こんにちは。夫です。今日紹介するのは人気投資系YouTuber高橋ダンさんの本「ウォールストリート流 自分を最大限運用する方法」です。
僕は個人投資家として、色々勉強したり、情報収集したりしていますが、その中でも高橋ダンさんのYouTubeチャンネルはすごくありがたい。情報更新頻度が高いし専門的。毎日、ほぼ全部の動画を見ています。
この記事は本を紹介するものなので、趣旨とズレますが、高橋ダンさんの動画の中で一番学びになったのがこの動画。
最近、日本ではインデックスファンドの積立投資や、「バイ・アンド・ホールド」が主流のように語られています。
確かに、こうした手法は再現性が高く、超長期で考えたら、個人投資家にはぴったりなのかもしれません。
でも実際、やっぱり”ほったらかし”で”誰でもできる”方法が最適というわけではないんです。そんな事に気づかせてくれる僕の中での「神動画」。
もし投資をやっていて、まだ見ていないならぜひ見て欲しいと思います。
余談はさておき、本書の中身に入っていきましょう!間違いなく投資の本ですが、株などの”金融商品”に限らず、幅広い意味での”投資”を教えてくれます。わかりやすく書かれているのでサラッと読めますが、その中でも僕が大切だと思った部分をピックアップして紹介していきます。
最大の投資先は”自分自身”
本書の前半では高橋ダンさんの半生(並の成績からアイビーリーグへ。大手金融機関を退職しヘッジファンドへ、など)とその中で培った投資哲学について。
そして、これは僕たち一人ひとりに向けられたメッセージだと思いますが、日本の現状について書かれています。
例えば、、
- 日本は大半の資産を日本円だけに偏って保有している
- 経済成長率が1%未満の今も、5%以上だったときの価値観を持っている
- 先進国の中でほとんど唯一デフレ国で、長期的に横ばい賃金が続いている
などなど、日本人として耳が痛くなる事実ばかり。
でも実際、僕も投資を始めてから強く実感し始めたのですが、日本の経済状況は本当にひどい。力を持っている部分もあるけど、知れば知るほど、悲しくなります。30年以上、他の国が成長を続ける中、ただ横ばいで耐え忍んできただけなんです。
そんな日本で生きるうえで、なにに投資するべきでしょうか?
投資には縁がないという人が多いと思いますが、実際問題、僕らは資本主義社会に生きています。多くの場合、株式会社に勤めて、お金を稼いで使って生活しています。
つまり、投資と縁がない人なんていないんです。
会社に勤めるということは自分の労働力(スキルや時間)を投資して、給料というリターンをもらう投資です。当然、投資した労働力以下のリターンしか得られなければ、損な投資になりますよね。
銀行預金にお金を預けるということは、銀行に日本円を投資しているということになります。
日本円に”投資している”という感覚は違和感があるかもしれません。
でも、普段はあまり意識しませんが、ドル円相場などを見ていると日々値動きが変わっていて、日本円も金融商品の一つだとわかります。それを僕たちが実感しにくいのは、ドル円相場が変わっても日々の買い物の値段にはあまり反映されないから。とはいえ、実際に海外から仕入れていたら原価が変わっているということなので、長期的には日々の買い物にも反映されていきます。
高橋ダンさんはよくYouTubeで「日本円だけじゃなく、株や債券にも”貯金する”」という言い方をしています。大切な貯金を、日本円という一つの金融商品に集中投資するのではなく、いくつかの金融商品に分散させておくということです。
株や債券も”貯金”するというのは面白い考え方ですが、日本円も一つの金融商品であることを考えると、たしかにその通りかもしれません。
自分の労働力も、日本円も「投資先の一つである」と考えた時、一体なにに投資するのがベストでしょうか?
本書のタイトルは「自分を最大限運用する方法」です。
そう、高橋ダンさんは本書で「自分こそ最高の投資先」と言っています。
僕はもともと自己投資最高派で、ちょっとでもお金が余ると本を買ったりセミナーに行ったり資格を取ったりしていました。なのでこの考え方には納得です。でも最近、株式投資を本格的に始めてからは自己投資がおろそかになっていました…
投資に必要な3つの要素
そもそも投資とはなにか?簡単なようですが、案外答えが難しいです。
お金儲けの手段として語られますが、投資の本質はお金ではないですよね。投資をお金で考えている時点で、日本円や米ドルなどの通貨を基準に考えてしまっています。
ちなみにウィキペディアには、
投資とは、主に経済において、将来的に資本を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す。
と書かれていますが、高橋ダンさんがもっとわかりやすく説明してくれました。
投資とは、誰かが誰かになにかを預けて、一定期間後になにかをもらうこと
株式投資であれば、株主が企業に資金を集めて、配当やキャピタルゲインなどをもらうことが投資ですよね。
自己投資であれば、自分が自分に本や教材などを預けて、スキルを得るという形でそのお返しをもらいます。
就職であれば、自分のスキルや時間を会社に預けて、給料という形でお返しをもらいます。
銀行預金であれば、お金を銀行に預けて、金利をお返しとしてもらいます。
旅行や映画であれば、お金を旅行会社などに預けて、旅行で得られる体験をお返しにもらいます。
なので、日々の買い物でも”投資”と考えることができますね。
資本やお金ということだけでなく、広義の”投資”を説明してくれています。僕もこれからこの定義を使っていこう。
そして、そんな投資には、3つの要素が必要です。もちろん、投資先の情報やテクニカルチャートの使い方、ファンダメンタルズ分析の能力など、細かなものは色々必要ですが、株式投資から不動産、自己投資、全てに共通する3つの要素です。
- 資源…投資に必要な資源、いわゆる原資です。これはお金に限らず、スキルや時間といった労働力など、いろいろなものが投資の原資になり得ます。
- 価値…投資によって得られる価値、すなわちリターンです。株式投資であれば、キャピタルゲインやインカムゲイン(配当益)、自己投資であれば得られるスキルや収入がリターンになります。ハイエンドPCを買えば、日々の作業が効率化して時間というリターンが得られるかもしれません。
- 時間…価値が生まれるまでの時間、すなわち投資期間です。多くの場合、資源を投資してから価値が得られるまでにはタイムラグがあります。プログラミングスクールに入ったその日に給料が上がるわけではありません。実際にプログラミングスキルを身につけ、会社にアピールしたり転職したりして、しばらく時間が経ってから給料Upというリターンが狙えます。
これが、どんな投資でも必ず必要になる3つの要素です。この3つはどんな時も意識しておきたいですね。一般に、リターンが大きな投資ほど、リターンが生まれるまでに時間がかかります。株式投資でも数%のキャピタルゲインを得るなら数日程度でできますが、安定した老後の配当収入を得ようと思うと、かなり時間がかかりますよね。
自己投資でも同じです。エクセルの使い方のようにすぐに身に付けられて、すぐに仕事に活かせるスキルは、あまり給料というリターンを上げることに役立ちません。すぐに身に付けられるということは、誰でもそのスキルをすぐに得ることができる、代替可能性が高いからです。
一方、大学4年間という大きな投資は、生涯に渡って大きなリターンを上げてくれる可能性が高いですよね。
この投資に必要な3つの要素は、当たり前過ぎるけど忘れがち。投資するときにはちゃんと、この3つの要素を考えておきたいですね。普段、資源と価値については真剣に考えるのに、時間についてはあまり意識しないことが多い…反省。
高橋ダン流5つの投資ルール
高橋ダンさんのYouTubeを見られている方はご存知と思いますが、彼は「ルール」と「データ」を非常に重視されています。
よく自分の感覚とデータがずれているときに、「チャートは尊重しないといけない」「客観的にならないといけない」と言われています。
高橋ダンさんほど経験豊富な投資家でも、自分の感覚とデータがずれることがあるんです。でもそれをちゃんと認識して客観的にデータを見る。それができるのは本当にすごい。
そんな高橋ダンさんだからこそ、投資にはいくつもの厳格なルールがあります。
彼の短期投資の成績を見ると、全部短期投資にすればもっと儲かるんじゃ…と思ってしまいますが、「老後資金のための長期積立投資」と「モメンタム(勢い)に乗る短期投資」は別の口座で、別の戦略として実行する、というルールを厳格に守っています。
そんな高橋ダンさんも、若い頃に一度、ルールを破ったというか、感情的になって10分で7億円もの損失を出したことがあるそうです。
10分で7億円と言われると想像できませんが、詳しくは本書にも書かれていますし、YouTubeでも語られています。感情をコントロールする、そのためのルールを定め、守ることの大切さが強く伝わる動画なので、投資をしている人(つまりほぼ全員)は見るべき動画です。
そんな高橋ダンさんが定めている投資で大切にされている5つのルールを見ていきましょう。
株式投資では長期、短期に関わらず大切なルールですし、自己投資においても役立ちます。
ルール1:情報をできるだけ集める
当たり前ですが、投資は情報が命です。間違った情報、偏った情報で正しい投資はできません。株式投資では当然、経済、政治など市場全体の情報、業界の情報、そしてその会社の情報。さらに、短期投資であればチャートやデータから得られる情報が大切です。
多くの人が注目している情報を点で集めるのではなく、情報の流れや全体像を掴むことと、情報の背景を知ることが大切です。
例えば、「FOMCでテーパリングについて言及」というニュースがあったとします。その情報そのものに注目するのではなく、「ここ数ヶ月、FRBの発言はどう変化してきたか?」「FRBの判断の元になっている雇用統計やインフレなどのデータはどう推移してきているのか?」「リーマン・ショックの後にあったテーパリングはどういった流れで行われたか?」「そしてそのそれぞれに市場はどう反応しているか?」などを知るということです。
これは自己投資でもそうですよね。スキルアップのためとりあえず資格を取ってみたら、単なる資格ビジネスにお金を渡しただけで役に立たなかった、というのはよくあります。情報は多角的に、点ではなく線で捉える。意識していきます。
ルール2:他人の意見だけで判断しない
他人の意見に左右されているようでは、投資でリターンを得ることはできません。例えば、数年前からプログラミングや映像編集が人気で、色々なスクールや資格が登場しています。芸能人を起用したプログラミングスクールの広告も数多くありますよね。
でも周りの人がやっているから、誰々が言っていたらか、という理由で投資すべきではありません。プログラミングや映像編集はたしかに素晴らしいスキルですが、人気になりすぎて珍しいスキルでもなくなってきました。今は単価が大きく落ちていて、特別稼げるスキルでもないのが正直なところ。もちろん、大きくキャリアアップできる可能性もありますが、ただスクールで学んでその他大勢と同じスキルを身に付けても難しいのが現状です。
最近の株式市場では、SNSで話題になった銘柄の株価が急騰する、といったことが相次いでいますが、おそらくそうした銘柄に投資した人の多くは、かなり損をしていると思います。
イーロン・マスクのツイート1つに価格が大きく変わる仮想通貨もそうですね。他人の意見で投資するということは、その人の意見を聞いているその他大勢と同じ行動をすることになります。
当然ですが、どんな投資でも、その他大勢が大きくリターンを得られるほど甘くはありません。
個人的に他人の意見で判断する一番の問題点は、腹落ちしないというところにあると思います。腹落ちしていないから、想定と違ってちょっと下落しただけで「上がるって言ってたのに!騙された!もう手放す!」となってしまい、結局リターンを逃してしまいます。どんな投資でも、自己判断、自己責任で。これも高橋ダンさんが毎回動画で言っていることですね。
ルール3:多様化して投資する
株式投資の大原則。1つのカゴにすべての卵を盛るな、というやつですね。どれほど情報を集めても、投資というのは不確実性があります。未来は誰にもわかりません。どんなに優れた投資家も判断を間違う(厳密には間違っているわけではなく、想定した悪い方の結果が出ているだけ)ことがあります。
だからこそ、最近はインデックスファンドが人気なんですよね。インデックスファンドは市場全体にざっくり投資するようなものです。例えば、S&P500連動型インデックスファンドに超長期で積立投資して大損する可能性は、資本主義社会が終わるとか、アメリカの経済が没落するとか、超想定外の事態以外、なかなか考えられません。
高橋ダンさんは、株式だけでなく、金や銀などのコモディティ、債権に分散投資されていて、株式の中でも日本株、米国株、中国株、ETF、etc..債権でもアメリカの短期・中期・長期、さらにヨーロッパの債権など、色々分散されています。
これは仕事でも同じ。就職してその1社から給料をもらうということは、自分のスキルや時間という資源を1社に集中投資しているようなものです。だから複業などでポートフォリオを分散させる必要があります。
僕の投資ポートフォリオは、インデックスファンドといくつかの個別株。そこそこ分散していますが、株式という1ジャンルに集中しているので、長期的にはもっと分散していかないとダメですね。
ルール4:買う理由と売る理由を書く
これは主に株式など金融商品への投資に言えることですが、投資するときは必ず「なぜ投資するのか?」「いつ売るのか?」があるはずです。
高配当投資であれば基本的に売らずに持ち続けますが、投資の目的は明確にありますよね。その理由(減配、無配、中長期的な業績悪化等)がなくなれば、手放すことになるでしょう。
投資は入口(買う)より出口(売る)が難しいと言われていますが、両方を投資するときにちゃんと決めて、紙に書いておくことで、
・自分なりに納得して投資する
・想定外のことがあっても感情的にならない
といったことが可能になります。
投資した後、暴落が来たりするとすぐ感情的になって売りたくなってしまうかもしれません。でも、投資した時に売る理由として「長期的に配当をもらい続ける。3期連続のフリーキャッシュフローの減少または3年連続の減配があった場合は売却する」と書いてあれば、感情的にならず当初の目的通りの投資ができます。
これはちゃんとやってなかった…まだ数が少ないし、基本的に長期投資でしか考えてないから問題ないけど、今後は「出口」も考えておこう…今持っている銘柄も、もし減配や無配になれば手放す可能性が高いし、そのへんもメモに残しておこう。
解釈を広げれば、株式投資以外にも言えますね。スキルを身に付けるなら、スキルを身に付ける目的(転職、キャリアアップ、複業など)はあると思いますが、当然これも出口が必要です。例えば、実際にやってみて自分には合わないと確信した場合、市場の変化で役立つスキルじゃなくなった場合、などです。そうした場合にどうするのか。ちゃんと考えた上でスキルに投資しましょう。
5.新しいポジションは少しずつ投資する
分散投資の大切さはすでに書きましたし、よく言われていることです。でも、分散投資って銘柄やセクター、金融商品タイプの分散だけじゃないんです。実はもう一つ大切な分散投資が、時間の分散です。
今の株価が割安に思えて、100万円投資しようと思った時、1回で100万円投資するのではなく、20万円ずつ5回に分けるのが時間の分散投資です。ドルコスト平均法とも言われ、長期積立投資が強い理由は、時間の分散が自動できる点にもあります。
これは売るときも同じで、一度で売るのではなく、数回に分けて売ったほうがいいと高橋ダンさんは言います。
こうした分散が効果的なのは、将来の株価がわからない中、今の株価がベストな投資タイミングかどうかわからないからです。
しかしもう一つ重要な理由があります。それが感情的な理由で、例えば100万円一度に投資したら、次の日に株価が気になって仕方ないでしょう。ちょっとでも下がっていたら「今日にしておけば…!」と後悔してしまいます。でも時間分散するなら、株価が下がっても「ラッキー、2回目はもっと割安で投資できるぞ」となります。
自己投資であれば、いきなり50万円のプログラミングスクールに通うのではなく、まずは本を読んだり、無料のコンテンツでちょっとやってみる、という感じでしょうか。いきなり50万円のプログラミングスクールにまっさらな状態で行って、プログラミングが自分に合わなかったら辛いですよね。
時間分散は意外と忘れがちな考え方で、僕も最近、個別株投資にも取り入れました。10株買いたい時、一度に10株買うのではなく、ある程度トレンドを見ながら、3回、4回に時間分散して投資するようにしています。
自分を最大限運用する方法
さて、今日は高橋ダンさんの「ウォールストリート流 自分を最大限運用する方法」を紹介しました。僕はつみたてNISAが始まった頃につみたてNISAと一部個別株への投資をやったことがあるのですが、結婚してから2人で家計を見直し、2人で投資について学びながら資産形成をしています。
幸いにもそこそこ上手く行っているのですが、正直、それはたまたまここしばらく株式市場が好調だったから。おそらく数年以内、早ければ数ヶ月中にも、かなり厳しい時期が来ると思っていて、それに耐えるためにも今、夫婦2人で投資について色々勉強しています。
ということで、またしばらくIntro Booksでは投資の本が多くなるかもしれませんが、すべての人にとって大切な知識だと思うので、お付き合いください。
本書ではさらにキャリア戦略や人生でリスクを下げる方法、最大の資本である自分の健康に対する投資など色々と学べますが、「自分を最大限運用する方法」としていちばん大切だと思う部分は、「投資という考え方」と「5つのルール」です。
僕は投資の3つの要素と5つのルールについては、忘れないよう何度も復習して、できるだけ実践していきたいと思います。
それでは、今日もよりよい未来に向かって。善い一日を!
この記事を書いた人
-
かれこれ5年以上、変えることなく維持しているマッシュヘア。
座右の銘は倦むことなかれ。
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