こんにちは。夫です。
今日紹介するのは大原昌人さんの「これからの集客はYouTubeが9割」です。
実は僕、6年くらい前、大学生の時にYouTubeチャンネルを開設して数ヶ月でチャンネル登録者数1000人を超えたことがあります。書評系のチャンネルだったのですが、ちゃんと続けていたら今頃…後悔先に立たずですが、先見の明があったんだかなかったんだか…
YouTube、使っていないという人に出会うことがほとんどないくらい浸透していますよね。
僕は普段、投資系、ビジネス系、学習系、いろいろなYouTubeを見ていますが、少し前なら有料サービスでないと得られなかったような高品質な動画が揃っています。
特に投資についてはYouTubeで学ばなかったら初めていなかったかもしれません。もちろん内容の濃さや信頼性は専門家が書ききちんと校閲された書籍には敵いませんが、きっかけを得るには十分なものがたくさんあります。
そして本書では
- YouTubeはまだ先行者利益が得られる
- 1企業1YouTubeチャンネルの時代が来る
としています。
6年ほど前にYouTubeを初めてそこそこうまくいったのに辞めてしまった僕としては「あの頃続けていたら…」「今更やってもな…」と思っていましたが、著者の大原昌人さんに言わせると「全然そんなことはない!YouTubeはこれからだ!」ということらしいです。
本書ではYouTubeチャンネルの開設方法や動画編集のコツなども紹介されていますが、僕が気になっている「今さらYouTubeって遅くないの?」「今YouTubeを始めるならどうすればいい?」という部分を紹介していきたいと思います。
広告収益で稼ぐユーチューバーは終焉
YouTubeで発信する人を「ユーチューバー」と言ったりしますが、ヒカキンなどエンタメ系の人を思い浮かべると思います。「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーで、バカなことをやったり、遊びや趣味を発信する人たちですね。
こうしたユーチューバーはインフルエンサーと呼ばれ、YouTubeからの広告収益をベースに稼いでいます。
でも、大原昌人さんに言わせると、時代は変わりYouTube=エンタメ系ユーチューバーが広告収入で稼ぐというのは主流ではないようです。
いまYouTubeは、単にユーチューバーが広告収益を稼ぐ媒体ではなくなりました。
一般の生活レベルで、検索エンジンとして調べ物をしたり、ノウハウやハウツーを吸収したりといった需要が急速に高まっているのです。人間関係、仕事術、料理のレシピ、壊れた家電の直し方…これらの検索に耐えうるコンテンツの需要が、近年YouTube上で加速しています。
この画像にあるように、YouTubeはGoogleに次ぐ世界第2位のアクセス数を誇るサービスです。エンタメ系のコンテンツがメインだったらここまで伸びることはありません。
僕もYouTubeでエンタメ系を見ることはほとんどなく、ほとんどが教育系コンテンツです。動画で、しかも無料で学べるってすごいですよね。最近はレシピを調べる時もYouTubeを使ったりしています。
とはいえ、僕がすでに教育系コンテンツを見ているように、エンタメ系はもちろん、教育系でも参入するには遅すぎる気がします。それについて大原昌人さんはこのように説明しています。
もしあなたが人口10万人の都市で、新しく自転車屋さんをオープンするとしたら、競合の自転車屋が100店舗あるA町と、まだ1軒しかないB町のどちらにお店を構えるでしょうか?おそらく9割以上の方が「まだ1軒しかないB町」に出店したいと思うはずです。
つまり、確かに最初の参入者にはなれないかもしれないけれど、YouTubeという超巨大な町においては、まだまだ需要にたいして供給が足りていないということです。
特に教育系、ノウハウ系のコンテンツはニッチな分野が無数にあるので、テーマ選定によっては先駆者になれる余地がたくさんあります。
たしかにIntro Booksのような書評サイト、検索するとそれこそ何百サイトとありますが、書評系ユーチューバーはそこまでいませんよね。少なくとも、今から書評サイトを立ち上げるなら、群雄割拠のサイトよりも、まだ新興勢力がしのぎを削っているYouTubeの方がチャンスが多いかもしれません。
ハウツーコンテンツを狙え
「学び続ける知性」でも紹介したように、購買傾向がブランドやイメージよりも、自分に役に立つか、自分の生活が良くなるか、という視点に変わってきました。
それを本書では「指名買い」「コト消費」という言葉で表現しています。
いま求められているのは、モノではなく「あのお店から購入したい」「商品の裏側にあるストーリーが欲しい」といった心の充実です。これを「コト消費」とか「指名買い」といいます。
モノが少なかった時代は所有すること自体に価値がありましたが、モノが溢れる今、モノを持つことにそこまでの価値はありません。確かに、単に価格が安いから、機能性がいいから、という理由で買うことが減った気がします。
そして動画コンテンツは「指名買い」「コト消費」で重要なストーリーを伝える、関係性を強くする場合に特に効果的です。
例えばハンドメイドの革小物を販売しているとしましょう。既製品やブランド品ではなく、ハンドメイドの革小物を買うということは、顧客の多くはハンドメイドというところに価値を感じているはずです。
では、YouTubeで革小物のノウハウ動画をあげるとどうなるでしょう。裁断の仕方、縫い方、パーツや道具の選び方、デザインなど、革小物をつくためのノウハウです。
そのYouTubeチャンネルの視聴者はハンドメイドに価値を感じて、できれば自分でもやってみたいと思っているでしょう。
その人たちがそのYouTubeチャンネルで学び、ノウハウを身につけた後、「やっぱりプロが作った革小物が欲しいな」と思ったらどこで買うでしょうか?見ず知らずのハンドメイド作品を選ぶ理由はありませんね。自分に素晴らしい体験を与えてくれたそのYouTubeチャンネルの運営元から「指名買い」するでしょう。
Intro BooksのYouTubeチャンネルも面白いかもしれないですね。記事を動画化すれば、テキストの記事をあまり読まない人にも見てもらえるチャンスがあります。まあIntro Booksは収益目的でやっているわけでないので、動画化の手間をどこまでかけるかは課題ですが…
大原昌人流YouTube攻略法
ここまでなぜYouTubeなのかということを簡単に紹介してきました。本書ではもっといろんなデータを出しているので「確かに今やるならYouTubeだ!」と感じさせてくれます。
僕はテキストコンテンツが好きで、動画を作るのも苦手ですし、一度辞めたこともあって、YouTubeは敷居が高く感じていますが、それでも今何かを始めるとして、集客に自社サイトやブログを作るくらいなら、YouTubeのほうが絶対いいと思いました。
それではここからは実践編。YouTubeがまだまだ先行者利益が得られる場だとはいっても、何も考えずスマホで撮った動画をアップするだけじゃ誰にも見てもらえませんし、収益にもつながりません。
いろいろなテクニックが紹介されていますが、ここでは長期的に使えそうで、僕自身が大切だと思ったものをピックアップしていきます。
攻略法①ファネルの上を狙え
マーケティングには「ファネル」という概念があります。まず認知してもらって、興味関心を抱いてもらって、比較検討された上で購入に至る。この過程を最初は大きくてどんどん狭くなっていくファネルに例えたものですね。
ビジネス系チャンネルに多い失敗は、このファネルの下の方、つまり比較検討や購入を目的とした動画を作ってしまうことだといいます。
YouTubeは赤の他人に自分のことを知ってもらう、興味を持ってもらうことが得意な媒体です。すでにファンになって関係性ができているなら、自社サイトやブログの方が向いているでしょう。
このファネルという概念を理解せず、いきなりビジネスの話をしてしまう、赤の他人には楽しめないコンテンツを届けてしまうことが最大の失敗です。
攻略法②ニッチなテーマに手を出すな
YouTubeチャンネル開設で一番悩むのがテーマ選びです。
大原昌人さんはまず「お金」「健康」「人間関係」「恋愛」「ダイエット」など、普遍的に多くの人が興味を持つテーマを中心に展開していくことをお勧めしています。
自社のビジネスと離れていても、大切なのはまず認知されること。ファネルの上の方の人を増やすことなので、ビジネスとの関係性を意識しすぎて見られない動画をあげても意味がありません。
YouTubeチャンネルを立ち上げて動画を配信したものの、再生回数が一向に上がらない…というパターンは他にもあります。それは「他のチャンネルがやっていないオリジナルのテーマで勝負しよう」と考えてしまう場合です。
<中略>
ニッチなテーマではなく、すでに他のチャンネルがたくさん動画を出しているような人気のテーマであれば、たとえそれが後発であっても、「他の動画の関連動画」として掲載されやすくなります。
なのでチャンネル登録者数が1000人に届くまでは、基本的にヒットしている動画テーマをせめて、視聴者がついてきて「このチャンネルの情報は有益に違いない」という認識を持たれてからオリジナルのコンテンツを出していくことを勧めています。
この辺は賛否両論というか、戦略によって違いがありそうですね。ランチェスター戦略などでは後発はニッチ、すでに成功している人がやっていないこと、できないことをやれといいますし。戦略はいろんな考え方があるので、いろいろ勉強して自分に合ったものを使うといいかもしれません。
攻略法③ストックとフローのバランスを考えろ
YouTube動画のテーマを選ぶときに「ジャンル」という大きな括りも大切ですが、ストック型かフロー型かを意識することも大切です。
ストック型とは、毎月毎年、継続的に再生されるタイプの動画です。トレンドや時流に関係なく、普遍的なニーズを満たす動画が当てはまります。
フロー型とはトレンドに乗って一気に再生回数を稼ぎ、新規の視聴者を開拓できるような動画です。
例えば「オムライスの作り方」は普遍的なニーズがあり、10年後でも再生されるでしょう。なのでこれはストック型動画です。
一方「流行りのマリトッツォを作ってみた」動画は、もちろん10年後も再生される可能性がありますが、今のトレンドに合わせたものなのでフロー型動画と言えます。
フロー型動画はトレンドが終われば再生回数が一気に減りますし、タイミングを逃すと効果も低くなります。またトレンドに乗る必要があるため常に新しいトレンドを探さなければいけません。
でもストック型動画はフロー型のような爆発力はないものの、長期的に着実にチャンネルのファンを増やしていきます。
なので、YouTubeチャンネルの運営では、ストック型動画を基本に、自分のビジネスに合いそうなトレンドと出会った時はフロー型も投稿する、というスタンスがいいようです。
両タイプの使い分けとしておすすめなのが、「ストック型動画」で数年スパンの長期展望で再生回数を増やしていきながら、時事・トレンドネタを絡めた「フロー型動画」によって一気に視聴者数、チャンネル登録者を増やすという戦略です。
「攻め」と「守り」の動画と考えるとわかりやすいかもしれません。
アップする量の配分としては「ストック型動画7割:フロー型動画3割」のような比率で動画を作っていくとよいかと思います。
攻略法④続けるだけで上位1%
YouTubeチャンネルの運営が失敗する理由は、ネタ切れではありません。最大の理由は「続かない」ということです。大原昌人さんの感覚では、100あるYouTubeチャンネルの中で90は2、3ヶ月も経たずに動画更新を辞めてしまうそうです。
6年前に数ヶ月だけYouTubeを運営して辞めてしまった身としては耳が痛い…いやほんと、一人で続けるのってめちゃくちゃ大変なんですよ…
なぜそんなに続かないのかというと、YouTubeは始めたばかりの頃、まったく再生が伸びないのが当たり前だからです。
投稿して1、2ヶ月で目立った成果が出るのは、すでに多くのファンを持っている人が始めたか、トレンドに乗った動画でいきなり当てられる相当センスがある人か、運が良かった人です。
最初の1ヶ月くらいは1動画5〜20再生程度が普通なのだそう。何千、何万再生を狙って初めてこの程度だったら、すぐ辞めてしまうのも当然かもしれません…
私の感覚では「YouTubeはビジネスと相性が良い」と感じる人が100人いたとして、YouTubeを始める人はそのうち10人程度、さらに1年間コツコツと動画をアップし続けるのはその中の1人、つまり1%程度なのです。
<中略>
私のFacebookの知人で、情報感度の高い経営者や個人事業主の方々が、2020年頃からドサッとYouTubeを始め、SNSでも「ビジネス系のチャンネルを立ち上げました!」と高らかに宣言していました。全員で50人くらいはいたのですが、1年ほど経って、彼らのアカウントをすべて1つ1つチェックしにいってみると、しっかり継続的に投稿していたのは、わずか2人。しかもその2人はチャンネル登録者数が1万人を突破していたのです。
YouTubeは続けることが最も大事、というのがよくわかるエピソードですね。クオリティや内容に拘らず、とにかく続けること。それが成否を分けます。続けていたら自然と編集やトーク、テーマ選びも上達しますしなにより再生数やコメント、視聴時間などのフィードバックからいろいろなことが学べます。
自意識の壁を乗り越え動き出そう!
ということで今回は大原昌人さんの「これからの集客はYouTubeが9割」を紹介しました。
最初に書いた通り、僕は6年ほど前にYouTubeチャンネルを開設して数ヶ月で辞めてしまいました。もう一度やりたいな〜と思いながらも「今さら…」と思って何もしていなかったので、今回YouTubeについて最新状況を学べたのは良かったと思います。余談ですが、久しぶりにGoogleアドセンス(YouTubeの広告収益を管理するサービス)を見たら、4万円近くの収益が何年も放置されていました…もったいないことしたなー笑
最後に、もう一つ本書で面白かった部分を紹介します。それが「自意識の壁」です。
YouTubeで教育系、ノウハウ系動画を発信する時、多くの人が「自分なんかが発信しても…」と思ってしまうそう。
それに対して大原昌人さんは、ほとんどの人は無名だから気にするな!と言います。
大企業の社長であれ、元ZOZOの前澤さんのように特別目立つ人でなければ世間的には無名です。スポーツ選手もタレントも、YouTubeという大海においては、たいして有名人ではありません。
なので、そもそもYouTubeは無名の人が活躍する、無名の人の動画が人気を集める媒体なので「自分なんかが…」というのは見当違いの心配だということです。
僕自身、最近またYouTubeの可能性を感じ始めているので、Intro Booksを絡めてか、また別の活動でかわかりませんが、動いていきたいなと思っています。その際は応援お願いしますね笑 …今回は数ヶ月で辞めず、ちゃんと続けるので!
この記事を書いた人
- かれこれ5年以上、変えることなく維持しているマッシュヘア。
座右の銘は倦むことなかれ。
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