ここで唐揚げ弁当を食べないでください|恵文社一乗寺店で見つけたエッセイ集

小説・エッセイ
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こんにちは。妻です。

先日、夫と一緒に京都・一乗寺にある恵文社一乗寺店に行ってきました。

恵文社一乗寺店(けいぶんしゃいちじょうじてん)とは

1975年に創業した、本にまつわるあれこれのお店。2010年にはイギリスのガーディアン誌が発表した「世界で一番美しい本屋10」に日本で唯一選ばれる。
置いている本の9割はスタッフが独自にセレクトした本を仕入れており、本以外にもそれぞれの本にまつわる雑貨や文具・生活雑貨・CDなどが置いてある他、ギャラリーやイベントスペースも併設されている。

恵文社一乗寺店は仕入れた本をただ棚に並べるだけではなく、レイアウトに力を入れています。お店の周辺に美術系をはじめとした大学が多く、そこに通っている学生たちを満足させる書店にしたいという思いからだそうです。

本が好きな方だけでなく、雑貨やイベントをメインに来られる方も多いそうなので、本をあまり読まない方もぜひ一度は訪れてほしい書店です。

今日は恵文社で購入した『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』という本について、書いていきたいと思います。

著者は作家・歌人の小原晩(おばらばん)さん。
1996年生まれ、好きなものは猫・光・水辺・本屋・喫茶店・散歩・お笑い・太陽の塔・衣食住。

著者の小原さん、わたし実は本を出される前からTwitterで一方的に知っていました。こんなオシャレな部屋に住みたい…!と勝手に参考にしていたんです。

あらすじ

本書は小原晩さんが過ごした東京生活のことが書かれているエッセイ集。

仕事の事、好きな喫茶店や公園や銭湯、春の恋、眠れない夜の過ごし方、ストレス発散法、父の死、兄をまちぶせた冬、女子三人暮らしなど、張り切って楽しく書きました。一生懸命生きれば生きるほど空回りするすべての人に捧げます。
引用:小原晩 オフィシャルサイト より

本書の初めには、タイトルにもある唐揚げ弁当について書かれていました。

社会人一年目の夏。仕事に慣れてきた私はサボることを覚えた。
先輩にバレないルートでファミリーマートまで行って、唐揚げ弁当を買い、建物と建物の隙間に入って唐揚げ弁当をむさぼり食う。ここは日陰で涼しいし、心地良い風も吹く。
私はこの隙間が気に入って、幾度もここでサボっては唐揚げ弁当を食べた。
<中略>

ある日、唐揚げ弁当を持って、いつもの場所へ行くと

「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」

と、書かれた紙が貼り出されていた。私は驚いた。バレていた。
青山というお洒落な街の建物と建物の隙間でファミマの唐揚げ弁当を食べている人間が存在するということがバレていたのだ。思わず唐揚げ弁当を落としそうになった。
いや、落とした。落とした唐揚げ弁当を拾い上げて、走った。逃げた。
引用:ここで唐揚げ弁当を食べないでください より

コンビニの唐揚げ弁当を青山のビルの隙間で食べるという点、小原さんの人間らしさが出ていて素敵…!この文章で興味を惹かれた方はぜひ本書を手に取ってみてください…!

書店との出会いが新たな本との出合い

ということで、今回は書店:恵文社一乗寺店とエッセイ集『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』について、紹介させていただきました。

恵文社一乗寺店では、大型書店では売られていない小部数発行の出版物や専門書・海外文学など他ではなかなか手に入らない本が多くあります。普段は背表紙しか見ていなかった本も表紙が見えるように飾られていたりするので、思わず手に取ってしまいます…!

ちなみに今回紹介したエッセイ集、当初は一部の書店および小原晩さんのオンラインストアで販売予定だったそうですが、「この機会に好きな書店を見つけてもらえたら良いな〜」と一部の書店のみに限定し、自身のオンラインストアでは当面の間は販売しないことにされたとのこと。
読みやすいページ数とサイズ感なので、ぜひ取り扱い書店に足を運んでみてください。

ではまた。

※今回紹介したエッセイ集は恵文社オンラインストアなど、一部の書店で購入することが可能です。

この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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