こんにちは。夫です。
ふらっと立ち寄った本屋で手に入れた本。そんな一冊が人生を左右してしまう…そういうことがあるから読書は楽しいんですよね。今日紹介するのはそんな一冊「複利で伸びる1つの習慣」です。
我々夫婦、2年くらい前から資産形成にも真剣に取り組み始めていて、Intro Booksでも資産形成の本をたくさん紹介しています。
何十冊も資産形成の本を読んできましたが、必ず1つのキーワードが登場します。それが「複利」です。
毎月10万円を年利5%で運用すると、10年で1500万、30年で9000万、50年で2億6千万円にもなります。どんな資産形成の本にも必ず書かれていること。それが「複利の力を最大限に活かす」です。
本書のタイトル「複利で伸びる1つの習慣」を見てわかる通り、資産形成において超強力な複利の力を自己啓発、資産形成にも活かそうというのが本書のコンセプト。
これは資産形成を学んで複利の偉大さを実感している僕としては読まない選択肢はありません!複利で指数関数的に資産を増やすだけでなく、複利で指数関数的に自分の人生を良くしたり、スキルアップしていけたら一体どうなるんでしょう…?楽しみでなりません。
ということで、早速本書の内容を紹介していきますが、学んだことが多すぎて1回にまとまりきらなかったので、2回に分けて紹介します。
前半のこの記事では、習慣の偉大さや習慣に複利を取り入れる方法について。そして後半では、より具体的に習慣化する4つのステップを細かく見ていきたいと思います。
後半の記事はこちら↓
人間の行動はつねに変化している。状況によって、時によって、刻々と変わっていく。しかし、本書では変わらないものについて述べている。人間行動の基本についての本だ。何年にもわたって信頼できる永続的な原則。それを基にしてビジネスを始め、家庭を築き、人生を切り開けるような考え方である。
引用:複利で伸びる1つの習慣
習慣が人生を変える理由
毎日1%改善し続けたら一体どうなるでしょうか?
自分のスキルを毎日1%だけ向上させる、目標に向かって1%だけ進む。たぶん、昨日と何も変わらないように感じるでしょう。1%というのは実感するにはあまりにも小さな変化です。
でも毎日1%ずつ改善すれば、1年後には37倍も改善されることになります。
一方、もし毎日1%ずつ悪い方に進めばどうなるでしょう?もちろん昨日より今日、1%悪くなっても何も変わらないように感じると思います。でも1年後にはほとんどゼロになってしまいます。
つまり、複利の力をプラスに使えば驚くほど向上できるのに、悪い方に使えば気づけばゼロになってしまうんです。
1パーセントよくなる選択をするか、1パーセント悪くなる選択をするかは、そのときには些細なことに見えるが、人生という長い期間を送るうちに、この選択こそが、自分の現実の姿と、なり得た姿との違いを決定する。成功は日々の習慣の産物であり、一生に一度の大転換などではない。
引用:複利で伸びる1つの習慣
習慣はアイデンティティーを体現する方法
人生を好転させる。スキルを身につける。理想の自分になる。
そのために必要なのは、人生を大転換させるきっかけではなく、毎日1%でも良い方に向かう「習慣」です。
コピーライターがライティングスキルを2倍に高めたいなら、ライティングセミナーに行ったり教材を買うより、1%スキルアップできる習慣を取り入れた方が効果的です。セミナーや教材で大転換させるのではなく、毎日コピーライティング関係の本を読む、毎日少しでもコピーを書いてみる。これを繰り返すだけで、コピーライターとしてのスキルが2倍、4倍、8倍と指数関数的に伸びていきます。
そして習慣にはもう一つ、重要な作用があります。
それが、習慣によってアイデンティティーが作られるということです。例えば、毎日早起きする人は「自分は朝型人間だ」というアイデンティティーを持つでしょう。毎日シーツを整えてからベッドから出る人は「自分は綺麗好きだ、几帳面だ」というアイデンティティーを持ちます。
毎日コピーを書く人は「自分はコピーライターだ」というアイデンティティーを、毎日自分のビジネスについて考え、行動する人は「自分は起業家だ」というアイデンティティーを持ちます。
当然ですが、逆も然りです。「自分はコピーライターだ」というアイデンティティーを持つ人は、毎日コピーを書くでしょうし、「自分は綺麗好きだ、几帳面だ」というアイデンティティーを持つ人は部屋を整理してから家を出るでしょう。
それぞれの行動は、なりたいタイプの人へ一票を投じるようなものだ。ひとつの実例では信念は変わらないが、票が集まれば、新しいアイデンティティーへの証拠も集まる。だから、有意義な変化には劇的な変化など必要ない。小さな習慣が新しいアイデンティティーの証拠となって、有意義な違いをもたらすことができる。
<中略>
つまり、習慣はアイデンティティを変える道だといえる。あなたの人となりを変えるもっとも効果的な方法は、行動を変えることだ。
引用:複利で伸びる1つの習慣
「それぞれの行動は、なりたいタイプの人へ一票を投じるようなもの」というのは良い言葉ですね。ギターを弾くということは、「自分はギタリスト、音楽家である」というアイデンティティーに一票投じるようなもの。票が集まれば、自然とギタリスト、音楽家になれます。悪い行動も同じです。毎朝ギリギリまで寝ているなら「自分は朝が弱い人間だ」というアイデンティティーに一票投じることになり、票が集まれば実際に朝が弱い人間になります。
日々の行動をこの視点で振り返ると、いろいろと改善の余地があるかもしれません。本当に小さな行動でも、その行動が意味するアイデンティティーに一票を投じているんです。
習慣が人生を左右する理由が見えてきましたね。日々の行動が自分のアイデンティティーを生み、アイデンティティーは文字通り自分の人生そのものです。良い習慣を取り入れたら良いアイデンティティーが、悪い習慣を取り入れたら悪いアイデンティティーが生まれます。
習慣化できないただ一つの原因
とはいえ、習慣が重要なんて、分かりきった話ですよね。毎日早起きした方が良いのはわかっている。ピアノを上手く弾けるようになるには、毎日練習した方がいいのはわかっている。毎日部屋を綺麗にした方がいいのはわかっている。経済的自立のため、お金の使い方をちゃんと考えたり、自分のビジネスについて考えたり行動したりした方がいいのはわかっている。
でもできないんです…
今日も朝寝坊したし、ピアノの練習をサボってしまった…ベッドは散らかったままだし、コンビニで余計なお菓子を買ってしまった…
書いていて辛くなるくらい、そのとおりです…良い習慣を取り入れた方がいいのはわかっているんです。でもできないんですよね、、、でもご安心ください。本書は悪い習慣をなくし、良い習慣を取り入れるための本です。
良い習慣が取り入れられない理由、最大の理由はこの図を見れば分かります。
期待している進歩と、実際の進歩に差がありますよね。そして、期待している進歩より実際の進歩が下回っているところに「失望の谷」と書かれています。この失望の谷こそが、僕たちが3日坊主で終わってしまう理由です。
健康のために早起きしよう!生産性を高めるために早起きしよう!と考えて、翌朝早起きしてみる。でも1日早起きしただけで健康になるわけではないですし、慣れない早起きで眠くて生産性なんて全く高まらない…なんだ、頑張って早起きしたのに何の意味もないじゃないか!
そう考えて、翌朝からまたギリギリに目覚める。
コンビニでお菓子を買うのを1日我慢しても、大金持ちになれるわけではありません。相変わらずお金に苦労したままです。だったら美味しいお菓子を食べた方がいいじゃないか!
そう考えて、またコンビニでお菓子を買ってしまう。
1%の改善のところでも触れましたが、昨日より1%改善しても、なりたい自分に近づいても、何の実感もありません。習慣を取り入れるために努力したのに、何も変わっていないように感じます。この時間が「失望の谷」なんです。このことを理解しておくだけで、習慣を取り入れるのがかなり楽になりそうですね。
目標を忘れて仕組みに意識を向ける
では実際に良い習慣を取り入れる方法ですが、本書は自己啓発本の中では異例で「目標」を否定しています。「こんな自分になろう!」「来年までに〇〇しよう!」という目標設定は、必要ないというのです。
その理由はいくつかあります。
1つは、勝者も敗者も目標は同じだということです。例えばスポーツ大会で優勝する、という目標を立てた場合、全員が同じ目標に向かって一直線に進みますが、目標を達成できるのは1チームだけです。他のチームは目標設定が悪かったのでしょうか?そんなわけないですよね。
つまり、成否を分けるのは目標設定ではないということです。目標が良ければ成功できるのなら、世の中成功者だらけ。ビジネスで成功したい、経済的自由を手に入れたい、良い家庭を築きたい、スキルを磨きたい、誰もが良い目標を掲げますが、結局、日々の小さな行動、習慣を変えられなければ達成できません。
そして目標達成は一時的な変化で終わってしまいます。綺麗好きになりたいなら「部屋を綺麗にしよう!」という目標に意味はありません。一度綺麗にしたら終わり。また散らかるので、綺麗好きにはなれないからです。
そして、目標は幸福を制限してしまいます。目標を達成したら幸せになれると考え、達成して幸せになるか、達成できず不幸になるかの二者択一を前提にしてしまいます。
じゃあどうすべきか?もうお分かりと思いますが、目標ではなく、習慣に目を向けることです。もっというなら、習慣を生む仕組みに注目するんです。
「部屋を綺麗にしよう!」と目標を立てるのではなく、常に部屋が綺麗になる仕組みを作り、綺麗な状態が当たり前になるようにする。「大会で優勝しよう!」と目標を立てるのではなく、少しでも強くなれる仕組みを作る。
目標と違い、仕組みは一時的な変化ではありません。目標を達成して一時的な幸福感を味わうのではなく、自分にとって良い仕組みを持つことで、常に幸福感を味わうことができます。目標が達成できなかったとしても問題ありません。仕組みに注目した時、目標は最終到達地点ではなく、仕組みが複利で生み出す「理想の自分」に近づく過程の、途中経過地点にすぎなくなるからです。
これも重要なパラダイムシフトですね。「毎日早起きする」と目標を立てるのではなく、毎日早起きできる仕組みに注目する。これだと「今日は早起きできなかった…」と落ち込む必要もありません。早起きは仕組みが生み出す結果の一つなので、上手くいかなかったら仕組みを改善すれば良いだけです。
習慣を作る4ステップ
習慣は自由を制限しない。自由を作りだしている。それどころか、習慣をうまく活かせない人の多くは、自由がほとんどない。良い金銭習慣がなければ、いつもお金に困っているだろう。良い健康習慣がなければ、いつも元気がなさそうに見えるだろう。良い学習習慣がなければ、いつも遅れをとっているように感じるだろう。
<中略>
習慣をうまく調整して基本的な生活を送れるようにしたら、心が自由になって、新しい課題に集中したり、次にやってくる問題に対処したりできる。今習慣を身につけることで、将来したいことを、もっとたくさんできるようになる。
引用:複利で伸びる1つの習慣
詳細は後半の記事で書きますが、本書では習慣形成のプロセスをシンプルな4つのステップで紹介してくれています。
その4ステップは
- きっかけ
- 欲求
- 反応
- 報酬
です。
まず、行動にはかならずきっかけがあります。何かのきっかけが鍵となって脳に働きかけ、行動が生まれます。
2つ目の欲求はあらゆる習慣の原動力で、習慣によってもたらされる状態の変化です。ついテレビをつけてしまうのは、テレビをつけたいからではありません。テレビをつけると何か楽しい変化が生まれるという欲求があるから、テレビをつけるという行動に出るんです。
そして3つ目は反応で、実際に習慣として行う行動です。「ひまだなー」というきっかけがあり「テレビをつけたら楽しい番組がやっていそうだ」と欲求が働き、リモコンを探すという反応が起こります。目の前にリモコンがあればすぐに手に取って電源を入れるでしょう。でも、リモコンが手元になかったら?かなり遠くにあったり、探さないと見つからなかったらどうでしょうか。それでもテレビをつけるかどうかは、欲求の強さによります。そこまでの欲求でなければ、テレビをつけるという反応ではなく、スマホを取り出すという反応に替わるかもしれません。
そして最後に報酬です。実際に反応することで、欲求が満たされたかどうかが報酬です。テレビをつけても面白い番組が一つもなかったら、欲求が満たされないことになりますし、楽しい番組に出会えたら欲求が満たされます。
このループによって習慣が形作られます。
テレビをつけるたびに楽しい番組をみることができたら、そのうちほとんど無意識にテレビの電源を入れるようになるでしょう。きっかけや欲求を意識することなく、無意識に反応してしまうということです。
この4つのステップは特別なものではありません。日々のほとんどすべての行動がこの4ステップによって引き出されています。
↓
通知の内容が知りたい(欲求)
↓
スマートフォンを手に取る(反応)
↓
内容を知ることができ、欲求が満たされる(報酬)
↓
繰り返すうちに、スマートフォンがなった瞬間、無意識に手に取ることが習慣になる
↓
ドーナッツを食べたくなる(欲求)
↓
ドーナッツを買って食べる(反応)
↓
お腹が満たされる(報酬)
↓
帰り道にドーナッツを買うことが習慣になる
↓
明るくしたい(欲求)
↓
スイッチを入れる(反応)
↓
明るくなって見えるようになる(報酬)
↓
暗い部屋に入ると無意識でスイッチをつけることが習慣になる
このように、僕たちの日々の行動はすべて、4つのステップがもとになり、繰り返されるうちに無意識で行う習慣になっているんです。
つまり、良い習慣を作りたければ、この4つのステップがスムーズに繰り返されるようにすれば良いですし、悪い習慣を取り除きたければ、この4つのステップの難易度を上げれば良いんです。
通知が来るたびにスマホを見る習慣を辞めたいなら、通知が来ないようにする(きっかけをなくす)、パスワードを超複雑で長いものにする(反応の手間を増やす)などで、4つのステップがスムーズにできないようにしてしまうということですね。
逆に毎日本を読むことを習慣にしたいなら、常に机の上に本を置いておく(きっかけを生みやすくする)や軽く読める本にする(反応の難易度を下げる)などが考えられますね。
本書は 300ページ以上ありますが、実はここまでで紹介したのは72ページまでの内容です。ここからかなりの分量を割いて、この4つのステップを深掘りしていきます。4つのステップについては後半で詳しく紹介します。
習慣でなりたい自分へ投票しよう!
さて、「複利で伸びる1つの習慣」の前半部分を紹介しました。前半部分といっても、さっき言ったようにまだ72ページまでの内容で、本書の本題はここからです。
でもここまででかなり大切なことが学べました。人生を好転させるのは大きなきっかけではなく、なりたい自分に毎日1%近づける習慣であるということ。良い習慣を取り入れても最初はほとんど変化を感じない「失望の谷」があること。目標ではなく仕組みに意識を向ける、などです。
なかでも「それぞれの行動は、なりたいタイプの人へ一票を投じるようなもの」という言葉に出会っただけでも、本書とであった価値が十分にあると思います。
今僕は本を読み、Intro Booksの記事を書いていますが、この行動が「自分は読書家であり、読書を通じて知識を身につけ、人生を良くしていく。そして、自分だけでなく、アウトプットすることで周りにも良い影響を与える」という自分への投票行動なんです。
僕は昨年からピアノを習い始めています。毎日練習してもあまり上手くなりませんが、毎日練習することが「自分はピアノを弾いて、音楽を楽しむ人間である」という自分への投票行動なんです。 1票2票じゃ何も変わりませんが、1000票、10000票と票が集まれば、自分のアイデンティティ-
になっているでしょうし、その頃にはピアノも上達していそうです。
後半の記事もぜひ読んでほしいですが、「それぞれの行動は、なりたいタイプの人へ一票を投じるようなもの」という言葉が一番重要だと感じました。この言葉を頭に入れておくだけで、日々の行動が少しずつ変わりそうです。
お酒を飲むたび、「お酒好きの自分」に投票していることになります。
スマホを開くたび、「スマホ依存の自分」に投票していることになります。
朝寝坊するたび、「朝に弱い自分」に投票していることになります。
コンビニで無駄なものを買う度、「経済的に自立できない自分」に投票していることになります。
でも、
本を読むたび「読書好きな自分」に投票することになりますし、お金を節約するたび「経済的に自立した自分」に投票することになるんです。
そう考えると、日々の行動を見直してみよう、という気になりますよね。この言葉を知っているだけでも人生が好転しそうですが、良い習慣を取り入れ、悪い習慣を取り除く。そのための具体的な方法は後半の記事で紹介します。
後半の記事はこちら↓
この記事を書いた人
- かれこれ5年以上、変えることなく維持しているマッシュヘア。
座右の銘は倦むことなかれ。
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