THIS IS MARKETING!!不変のマーケティングメソッドは市場を動かす「ストーリー」

THIS IS MARKETING!!不変のマーケティングメソッドは市場を動かす「ストーリー」 ビジネス・マーケティング
THIS IS MARKETING!!不変のマーケティングメソッドは市場を動かす「ストーリー」
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こんにちは。夫です。

僕たちの周りはどこを見てもマーケティングだらけ。テレビもスマホも街並みも、マーケティングと切り離された空間は本質的に存在しません。僕はそんなマーケティングを仕事にしているのですが、時々「マーケティングって何のためにやるんだっけ?」「そもそもマーケティングって何だっけ?」ということが分からなくなります。

夫

そんな時に出会ったのが本書「市場を動かす-THIS IS MARKETING」です。本書に書かれている不滅のメソッドは、全てのマーケターにとって一つの答えを与えてくれたように感じます。

著者のセス・ゴーディン氏、マーケティング界隈なら常識となった「パーミッション・マーケティング」を提唱された方。パーミッションには「許可」という意味があって、許可してくれた人にだけマーケティングを届けるというものです。

今やメルマガはオプトインして受け取るのが常識ですよね。勝手にメールリストを購入してマーケティングを展開することは許されません。最近だとWebサイトのCookieや通知も許可するかどうかを選択し、許可してくれた人にだけそれらを使ったマーケティングを届けます。

夫

セス・ゴーディン氏は1999年にパーミッション・マーケティングを提唱しています。当時から無断でメルマガを送りつけたり、信頼関係ができていない人へのしつこいマーケティングにはリスクがあることに気づいていたんですね。

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マーケティングとは不満に耳を傾け変化を生むこと

冒頭で、僕がマーケティングの仕事をしながら時々「マーケティングって何だっけ?」と分からなくなることがあると書きました。僕自身、自分がマーケティングに携わる商品には価値があり、1人でも多くの人に届けるべきだと思っています。
でも、マーケターなら誰しも経験したことがあると思いますが、マーケティングの過程でメッセージが誤解されて伝わることや誹謗中傷、予算が消えてしまったのかと錯覚するくらい効果が見えない施策…に出会います。

夫

そんな時こそ、なぜマーケティングをやるのか、マーケティングとは何なのか、自分の中に芯が必要ですよね。その答えの一つが本書の始めにありました。

画像:市場を動かす-THIS IS MARKETING

画像:市場を動かす-THIS IS MARKETING

こちらは本書の7ページ目です。正直、一見すると大したことが書いてあるようには見えません。でも、マーケティングの仕事に行き詰まった時に見たり、本書を読み終わってから見てみると全く違う印象があります。

社会(消費者も会社も、ステークホルダーも)は「より多く」を求め「より良い」ものを必要としている。それは一つの心理でしょう。iPhoneが初めて登場した時、多くの人が「最高のデバイスが発明された!」と感じたと思いますが、今iPhone3Gを使うとストレスだらけだと思います。多くの人が「より多く」「より良い」を求め続けた結果、iPhoneは10数年で文字通り桁外れに「より多く」のことができ「より良い」体験を与えてくれるようになりました。

夫

日用品でも同じですよね。シャンプーなんて一体どこを改善すれば「より良く」なるのか想像もできませんが、スーパーに行けば何十・何百というシャンプーが並び「新発売」と書かれたものも多くあります。「より多く」「より良く」という思いは無くならないんですね。

そして、その「より多く」「より良く」を提供するのがマーケティングの役割。

そして後半の4つには「変化」という言葉が入っていますよね。

  • (マーケティングは)変化そのものである
  • (マーケティングは)文化を変え、世の中を変える
  • (マーケターは)変化を起こす人である
  • (マーケターにとって)変化を起こすことは義務である
夫

つまり、マーケティングとは社会の「より多く」「より良く」というニーズに対し「変化」を起こすことで答える行為だということです。売ることがマーケティングではないということです。

良いものかどうかは、市場がそれを受け入れた変化でわかる。変化は社会がプロダクトやサービスを受け入れてより良く変化した時に起こり、消費者の夢が叶ったときにわかる。
マーケターは、変化を起こすことで物事を改善し、変化を起こす。
つまり、マーケティングとはより良いものを作るプロセスの共有のことであり、実は誰でもできることなのだ。
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

夫

「マーケティングはより良いプロセスの共有」というのはすごくしっくりきました。僕たちは商品を売り込んでいるのではなく、良いものを一人でも多くの人と共有するために日々頑張っているんですね。

ここまでは本書の「はじめに」の部分。それでは本書のエッセンスを見ていきましょう。日々マーケティングについて学び、考え、実践している人にとって、真新しいことはほとんどないと思います。本書が教えてくれるのは最新テクニックではなく、「マーケティングとは何か?」に対する本質的な答えだからです。

信頼を構築するマーケティングの5段階

本書ではまず「これからのマーケティングのカギは信頼」だと言います(そもそもセス・ゴーディン氏が1999年に提唱したパーミッション・マーケティングは信頼の重要性を説くものでしたが、より一層重要になってきたということです)。

一昔前、まだインターネットが普及しておらず、人々がマスメディアを通じて情報にアクセスしていた時代。まだ未熟な技術も多く、生活必需品でさえ消費者に明らかにわかる進歩があった時代(1世代前のテレビと最新型テレビ、見分けがつきますか?)、マーケティングのカギは「広告費」でした。
マスメディアに対して多額の広告費を投じることができれば、ある程度の成果は見込めたのです。なので多くのマーケターが自分の仕事は「広告作り」だと考えていました。

でも今はそうではないと言います。

夫

以前紹介した「フォノ・サピエンス」でも、主役がマスメディアなど情報を発信する側から、情報を受け取る側に変わってきたという話がありました。

【フォノ・サピエンス誕生】新時代のデジタル人材として生き残る
こんにちは。夫です。 夫 最近の若い子はよくわからないなー、、なんて言い出したら大人になった証拠。でも60歳以上ならともかく、30代くらいの場合、数年〜数十年後にはその「よくわからない」人を相手にビジネスをしたり、部下にしたりするわけです。...

当たり前だが、カギを作ってから、カギに合う穴を探すような人はいない。ふつうはカギ穴に合わせてカギを作るはずだ。
マーケティングは、いまあるアイデアに合ったプロダクトやサービスの顧客を見つけるよりも、顧客が求めるプロダクトやサービスを作るべきだ。
<中略>
マーケターがつくるのは、なくなったら困るもの、人に何かしらの意味やつながりや可能性を与えるものだ。
成功するマーケティングは、顧客の世界観と求めるものを理解し、顧客とつながりをつくる。だから、自社のプロダクトやサービスがなければ顧客を不自由に感じさせ、信用してくれる顧客に期待以上のものをもたらすことに力を注ごう。
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

本書では、これからのマーケティングは次のステップで進んでいくと言います。マーケティングのステップというと「AIDA」のようなフレームワークを思い浮かべますが、これはセス・ゴーディン氏が言う「カギを作ってからカギに合う穴を探す」ようなもの。
本書で書かれているのは全く違います。

  • 第1ステップ
    価値のあるものを作る。それは、誰かに伝える価値のあるストーリーを備え、伝える価値のある社会貢献ができるものである必要がある。
  • 第2ステップ
    少数の人が恩恵を受け、その人たちが気に入る設計や構築を行う。
  • 第3ステップ
    プロダクトやサービスと、小さなグループがマッチするストーリーを語る。
  • 第4ステップ
    みんなにワクワクしてもらう。その結果、情報が広まる。
  • 第5ステップ
    何年間も注目を集め、変化を起こしながら導き、築いていく。
夫

これだけ見てもピンと来ないかもしれませんが、本書ではこの5つのステップを進めるためにさまざまなメソッドを教えてくれています。この記事では今の僕にとって大切だと思った部分をピックアップしていくので、全てのステップを体系的に学びたい方はぜひ本書を手に取ってみてください。

不滅のマーケティングメソッド3選

メソッド1:マーケターが売るのは”感情”

先ほどのマーケティング5つのステップでは、ステップの1と3に「ストーリー」という言葉が入っていましたよね。本書を通して語られているのが、ストーリーの重要性です。

ものごとをより良くするには、相手を十分に気遣い、聞く価値があると思わせるストーリーを考えることだ。相手に十分思いやりをもってそのストーリーを共有し、相手が自信をもって行動できるようにしなければならない。
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

夫

ストーリーというと「物語」を思い浮かべるかもしれませんし、実際、多くのストーリーが物語でしょう。でももしかしたら「システム」という言葉を使った方がいいかもしれません。システムによって、顧客の中にストーリーを生むことができるからです。本書はそんなメガネショップの例を紹介しています。

ビジョン・スプリングという企業は、老眼鏡が必要だけど持っていない人に老眼鏡を届けるビジネスを行っています。もちろん先進国であれば目が悪くなれば老眼鏡をつけるのが当たり前ですが、途上国では老眼鏡が手に入らず、健康で活動的なのに仕事ができなくなってきた人も少なくないんです。

そこでビジョン・スプリングスはおしゃれな老眼鏡を大量生産し、2ドル程度で販売することにしました。1日の稼ぎが数ドル程度の人にとっては決して高い金額ではありませんが、これまで多くの老眼鏡が数十ドルで売られていたことと比べると破格の値段です。

ビジョン・スプリングスの販売チームはインドの村へ出向き、そこで実演販売を始めました。すぐに老眼鏡を必要としていて、2ドル程度ならその場で支払うことができる見込み顧客が集まってきました。

集まった人に視力検査をしてもらい、その後サンプルのメガネをかけてもう一度検査してもらう。当然、全員の視力が向上し、老眼鏡の素晴らしさを実感することができます。
その後、10種類の老眼鏡を見せ、気に入ったものがあればぜひ買ってもらうよう伝えました。

夫

ここまでを見ると素晴らしい販売ステップに思えますね。見込み顧客がいる場所に出向き、実演販売で効果を実感してもらう。しかも価格は破格。買わない理由がないように思えますが…

しかしこの方法ではあまり売れなかったんです。

そこで、販売チームは1つだけプロセスを変えました。老眼鏡をつけて視力検査をした人に「このおしゃれなメガネが2ドル。10種類から選べますよ」と伝えるのをやめ、「これがあなたのメガネです。気に入ったら2ドルお支払いください。いらなければ返却してください」と伝えるようにしたんです。

たったこれだけで何倍もの人が2ドル支払ってくれました。一見するとほとんど同じですよね。商品はもちろん同じ。実感する効果も、値段も同じです。

違うのはお客さんの中にある「ストーリー」でした。

サンプルで効果を実感した後「10種類から選んでください!」と伝えることで「買い物をするチャンスです!自分でおしゃれなメガネを選んでご購入ください!」と、ショッピングのストーリーが展開されました。
しかし「これがあなたのメガネです」と伝えた時、お客さんの中に生まれたのは「すでに自分のものとなった便利でおしゃれなアイテムを手放すかどうか」というストーリーです。

夫

前者が「所有欲が刺激される買い物」であるのに対し、後者は「必要なものを失いたくない」という気持ちです。そして普通の老眼鏡が買えない途上国の人たちにとっては、後者のストーリーの方がより実感しやすく、強烈だったんです。

マーケティングの有名な言葉に「ドリルを売るには穴を売れ」というものがあります。僕も読んだことがありますが、マーケティングの名著のタイトルにもなっています。お客さんが欲しいのはドリルそのものではなく、ドリルで開ける穴である。つまり売るべきはプロダクト(もの)ではなく、ベネフィットだということです。

しかし本書では、これも厳密には違うと言います。顧客が欲しがっているのは、壁に穴を開けたあとに取り付ける棚などです。さらに言うならば、壁に取り付けた棚に物をしまい、部屋をスッキリと片付けたい。もしくは、自分で棚を作ったということに対する満足感を得たいのです。

そういう意味で、ドリルが欲しい人はドリルが欲しいのでも、穴が欲しいのでも、棚が欲しいのでもなく、安心感や敬意といった感情が欲しいということなんです。

夫

そしてその感情を顧客にイメージさせる方法こそが、ストーリーなんです。最近のAppleの広告はわかりやすいですよね。iPhoneやiPad、Apple Watchなどを持つ人のストーリーが描かれています。そして僕たちは、6コアのGPUや1,200万画素の望遠・広角カメラが欲しいわけでもなく、最新のiPhoneを買うわけです。「iPhoneを持った自分」というストーリーとそこから生まれる感情を手に入れたいからです。

メソッド2:最小の市場だけを見る

2つ目のメソッドは「最小の市場だけを見る」です。言葉だけを聞くと意外に思えますよね。できるだけ大きな市場に向かって、最大人数に変化を与えたいと考えるのが普通です。

マーケティングには必ず「約束」が伴います。「この講座に申し込めばピアノが弾けるようになります」「このシャンプーを使えばあなたの髪はサラサラになります」「この映画を見れば最高にエキサイティングな2時間を過ごせます」など。形はいろいろですし、直接伝えるわけでもありませんが、必ずマーケティングには約束が存在しています。

夫

つまりマーケティングが対象とするのは、提供したい約束を必要としている人だけだということ。コピーライティングを学び始めた時は「ある特定の一人に向かって書け」とよく言われました。

本書では何度も「誰のため?」という大切な問いを繰り返す。この問いには、かすかな魔法の力がある。つくるプロダクト、語るストーリー、それを語る場所を変える力だ。「誰のため」なのかがはっきりすると、可能性が生まれるのだ。
<中略>
モノを市場で売るにあたり、1000人の真のファンをつくる必要があるとしたら、誰を選ぶだろうか?
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

ここが決まれば、取るべきマーケティング戦略も自然と固まってきます。例えば、腕時計を販売する時、社会的地位が高い人に「これを持てばあなたはワンランク上のステータスを手に入れます」と約束すると決まれば、いくらの価格帯にすべきかイメージできますよね。数百円、数千円で安い腕時計を売ろうとはならないはずです。店舗の雰囲気や広告、プロダクトデザインの方向性も決まります。

夫

僕は以前、バンドを始めた時「1000人のファンを作ろう!」と考えて始めました。狙いは悪くなかったみたいですが、どんな1000人に、何を約束するのかが抜けていましたね…

こちらが提供する物を望んでいる人。こちらのメッセージをいちばん聞きたがっている人。プロダクトやサービスを好んでくれそうな知人に伝えてくれる人…
<中略>
あなたが消費者を選び、あなたの未来を選ぼう。伸びそうな最小の市場にターゲットを定めれば、ビジネスは成長する。
<中略>
すべての人の期待に応えるのをやめると、あらゆることがラクになる。あなたがやる仕事はすべての人のためではない。こちらが思い描く旅に参加すると決めた人たちだけのものなのだ。
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

夫

すべての人のためのサービスはなんの面白みもないコモディティです。1000人の真のファンには「あなたのためのものです」と伝え、それ以外の人には「あなたのためのものではありません」と伝えることも大切です。

本書では最小の市場にいるベストな1000人に対し、ふさわしい約束を提供するためのテンプレートを教えてくれています。

私のプロダクトを使う人は(    )を信じている。

私の顧客は(    )を望んでいる。

私のプロダクトによって、顧客は(    )できるようになる。

夫

別の章ですが、本書ではもう一歩進んだテンプレートも用意されていました。顧客を真に理解し、共感しするためのエクササイズです。

あなたと同じものを欲しがる人は(    )で、あなたと同じことを信じる人は(    )なので、(    )を選ぶ

最小の市場に注目する理由は、最小だからこそ相手を深く理解し、相手にとって最高のマーケティングを展開できるからです。最初から「すべての人」を見ても、彼らが共通して求めているものはすでにあるコモディティにしかないでしょう。だからこそ、マーケターに求められるのは共感力です。そして上の質問に答えるのは、共感力を磨くいい練習になります。

夫

妻となにかサイドビジネスを始める時は、この視点で考えたいですね。僕たちみたいな人は、何を欲しがっていて、何を信じていて、何を選ぶのか。何より、共感できる人だけを相手にしたほうが楽しそうですし。

メソッド3:ストーリーの土台になる緊張とステータス

マーケティングは突き詰めると、「パターンマッチ」か「パターンインタラプト」のどちらかに分類できます。

「パターンマッチ」は、これまでの思考パターンに合わせる方法。スマホを2年おきに買い換える顧客に、最新版のスマホはこちらですと伝えるのはパターンマッチです。「パターンインタラプト」は通常の思考パターンを崩すことで、相手に一瞬考えさせます。初めてiPhoneが登場した時、パターンマッチでこれまでと同じ感覚でガラケーから買い換えた人はいないでしょう。

当然ですが、パターンインタラプトの方が大きな変化を生むことができます。いい香りがする柔軟剤を使っている人に、パターンマッチで新しい柔軟剤を届けても選択肢が増えた以上の意味を持ちません。

そしてパターンインタラプトを考える時のキーワードが「緊張」です。人はこれまでのパターンが崩れると一瞬緊張します。そして緊張をほぐすために行動したいと思います。

夫

コロナ禍で一気にSlackやZoomなどが普及しました。人によっては全く新しいもので、これまでのメールや電話を使ったパターンが崩れたわけです。その緊張をほぐすには…SlackやZoomを使えばいいというわけです。

マーケターは自分達が届けるメッセージ、プロダクトが「緊張を生むか」「使うことで緊張をほぐすことができるか」「その緊張はある意味心地よく、友人にも味わって欲しいものか」ということを考える必要があります。

もう一つ、ストーリーの土台になるキーワードが「ステータス」です。ステータスは多くの動物に組み込まれた本能で、僕たち人間もステータスを意識せずにはいられません。役職や資産などわかりやすいステータスもありますし、何かの一員である、特定のグループに属している、自分には能力があるといった感覚などわかりにくいステータスもあります。

僕たちが特定のレストランに行く時も、ステータスが意識されています。牛丼チェーンに行く人と、ホテルの上層階にある会員制レストランに行く人とでは、違うステータスをもっています。
ただし単純にお金を持っているかどうか、というステータスだけで決まるわけではありません。牛丼チェーンに行くお金持ちもいます。

マーケターが消費者に対して新しいアイデアや有利な条件、変化を起こす提案をするとき必ず消費者のステータスに対して挑戦を投げかけている。それを受け入れるか(消費者が自分に語るストーリーによっては、マーケターとの上下関係が変わる)、断って立ち去るという緊張に耐えるか、その選択肢は消費者にある。
ただし、誰もが自分のステータスを上げたがっていると思うのは間違いだ。実際は、そう思っている人は少ない。
<中略>
賢いマーケターはすぐ、ステータスを変えたくて仕方のない人もいれば、なんとしてでも今の役割を守り抜こうとする人もいることに気づく。
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

 

夫

自分が相手にする顧客がステータスを守り抜こうとする人であれば、伝えるストーリーは「この商品・サービスを使うことで、あなたの今のステータスがより強化されます」ですし、ステータスを変えたい人であれば「この商品・サービスを使うことで、あなたは新しいステータスを手に入れます」となります。ステータス、あまり意識をしたことがなかったですが、こうして考えるとめちゃくちゃ重要ですね。

こちらはロレックスの広告ですが「あなたはまだ準備ができていない。あなたはまだ若い。この腕時計を身に着けるのは早すぎる」といったことが書かれています。
この広告は「あなたがまだ若く、未熟ならこの腕時計は必要ありません。でもそうでないなら、この腕時計はあなたのためのものです」と伝えています。つまり、もう未熟じゃない、ロレックスを付けれるくらいに成功した大人だと思うなら、そのステータスを守るためにロレックスを付けましょう、ということです。

ストーリーからマーケティングを作ろう

ということで今回は「市場を動かす-THIS IS MARKETING」を紹介しました。

夫

本書では広告や事業計画など、より具体的なメソッドも紹介されていますが、今回は「ストーリー」という部分に注目して見ました。

「ストーリー」に注目した理由は、やはりこれこそマーケティングの本質だなと、本書を読んで感じたからです。
マーケターは物を売る仕事ではありませんし、広告を作る仕事でもありません。本書で繰り返し書かれているように、変化を起こす人であり、変化を起こすためにストーリーを語り、届ける人です。

夫

ストーリーの鍵である「緊張」と「ステータス」はすごく面白い概念でした。過去の自分のマーケティング施策を思い返すと、うまくいったものはこの2つを自然と使っていたように思えます。意識的に伝えるようになると、マーケターとしてワンランク上にいけそうですね。

本書で書かれているメソッドは企業で働くマーケターだけでなく、個人事業主、サイドビジネスや趣味でも役立つと思います。僕自身、趣味のバンド活動で使えそうなヒントをたくさん得ることができました。サイドビジネス的なことを時々やりますが、そこで使えるヒントは無数にありそうです。

夫

最後にマーケターの仕事をよく表した部分を引用したいと思います。本書ではより具体的な広告、SNS戦略などにも触れているので、マーケティングに関わる方はぜひ読んでみてください。

最高のマーケターは猟師ではなく農民だ。種を蒔いて水をやったら、また同じ土を耕して肥料を与えて除草をして、ふたたび種を蒔く。キラキラした新しいものを追いかけるのは、ほかの人にやらせよう。
引用:市場を動かす-THIS IS MARKETING

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