては一人一人がしっかりと意識していかなければならない部分ですね…

業務系のスキル

仕事の生産性を高める
※カッツモデル「テクニカルスキル」にあたる

ビジネスを取り巻く環境は時代とともに目まぐるしく変わります。それに伴い、仕事のやり方や働き方を変えなければ、時代に取り残されてしまいます。
直近で言えばリモートワークはわたしたちの働き方を大きく変えました。

こうした波に対して、「私には私のやり方がある」といって抗うこともできます。
<中略>
ところが、そんな抵抗がいつまでも続けられるワケがありません。遅まきながら波に乗るか、退場を余儀なくされるのが席の山です。
その時代を生きるビジネスパーソンとして必ず身につけるべきスキルがあります。グダグダと言う暇があったら、先手を打って習得したほうがはるかに得です。

時代にふさわしい仕事のやり方をつくる業務系のスキルは以下10種類。

31.ビジネスマナー

ビジネスでの礼儀作法を守り、仕事の常識を実践する

32.報連相

こまめに連携をとる

33.ビジネス英語

英語を使って仕事をする

34.パソコン

PCを仕事で使いこなす

35.データ活用

数値から意味を取りだす

36.タイムマネジメント

時間を有効に活用する

37.業務改善

仕事の効率化を図る

38.プロジェクトマネジメント

タスクを着実に進める

39.リスクマネジメント

不確実性に対処する

40.エラー防止

あらゆるミスをなくす

おそらく、いずれもある程度はできていても、本当に身についているかといえば怪しいものばかり。それが仕事の効率を下げる原因のひとつとなっているかもしれません。これを機会に自分のスキルをチェックしてみてはいかがでしょうか。

英語・IT・会計を「ビジネスの三種の神器」と呼ぶ人がいるそうです。グローバル時代に不可欠なビジネス英語、ビジネスツールの主役であるパソコン、パソコンを使ったデータ活用。たしかに本当に身についているかと問われると怪しいものばかり…

知的生産系のスキル

情報から知的成果を生む
※カッツモデル「コンセプチュアルスキル」および「テクニカルスキル」を合わせたもの

情報化社会を迎えた今、わたしたちの仕事のほとんどが情報の収集・生産・加工・発信に関わるものになっています。

そうなってくるとスキルアップの考え方が大きく変わってきます。仕事とプライベート、時間と場所は違っても、使う脳は同じです。頭の中でやっている作業に大差があるわけではありません。
知的作業という点では、両者の区別はもはや意味をなしません。毎日の生活の中で、どれほど頭を使っているか、どれほど学びを重ねているかが、仕事の生産性に大きく影響してくるわけです。

知的生産系のスキルと聞くとなんだか難しく感じてしまうため、「日々の地道な実践」と置き換えます。

41.情報収集

多彩な情報を集め、知識を頭にインプットする

42.読書

多くの本を深く読む

43.整理

きちんと片づけて整える

44.ノート

「記憶」を「記録」にし、情報を一元的に管理する

45.図解

思考をビジュアル化し、物事の構造を表す

46.文書デザイン

情報をデザインし、伝達力をアップさせる

47.人脈作り

仕事に役立つネットワークを培い、育む

48.雑談

会話をはずませる

49.情報発信

アウトプット力を高める

50.学習

持続的に成長する

こういったスキルは、いわば脳の筋トレのようなものです。
<中略>
これらは、正しい方法や決まったやり方があるわけではありません。自分にあった手法を編みだし、絶え間なく改良を重ねていくことが大切です。そのためには、先人たちが培った知恵やノウハウを学ぶことから始めなければいけません。

知識や情報を詰め込むインプットだけではなく、その知識をアウトプットしてこそ意味をなすということですね…!絶えず学ぶことが大事。

スキルを習得する方法

ということで、本当に触れるだけになってしまいましたが以上が『ビジネススキル図鑑』に書かれている5つのスキル、計50種類。

改めて復習していきましょう。

まず1つ目は思考系のスキル
仕事では問題の本質をとらえた的確な判断が求められます。考える力を養わなければ、個人も組織も右往左往させられてしまいます。

2つ目は対人系のスキル
仕事は多くの人との連携・協力で成り立っています。コミュニケーションが上手く働かないと当然、組織の力は発揮できなくなります。

3つ目は組織系のスキル
組織が成長するには人が育たなくてはなりません。能力を開花させ、互いに高め合う環境づくりが必要となります。そして最近では、海外のビジネスでも活躍できるグローバル人材の開発や、メンタルヘルスの管理・ハラスメント防止の取り組みも欠かせません。

4つ目は業務系のスキル
ビジネスマナーや報連相といった時代を超えても重要視されているスキルと、ビジネス英語やパソコンといった現代で必修とされているスキルが集約されています。

そして5つ目は知的生産系のスキル。別名、日々の地道な実践。
仕事のベースは、毎日の生活の中でアンテナをどれほど張り巡らせているかが重要になります。

最後に、これらのビジネススキルをどうすれば自分のものにできるか、習得方法について書いて終わりたいと思います。

スキルを習得するには、大きく以下3つのステップが必要となります。

  1. 学ぶ
    読書・動画で何を学ぶかを学ぶ
  2. 身につける
    研修・訓練でノウハウを身につける
  3. 行動する
    経験・実践で考えて行動する

ただ学ぶだけでは実際にやっていないため、できるようにはなりません。
研修や訓練で多少のトレーニング時間があったとしても、スキルをチェックしたりフィードバックを得るためのものなので、実際に業務を通じてやってみないと行動に結びつきません。

自分の頭で考えて行動しない限り、本当のスキルは身につきません。
<中略>
同じ会社の同じ部署でずっと仕事をしていたのでは、スキルが身についたかどうかすら分かりません。転職、副業、起業などを通じ、積極的に他流試合をすることが、スキルアップに欠かせない取り組みです。

仕事や働き方を考える辞書のような役割を果たす本書。常に近くに置いて役立てていきたいと思います。そしてこの記事を読んでくれているあなたに、なにか学びとなれば幸いです。「わたしにスキルなんてないよ」と思っていた方も、意外と持っているスキルがあったのでは…!?

ではまた。

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この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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