【The Long Game】長期戦略に基づき、いま最も意味のあることをする

【The Long Game】長期戦略に基づき、いま最も意味のあることをする 自己啓発
【The Long Game】長期戦略に基づき、いま最も意味のあることをする
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

こんにちは夫です。今日紹介するのは「The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために」です。

夫

「The Long Game」というタイトルの通り、人生を長期的なスパンで考えて成功しよう!という自己啓発書です。ただ本書が普通の長期思考の自己啓発書と違うのは、長期で考えた上で、徹底して今目の前で何をするかに焦点を当てていること。

「はじめに」に本書のスタンスが強く現れている箇所があります。

すでに成功した人の多くは、自分が登ってきたはしごを外してしまう。彼らにとっては。成功の本当の秘訣を教えるより、「天才だから成功できた」と思わせておいた方が安全だ。自分は人並外れて優秀なので、泥臭い努力はまったく必要なかったと思わせるのだ。
しかし、実際はそんな人は一人もいない。私の知り合いにとても成功したアーティストがいる。TEDトークに登壇し、外国からも大きな注文が入るようなアーティストだ。私は彼女に成功の秘訣を尋ねた。「ただいい仕事をするだけ」と、彼女は答えた。
それが本当だったらどんなにいいか。もちろんいい仕事をすることは必要だ。しかしそれは出発点でしかない。
<中略>
この「ロングゲーム」で私が目指したのは、成功へのプロセスを「すべて明かす」ことだ。長期にわたる成功を達成するまでには、どんなことが待ち受けているのか。その現実を包み隠さず明らかにしたい。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

夫

成功者は成功の秘訣のほんの一部しか教えてくれず、重要な部分を隠している。その部分を明らかにしたい、ということです。本書を読むとキレイゴトなしでかなり具体的に成功へのステップを書いてくれています。それでは早速本書の内容から、僕が気になった部分をピックアップしていきます。

Amazonで購入

何かをやる前に、まず余白を作れ

すでに満杯になっているコップに、それ以上、液体を注ぐことはできない。それはつまり、自分の時間とエネルギーを賢く使いたいなら、ある程度の「余白」が必要だということだ。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

コンサルティング会社の調査によると、戦略的思考が組織の成功だと考えている割合は97%、一方、戦略的思考のために十分な時間が取れていると答えた人は、4%しかいません。多くの人が大切だと考えていることに、時間を使えていないのです、
多くの人は、成功するための努力をしていない暇人ではありません。ただ、目の前の仕事に追われて忙しすぎるのです。しかも多くの人は自ら積極的に忙しさを求めてしまっています。

忙しいことには色々なメリットがあります。一つは自分の価値を手っ取り早く実感できること。次から次へと仕事が舞い込んできて、それらを最高効率で処理している時、非常に気持ちがいい。そんな経験がある人は少なくありません。
また、忙しさには麻酔のような働きもあります。忙しいと余計なことを考えなくて済むからです。家族を亡くして深い悲しみにいる人が、以前より猛烈に働くようになるのは、忙しくすることで、嫌なことを考えずに済むようにしているのだと言います。

ですが問題はその余計なことの中に、「これが正しい道なのか?これが私の望んだ人生なのか?」という長期的に大切なことが含まれていることです。

夫

忙しさを崇拝していると、知らず知らずのうちに忙しくなるための選択をしてしまい、本当に大切なことを考える時間を失ってしまうと言います。本書に書かれている忙しさの呪縛から逃れる方法をいくつか見ていきましょう。

一番大切な予定を真っ先に書く

まず自分にとって大切な予定を先にスケジューリングしましょう。例えば、週末は仕事を離れて、家族と過ごす、などです。週末に仕事を離れるということは、金曜日までに仕事を終わらせないといけません。こうした制約があることで集中力が研ぎ澄まされ、以前と同じ仕事量を、金曜日までに終わらせることができるようになるんです。

「いいアイデアを思いつくのに時間は必要ない。必要なのは余白だ。頭の中に余白がないと、まともに考えることもできない。確信的なアイデアを思いついたり、何かを決めたりするのに必要な時間は、ゼロだ。しかし頭の中に余白がないと、アイデアや決断が不可能になるというわけではないが、理想的な結果にはならないだろう」
つまり、長期の戦略的思考に何百時間もかける必要はないということだ。とはいえ、頭の中に余白がなければ考えることはできない。
戦略的思考を磨く最初のステップは重要でないものを排除すること。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

最高に魅力的じゃない限り「ノー」と言う

活躍している人の元には魅力的な仕事がたくさん舞い込んできます。当然、それを全て受け入れていたら、余白はなくなり、より大きな視点で考え飛躍するチャンスを探すことはできなくなります。
だからこそ、悪い選択肢を断ることは当たり前として、そこそこ魅力的だったとしても、断る必要があります。筆者は人間関係について、具体的に次のようなルールを決めています。

  • 相手の都合に合わせて自分のスケジュールを変えない。自分にとって都合のいい日時の時だけ承諾する。
  • こちらの近所まで来てもらう。あるいはすでに相手の近くに行く用事がある時に会うことにする。
  • ただ理由もなく人に会うことをやめる。会う相手は厳選しなければならない。仕事上の有力な繋がりのある人か、あって面白そうな人だけにする。
夫

これを徹底すればプライベートの予定はかなりスッキリして、しかも満足いくものになりそうですね。基本的には「イエス」という方が簡単です。相手を失望させることもないですし、求められたことに答えるのは気持ちがいいからです。でも勇気を持って「ノー」と言い、最高の人間関係だけに厳選する必要があるんです。

自分にできないことを決める

人は自分が平均以上だと思い込むバイアスがあります。そのため頼まれたらつい自分でもできそうな気がして、受け入れてしまいます。でもできないことを受けてしまったら、自分のスキルやキャリアに関係のないことに、想像以上のリソースを費やしてしまうことになります。

何かが得意ということは、何かが犠牲になることでもある。これは受け入れなければならないトレードオフだ。
<中略>
私たちは「選択」を恐れることがあまりにも多すぎる。何かのドアを閉めれば、ほかのドアが開くことに気づいていない。やがて私たちは、自分でも気づかないうちに深刻な状態に陥ってしまう。「ノー」と言えないがためにスケジュールを詰め込み、一つの予定を早めに切り上げ、次の予定には遅れるということを繰り返すのだ。
これでは本当の進歩につながらない。1個を一キロ動かすのではなく、たくさんのことを1センチ動かしているからだ。人は忙しいと「反射モード」になる。目の前の仕事をこなすのに精一杯で、時間をかけて自分自身の課題を見つけることができない。
すべてのことに「イエス」と言うのは、すべてに凡庸であるということだ。逆に「ノー」と言うことができれば、偉大な存在になれる貴重なチャンスが手に入る。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

夫

一つのドアを閉めれば、一つのドアが開く。これは真理ですね。どんなに忙しくても1日は24時間なので、何かをやらないという選択は、イコール、別の何かをやるという選択です。

チェックリストを活用する

余白を作るために何かを断らないといけない。断る基準はいろいろありますが、筆者が行うエグゼクティブコーチングでは次の4つのチェックリストからイエスかノーかを判断しています。

  1. トータルでかかる時間はどれくらいか…1時間の講演を依頼された時、必要な時間は1時間ではない。そのための準備、電話やメールでのやり取り、移動時間などを含めればもっと長い。会社のプロジェクトで必要な時間やお金を低く見積もってばかりいたら会社に大きなダメージを与えるが、プライベートの予定となると私たちは低く見積もってしまう。実際にトータルでかかる時間を計算すれば、あまりの拘束時間の長さに恐怖を覚え、迷わずノーと言えるようになる。
  2. 機械費用はどのくらいか…講演を依頼された時、選択肢は講演をやるか、やらないかの2つだと感じる。しかし実際には、講演をやるか、その時間を使って別のことをするかを選択している。講演の準備に丸1日かかるなら、丸1日かけて勉強したり、本を書いたりすることと引き換えに講演を受けるのだと自覚しよう。
  3. 身体的コスト、心理的コストはどんなものか…お金と時間ではなく自分の体や心への負担も考える。講演は好きでも、講演会場に向かうための長距離移動や満員電車は嫌いかもしれない。
  4. もし断ったら1年後に後悔するだろうか…何かにノーをいうとチャンスを逃した気分になる。そこで、1年後に後悔するかどうかを基準にする。1年後に振り返って後悔しそうなほど魅力的なオファーならイエスと言っていい。しかしほとんどのプライベートのお誘いや仕事のオファーは、1年後には忘れている。
夫

ここまで、本書の2章までの内容で、まず余白を作って新しい何かを始める準備について書いてきました。ここからは空いた余白で何をするのか、です。

どこにエネルギーを集中させるべきか

余白ができたらいよいよロングゲームの準備が整ったことになります。人生という長いスパンで自分が何をやりたいのか、やるべきなのかを考える時間を持ち、それを実行する。でも人生を賭けて自分がやりたいことがわかっている人はそう多くありません。そこでいくつかのアドバイスがあります。

自分の興味に最適化する

人生を賭してやりたいことが見つかっていないなら、まずはシンプルに自分の興味を突き詰めることだと言います。

夫

興味を突き詰めるというと、「ピアノを弾くのが好きだけどあくまでも趣味でそれでお金が稼げるとは思えない」のような否定的な意見が多いと思います。でもこれはあくまでとっかかり。ピアノ好きからピアニストになれるわけではありません。もしかしたらピアノ音源や電子ピアノ、DAWソフトを作るエンジニアの方に発展していくかもしれないわけです。とりあえず、今何もとっかかりがないなら、自分の興味から始めよう!ということですね。

長期的な思考とは、12歳時点で将来の目標を決め、あとはひたすらにその目標に向かって計画を実行していくということではないのだ。
あなたが人生のどの時点にいようとも、まだ生きがいや得意なことを見つけていないかもしれない。しかし、「興味のあること」「面白そうだと思うこと」ならあるはずだ。
<中略>
「自分の興味に最適化する」という前提に疑問をもつ人もいるだろう。「そんなのは単なる夢物語では?」「お金持ちの道楽では?」と。「奨学金の返済があるから、今の仕事を辞められない」という人もいるかもしれない。あるいは、「住宅ローンの返済がある」という人もいるだろう。確かにもっともな主張ではあるが、それは短期での話だ。
ロングゲームの大前提は、「現状の犠牲者にならない」ということだ。今の時点での現実は、この先も永遠に続くわけではない。
好奇心を刺激されることや、もっと学んで見たい分野があっても、今すぐ仕事を辞め、それに没頭することはできないかもしれない。しかし、時間をかけて、小さな戦略的ステップを積み重ねることならできる。そうすれば、ほぼすべてのことが可能になる。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

そして自分の興味を見つけるには、自分の時間の使い方を分析してみるといいといいます。食べ歩きに時間を使っているなら、それを深掘りしてみる。ブログを作って食べ歩きの感想をアウトプットするようになれば、立派なフードジャーナリストです。もしかしたらマーケティングスキルと合わせて、飲食店コンサルへの道が見えてくるかもしれません。

また、好きなことのパターンを考えることもいいヒントになると言います。本書に出てくるレベッカは一流銀行で働くエリートでした。自分が仕事以外で何に時間を使っているかを振り返ると、英語を教えたり、ビジネススクールの願書の書き方、金融機関に就職したい人の面接練習をしたり、人に何かを教える、他人の成功をサポートすることに時間を多く割いていることに築きました。そこで彼女は銀行を辞め、人材開発の部署で働くようになります。

夫

自分がやっていることを深掘りするとやりたいことが見えてきます。僕はどうでしょう。ピアノやギターを弾くのが好き。文章を書くのが好き…マーケティングが好き。アート鑑賞が好き。何かをアウトプットすることと、才能に触れることが好きというのが共通していそうです。

「お金」に最適化するのではなく、自分の「興味」に最適化することが大切。自分の「興味」がわからない人は、自分に次の質問をしてみよう。
「今していることの中で、一番楽しいものはなんだろう?」自分の時間の使い方を観察し、自発的に行なっていることを見つける。それがあなたの興味の対象である可能性は高い。
「そもそもなぜこの分野に進んだのか?」最初の動機を思い出す。
「否定的な意見に耳を傾けないようにするにはどうするか?」いつでも目標まで一直線に進めるわけではない。普通はやらないからって、間違っているとは限らない。
「自分はどんな人間になりたいか?」理想の自分なら経験していることを決め、それに向かって努力する。
「大きく考えるにはどうするか?」現状を基準に考えると、できることの範囲が狭くなる。理想の未来を基準に考えよう。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

新しいことを始めてみる

Googleは株式上場に合わせてユニークなコンセプトを打ち出しました。それが有名な「20%ルールです。」

20%ルールを発表した時、IPOレターでセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジは次のように言いました。
「私たちは従業員に、進行中のプロジェクトだけでなく、グーグルに大きな価値をもたらす新しい何かに、自分の時間の20%を使ってもらいたい。従業員はよりエンパワーされ、創造性とイノベーションを加速させることができるだろう。私たちは、いつもこうして最も大きな進歩を達成してきた」

その言葉通り、20%ルールからはGmailやグーグルニュースなどから生まれています(ちなみに20%ルールの元ネタは3Mでの15%ルール。3Mは創造性のために15%の時間を使うことを推奨し、そこからポストイットが誕生した)。

20%ルールのいいところは、リスクをコントロールできる点です。もし100%ルールだったら、今ある全てを投げ捨て、新しいことにチャレンジしないといけませんがそれは流石にリスクが高すぎる。でも20%なら、今の仕事や生活をキープしたまま、着実に新しいことにチャレンジできるんです。

夫

なので20%ルールでは、できるだけリスクが高いチャレンジも積極的に行うべきだと言います。20年前、余剰資金の20%をアップルやエヌビディアに投資していた人は、それだけで大金持ちになりました。20%の範囲内で、そうした爆発的なチャンスを掴みに行こう!というわけです。もちろんそのために大切なのが、すでに紹介した「余白」です。余白があるからこそ、20%ルールが実現できるわけで、いきなり20%好きに使え!と言われても、普段通り忙しく過ごして終わりです。

ただ闇雲にリスクの高いチャレンジを繰り返せばいいわけではありません。20%ルールからGmailが生まれたのは、それに必要なスキルを持った人や、グーグル全体のビジョンが共有されていた、ちゃんと実現できるリソースがあった、など偶然でありながら必然的な環境があったことも事実。そこで本書では挑戦するときには6つのポイントを意識すべきと言います。

  1. 正しいサポートを手に入れる…挑戦は失敗に終わることも多い。信頼できる友人に挑戦を公言し、辛いときにはサポートしてもらう。
  2. コーチを雇う…インターネットで様々な知識を得ることもできるが、やはり何かの分野で専門的なスキルを身につけるならコーチを雇うのが最も確実な方法
  3. 期限を決める…明日やろうと言って明日できる可能性は限りなく低い。時間は常に一定で動かないため、新しい挑戦に必要なのは時間ではなく「期限」
  4. 学び続ける…挑戦して成功しても、失敗しても、やり続けたいならば学び、成長し続けよう
  5. 負けても勝てるようにする…リスクを最小限にする究極の方法は、たとえ負けてもそれなりの勝ちが得られるようにしておくこと。挑戦に失敗しても、挑戦したことで得られた知識やスキル、人脈は残る。失敗したときに見込まれる最低限の利益に魅力を感じるなら、挑戦する価値がある。
  6. 10年単位で考える…人は1日でできることを過大評価し、1年でできることを過小評価する。10年ならなおさら過小評価してしまう。20%ルールは投資と同じで複利が働く。最初は小さな、とるに足らない一歩でも、10年後には複利で大きな距離を進むことができる。

Amazonで購入

キャリアを4つの波で考える

ここまで書いてきたように、本書が主張するのはとにかく今この瞬間に、価値のある何かを始めるための行動をスタートしよう、ということです。それが実はかなり先になるかもしれませんが、それでも動き出さないと何も始まりません。

夫

しかし何かにチャレンジしても結果はなかなか出ません。ピアノを習い始めて人前で披露できるようになるまでには、何年もの時間がかかるでしょう。そこで大切なことが、新しいチャレンジによって得られるキャリアを4つの波に分けて考えることです。「自分はまだ一つ目の波だからこれでいいんだ」と思うことができれば、ロングゲームを完走することができます。

第一の波:学ぶ

一つ目の波は学ぶフェーズです。何にチャレンジするにしても、最低限の知識は必要です。画家になる!といっても、アクリル絵の具と油絵の具の違いがわからなければ適切な道具を揃えることもできません。
全く新しい型破りで、革新的なことがしたい、という場合でも、やはり知識は必要です。方を知らずに方を破ることはできないからです。

しかし学ぶこと自体は収入を生みませんし、アウトプットも生まれません。チャレンジしている気分に慣れないかもしれません。だからこそ、チャレンジの4つの波の最初が「学ぶ」であることを認識しておく必要があります。

ロングゲームをプレイするときには、心得ておかなければならないことがいくつかある。「すぐにリングに立てるわけではない」というのも、その一つだ。ゆっくりしか進めない。時間を無駄にしているような気分になるかもしれない。しかしこのゲームの本質を理解していれば、忍耐の大切さがわかるはずだ。
<中略>
「学ぶ」ことそれ自体は収入を生まない。大切な一歩ではあるが、単なる最初の波だ。目指している分野のだいたいの枠組みをつかみ、自分の方向性も見えてきたら、今後は世の中にアウトプットしなければならない。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

夫

学んでいるばかりで満足してアウトプットできていない人も多そうですね。だからといって知識ゼロで飛び込んで何かを掴めるほど世の中甘くありません。バランスを考えて、第一の波を泳ぎ切りたいですね。

第二の波:創造する

自分の存在や自分にしかできないことを人に知ってもらうためには、創造するという第二の波を起こさないといけません。第一の波で他の人の考え方やアイデアを十分に吸収し、それらを評価する目も養えています。それらを元に成熟させ自分の意見を形成し、アウトプットすることです。

最初は小さなステップで十分。読者がほとんどいないニュースレターでも、Youtubeやポッドキャストなど、無料で使えるツールで世の中にアウトプットする方法は数多くあります。

ここが非常に難しく、大変な割に成果がでない、失敗だと思うことも多いポイントです。新しいチャレンジに失敗した時は、次の質問を考えてみましょう。

  • なぜ私はこれをしているのか?…最初の目的が明確であればそれは信念となり、物事を大きな視点で眺めることがずっと楽になる。
  • ほかの人はどうやって成功したのか?…自分の理想をすでに実現した人、あるいは一部でも実現した人を見つけてロールモデルにすること。それにより、彼らの道のりを自分の人生に応用することに加え、彼らが成功までに費やした時間を正確に把握することができる。
夫

そもそも失敗を再定義する必要もあるといいます。失敗から何かを学べたなら前に進んだことになりますし、失敗したことが別の分野で活きることもあります。バットを振らなければホームランは生まれない。打率10割を目指して延々素振りしているのではなく、何はともあれバッターボックスに立って、たくさん空振りしてホームランを狙いましょう。

第三の波:つながる

どんなスキルを持っていても、一人で成功できるわけではありません。優れた画家には優れたアートコーディネーターやマネージャーが必要です。第三の波では、正しい人とつながり、サポートしてもらったり、より多くの人に届ける手伝いをしてもらったりします。

極端に内向的な人や1匹狼を自負する人など、他人と「つながる」ことにまったく興味を持てない人もいるだろう。そんなヒマがあったら、本業に精を出したほうがいいと考えるかもしれない。たしかにそういった態度でも、ある程度まではうまくいく。
だが、狭い人脈しかないことは、いずれ成長への足枷になるだろう。新しい考え方に触れる機会もなく、自分のアイデアが誰に届くこともなく、ビジネスの微妙なコツを知るチャンスもないことになる。なぜなら、そういうコツや考え方は、見ず知らずの人には教えないからだ。教えるのは親しい友人や同僚だけだ。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

つながるときに大切なことは、短期的な関係ではなく、無期限の長期的な関係を目指すこと。自分のチャレンジに協力してくれる人を探すわけですが、人間関係はWinWinじゃないと成り立ちません。常に「相手のために何ができるか?」を考える必要があります。

夫

筆者は新しい人間関係について「1年間は何も頼らない」ことをルールにしています。出会ったばかりで何かをお願いするということは、利用してやろうという下心がきっかけの人間関係だということ。1年間はなにも頼まないことをルールにすると、相手を利用しないことはもちろん、こちらからは相手に貢献することしか考えられないので、長期的な人間関係が築ける人とだけ、素晴らしい関係を築くことができるようになります。

第四の波:収穫する

知識を身につけ、アウトプットし、適切なつながりを作った後で、ようやくこれまでの努力から豊かなみのりを収穫できるようになります。簡単な波のように思えますが、収穫の時期が早過ぎたら十分に熟していないときに収穫してしまうことになります。遅過ぎれば実は腐って価値を失うかもしれません。
また収穫には適切な時期があるので、早過ぎても遅過ぎてもダメなことはもちろん、永遠に続かないことにも注意する必要があります。適切な時期に収穫し、また次のチャレンジに向かって第一の波である「学ぶ」から再スタートする。その繰り返しが、ロングゲームの攻略方法です。

聖書に書かれているように(そしてボブ・ディランの歌詞にもあるように)、人生には集客のための時期がある。とはいえ、その時期は永遠には続かない。どんなに成功している人でも、ある時点でそれを悟り、また新しい挑戦に向かっている。
<中略>
どんなに優秀な人でも、ずっと同じことを続けていてはゲームに勝つことはできない。<中略>誰にでも長所はあるが、長所だけに頼っている人があまりにも多すぎる。そして望み通りの結果が手に入らないと文句を言うのだ。
ロングゲームをプレイするには、ゲームでの自分の立ち位置を知り、その時点で必要なスキルを見定めなければならない。「波で考える」ができるようになれば、その時々に合ったツールを選び、停滞するのを避けることができる。それが勝利の方程式だ。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

夫

本書では早く成功しすぎるのも良くないと言います。若くして成功するのは素晴らしいことに思えますが、本当はもっと時間をかけそれぞれの波を大きくしていれば、より大きな収穫の波を泳ぐことができたのに…そういうケースもあるんです。

ロングゲームをクリアする3つのアイテム

ということで今回は「The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために」を紹介しました。

夫

自己啓発書を読むのは少し久々でしたが、読み応えのあるいい本でした。記事ではほとんど省きましたが、本書に書かれている大半は、実際の成功者のエピソードです。実際のエピソードを書いて、そこから学べることを書いて、という構成なので、腑に落ちる部分がたくさんありました。最後に、ロングゲームをクリアするための3つのアイテムを紹介して終わりたいと思います。

ロングゲームで大切なのは結局「メンタル」です。結果が出るまで時間がかかりますし、失敗を受け入れて前に進み続けないといけません。そんなロングゲームをクリアするためのアイテムが「独立心」「好奇心」「レジリエンス」です。

独立心

ロングゲームは根本的に、自分自身と自分のビジョンに忠実に進めていくものです。自分の興味から始め、他人が無意味だと言おうとも一歩ずつ前に進む。長い時間をかけて、失敗を受け入れて進み続ける。人から頼まれたことに対し、勇気を持って「ノー」という。
他人からの承認を評価の基準にしていると、耐えることができません。ロングゲームをクリアするには、自分の中に評価基準を持つことが大切になります。

夫

「他人が何というと、どうみられようと、自分はこれをやると決めた!そのために必要なことをする!」そう言える独立心があれば、ロングゲームの荒波も乗り越えていけます。

好奇心

ロングゲームは一度何かを突き詰めて成功したら終わりというものではありません。4つの波を超えたら、また最初の波に戻って再スタート。波のサイクルを越えるたびにどんどん大きく、豊かに、幸せになっていく、そんなゲームです。
自分にとって何が正しいのか最初からわかっている人はいませんし、一つのことで成功した後、それにしがみついて「昔はすごい人だったよね」と言われることなく次のチャレンジを見つけていくためには、好奇心が欠かせません。

自分が何に時間を使っているか、何に惹かれているか、好奇心の数だけヒントも増えます。

レジリエンス

レジリエンスとは立ち直る力のこと。何か新しいことを始める時、うまくいくかどうかは、やってみないとわかりません。しかも、偶然や運など、どうしようもないことが与える影響は非常に大きいのが事実です。100人に営業をかけて、1人の顧客を獲得できるとして、1人目で顧客を獲得できる人もいれば、100人目でようやく顧客と獲得できる人もいます。外から見れば前者は営業がうまく、後者は才能がないように見えますが、実際には運の問題かもしれません。

ロングゲームをプレイするには、確固としたレジリエンスが必要だ。最初の挑戦でうまくいったり、完璧に思ったとおりの結果になったりすることなどめったにない。プランB(あるいはプランC、D、E、F)を用意しなければならない。そのうえで、うまくいかなかったときは「これはダメだったけれど、ほかの方法を試してみよう」と言える強さが必要だ。成功するかどうかは、打席に立つ回数で決まるといっても過言ではない。
引用:The Long Game~今、自分にとっていちばん意味のあることをするために

Amazonで購入

コメント

タイトルとURLをコピーしました