こんにちは。夫です。
パラダイムシフトを与えまくる良著「LIFE SPAN~老いなき世界」
第1回は「長生きすることは幸せか?」という問いかけと、老いなき世界はフィクションではなく、まさにこれから来る現実だということを伝えました。
今回はもっと具体的。
長生きするためにはどうすればいいのか。
どんな研究が今進んでいて、これからどうなっているのか。
寿命が伸びたときどんな世界になるのか。
そんなことを書いてみたいと思います。
と、その前に、つらつらテキストを並べてもつまらないという人もいるでしょうから、他のコンテンツも紹介させてください。
中田敦彦さんのYouTube大学です。読書好きなら一度は見たことがあるはず。
僕もYouTube大学はだいたい見ていて、ここから読みたい本を見つけることも珍しくありません。なにを隠そう「LIFE SPAN~老いなき世界」もこの動画がきっかけ。もっと知りたいと思って買いました。
他にも、この記事を書き始めた頃、NewsPicksでも特集が始まりました。会員の方はぜひ。NewsPicksの記事はビジュアライズされていたり、専門家がわかりやすく解説してくれたり、さらにコメントで多くの人が補足してくれていたりと、かなり有益です。
本を読むことは素晴らしく、代えがたい行為だと思います。とはいえ、今の時代、本を読まずに情報を得る手段は無数にあります(このブログもその1つ)。いろんな形で本との出会いを楽しんでください。
僕は本を読んだあとにYouTubeや他のブログ・メディアなどを読んで「他の人はこう考えているんだ」とか考えるのが好きです。
さて今日の本題。
そもそも「老化は病気なのか?」というところから始めましょう。
老化を病気と認めない医療業界
老化は病気かと聞かれたら、「ん〜病気とは少し違うんじゃないかな…」と思う人がほとんど。僕もそう思っていました。
実際、社会や医療業界は老化を病気と捉えていません。しかし、老化によって引き起こされる様々な症状は、病気と認められています。
例えば現在、WHOが発行する資料では1万4000個以上の病気や症状が書かれています。それだけ死因を細分化しているため、医者が患者の死因を「老化です」と答えることはほとんどありません。老化によって無数の症状が現れますが、死ぬときはその中の1つを取り出して「〇〇ガンによる□□です」などと書きます。
ガンについて考えてみましょう。食生活や喫煙などによってガンのリスクが上がります。例えば、喫煙によってガンの発症リスクは5倍になります。
しかし一方で、ただ生きて50歳になるだけで、ガンになるリスクは100倍に跳ね上がり、70歳になる頃には1000倍になります。
これは心臓病や糖尿病、認知症にも同じことがいえます。もちろん生活習慣はリスクを高める大きな要因です。しかし、ただ生きているだけで、こうした病気になる確率は指数関数的に跳ね上がるのです。
こう言われると確かに治療すべきは老化のほうだ、と思えてきますね。1つのガンを治療しても、老化によってリスクが1000倍になっているなら、そう遠くないうちにまた次のガンになるでしょう。
結局、症状に対処するのはその場しのぎ。医者が喫煙をやめろというように、原因である老化をなんとかしないと意味がありません。
ところが先ほども言ったように、現代の社会や医療業界は老化を病気とは認めていません。
なぜなら、世界で最も広く利用される医学情報源の1つ、メルクが発行する「高齢者医療メルクマニュアル」は、病気を次のように定義づけています。
病気とは人類の半数未満が被る不調のこと
老化は長く生きていれば誰にでも訪れます。そのため、老化は病気の定義から外れるのです。
そしてこのマニュアルでは、老化を次のように捉えています。
外傷、疾病、環境リスク、あるいは不健康な生活習慣の選択といった要因が存在しなくても、ときとともに臓器の機能が不可避的かつ不可逆的に低下すること
老化を、不可避で不可逆だと断定しています。
しかし第1回を読んでいただいたら分かるように、老化は働き者のサーチェインが副業に一生懸命で、本業を果たせなくなっている状態です。サーチェインが再び本業に専念すれば、老化は避けられる。それが著者の理論で、動物実験では既に成果が出ています。
とはいえ、老化はやはり不可避的で不可逆的だと思うかもしれません。
でも想像してください。
数百年前、ガンも糖尿病も心臓病も、不可避的で不可逆的だと考えられていました。原因も分からず、治療もできなかったからです。その他の感染症などもそうだったでしょう。
しかし医療や科学が進歩して、ガンや糖尿病を不可避的で不可逆的だと考える人はほとんどいなくなりました。
なぜ、ガンや糖尿病、心臓病は不可避的で不可逆的なものから、対処や治療可能な”病気”になったのですか?
医療や科学が進歩したからですよね。老化がそうならない理由はなにかありますか?
歴史を見れば未来が見える、と言います。たしかにガンが病気と思われていなかった時代から今に至るまでの歴史を見ると、今病気と思われていない老化が、治療可能な病気と考えられるようになることは、当たり前の未来に思えますね。
健康長寿を手に入れるためにできること
早く長生きするための方法を教えろや!って声が聞こえてきそうですが、お待たせしました。ここからがそうです。
なんというか、ブログでこういう具体的な方法論を語るのって難しいんですよね。いくら本に書いてあることを紹介するだけといっても、このブログを見て「よし〇〇をしよう!」となる人もいるわけじゃないですか。
なのでやはりこういうしかありません。
まあ要するに、実践し、自分の人生に取り入れるつもりなら、こんなブログ読んでないで本書を買って何回も読んだほうがいいよ、ということです。もちろん、読むのに数時間はかかる本なので、こうしたブログをきっかけに興味を深めてもらえるなら僕としても最高です。
ただテーマが健康長寿ですからね。思わぬ副作用があるかもしれませんし、もしかしたら僕が間違って理解して紹介してしまうかもしれません。その点は認識しといてください。
じゃあ行きましょう!本書で紹介されている今すぐできる健康長寿の生活習慣4つです。
食べる量を減らせ
本書で「間違いなく確実な方法」とわざわざ前置きをして紹介されているのが「食べる量や回数を減らせ」ということです。筆者曰く、長く健康を保ち、寿命を延ばすなら、これが一番確実な方法だとか。
もちろん栄養飢餓状態はダメです。しかし、食べ物が溢れ、飢餓より肥満が問題となる現代社会では、適度な飢餓にこそ価値があります。
少食を説いた人が平均寿命を大きく超えて長生きした、という事例はたくさんありますが、それが科学的に証明され始めたのは最近です。動物実験レベルでは、適度にカロリーを抑えることで大幅に長生きすることが実証されています。
なぜかというと、これもシンプルな話で、適度な極限状態は、サーチェインにも余裕がありません。なので、副業に勤しまず本業に集中してくれるんです。
腹八分目はただのことわざではない。先人たちが本能的に理解した健康長寿の秘訣なんですね。
腹八分目では適度な飢餓とは言えませんが、これで十分かもしれません。というのも、健康長寿で知られる沖縄での研究結果によると、平均摂取カロリーが本土の約80%ほどだったそうです。
別に常に空腹である必要はなく、「間欠的断食」という方法も注目されています。これは週に1日や月に5日など、適当な頻度で断食を行うもので、美容業界でも注目されています。
これも動物実験では、2日おきに断食したラットは通常より20%ほど長生きだったそうです。人間でいうと20年弱。かなり寿命が伸びていますね。
「間欠的断食」の方法は色々あります。食事と食事の間を開ける「16時間ダイエット」みたいなものでもいいですし、月に1度、長時間の断食をしてもいいでしょう。現状、どれがベストなのかはわかっていません。確かなことは、空腹という適度なストレスを与えると、サーチェインが本業に集中して寿命が伸びるということです。
断食したくないならアミノ酸をへらす
断食なんかしたくねえよ!1日3食腹いっぱい食いてえよ!という方。安心してください。
僕も毎朝、朝食をしっかり食べることが健康の秘訣だと思って生きてきました。今さら朝食を抜けと言われても困る…朝ごはんを作ることがモーニングルーティンになっています。
食べる回数や量も大切。しかし同じくらい”なにを食べるか”も重要です。たまに断食したからといって、なにを食べてもいいわけではないです。
ということで、食べる回数や量を変えるのが嫌なら食べるものを変えるという方法もあります。
じゃあなにを食べれば良いのか?筆者は食べたら良いものではなく、食べたらダメなものを教えてくれました。
長生きしたけりゃ肉を食うな
あらら。肉を食べないくらいなら断食したほうがまだマシかも…
というのも、肉は栄養バランスが素晴らしすぎるんですよ。人間にとって必要なものがだいたい入っている。つまり、肉を食べると栄養が豊富にある余裕綽々な状態になります。一見良いことのように思えますが、余裕綽々だとサーチェインは副業を始めてしまいますからね。ある程度追い込んで本業に集中してもらう必要があります。
特にダメなのが、加工された肉。ハムやソーセージ、ベーコンなどですね。手軽でうまい。しかし発がん性がめちゃくちゃ高い。
あと乳製品もダメだそうです。体に良さそうですが、体に良い栄養素を多く含んでいるということがダメなんです。
どんな生物でも、適度な極限状態が当たり前という想定で作られています。サバイバル生活をしていたら、数日食べ物が手に入らないことは当たり前ですからね。栄養が豊富、という現代社会が生物的には異常事態だということです。
結局、運動。
断食したり、肉を減らしたりするのは、栄養面で体を適度な極限状態に追い込むためです。
満腹で栄養満点、というのが生物的には異常事態。車のエンジンもMAXの回転数まで出すことはできますが、MAXで回転させていたら早く壊れますよね。栄養満点というのは体にとってはエンジンを最大出力にしているようなものです。
適度な運動が健康に大事。昔から言われていることですが、残念。ここではパラダイムシフトが起こりませんでしたね。相変わらず、運動は大事です。
細かな仕組みを書いても仕方がないので、研究結果だけ紹介しましょう。
週に6〜8キロ程走る習慣があれば、心臓発作で死ぬリスクが45%減少。全死因の死亡リスクが30%減少。
よし。今日から走ろう。いや、来週からで…
軽い運動でもしないよりはしたほうが良い。ですが健康面では「高強度インターバルトレーニング」が一番効果的だったそうです。これは呼吸が早くなりしゃべるのも大変なくらいの運動です。ジョギングやウォーキングよりは、短距離ダッシュですね。
寒いところにいるだけで寿命が伸びる
食事と運動。それ以外ないのかよ!と思い始めたかもしれませんが、ありました。寒さに身を晒せ。
これもちょっと仕組みは違いますが、体を適度な極限状態にする方法です。年中エアコンのかかった部屋にいると当然体は不調になります。食事や運動もそうですが、快適であることは決して良いことではないんですね。
そう言えば、冷水シャワーと温水シャワーを交互に浴びるという健康法が一時期流行ってましたが、これもそういうこと…?
そんなに極端な寒さである必要はなく、冬場にたまに薄着でウォーキングすればいい、という感じです。震えるくらいエアコンを強くするわけではありません。
寒さがいいなら暑さはどうか。つまりサウナなどですね。サウナは体にいいと言われていますがここについてはまだ研究途中。実証はできていないようです。しかし、サウナを頻繁に使う人の健康状態が良い、心臓病やその他の死亡率が低いという研究結果があるそうです。
ただしこれについては「そもそも不健康な人がサウナに行けないだけじゃない?頻繁にサウナに行くくらい元気な人だったって話じゃないの?」というツッコミもあるそうです。
まあ、因果関係があるかはわかりませんが、少なくとも頻繁にサウナに行く老人は元気だということですね。
老化を治療する薬
食事や運動など当たり前すぎることが続いてがっかりしているかもしれません。でもここからが面白いですよ。老化を治療する薬が、すでにあるんです。
ただ老化の治療薬について話をふくらませると大変。
僕自身、仕組みがよくわかっていないことが多いというのもありますが、ここで紹介するものの中には実際に長寿薬として販売されているものもあるからです。なぜそれが問題かというと、ここで紹介されている老化の治療薬、という成分が注目された結果、かなりまがい物や怪しいもの、法律すれすれのものが結構出回っているそうなんです。
実際、Amazonで調べてみると、約1ヶ月分で5000円くらいのものもあれば、35万円もするサプリもありました。
5000円のものが劣悪なのか、35万円のものが異常なのかわかりません。老化の治療薬として注目を集めてまだ数年。ある程度の知識がないと、販売されているものを理解して、評価して選ぶということはできなさそうです。
なにより、これは個人的な意見ですが、ここまで見てきたように老化の秘訣は体を適度な極限状態に追い込むということです。
老化の治療薬も似たような効果があるわけですが、自分の行動によって空腹状態にしたり、運動したりするのではなく、薬によってその状態を作り出すってちょっと怖いですよね。
なので僕はまだこれから紹介するサプリを飲んでいません。当面、飲むつもりもありません。
もっといろんな研究結果が出てきて、信頼できる大手サプリ会社などが販売し始めてからで十分と思っています。
メトホルミン
メトホルミンは糖尿病治療薬として処方される、一般的な薬です。WHOが策定する必須医薬品モデルリストにも載っているので、治療薬としては信頼できます。
そんなメトホルミンですが、糖尿病の治療薬としてだけではなく、その他の病気(老化)に効果的であることがわかってきたんです。
メトホルミンを投与されたマウスは健康な寿命が6%(人間でいう5年)伸びたという研究結果があります。さらに、糖尿病でメトホルミンを投与されている数万人の追跡調査では、ガンのリスクを大きく下げることが示されています。
メトホルミンは代謝を制限する作用があるため、食事を減らした場合と似たような効果があるのです。
しかし残念なことに、メトホルミンは糖尿病患者に投与されるもので、サプリなどで売られているものではありません。
長生きするために糖尿病になるわけにもいきません。医療業界が老化を病気と認識すれば、メトホルミンが老化の治療薬として認可される可能性はありますが、もう少し先の話だと思います。
既に販売されている老化の治療薬NMN
メトホルミンが老化の治療薬になるのは少し先ですが、すでにサプリなどで販売されているものもあります。それが、筆者が研究しているNMNという物質。
これがなぜ老化の治療薬なのかは省かせてください。NMNを摂取すればNADが増え、NADはサーチェインの燃料となるので、仕事がたくさんできる、という感じです。
マウスによる実験では1週間NMNを摂取するだけでミトコンドリアの働きが若返ったり、かなりすごい効果が出ています。高齢のマウスが平衡感覚や俊敏さ、体力や記憶力など、年齢とともに衰えていく機能が復活したという研究もあります。
ただし、人間に対しては十分な研究があるわけではないので、医薬品ではなくサプリとして売られている状況です。実際に摂取している人からは、体力が戻ったという報告や、生殖能力が高まったというような報告があるそうですが、どこまでがNMNの効果なのかはわかりません。
もちろん人間に対する研究もあって、一定の効果があるとはされています。しかしまだまだ研究途中で、どんな副作用があるのか、どの程度の効果があるのか、誰にでも効果があるのか、など、不明な部分は多いようです。
そしてこのNMNが冒頭で問題にあげた、超高額なサプリメントです。
ちなみにコチラがそうです。
※買うかどうかは自己判断で※
3瓶で6800円と3瓶で98万円…
さらに最近はNMNの点滴投与を行う自由診療クリニックも広がっているそうです。「若返り効果が発見された次世代のアンチエイジング療法」「タイムマシーンのような新療法!」などと結構怪しい謳い文句のクリニックも珍しくないそうで、NMNブームのような状況に警鐘を鳴らす専門家もいます。
個人的な感覚として、NMNは無法地帯。1回5万円の点滴で実はただのビタミン剤でした、と言うならまだマシですが、不純物の多いよくわからないものを入れられる可能性だってあります。
サプリも製造会社をしっかり調べて、理解して買ったほうが良いですね。なんでもそうですが、新しいものが登場してブームになったときは、必ずまがい物や詐欺的なものが広がります。
人間では経口投与でさえ研究途中なのに、点滴は怖いですね…。今はまだNMNに頼るより、食事や運動を気をつけたほうが良さそうです。
もちろん、NMNそのものは良いものだと思います。
ただ、それが本物かどうか判断できる知識(筆者はサプリを飲んでいるそうですが、当然彼は専門家です)がないうちはやめておいたほうが良いかもしれません。
人生120年時代にどう生きるのか?
「LIFE SPAN~老いなき世界」Part2ということで、寿命を延ばす方法を中心にここまで書いてきました。
最後に少し、寿命が延びたあとの世界がどうなるのか見てみましょう。
人口に上限はあるのか?
環境問題に関心がある方なら、「地球が支えられる人口には限りがある」ということを聞いたことがあるかもしれません。いろんな意見がありますが、地球の資源の中で生きられる人口の上限は80億人程度とされています。
ということは、人類が120歳まで、場合によってはそれ以上生きるようになったら、地球は破滅してしまうのでしょうか?
人によっては地球は160億人程度の人口を支えられるという意見もありますが、筆者はそもそも「人口に上限などない」と言います。
これは筆者の意見というより、メリーランド大学の環境科学学者のアール・C・エリス氏の意見のようです。彼は人口の上限を考える事自体が馬鹿らしいとした上で次のように言っています。
地球の自然環境の許す範囲内で生きねばならないと考えるのは、人間の歴史全体を通して実際に起きてきた事実に反することである。また、おそらくは未来に起きるであろう現実をも否定している。地球が抱えきれる人数に上限があるとすれば、それは私たちの社会制度や科学技術の能力の限界から生じるのであって、環境の成約によるものではない
つまり、自然環境の許す範囲内で生きねばならないとするなら、とっくの昔に上限に達しているということです。
人口が増えて、そこらへんの木の実を取ったりイノシシを狩ったりして足りなくなったとき、人は農業や畜産をはじめました。これによって、自然環境の許す範囲内を超えて繁栄してきたのです。
つまり、今ある資源を前提にすれば上限はあるかもしれませんが、人類は過去ずっと今ある資源の限界を超えて繁栄してきたのだから、人口に上限などないということです。
そしてそもそも、寿命が伸びても人口にあまり影響しないという事実もあります。意外なのかどうかわかりませんが、人口は生まれる人がいるから増えるのであって、死ぬ人が減るから増えるのではないんです。
たとえ今日から1人も死ななくなったとしても、人口が爆発的に増えるわけではありません。今より少し早めに増えていくだけです。
高齢者は問題になるか
もう一つ、議論になりそうなものを。定年が65歳に延びたとはいえ、生産年齢人口が減少している今、これ以上老人が増え、さらに長生きするようになって社会は機能するのか?という問題です。
年金や医療費といった社会保障は、現在でも国家予算の30%以上。日本はもっと若い世代へお金を投資すべきだという意見もありますが、現実問題、年金を大きく下げたり、医療費負担を増やしたりすることは道徳的にも難しいでしょう。未来への教育は大切ですが、それは今死にそうになっている人より優先すべきなのかと言われれば、なかなかYesとは言えません。
ただはっきりさせておきましょう。
本書で述べられている長寿とは、ガンや糖尿病、心臓病の治療に高額な社会保障を投入するものではありません。NMNやメトホルミンといった比較的安価な薬や食事・運動によって、”健康”に”若々しく”長く生きることです。
つまり、むしろ医療費は減り、働いて社会に価値を生み出し続けられる期間も延び、今ある問題の多くが解消される可能性が高いのです。
人は60歳になったとき、大学に入って学び直し、第二のキャリアを歩み始めることが当たり前になるかもしれません。習得に何十年もかかるような専門スキルを時間をかけて身に付け、本格的に活躍し始めるのが80歳を超えてから、という未来もあり得るかもしれません。
ちなみに今、物理学や生物学などは高度化しすぎて習得するのに時間がかかりすぎることが問題になっているようです。つまり、今ある知識を学ぶだけで何十年もかかり、ようやくこれから新しい発見をしていくぞ、という段階で引退、という状態です。でも100歳になっても頭がハッキリして、若々しくいられるなら、より多くの新しい発見ができるようになります。
僕も筆者に同感。長生きリスクなんて言葉もありますが、本来長生きした分、経験や知識が増え、より社会の役に立てるはずです。そうできていないのは、今は老化という大きな病気に邪魔されているからです。
ゴールドマン・サックスの見積もりでは、老化を少し遅らせるだけで、50年で7兆ドルもの経済効果があるそうです。当然、その分は教育に回せますよね。60歳で大学入学も当たり前になるかもしれません。
新しいLIFE SPANで生きる
この記事では2回に分けて「LIFE SPAN~老いなき世界」をたっぷり届けて来ましたが、どうでしょう。新しいLIFE SPAN(=寿命)で生きる準備はできましたか?
たぶん、新しいLIFE SPANは避けられません。医療費を削減し、経済効果もあるのですから、健康診断のように国が推し進める可能性も十分にあります。
それは非常に嬉しいことですが、問題は”長生きリスク”です。
長生きする準備はできていますか?
国は国民のために上下水道、電気などのインフラを整えてきました。それは国民に健康的に長生きしてほしいからです。国が聖人君子というわけではなく、病気が蔓延して社会不安が起こるくらいならそのほうが良いからです。
糖尿病の治療費や莫大な年金を国が負担するより、メトホルミンを配ったほうが安上がりです。老化が病気と認められたら当然、一般に処方されるでしょう。健康診断で処方されたり、給食に含まれたりするかもしれませんね。
60歳で定年したいと思っても、定年は65歳になりました。年金受給開始も後ろ倒しになっています。
あなたが長生きを望んでいるかどうかわかりませんが、日本に生まれた以上、かなりの確率で100歳近くまで生きることになります。120歳を超える可能性も十分にあります。
今、私たちにできることは、120歳まで生きることを想定した人生プランを立てることです。
新しいLIFE SPANでどう生きるか、考えてみてください。
この記事を妻も読むと思うので、今日は120歳になったときに何がしたいか、どんな夫婦でいたいか話し合ってみます。
この記事を書いた人
-
かれこれ5年以上、変えることなく維持しているマッシュヘア。
座右の銘は倦むことなかれ。
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