人財を掴む面接官の心得「採用の思考法」

人財を掴む面接官の心得「採用の思考法」 ビジネス・マーケティング

こんにちは。夫です。

実は最近、採用面接を担当する機会がありました。

夫

僕も人を採用する側になってきたんだなーとしみじみ思っていましたが、、、ちょっと待って。面接って何聞けばいいの!?マニュアルとかないの!?と大混乱(笑)

うちの会社、自由な社風なのはいいんですが、急に人事から「いついつ採用面接お願いしますー」って連絡が来て、渡されるのは3ページくらいの基本的なマニュアルだけ。質問リストがあるわけではなく、「うちが求める人材はこうだよ」というのがざっくり書かれたものだけでした。

夫

まあ面接する側も自分で考えて良い人財を見抜く力が求められているんでしょうね。とはいえ会社とは人の集合体なわけですから、人を採用するということは会社の未来に直接作用する超重要な仕事です。何の経験も知識もなく臨むわけにはいきません…

そんな時に役立つのが、やっぱり本です。最近はYouTubeなどのウェブメディアでもビジネススキルを学べますが、体系立てられた、本質的な知恵が学べるのは今でも本じゃないと難しい。

ということで、急遽アマゾンで「採用」とか「面接」と調べて数冊購入。面接日までに読み込むことにしました。

夫

今回はその中でも特に良かった「いい人財が集まる採用の思考法」という本を紹介します。本書には企業としての採用の仕組みづくりなども書かれていますが、僕が勉強になった「採用面接」の部分を中心に紹介します。面接を担当する予定がある方などはぜひ参考にしてください。

石ころは磨いてもダイヤモンドにならない

本書「いい人財が集まる採用の思考法」の著者、酒井利昌さんは採用コンサルタントとして、採用コンサルティングだけでなく組織営業力強化支援、新入社員研修、管理職研修まで現場の第一線でサポートし続けられている方です。

酒井さんは世の中には2種類の会社があると言います。それはもちろん、採用がうまくいっている会社とそうでない会社。採用がうまくいっている会社は新しいことにチャレンジし、業績を伸ばし続ける一方、うまくいっていない会社は現状維持が精一杯となり、外部環境の変化に対応することができずにいます。

そしてさらに「石ころは石ころ。磨いてもダイヤモンドにはならない」と言います。

夫

つまり、間違った人を採用してしまったらどうしようもないということです。教育してもそもそもの能力や文化が合わない人は、活躍しようがありません。厳しい言葉ですが、確かに現実です…

酒井さんは採用媒体のセールスマンなどではなく、コンサルタントです。なので、徹底して「結果が出る採用」を求めています。採用ミスによる組織へのダメージは計り知れず、間違った採用は爆弾を背負いこむようなもので、採用そのものが経営力だとさえ言います。

それほど重要な採用ですが、うまくいっていない企業は少なくありません。その理由について酒井さんは「一生懸命やっていない」からだと言います。

そんなことないと思うかもしれませんが、酒井さんに言わせればそうなのです。採用力=経営力とまで言う酒井さんにとって、一生懸命やるというのは、売上を上げるために営業担当が昼も夜もなくコミュニケーションを取るように、良い製品を作るためにエンジニアが細部の細部にまでこだわるようにやるということです。そこまで一生懸命、採用に打ち込んでいる企業は少ないでしょう…

夫

僕も採用面接の依頼が来た時「面倒臭いなあ。他に重要な仕事があるのに…」と思ってましたが、とんでもない間違いでした。会社の未来を創る、最重要の仕事を依頼されたんだと意識を切り替えないといけません。来月の売上を創るのは僕の仕事かもしれませんが、10年後の繁栄を創るのは採用の仕事です。

採用の失敗は絶対に許されない

ビジネスには成功と失敗がつきものです。むしろ失敗の数が成功を生むので、企業にとって失敗とは歓迎すべきことで、どんどんチャレンジしてどんどん失敗すべきです。

夫

失敗に対する考え方はアマゾンがユニークです。アマゾンがたった数年で上場し、ITバブル崩壊で多くのネット企業が消える中、生き残っただけでなく世界最高レベルの組織に上り詰めたのか、その理由は失敗にありました。詳しくは「Invent&Wander」をご覧ください。

Invent&Wander|ジェフ・ベゾス率いるアマゾン成功の原則
こんにちは。夫です。 今日紹介するのは、ついに、ついに、、、 待ち望んでいる人も多かったであろう本「Invent & Wander ジェフ・ベゾス Collected Writings」です。 夫 ...

酒井さんも、「失敗したことがない会社はチャレンジをしていない。チャレンジしない限り成功は得られない」といいます。失敗を許容する文化は重要だといいますが、しかしそれでも「採用だけは絶対に失敗してはいけない」と言います。

採用の失敗は企業にとっても採用された側にとっても、互いに傷しか残らないからです。

間違った人を採用してしまったら、組織にとって大きな傷が残ります。試用期間中に契約解除すればいいと思うかもしれませんが、そんな単純な話ではないですよね。試用期間中にその人をサポートするために、かなりのリソースが割かれます。その全てが無駄になれば、金銭的、リソース的な損失はかなりのものですし、社員のモチベーションや雰囲気、企業文化に悪い影響が出てしまえば長期的な損失になります。

採用された側にとっても、同じくらい傷が残ります。彼/彼女は、自分に合う企業に出会えたら能力を発揮して活躍できたかもしれません。しかし、間違った企業に採用されてしまったばっかりに、長い時間を無駄にした上、経歴やプライドに大きな傷を負います。

採用は相手の人生を左右する行いなので、非常に大きな責任が伴うのです。

夫

酒井さんは結婚に例えて「結婚相手をプロフィールと数回の会話で決めないように、人の採用も書類や数回の面接では決められない」と言います。本当にその通りですね。

採用で一番やってはいけないこと

採用は企業の最重要使命でありながら、売上を上げる、商品・サービスを作るといったことと比べて、優先順位が低い印象です。

あなたの会社に採用基準はありますか?その採用基準は、いつ、どのように作られたものでしょうか?
多くの企業では、数年前に誰かが作った採用基準をそのまま使い、人財不足や売り手市場で内定が決まりにくくなると基準を下げてしまう傾向にあるようです。

酒井さんがコンサルティングされたある企業も、人がなかなか集まらず採用基準を段階的に下げていました。その会社の社長に対して、酒井さんは次のようにアドバイスします。

「社長、採用基準を下げてもいいのは次の2つのパターンのいずれかです。1つ目は、今後、お客様に提供する価値基準を下げるつもりでいること2つ目は、戦力化までの育成シナリオが万全にあること。社長、御社の場合はいかがですか?」
夫

力強い言葉ですね…確かに、採用基準を下げるとは社員の質を下げることです。だったら当然、お客様に提供する価値も下がります。そこまでの覚悟をして採用基準を下げている経営者はほとんどいないでしょう。そして基準の低い人でも戦力化できるような最高の育成シナリオを持っている企業は、さらに少ないはずです。

酒井さんはどうしても採用基準を下げるなら3つの覚悟が必要だといいます。

1つ目はコストを支払う覚悟。基準の低い人を採用し、社内リソースを投資して育て上げる。それらをマネジメントする。社外研修の費用を負担する。さらに基準の低い人を育て上げるまでの精神的なコスト。これら全てを支払い続ける覚悟が必要です。

2つ目は待つ覚悟です。当然、基準が低い人は戦力化までに時間がかかります。その人が成果を出し、売上に貢献するまで何年もかかるかもしれません。

3つ目は、芽が出ない覚悟です。最初に「石ころを磨いてもダイヤモンドにはならない」といったように、どれだけ時間とコストをかけて育成しても、芽が出ない可能性はあります。あらゆるコストをかけても回収できない。それでも採用基準を下げて人を雇うんだという覚悟が必要です。

夫

当然ですが、お客様へ提供する価値を下げるわけにはいかないので、採用基準を下げた場合はこの3つの覚悟を持つしかありません。でもそんな覚悟ができる企業はほとんどありません。なので酒井さんは採用で一番やってはいけないことを「採用基準を下げること」だといいます。質を下げた採用は組織を狂わせるとまで言います。

コミュニケーション能力は必要ない

では具体的に、どんな人を採用していけばいいのか。酒井さんは本書の中で、「先天的・後天的能力と価値観2つのポイントで人財の素質を見抜くことがポイント」だといいます。

後天的な能力は気にする必要はありません。これは入社後に身に付けることができるからです。逆に譲ってはいけないのが、先天的な能力と価値観です。

例えば「お客様が望むものを最高のクオリティで提供する」という価値観を持ったA社と「まだ世の中にない新しいものを生み出す」という価値観を持ったB社があったとします。

どちらが良い悪いという話ではなく、この2つは基本となる価値観が違いますよね。
もしA社に「新しいものを生み出すことこそが価値だ」という価値観を、B社に「人の役に立ちたい」という価値観を持った人が入社したらどうなるでしょう?
価値観の違いがぶつかり合い、能力を発揮できず、会社にとっても良い影響がないでしょう。でももし入社した企業が逆だったら、違う結果になるはずです。

価値観に良い悪いや正誤はないので、これを「うちの価値観に合わせろ」と教育するのは無茶な話です。

ではここで問題です。コミュニケーション能力はどうでしょうか?

夫

コミュニケーション能力。よく言われますよね。経団連の「新卒採用に関するアンケート調査」では、採用にあたって重視した点16年連続1位がコミュニケーション能力なのだそうです。

でも酒井さんは、コミュニケーション能力は入社時には必要ない。練習すればいくらでも引き上げられる能力だと言います。
採用基準にコミュニケーション能力を入れる企業は、「入社してもコミュニケーション能力は高められないし、そういう教育もしません」と公言しているようなものなんです。

夫

実際、人見知りなだけだったり、面接という特殊な空間でのコミュニケーションが苦手なだけで、仕事で必要なコミュニケーションには問題ないケースも多いですよね。

コミュニケーション能力のように後天的に伸ばせる能力は採用基準から外す必要があり、この見極めが良い採用と悪い採用を左右します。

採用面接の目的は「選ばれること」

さあいよいよ採用面接の話です。ここまでで採用について甘く考えていたことを深く反省しましたが、実際に面接官としてどう対応して、評価すればいいのか。

酒井さんは採用面接には「採用基準を上回った人を見極める」ことと「採用基準を上回る優秀な人財に選ばれる」という2つの役割があるといいます。

採用面接というと、企業側が選ぶというイメージが強いですが、実際には応募者も数多くの企業から入社するところを選んでいます。採用基準を満たす優秀な人財は、他の企業からも内定をもらうでしょうから、応募者に選ばれることも重要な目的です。

夫

では、採用基準を満たした人を選び、そんな優秀な人に選ばれるためのポイントを3つに絞って紹介します。

相手の本音を引き出す面接スタンス

酒井さんは採用コンサルタントとして無数の企業の採用に関わってきましたし、その前は採用する面接官として、3000人と面接されてきました。その中で培った面接スタンスが「少し先に入社した先輩が、これから一緒に働く後輩と話すつもりで応募者と一緒に考える」というもの。

そこでは次の3つを意識しているそうです。

  • 一問一答の質問はせず、自然なコミュニケーションを心がける
  • 面接シートを見ずに、応募者と目を合わせる
  • どんな回答があっても一旦受け入れて共感する

「少し先に入社した先輩が、これから一緒に働く後輩と話すつもりで応募者と一緒に考える」というのは面接官として不思議なスタンスだと思います。でも、相手の本音を聞き出し、採用基準に照らし合わせるには、自分は面接官なんだというスタンス、つまり品定めをする人という印象を持たれるより、一緒に考えてくれる安心できる、信頼できる先輩だと思われた方が良いのです。

結果ではなくプロセスを聞く

ただやったこと、達成したことを聞くだけでは、良い人財を見極めることができません。そうした事実には「再現性」がないからです。前の職場で達成したこと、学生時代に達成したことは、極論どうでもいいのです。大切なのは、入社した後の仕事で達成し、成果を出すことができるかです。

なので、面接官には「掘り下げ力」が必要です。過去に達成したことを深掘りして、その時の経験や能力が、入社後にも発揮できるかを見極めないといけません。

具体的に挙げられているのは次のような聞き方です。

  • その結果を得るために、どんな行動をしたのですか?
  • その時、そのような行動をしたのはなぜですか?

その結果を得た今、どんな気づきがあって、仕事に活かせると考えていますか?

夫

これは実際の面接の時に使えそうですね。本書では掘り下げていくことの重要性について、本音を引き出して見極めることはもちろん、応募者に選ばれるためにも重要だと言います。応募者も引き出され、本音を話すことで、コミットメントができるんですね。

志望動機を聞かない

面接で定番の質問といえば「志望動機を教えてください」というもの。しかし本書では、この質問について「まだ成約もしていない初めて会う見込み顧客に、営業が選んだ理由を教えてください」と聞いているようなものだと言います。つまり、相当的外れな質問だということですね。

応募者はまだ入社すると決めていません。むしろ相手もさまざまな企業の中から、どこに入社すれば自分が活躍できるか見定めている状態です。そのことを理解しておけば、志望動機を聞くというのがいかに的外れかよくわかりますね。

酒井さんは志望動機について、応募者と一緒に作り上げていくものだと言います。志望動機は自分と会社をつなぐもので、「自分は〇〇で、この企業は××だ。だから自分とこの企業は合っている」というマッチングです。入社するかも確定しておらず、求人情報を見ただけでこのストーリーが描けるわけがありません。
むしろ、会社の表面的な情報しか知らないのに自信満々に志望動機を語れる人は危ないかもしれません。会社に対する幻想やイメージが強く、入社後にミスマッチが起こりやすいからです。

選ばれる面接官を目指す

ということで今回は「いい人財が集まる採用の思考法」から、面接官を担当する時の心得やポイントを紹介しました。

夫

目的のない読書もいいですが、今回のように必要な知識、スキルを身に付けるための読書もいいですね。面接官という大役を務めるために読みましたが、採用や組織に対する考え方がガラッと変わりました。将来、転職することがあれば、その時にも役に立ちそうです。

本書で一番大切なメッセージは、採用面接は応募者を選ぶ場というだけでなく、応募者に選んでもらう場でもあるという部分だと思います。

夫

本書の力強い言葉で実感させられましたが、採用力は経営力ともいえる、企業にとって最も重要な仕事です。面接官を任せられたら、最も重要な仕事を頼まれたと気合いを入れて臨みたいですね。今回学んだことを活かして「応募者に選ばれる面接官」を目指し、面接に臨みます。

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