仕事中心から遊び中心へ|毎日を楽しめる人の考え方

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こんにちは。妻です。

気づけば今年のゴールデンウィークも終盤に差し掛かりました。

GW明けの仕事のことを考えるだけでテンションが下がる…しかも次の連休は当分ない…そんな憂鬱な気分を吹き飛ばしたくて、夫と散歩に行き、近くにあった本屋さんでとある本を見つけ、手に取りました。

その手に取った本が今回紹介する『精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方』。

著者は精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える「日本一アウトプットする精神科医」として活動している精神科医、作家の樺沢紫苑(かばさわしおん)さん。

樺沢さんは話のきっかけをつかむため、初対面の人に「何か趣味はありますか?」「何をしているときが一番楽しいですか?」という質問をされています。
この質問に対し、「趣味はありません」「楽しいことがありません」と答える人が多く、樺沢さんはそのたびに驚いているそうです。

では実際にどのくらいの割合の人が趣味や楽しいことがないのか?
実態を把握すべく、自身のTwitter(当時のフォロワー数12.7万人)で調査を行ったところ、5人に1人が「趣味がない」4人に1人は「楽しいことがない」ことがわかりました。

精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方 より

樺沢さんはこの結果を見て、趣味がなかったり楽しむことが下手な人は気分転換やストレス発散ができず、メンタル疾患になりやすい傾向にあると分析します。

2021年はコロナ感染の拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が長期にわたって続きました。外出の制限などで「我慢」を強いられ、ほとんどの人が何かしらのストレスを感じています。
コロナ禍でたまりにたまったストレスをそろそろ発散させていかなければ、多くの人にメンタル的な危機が起こってしまいます。

大変な時代だからこそ敢えて「遊び」や「楽しむ」ことの重要性を伝えたい、と遊びや楽しむことがもたらすメリットを教えてくれるのが本書。

本書を一言でいうと「遊びを制するものは仕事を制す!」といった内容です。仕事がメインで遊びがサブと考えている方にはぜひ読んでほしい一冊です。

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「遊び」とはそもそも何を指すのか?

人生を楽しむために必要不可欠な遊び。
この遊びのイメージは人により様々ですが、樺沢さんが考える遊びの定義は仕事以外の楽しい活動のこと。つまり、仕事以外の時間帯の楽しい活動はすべて遊びに該当します。

「ソファーで何もしない」「入浴」といったリラックス活動、「朝散歩」「筋トレ」などの運動、さらには「皿洗い」「部屋の掃除」といった家事や「睡眠」も、楽しければすべて遊びに入ります。

もちろん「仕事」もゲーム化したり楽しむことができれば遊びに入れることができますが、多くの人は自分の思うようにコントロールすることが難しく楽しみづらいものなので、敢えて含まないようにしています。

わたしのすきな家事は「洗濯」です。動画を見ながら楽しんで洗濯しているので、樺沢さん論でいくとこれも遊びに入りますね…!

「遊び」がもたらすメリット

遊びは仕事以外の楽しい活動のことを指すとのことでしたが、では遊んだり楽しむことでどんな効果が生まれるのでしょうか?

楽しむことでドーパミンという幸福物質が分泌されます。
ドーパミンが分泌されると、もう一度その楽しみを得たいと「次もがんばろう!」「もっとがんばろう!」とモチベーションが湧いたり、集中力や記憶力が高まります。
具体的に、仕事やスポーツ・趣味などで結果を出したとき、ボーナスや臨時収入が入ったとき、人から褒められたとき、美味しいものを食べたり飲んだりして美味しい!幸せ!と感じたとき、運動をして今日は良い運動ができた!と感じたとき、ドーパミンが出ています。

一方、苦しかったりつらい状況が続くと、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールはモチベーションを下げ、記憶を司る海馬が萎縮し記憶力を低下させるもので、これが長期にわたって続くとうつ病の原因にもなってしまいます。

いつも定時で帰る調子の良い人が評価され、残業して苦しい思いをしてがんばっている人が評価されない、この理由はドーパミンとコルチゾールの秘密を知った今、もう明らかですよね。
同じことに同じ時間取り組んでも、楽しいと思ってやる人とつらいと思ってやる人では結果に差が出るからです。

  • 楽しい! → 記憶増強物質:ドーパミンが出て能力は2倍に
  • つらい! → 記憶障害物質:コルチゾールが出て能力は半分に

(数値は樺沢さんの実感値)

もちろん「仕事が楽しい!」と心から思えるようになるのが一番です。しかしほどんどの人がそんなことは無理!と言います。人間関係、業務量、人手不足などにより、何らかのストレスを抱えながら仕事をしている人が大半。

樺沢さんは「仕事を楽しもう!」とは一切言わず、仕事を楽しめなければ仕事以外を楽しめば良い、と言います。

  • 仕事でドーパミンが出せないなら、遊びでドーパミンを出せばいい。
  • 仕事でストレスがたまるのなら、遊びでストレスを解消すればいい。
  • 仕事のストレスでコルチゾールが分泌されるのなら、遊びでコルチゾールを下げればいい。

そんなこと言われても「遊ぶ暇なんかあるか!」とツッコミたくなるのはわたしだけ…?

わたしと同じように、多くの人は時間がない、お金がない、体力がない、意欲がないといった理由で遊べない・楽しめない人に該当するそうです。遊ぶというのは誰にでもできそうだけどそう簡単ではありません。

でもご安心ください。次の項目で時間・お金・体力・意欲がなくても上手に遊ぶ方法について教えてくれます。

悪い遊び方と良い遊び方

ここからは具体的な遊び方について。

といっても、遊びは楽しければなんでもいいというものではありません。
睡眠を削ってまで遊びに没頭してしまうと、仕事のパフォーマンスが下がり、人間関係や健康に悪影響を及ぼしてしまいます。こういった遊びは「悪い遊び方」に分類され、今まで多くの人がやっている遊びになります。

言われてみると仕事を終えてから、動画を見たり、スマホをいじったりと遊んではいるのに、翌日起きたときなんだか疲れています。これは「悪い遊び方」だったんですね…

本書ではこういった「悪い遊び方」ではなく、「良い遊び方」を教えてくれます。

「良い遊び方」、それは脳を活性化させること
記憶力、集中力、創造性、発想力、コミュニケーション力、アウトプット力を伸ばす脳のトレーニングになる遊びを行うことで、仕事のモチベーションやパフォーマンスが高くなります。そして、楽しくない時間を減らすことで幸福感がアップします。

ということで、ここからは「良い遊び方」について本書に書かれているものから抜粋して5つ紹介させていただきます。

良い遊び方1.読書

著者の樺沢さんは精神科医を志すきっかけになったのが読書でした。
大学生の頃に『ドグラ・マグラ』と出合い、読み終わって「精神医学の世界はなんと奥深いのだろう、自分が一生かけて探求していく分野は”精神医学”しかない!」と確信したそうです。

読書は文章力や知識が身に付いたり、想像力が豊かになったりとたくさんのメリットがあります。普段は本を読まない方でも、図書館を利用すればお金がかからず自分の好きな本を探し、気に入った本は借りてじっくり読むことができます…!

ただし、読書が良い遊び方だからとただ読んで終わりはNGです。
インプット→アウトプット→フィードバックのサイクルを回していくことが重要になります。

自己成長できる読書術

本を読む
(インプット)

本の感想とともにTO DO(すべきこと・したいこと・日々の行動に取り入れたいこと)を書く
(アウトプット)

TO DOを常に意識して実践し、さらにどんな能力を磨きたいか・どう変わりたいかを見直す
(フィードバック)

フィードバックにマッチした次の本を読む
(インプット)

このサイクルを5回繰り返すことで自己成長につながり、勉強や仕事で結果を残しやすくなります。

わたしは本を読むことは好きですが、フィードバックまではできていません…これからは読んだ本で気づきや発見を得てから見直し、見直した内容にマッチした本を読もうと思います…!

良い遊び方2.散歩

運動はダイエット効果、病気の予防、寿命が延びる、睡眠改善、疲労回復、ストレス発散、などたくさんのメリットがあります。

メリットがあることを知っていても、「だから運動しよう!」となる人はあまりいません。その原因の1つとして樺沢さんは運動の仕方が間違っているから、と言います。
例えば、運動習慣が全くない人がいきなり30分のジョギングをしたとします。体力的にいきなり走るのが難しく、途中で諦めてしまい、「運動はつらい」というイメージがつき、運動から遠ざかってしまいますよね。

運動を習慣づけるには、自分には合わない運動はせず、楽しいと感じられる運動をする必要があります。

樺沢さんは楽しいと感じられる運動として散歩、特に朝散歩をお勧めしています。
朝散歩は朝起きて1時間以内に、太陽の光を浴びながら、5〜15分程度、早足で歩くというもの。

歩き方のポイント

  • 太陽の光を浴びる
  • 背筋を伸ばす
  • 足早に、リズムよく

これを行うことで、脳の思考の切り替えを司る幸福物質のセロトニン活性化、体内時計リセット、ビタミンDの活性化などの様々な健康効果が得られ、集中力が高まり、午前中の仕事もはかどります。

そして散歩によって運動に対するイメージが良くなれば、自分にとってどんな運動が合うかを探してみることをお勧めしています。筋トレ、ウォーキング、ダンス、テニス、フットサル、など運動の種類は無限にあります。

わたしは家にいても気分が乗らないなどで気分転換したいとき、夫に「散歩しない?」と声をかけて散歩をすることがあります。でも散歩に行く時間や歩き方を意識したことはありませんでした…これからは家で気分が乗るよう、先に散歩する習慣に変えていこうと思います!

良い遊び方3.入浴

入浴は毎日・家で・誰でもできて、ほとんどお金がかからない、時間効率やコスパを踏まえても最強の娯楽です。

入浴は1日の疲れや汗などの汚れをとるためにしているという方が多いかと思いますが、入浴の最大の効果は実は睡眠を深めること、と樺沢さんは言います。

入浴そのものに疲労回復効果があるのはご存知だと思いますが、入浴することで筋肉の緊張がほぐれ、その状態で睡眠をすることでさらに睡眠中の疲労回復効果が高まります。この効果は、スタンフォード大学の西野清治教授が推奨する寝る90分前入浴、40℃の湯船に15分つかることで最大の効果を発揮します。

90分前入浴はまさに夫が読んでいた『スタンフォード式 最高の睡眠』に書かれている内容ですね…!

スタンフォード式最高の睡眠|不眠症は朝から始まる
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ただし入浴時にやってはいけないことがあります。それは浴室にスマートフォンやタブレットなどを持ち込むことです。

入浴は1日の中で睡眠を除きもっとも心と身体を緩めることができる貴重な時間です。その時間にスマホをするということは、視覚刺激で脳の興奮を引き起こしてしまうので脳が全く休まりません。

入浴中はリラックスすることに集中するか、今日1日をポジティブに振り返るようにしましょう。

偶然にも、わたし以前はお風呂に入りながらスマホで動画を見ていたんですが、最近はデジタルデトックスと言いながらスマホを持ち込まずにお風呂に入るようにしています。睡眠が深まっているのかは正直わかりませんが、常にスマホといった生活ではなくなったことにより、脳がスッキリしている気がします。

良い遊び方4.映画鑑賞(アニメ・ドラマ含む)

アニメ、ドラマ、映画を観て感動することがあるかと思います。
感動すると脳の中でドーパミン、エンドルフィン、アドレナリンなどのさまざまな脳内物質がシャワーのように分泌されます。ドーパミン、エンドルフィンなどの幸福物質には、記憶増強作用があります。そして興奮物質アドレナリンにも、記憶増強作用があります。
「感動した!」という瞬間に、大量の記憶増強物質が分泌されて感動体験が記憶に残りやすくなります。そして、その瞬間に脳の回路がつなぎ変わり、脳が成長します。

脳は衰えてしまうと老化して認知症につながります。脳を活性化させることで脳の老化防止だけでなく、集中力が高まり、記憶力が良くなり、作業効率のアップ、発想力・想像力が上がったりとたくさんのメリットがあります。

少し前に読んだ『女はいつも、どっかが痛い』でも涙を流すことはリフレッシュやストレス解放の効果があると書かれていました。感動して涙を流すのはいいことづくしですね…!

その不調、あなただけじゃない|女はいつも、どっかが痛い
こんにちは。妻です。 今日は、 いつもなにかしらの不調を感じている ついつい頑張り過ぎてしまう パートナーがなぜ疲れているのか知りたい という方にぜひ手に取っていただきたい本、『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経...

また、物語を1人で楽しむのではなく、恋人やパートナー、家族、友人と一緒に楽しむことでオキシトシンの分泌にもつながります。
オキシトシンは楽しい、幸せ、癒される、安らぐ、つながり感、連帯感、一体感、信頼されている、愛されている、といった感情と深く関わる交流やコミュニケーションによって分泌される幸福ホルモンです。
ぜひ身近な人と一緒に、1つの物語を楽しみ、感動し、その感動を共有してみてください。

ちなみに、著者の樺沢さんは映画が1番の趣味。
高校生の頃、スター・ウォーズに夢中になり、SF映画の雑誌『スターログ』を愛読。その中にスター・ウォーズ・ファンクラブ Little Falconの募集案内があり、ファンクラブに入会しました。
そのファンクラブの記事で「ハン・ソロの魅力について語ろう!」という会員が記事を寄稿するコーナーがあり、そこで初めて人に読ませる文章を書いたそうです。
記事を寄稿することで文章を書くこと・読まれることの楽しさに目覚め、大学生になってから映画評論を書いたり、大人になってから映画本を出版することにつながりました。

樺沢さんは読書により精神科医に、映画により作家になれたんですね…!遊びを極めると仕事にも役立てることができるんですね…!すごい…!

良い遊び方5.プチ贅沢

贅沢というと、「ミシュランの星付きレストランで1人3万円のディナーを食べる」といったことをイメージしてしまいますが、3万円ではなく30円あれば大丈夫です。ちょっとした贅沢は生活に潤いを与えます。

例えば牛乳、卵、納豆など日々の生活食材。何も考えずいつも買っている商品、サービス商品、最安値商品をカゴの中に入れている方が多いかと思います。それを敢えて1つグレードの高い商品を買ってみる、そうするといつも買っている商品より美味しいと感じるはず、と樺沢さんは言います。

美味しいと感じる=ドーパミン分泌=幸福度が上乗せされる

といった形で、プチ贅沢は幸福感を味わうことができます。

わたしたち夫婦はコーヒーが好きなので定期的にコーヒー豆を買うんですが、たま〜に少しお高い豆を買うようにしています。お高い豆は普段飲んでいるコーヒーと違います…!

ただし、これをいつも行なってしまうと、慣れてしまったり依存症につながり、最初のような感動やありがたみがなくなってしまいます。そのため、あくまで続けすぎないことを意識する必要があります。

樺沢さんのお勧めはプチ贅沢のローテーションです。
今日は牛乳をアップグレードしよう、来週は卵をアップグレードしよう、などアップグレードする食材の種類を変えていきます。
1〜2ヶ月の時間が空けばドーパミンの慣れの効果は消失するため、改めて「高級な卵は美味しいなあ」と感動することができるそうです。

毎日または毎回贅沢するのではなく、時々あるいはローテーションで贅沢することで、飽きずに半永久的に美味しい食事を楽しめる。幸福度のアップにつながります。

新しい食材との出会いにつながって良いですね…!職場用に買っているお菓子をたま〜にグレードアップさせようかな…笑

究極の成功法則とは

「樺沢さんが考える、最高の成功法則は何ですか?」
よく受ける質問の1つだそうですが、その答えは「続ける」こと、継続です!と強く言っています。

樺沢さんは人間観察や人物観察が好きで、『情熱大陸』や『プロフェッショナル仕事の流儀』などの人物ドキュメントをよく見ています。そこで成功者の共通項を見つけます。
それは「何かに夢中になり、無邪気に楽しめる人が成功する」ということでした。

この共通点を真似てモデリングすることで、樺沢さん自身も成功を掴みます。

樺沢さんが初めて本を出版したのは2002年(37歳)でした。しかし、出す本出す本が売れず、出版した本の冊数だけが増えていきました。
2015年、19冊目に出した『読んだら忘れない読書術』で初めて10万部を突破します。しかし、その後はこの壁を越えられないジレンマに苦しみます。
そこからさらに本を出し続けて2018年、27冊目に出した『アウトプット大全』が大ベストセラーに。2022年2月時点で60万部を突破しています。
苦節16年、累計27冊。53歳にしてようやくブレイクします。

なぜベストセラーが出るまで16年間27冊もの本を書き続けることができたのか、それは「本が書くことが楽しいから」だと言います。

本を書く作業そのものは身を削るような作業で気力、体力、精神力を消耗します。しかし、自分の考え・アイデアや感情が言語化されて文章としてまとまっていくことで喜びと至福を感じています。
大変な作業ではありますが楽しいしやりがいがあるため、続けられたそうです。

多くの日本人は、「我慢して、我慢して、苦労して、苦労してがんばる人が成功する」と思っていますが、それは間違いです。我慢に我慢を重ねて、がんばり続けても病気になるだけ。
「苦しいことをがんばる」のは、ものすごく大変です。多くの人は、それができません。ですが、それは当たり前のことなのです。
しかし「楽しい」ことを続けることは、実に簡単です。だって、楽しいんだもの。「やめろ!」と言われても、続けてしまいます。

樺沢さんは、退職後老後生活を楽しもうとがむしゃらに仕事をしていた人が認知症になってしまい楽しむどころではなくなった、というケースの患者さんをたくさん見てきました。我慢我慢で最終的に楽しいを求めると、途中でなにかあったときに何も楽しめなくなってしまいます。そうならないよう、今日楽しめることは今日楽しんでいきましょう!

ではまた。

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この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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