こんにちは。妻です。
今日は、なんだか些細なことで疲れてしまう…という方に、ぜひおすすめしたい『「隠れ内向」とつきあう心理学 何でもないことで心が疲れる人のための本』を紹介させていただきます。
何を隠そうわたしも毎日なんだか疲れている人のひとり。ある日、本屋さんでこの表紙を見つけて思わず購入しました。…しかし「隠れ内向」ってなんでしょうか…?
「隠れ内向」とは、著者の心理学博士:榎本博明(えのもとひろあき)さんが名付けた言葉で、人に対し、感じ良く振る舞おうと気を遣ったり、できるだけ周囲に溶け込もうと頑張り、疲れてしまうタイプのことを指します。
例えば、
- 親しい人と一緒にいるはずなのに、「早く帰りたい」と思ってしまう
- 寝る前や帰宅中に、1日を振り返って自己嫌悪
- 会議や雑談の場で、「この発言は的外れかも…」と考えているうちに話題が変わり、発言のタイミングを逃す
- 自分のミスをとことん引きずる、逆にミスをして反省しない人にイライラ
- 仕事やテストなどで、あらゆるリスクを想定し不安に駆られる
この中からどれか一つでも感じたり悩んだことがある方は、「隠れ内向」の傾向にあるそうです。
あらゆるリスクを想定し不安に駆られる、これめちゃくちゃわかります…!ということはわたしも「隠れ内向」のひとり…!?
そもそも、外向型・内向型といった性格は、大部分が遺伝によって決まっています。
どんな相手にも積極的に話しかける外向型の子は、すぐに友だちができて先生からも気に入られます。
また、引っ込み思案な内向型の子は、なかなか友だちができず先生にも馴染めません。
そして、有能でモチベーションが高い内向型の子は、自分を変えたいと努力し、あたかも外向型であるかのように積極的に周囲と関わるようになります。この内向型だけど外向型のように振る舞う行為が「隠れ内向」の始まりだ、と著者の榎本さんは言います。
実はこの「隠れ内向」、飲み会など大勢の場で盛り上げ役として周囲を笑わせている人が案外「隠れ内向」だったということも少なくはないのだそう。しかもその場合、周囲の人たちだけでなく、本人自身も自分が「隠れ内向」であることに気づいていないケースが大半なのだとか。
ちなみに、日本人は周りの人に合わせたり気を遣う性質のため、「隠れ内向」に当てはまる人が非常に多いらしいです…
本書では、そんな「隠れ内向」に当てはまる方に向けて、「隠れ内向」を強みに変えるためのヒントを教えてくれます。
大切なのは心の傾向を知ること、そして、本来の内向型の強みを知り、それを活かすことです。
外向型と内向型の違い
「隠れ内向」に入る前に、ここでは冒頭でも少し触れた外向型・内向型の違いを見ていきましょう。
かつて、心理学者のユングは、客体を基準にして自らを方向づける態度を外向型、主観的要因を基準として自らを方向づける態度を内向型とする類型論を唱えました。
ユングによれば、外向型は、迎合的で気さく、どんな状況にも素早く適応し、くよくよすることがないものの、やや軽はずみなところがあるといった特徴をもちます。
一方、内向型は、ためらいがちで内省的、引っ込み時間で容易に心を開かず、人見知りし、絶えず受け身の姿勢で引きこもりながら周囲を用心深く観察しているといった特徴をもちます。
うーん、何を言っているのかわかるようなわからないような…
このユングの内容をもとに、著者の榎本さんが分かりやすくまとめた外向型・内向型の違いがこちら。
【外向型】心的エネルギーが外側へ向かう
- 他人や世間の動向への関心が高い
- 周囲への注意力が高い
- 切り替えが得意
- 周囲の期待や動向に従って行動する
- 刺激に鈍感
- 不特定多数との広く浅いつきあいを好みがち
- 自分を向き合うことを避けがち
- 社会適応がスムーズ
【内向型】心的エネルギーが内側へ向かう
- 自分への関心が高い
- 他人や世間の動向をとらえるのが苦手
- 集中力が高い
- 切り替えが苦手
- 自分の感情や考えに従って行動したい
- 刺激に敏感
- 少数の人との深いつきあいを好みがち
- よく知らない人を避けがち
- 社会適応に苦労する
このように、外向型は外的世界とのつながりが強く、行動範囲の広さと行動の早さに特徴があり、内向型は独自な内的世界とのつながりが強く、その深さに特徴があります。
ここまで読んで、自分がどっちのタイプか分からなくなったのはわたしだけ…?わたし自身は内向型だと思っていますが、内向型には当てはまらずむしろ外向型に当てはまる部分が多くありました…
著者の榎本さんは、繊細で気にしすぎる人は、このタイプ論で言えば内向型に相当すると言います。
と言ってもわたしと同様に確信を持てない人もいるかと思います。次の項目で実際に自分がどちら寄りなのか、明らかにしていきましょう!
心理テスト
ということで、ここではいくつかの質問に答える形の比較的簡単なテストを行います。
ぜひ紙とペンをご用意のうえ、やってみてください!
あてはまる項目の上の( )内に○を付けましょう。
( )01 何かする際には、自分はほんとうにやりたいのかをよく考えて見る方だ
( )02 自分らしさへのこだわりが強い
( )03 安易に人に同調したくないという思いがある
( )04 過去の出来事を振り返ることが多い
( )05 何かを決める際に、あれこれ考えて即断できない
( )06 クラス替えや入学・入社のときなど、新たな環境に馴染むのに時間がかかる
( )07 引っ込み思案で、友だちでもない相手に自分から話しかけることは少ない
( )08 人見知りをする
( )09 周りの人たちの様子を用心深く観察するところがある
( )10 よく知らない場に出かけたり、新たなことをしたりするのは抵抗がある
( )11 新しい友だちができにくい
( )12 交友範囲は狭いが、深いつきあいをする方だ
( )13 パーティ・懇親会のような大勢が集まる社交の場は苦手だ
( )14 とくに親しい人たちといるときだけ自由に振る舞える
( )15 何かをする際には、みんなの意向やその場の雰囲気で決める方だ
( )16 その場その場にふさわしい態度や行動をわりとスムーズに取れる方だ
( )17 わりと自然に人に合わせることができる
( )18 ひとりになって自分と向き合うということはあまりない
( )19 決断は早い方だ
( )20 クラス替えとか入学・入社のときなど、新たな環境にすぐ溶け込める
( )21 自分から積極的に人に声をかけ、かかわろうとする方だ
( )22 他人からみて親しみやすい方だと思う
( )23 よく考えずに軽はずみな行動を取りやすいところがある
( )24 未知の状況にも躊躇せずに積極的に飛び込んでいく方だ
( )25 だれとでもすぐに親しくなれる方だ
( )26 社交的で交友範囲が広いため、どうしても浅いつきあいが多くなりがちだ
( )27 パーティ・懇親会のような社交の場を気軽に楽しめる
( )28 よく知らない人たちの中でも緊張せずに自由に振る舞える
お疲れさまでした!解説は下で行いますので、もし今時間が取れないという方はここで読むのを一旦止めて、テスト完了後に見てみてください。
心理テストの解説
答えてみてどうでしたか?あてはまるものもあれば、あてはまらないものもあったのではないでしょうか。
このお答えいただいた内容から、外向型・内向型かが明らかになります。
項目1〜14は内向型の人が◯をつけることが多い性質をあらわし、項目15〜28は外向型の人が◯をつけることが多い性質をあらわしています。
15〜28よりも1〜14の方が多くあてはまれば、あなたは内向型ということになります。
1〜14よりも15〜28の方が多くあてはまる場合は、外向型ということになります。
けっこう人づきあいには積極的なのに1〜14にもあてはまる項目が意外に多いという場合は、もしかしたら元々は内向型なのに社会に適応するために無理をして外向的に振る舞っている「隠れ内向」かもしれません。
ちなみにわたしは1〜14は8個◯が、15〜18が2個◯があったので、完全に内向型でした。でも2個あてはまる部分があるということは「隠れ内向」の要素もほんの少しは持っていそうですね…
自分がどちら寄りのタイプかがわかったところで、次の項目では疲れについて、見ていきましょう。
「隠れ内向」と疲れの関係
社会に適応するには、よく知らない人を避けがちな内向型より、切り替えが得意で刺激に敏感な外向型の方が有利です。
そのため、本来は内向型でも自分をある程度コントロールできる人は、無理をして外向的に振る舞う傾向にあります。無理をしているため、ひとりになるとドッと疲れが出たりストレスを感じてしまうことも。
このひとりになると疲れやストレスが出るか否かが、外向型と「隠れ内向」の違いになります。
そして、ひとりになると疲れが出てしまう原因として、本書では、人の目を気にしてしまうからと書かれています。
例えば、あなたが明日、よく知らない人やそれほど親しくない人と会って話をすることになったとします。
会う前には「何を話せばよいのだろう」「場違いなことを言ってしまわないかな」といった不安が生まれ、実際にはまだ会っていないのに緊張。また、実際に話している最中に、「退屈させていないかな」「変なヤツと思われないかな」といった不安を抱えながら、相手の反応を気にしてしまう。そんな経験はないでしょうか?
このような形で、対人関係の場で生じる不安:対人不安が生まれ、常に人の目を気にしてしまうため、疲れやストレスにつながってしまうのだそうです。
では、日頃接している身近な相手なら疲れないのでは?と思った方もいるかと思いますが、それは違うと著者の榎本さんは言います。
むしろ関係が持続する相手に対するときの方が、気まずくなりたくないといった思いが強く働き、相手の反応が気になります。
常に人の目を気にしているから疲れたりストレスにつながる…これは内向型のわたしにでも当てはまる部分ですね…
疲れの対処法
疲れの原因が見えてきたところで、ここからはこの疲れを対処する方法を見ていきましょう。
ちなみに、本書ではよりストレスを感じる「隠れ内向」にピックアップして書かれていますが、「隠れ内向」の人の悩みは内向型の悩みでもあります。
「隠れ内向」の人だけでなく、わたしのような内向型の方も参考になる部分が多そうです!
不安をうまく活かす
内向型にみられがちな特徴の一つとして、ひとつのことが気になると、それがずっと頭から離れず、なかなか気分転換ができないというものがあります。
例えば、あなたは来月、重要なプレゼンをしなければならないとします。
1ヶ月先のことではありますが「うまくやらないと」などプレッシャーがかかった状態がずっと続き、どうにも落ち着きません。
楽観的な人であれば「まだ1ヶ月も先だ」と気楽に構え、目の前のことをたのしむことができます。
内向型の人はこれを見て、直前までのんきにしていられる人を羨ましいと思ってしまいがちですが、逆に不安が強い性格のおかげで失敗することが少なく、物事を着実に進めることができます。
不安になりがちな性格は、プレッシャーがかかって苦しいかもしれませんが、それが慎重さや着実な仕事ぶりにつながっているのです。
もちろん、仕事の難易度によっては、いくら着実に準備してもうまくいくとは限りません。でも、もし楽観的になり、気楽に構えていたとしたら、準備不足に陥り、もっと悲惨なことになっていたはずです。
このように不安になるからこそ失敗を妨げている、うまくいっているといったことがあるのです。
あらゆる事態を想定して準備するため、想定外のトラブルを未然に防ぐ可能性を高めることにつながります。
集中力も活かす
ここでは、学生時代を思い出してください。
あなたの周りに、授業中にしょっちゅうおしゃべりをしては先生に叱られるという人はいませんでしたか?
社交好きなタイプは、このように絶えずしゃべっていないと気がすまず、おとなしく課題に没頭することができません。
一方、周りの人たちと無駄話をするのが苦手な内向型は、おしゃべりに巻き込まれることなく課題に集中することができます。
これは就職してからも同じことが言えます。
社交好きな人は、会議などで人が集まる場で無駄話などをして時間を使ってしまい、課題遂行が疎かになってしまうケースも。
一方、意味のある時間を過ごしたい内向型は、早く会議を終えて自分の仕事に取り掛かりたいと思いながら、こんな意味のない話がいつまで続くのかとイライラしがち。無意味な会議に我慢できず、会議時間を少しでも意味のあるものにしようと動く人もいるのではないでしょうか。
内向型は、雑談を苦にしないどころか心からたのしんでいる様子の社交家を羨ましいと思う部分もあるかもしれませんが、社交家にはメリットとデメリットがあり、逆に社交が苦手なことによるメリットもあります。
雑談が苦手なおかげで、毅然として周囲の人たちとの間に壁を築き、作業に没頭したり、自分の世界に入ってじっくり考えたりすることができます。
疑問を持ち続ける姿勢を強みに
ここではある出来事を一つ紹介します。
商品が長持ちするとそれ以上売れなくなるため、適度に壊れやすいものをつくる。
そんな職場で勤めていると、新入社員の一人が「こんなの詐欺みたいなものじゃないか」という疑問が湧き上がりました。
身近な先輩に相談したところ、「何言ってるんだ。企業は利潤を追求しないと存続できない。慈善事業じゃないんだ」と説教に。
この場面で、適応の良い外向型であれば、「会社員なんだから組織の方針には逆らえない」「たしかに営利企業なんだから、慈善事業みたいにいくわけがない」といった形で自分自身を納得させ、目の前の現実を受け入れて組織で与えられた役割に徹することができます。
ところが、どうしても自分の中の理想にこだわってしまう内向型は、組織の理論に無条件に従う気にはなれず、こちらを説得しようとして上司や先輩が口にする意見に対しても反論したくなってしまいます。実際には反論せず、組織の論理に何とか従おうとしても、心の中で、「これでいいんだろうか?」といった心の声が聞こえてきて、心穏やかではいられません。
しかし、この内向型の姿勢は決して否定すべきものではない、と著者の榎本さんは言います。
イエスマンばかりの組織は、遠からず衰退したり破綻したりするのが常です。異質な意見も汲み上げる度量のある組織こそが生き残ることができます。その意味では、組織の論理を無条件に受け入れることができず、疑問をもち続ける内向型は、組織に貢献しているとも言えます。
ただし、注意しなければならないのは、あからさまに組織の論理に逆らうようなことはしないということです。そんなことをしたら、居場所をなくすことになりかねません。大事なのは、形の上では仕方なく従いながらも、いつか組織が自分に追いついてくると信じて、悩む姿勢は捨てないことです。
もうひとつ、気をつけなければならないこのは、理想を追求するあまり、他人にも非寛容になりがちなところです。現実に生きる人間は、だれもが完璧ではありません。弱い面、至らない面をもつのは当然です。
HSPの多くは内向型
以上、『「隠れ内向」とつきあう心理学 何でもないことで心が疲れる人のための本』を紹介させていただきました。
最後に、ここまで読み進めた人の中で「これって最近話題になったHSPのことなんじゃないの?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
HSP(Highly Sensitive Person)つまり繊細さんは、ここでいう内向型に当てはまるケースが大半です。
他の人が気にしないような些細なことも気になり、ストレスを溜めこんでしまうHSP。「隠れ内向」や内向型と同様に、強みがたくさんあります。
- 失敗を避けることができる
- 物事に集中することができる
- 過去の経験を将来に活かすことができる
- 自分の言動について気にし、改善することができる
- 他の人の気持ちに配慮することができる
- 慣れた環境のもとで力を発揮することができる
ちなみに、HSPについては過去に読んだ本『ちょっと「敏感な人」が気持ちよく生きる本』に詳しく書いているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
心が疲れないようにするには、何でもないことで心が疲れる原因をきちんと知り、強みもあることを理解し、活かす、これが重要です。
なんだか些細なことで疲れてしまう…という方はどんなときに疲れているのかをメモし、こういったシチュエーションでなぜ疲れているのかを考え、理解してから少しずつ強みに変えていってはいかがでしょうか。
わたしも2022年は内向型だからこその強みをきちんと理解し、活かしていこうと思います!
ではまた。
この記事を書いた人
-
インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
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