こんにちは。妻です。
今日は『下品大全 : 育ちのいい人が絶対にしない60の振る舞い』という本を紹介します。
著者は日本人の暮らし方や心づかいに関心を持つコピーライターの菅原圭(すがわらけい)さん。
菅原さんは職業柄、電車やバスの中・病院での待合時間・レストランやカフェなどでまわりの人をウォッチングする癖があります。すてきだなあと思って見ていると、次の瞬間えーッと驚くような下品な振る舞いをする姿を見てしまい、ひどく幻滅することが多くあるそうです。
本書では、誰もがついやってしまいがちな下品な振る舞い・自分では気がついていない卑しい言動・不愉快きわまるマナーの欠如などを取り上げています。
こういったことは恥ずべき行為であるということに気づき、品性とぼしい言動から抜け出す人が一人でも増えればという思いで本書が生まれました。
「下品な行動?そんなはしたないことはしませんよ」と言う方こそぜひ手に取ってほしい一冊です。本書を読み進めていくと、きっと思い当たるものがあるはずです…!
「下品な振る舞い」とは
そもそも、下品な振る舞い・行動とはどんなことを指すのでしょうか?
下品な行動とは、「はしたない」と眉をひそめたくなるような姿勢でいたり、仲間と連れ立って歩き、後から来る人が行く手をさえぎられて困っていることなど気にもしないことだったり、口をひらけばお金の話ばかりというような、さもしく見苦しいふるまいのこと。
つまり、他人に不快感を与えることを平気ですることです。
こういった行動も下品な行動にあたります。
- 電車やバスで高齢者や赤ちゃんを抱いた人が立っていても、知らん顔して優先席でスマホに熱中している
- 駅前に止めてある自転車のカゴへ、飲料水の空き缶やペットボトルを捨てる
- スーパーの惣菜コーナーに、パンを置いていく
こうした下品な振る舞いについて、少し前までは叱ってくれる人がいました。年長者はうるさがられるのを承知の上で、未熟な若者の下品な行動を正し、品位ある振る舞いを教えるのが大人の役割だとわきまえていたのでしょう。
しかし最近では、注意すると「うっせえわ」と逆ギレされたりと何をされるかわかりません。そのため、叱る人が減っています。
指摘されることもすることもない、こんな状況なので今は老若男女問わず、ありとあらゆる場所で下品な行動が日本で当たり前になりつつあります。
ちなみに下品とはマナーや振る舞いだけの問題ではありません。何を大事にし、何を生き方の基本としているのかといったその人の考え方から感じられる雰囲気とも言えます。
品のある人は、まわりの人そして自分を大事にし、背伸びすることなく自然体で素直に生きています。その結果、周囲も自分もおだやかな幸せに包まれています。
下品の本質を理解し、そうした振る舞いをなくすようになっていけば、次第に品位ある人間性が育まれ、品位ある大人になっていくはず、と菅原さんは言っています。
ということで、ここからは育ちのいい人が絶対にしない60の振る舞いの中から厳選して10個取り上げて紹介します。知らず知らずのうちに無意識でやっているその言動が、実は下品なのかもしれませんよ…
下品な振る舞い1.ものを片手で渡す
名刺や書類などを渡すとき、片手で渡していませんか?片手で渡しているとぞんざいに見え、評価を落としてしまっている可能性があります。
クライアントに資料を渡す場合は立ち上がって向かい合い、両手で資料を渡すのが基本になります。
「相手に渡せばいいだろう」という気持ちが垣間見えると下品になってしまいます。丁寧な物腰で手渡すことにより、誠意が伝わり「よくできた人だな」と印象を良くします。
ここでは両手で渡す以外に守るべき受け渡しの3つのポイントが挙げられています。
- 相手が見やすく、使いやすい向きで渡す
- 刃物の刃先など尖ったものは、先端を自分側にして渡す
- 「こちらが、先ほど◯◯がお伝えした資料です」など、渡すものが何なのかを一言添える
これは無意識でやってしまっているわたし…片手で何かを渡すことが許されるのは立場が上の人に限られます。どんなものも人に渡すときは両手で!これを頭に叩き込みましょう!
下品な振る舞い2.コーヒー1杯で長時間、居座る
席が空いているからとコーヒー1杯で4人席に1人で陣取り、椅子には手荷物をいくつも置き、テーブルには資料やパソコンを広げる…こんな光景を目にしたことはないでしょうか?
カフェなどの飲食店は「飲食と場所を提供してお金を得る商売」です。お店側は決して声には出しませんが、コーヒー1杯で何時間も居座られたら商売あがったりです。
もし1時間以上経つのであれば、ドリンクをお代わりするか他のものをオーダーする。また、1人で利用する場合はカウンター席か2人用の席を利用し、混んできたらいさぎよく引き上げましょう。
わたしも本を片手にカフェに行くことがありますが、読書に没頭してしまいついつい長居してしまうことがあります…お店によってはマナーを守らないお客さんが多いからか「1時間1オーダー制」と決めているところも増えた気がします…改めよう…
下品な振る舞い3.TPOを無視した服装・おしゃれをする
どんな場合でも、オンとオフの使い分けができない人は社会人として問題外です。
仕事中にカラコン、つけまつげ、ゴージャスなネイル…きれいに見えるならどこでも・なんでもと言わんばかりの最近の風潮は、女性から品位が失われていると言われてもしかたありません。
また、メイクやヘアの乱れに気をつかわず仕事に夢中になっている人にも、まわりの人はとがった視線を注いでいます。ボサボサ髪、脂っぽい顔、ささくれのできた指先…放置していては不快感を持たれ、評価は大マイナスです。
最近は男性も肌の手入れをおこたらない人が増えていますが、清潔で清々しい身なりは男女ともに必須。仕事中もトイレに立ったときに鏡でチェックし、肌の汚れ、ヘアの乱れとともに服装の乱れも直すようにしましょう。
わたし、ふと見ると常にといっていいくらい出ている夫の鼻毛が気になりすぎて、今年のホワイトデーに鼻毛カッターをあげました。今はマスクで見えないので別にいいっちゃいいんですが、身なりにはもう少し気遣ってほしいところ…
下品な振る舞い4.人に、給料の額をストレートに聞く
どんなに親しくても人間関係にはおのずとここから先には立ち入らないという境界があります。相手の収入はその最もたるものの1つです。
現在、日本では経済格差が広がっています。学生時代の友人の懐具合が気になる気持ちはわかりますが、「いくらもらってんの?」と聞くのは相手の財布の中を覗き見るのと同じでこれ以上にないほど下品な行為です。
「相手の収入を聞くのはよくない、でも自分の収入を口にするのは問題ないだろう」そう思っている方もいるかもしれませんが、それは間違い、と菅原さんは言います。
自分の収入を口にする人の心理の底には、相手の収入を聞き出したいと言う気持ちが潜んでいるのが見え見え。むしろストレートに聞かないだけ、かえっていやしいかもしれません。
ではもし聞かれた場合はどうしたらいいのでしょうか?
いちばん品のいい答えは「世間並みだよ」「年相応だよ」だと菅原さんは言います。「人に言えるほどじゃないよ」などと答えをはぐらかしてスルーするのもありです。
これわたしの友人が聞いてきたことがあって、「親しき仲にも礼儀ありだよ」とすごく注意した記憶があります。いくら貯金があるか・身につけているものの値段も聞かれたこともあり、とにかくお金の話がだいすきな友人です。笑
下品な振る舞い5.「お客様は神様です」の意味をはき違えている
「お客様は神様です」この言葉、昭和の人気演歌歌手:三波春夫が言ったとされており、「お客様を歓ばせることは、歌手にとって絶対条件。だからお客様は絶対的な存在、神様なのです」という意味だったそうです。
つまり、お店と客の関係についてのコメントではなく、あくまでも歌手とその聴衆についてなので次元がまったく異なります。
商売はお客があって初めて成り立つもの。そのため、お店側も丁重にお客に接しています。でもその気持ちに乗じて無理な要求をしたり、道義に反する行為を強要したりするのは、はしたなくみっともないだけです。
お店側が「お客様は神様」と言うのはかまいませんが、お客が口にすべき言葉ではありません。自分のことを「私は神様」などと言えば、神経を疑われるでしょう。
スタッフに何か頼む場合は「ほかの色もあるの?だったら、早くそういってよ」というような言葉遣いではなく、「お手数ですが他の色も見せてもらえますか」などと言ったほうが品よく感じのよい響きになります。
わたしパン屋さんで働いていたことがあるんですが、品物を渡す際「ありがとうございます」と言われたのがすごく嬉しかったのを今でも覚えています。それ以来、自分が買う側の立場であればなるべくその言葉を伝えるようにしています。お店とお客は対等な関係でありたいですね…
下品な振る舞い6.割り勘するとき、1円単位まで割る
レジ前で「今日は私が…」「とんでもない、私のほうがお呼び立てしたのですから…」といったやりとりを続け、支払いがいつまで経っても進まない…
こんなとき、「今日のところは割り勘で…」とスマホの電卓機能で「6550円だから3275円ずつですか」と計算して小銭を数えて出す人がいます。
いい大人がスマホまで取り出して正確に割り算し、コインを数えている光景はフェアであるようでいてチマチマしてみえ、貧乏ったらしく見えてしまいます。
この場合、頭の中で素早く計算して「3000円いただけますか?」とざっくり割り勘する方がスマートです。
ポイントは言い出しっぺの人が半端分を持ち、ちょっと多めに支払うこと。相手の方がお金持ちだったとしても、相手が3550円で自分が3000円と割り振ったら、それこそ品位もへったくれもありません。
「それじゃあ…」と3000円出した相手はちゃんと550円の差額をあなたが黙って出したことには気づいているはず。そして次に行ったカフェ代では自分が負担する。
こんなざっくり、でも結果的にはイーブンになっている。そんな割り勘が自然に身についているとスマートでかっこよく見えます。
わたしも友だちとランチからのカフェといったハシゴするときに大抵この形で支払っています。最近はキャッシュレスが普及していることもあり、1人がクレジットでまとめて支払って残りの人は現金を渡すという流れも増えています。
「今日は私がご馳走するから」相手がこう言い出した場合、最もスマートな対応は「それではお言葉に甘えさせていただきます」と素直に、相手の行為を受け入れることです。
メニューを選ぶとき、「どうぞ何でもお好きなものを」と言われたら、遠慮なく好きなものを選ぶ方が感じがよく、品のいい印象になります。
中には低価格のメニューを選ぶ方が慎ましく見えるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、これは相手の懐事情を見くびったことになり、却って失礼にあたります。
会社の飲み会で「とりあえず好きなの頼みなよ〜」と言われたとき、どれも好きだから却って悩んでしまいます。気を遣って安いものを選ぶなんて考えたこともなかった…!笑
ご馳走する側は相手に気遣いをさせないように配慮することが大切です。
親しい間柄でない場合は先にメニューを選んでもらうよりも自分が先に決めると、相手はそれを参考に選びやすくなります。
ご馳走になる側は遠慮なく「今日はお肉をいただきたい気分なので、ヒレステーキをいただいてもいいですか?」「一度、鹿肉を食べてみたいと思っていたのでこの鹿肉のコースにチャレンジさせていただきます」といった形で素直に食べたいものを選び、心の底から満足そうな表情を見せる。これがおもてなしに対する、いちばん品良く、相手も喜ぶ態度です。
おごられる側はおごる側が気持ちよくおごれるよう、伝え方を工夫していきましょう!
下品な振る舞い7.洗顔前の顔、パジャマ姿でゴミ出しをする
玄関を一歩出たらそこはもう公共の場。通勤・通学へと1日の活動をスタートした人が行き交う中、ゴミを出すだけだから…と起き抜けのままパジャマ姿でゴミ袋を手に出てくるのは品位以前の問題、と菅原さんは言います。
せめてコンビニに立ち寄れる程度の格好を心がけましょう。
マンションの敷地内だからと油断している方も多いかと思います。わたしもその一人です。玄関を出たら公共の場という意識がなかった…
また、当たり前のことになりますが、ゴミの分別にも気を配りましょう。
ゴミは正しく分別して出せばほとんど資源になります。しかし、分別が大雑把だと多大なコストをかけて燃やさなければならなりません。
ゴミの分別方法が書かれている冊子を時々読み返すなどして、今一度正しい分別を心がけましょう。
ゴミの分別は夫に口酸っぱく言っているんですが、理解してもらえません。もう頼むからわからないのであれば勝手に捨てず置いといてくれ…
下品な振る舞い8.混んだ車内でリュックを背負ったまま
少し前までは車内の迷惑行為のトップはスマホがらみでしたが、ここ数年でリュックなど手荷物問題の悩みが急に増え始めています。
大きくふくらんだリュックを背負い、混んだ電車やバスに無理やり入っていこうとする人がいます。
「固いリュックで押されて痛い」「身長が低いためリュックが顔に当たりそうで怖い」「リュックとリュックの間に挟まれて身動きできず苦しい」といったつらい思いをしている人がいることを覚えておきましょう。
「リュックは降ろして体の前で抱えるようにして持っているから大丈夫」という人もいますが、実は鉄道会社が推奨しているのは抱えるではありません。
パンパンのリュックは思いのほか幅が広く、前で抱えたとしても周りの邪魔になることが少なくないため、下の方で手に持つ方法が推奨されています。
わたし普段は自転車通勤なんですが、雨の日はリュックで電車に乗っています。混んでいるときは前で抱えていれば大丈夫だと思っていました…
また、「そろそろ降りる駅が近づいてきたから…」と車内でリュックを背負い直す人がいますが、狭い車内でリュックを担ごうとすることは無理があります。ホームに降り、人が少ない空間を見つけ、背負うようにしましょう。
下品な振る舞い9.約束の時間よりずっと早く到着する
約束の時間に時間通り着いたのに、先方は既に到着していてコーヒーを飲んでいる。自分は遅刻したわけではないのに「すみません、お待たせしてしまいましたね」となぜか謝る…
遅刻しないのは当たり前と早すぎる到着や訪問は、意外と相手に負担をかけてしまいます。
飛行機や列車の都合で早く到着してしまった場合は、約束の場所の近くで時間をつぶし、5〜10分前くらいに待ち合わせ場所に移動する、これが相手に負担をかけない程よいタイミングです。
早く着きすぎても遅く着きすぎてもよくないということですね…こないだ歯医者さんに3分ほど遅刻してしまったんですが、怒られはしなかったものの「無断キャンセルと遅刻はお控えください」という張り紙が貼ってあって縮こまりました…
「いまお宅の近くにいるのよ。これから行っていい?」こういった突撃訪問も迷惑行為です。
どんなに親しい間柄でも、相手の都合にかまわない、このような振る舞いは許されません。よほどの緊急事態でない限り、相手の家に訪問するなら少なくとも前の日ぐらいまでに連絡し、アポを取るのが大人の気遣いです。
下品な振る舞い10.食べ物の好き嫌いを口に出す
食事のマナーで何より大事なのは、同席の人たちがおいしく、楽しく食事ができるように振る舞えることに尽きます。
自分の好物が出るとそればかり食べていませんか?
みんなで分け合い、みんなでおいしさを味わうということができないのは品性以前の問題です。自分さえよければいいという心根の貧しさは何よりも品位を落とし、結局は人を幸福から遠ざけてしまいます。
もっといけないのは「私、これ大嫌いなんです」「見るだけでダメなの」などと嫌悪感をあらわにすること。嫌いなものは黙ってスルーするか「ちょっと苦手で」とそれとなく避ける、これが上品で感じがよい態度です。
「食べ物にこだわりがあるほうが育ちがいいと思われるのでは」というのは勘違い。わがままは品位のない証拠でしかありません。
何に対しても前向きな好奇心を持ち、初めての味にも果敢に挑戦する。食べることを積極的に楽しめる人のほうが、人間としての品格は上です。
以前紹介した『教養としての食べ方』は美しく食べる方法を教えてくれましたが、マナー以前に好き嫌いを口に出すのが最も下品な行為だったんですね…
品のある・なしは人目がないときこそ現れる
ということで、10個の下品な振る舞いを紹介させていただきました。
他にも、「スマホを見ながら挨拶する」などスマホ・SNSに関する下品な振る舞いや「悪口を言う」など話材・言葉に関する下品な振る舞いなどが書かれています。
最後に、「お天道さまは見ている」という言葉があります。
人間の悪事に対し、誰も見ていなくても太陽はきちんと見ているからどんなときでも悪いことはしないように、という意味ですが、お天道さまよりシビアな目撃者が必ずいます。それは自分自身です。
誰も見ていないからとどこそこかまわずにゴミを捨てれば、自分の手の中にゴミはなくなりホッとするかもしれません。しかし、まともな神経の持ち主ならば恥ずかしい振る舞いをしてしまったと後悔し、長く記憶し続けます。
どんなにこっそりやったところで、誰よりも自分自身が見ています。一部始終を知っている自分だけは、ごまかすことができません。
下品な振る舞いばかりを行っていると、必ずツケが回ってきたりしっぺ返しがきます。
品のいい生き方はその反対。まわりへの気遣いはまわりから自分への気遣いになって返ってくるので、これ以上ラクで心地よい生き方はありません、と菅原さんは言います。
「いつ何時も自分自身に見られている」ということを意識すると、自然と自分の振る舞いが傍目にどう映るのか気遣ったり、下品な振る舞いをしないよう自分をコントロールできそうですね。品性を身につけ、磨き上げて下品な振る舞いから抜け出しましょう!
ではまた。
この記事を書いた人
- インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
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