こんにちは。夫です。
今日紹介するのは「ひろゆきのシン・未来予測」という本。
2ちゃんねる、ニコニコ動画、日本を代表するインターネットプラットフォームを立ち上げ、今ではYouTuber、インフルエンサーとしても人気のひろゆき氏。歯に衣着せぬ物言いから「論破王」なんて呼ばれたりしていますね。
ひろゆき氏は著書も多く、昨年は「1%の努力」も話題になりましたね。彼の本はストレートな物言い、物議を醸すことを承知でタブーにも切り込んでいく姿勢が魅力的です。
本書はそんなひろゆき氏が今年9月末に出した新刊。テクノロジー、経済、仕事、生活、そしてひろゆき氏の専門分野であるコンテンツについて、今と未来を教えてくれます。
シン・未来予測というタイトルの通り、一般にはあまり言われていない強烈な未来予測がたくさんあります。例えば…
- AIに仕事を奪われるのではなく、AIの下請けとして働く人が急増する
- 5GやVRは期待されているほど世界を変えるわけではない
- 給料を上げるにはできるだけ「頑張らない」しかない
- 将来性のある業種は衰退中の「農業」と「観光業」
- 金持ちだけが定年する権利を手に入れ、定年は死語になる
などなど。
それでは、本書の冒頭を引用してから、中身を見ていきたいと思います。
日本の未来は暗い。これは事実です。
でも、あなたの未来が暗いとは限らない。これもまた事実です。
「正しく知る」ことができれば、「正しく動く」ことができます。
<中略>
この本では、日本に生まれたことを後悔したくなる「残念な未来」にも触れています。
でも、それはマスコミや評論家が語らない「本当の未来」でもあります。たとえ暗い気持ちになるとしても、自分の将来を明るくするために「真実」が知りたいという人だけ、ページをめくってください。
小さく貧しくなることが約束された日本
「先の見えない不安は社会を壊す」
これはひろゆき氏がフランスで起きた大規模デモ「黄色いベスト運動」を目の当たりにした時に感じたことなのだそう。
このデモに参加した人たちは、月収25万円程度で、今は決して貧困層とは言えないけれど、将来がわからないという不安を抱えた層でした。
どんな社会でも「安心」と「信頼」が基盤にあります。綺麗事に聞こえますが、僕たちは社会保障を受けたり、年金をもらえたりという将来への安心があり、程度の差はあれ日本政府を信頼しているから、税金や年金を支払っているわけです。その安心と信頼がなくなれば、社会を維持することはできないでしょう…
そして、ひろゆき氏は、フランスと同じように今、若い世代を中心に将来への不安を抱えた層が増しているし、実際に日本の将来は明るくないと言います。
そもそも日本が経済大国になれた最大の要因は、人口です。今でも一人当たりGDPは世界30位ですが、国としては世界第3位の経済大国。この数字だけを見ても、日本経済がまだなんとかなっているのは、先進国ではアメリカに次ぐ圧倒的な人口によるものだとわかります。
ですがご存知の通り、日本の人口が減ることはもう約束されています。
これは政策などでなんとかなる問題ではありません。人口は数世代にわたって増えたり減ったりするものなので、何が起きても基本的には、今の僕たち世代(20代、30代)で人口が減ることは避けようがないのです。
つまり、日本が経済大国でなくなり、日本全体が貧しくなっていくのは避けようがないということ…
コロナ前、日本には大量の観光客が外国から押し寄せていました。
日本が人気の観光スポットになったのは、京都のように歴史ある街が残っている、日本食やおもてなし文化などが魅力的だったからではありません。
外国人にとって、日本はそこそこ安全で、そこそこ楽しめて、めちゃくちゃ物価が安い国だから魅力的なんです。
それがよくわかるのが「ビッグマック指数」です。
マクドナルドは世界中にありますが、商品の値段はその国の物価によって柔軟に変えています。なので、代表的な商品であるビッグマックの値段を見れば、その国の物価がざっくりとわかるんです。
ビッグマックの値段は、2021年のデータでアメリカは621円、タイは429円、ブラジルは480円です。
そして日本では、、、390円です。
消費者としては物が安いと嬉しいですが、実際には違います。タイやブラジルの人はビッグマックに400円以上支払う経済力があるのに、日本人にはないということなんです…
そんな日本に待ち構える未来は、大きく2つ。
- 海外企業にとって魅力的ではなくなり、サービスの質が下がる。
- 東京一極集中が進み、地方が崩壊する。
この2つです。
タイで429円で販売できるビッグマックを、わざわざ日本で390円で売るメリットはありません。人件費も安いので利益は出るでしょうが、より高く売れるところで売った方がいいに決まっています。
このまま日本の物価が下がり、海外の物価が上がっていけば、当然、日本でサービスを展開する海外企業は減っていくでしょう。
アップルもアマゾンもグーグルも、毎日お世話になっている企業の多くは海外企業。ただでさえ日本語対応にはコストがかかるのに、大した売上も見込めないとなれば…
そして東京一極集中ですが、僕も実体験としてあります。
僕の実家、田舎の方なんですが、10年くらい前に橋の老朽化で通行止めになったんですよね。10年経った今も、直されるわけでも撤去されるわけでもなく、通行止めのまま放置されています。
使う人が少ないインフラを整備するだけの財源がないから、放置するしかないんですね…
2033年には日本の橋の6割が老朽化し、修繕しないといけない状態になります。でも、高齢化、過疎化が進む地方に、あまり使われないインフラを整備する財源はありません。
結果、地方は老朽化したインフラが放置され、危険で住みにくくなります。そんなところで暮らしたい人は減るので、さらに人が少なくなり…という悪循環が続きます。
橋や道路といったインフラだけではありません。コンビニやスーパーも、人口が減れば売上も下がるので、数を減らすでしょう。企業も人手不足に陥り、廃業するか本社を都会に移すかの選択に迫られます。
生活に不便で、働く場所もない…
一方、人口が集中した都会、特に東京では、人口飽和でマンション価格が上がり、いわゆる勝ち組と負け組の差が広がります。コロナ禍で景気がやばいといいながら、都心の高層マンションの価格は上がり続けていますよね。
こうして事実を並べると、納得せざるを得ませんね。そういえばうちの兄、田舎の実家に新しく家を建てたんですが、30年後、あそこには水道が通ってるのだろうか…道はコンクリで舗装されているのだろうか…
と、序盤でかなり辛いことが書かれていますが、これは「今」の話です。
将来起こることではなく、すでに起こり始めていること。
ここからがひろゆき氏が提唱する「シン・未来予測」です。
そしてひろゆき氏は、日本が経済大国として返り咲く方法は教えてくれません。
本書の帯には「残念な未来から”自分だけ抜け出すために”」と書かれています。
そう、停滞し、小さく、安く、不便になっていく日本で、せめて自分だけでも幸せに生きるために、これから世界に、日本に起こることを知っておけ、というのが本書のメッセージ。
冷たい立場のように見えますが、そうではありません。結局、国とは僕たち個人の集合体ですから。僕たち個人が”自分だけは”幸せになろうと頑張れば、結局、日本という国が幸せになるのとイコールです。
シン・未来予測:これから日本と世界に起こること
ここからはひろゆき氏の「シン・未来予測」から僕が個人的に面白いと思ったことをピックアップしていきます。未来の話というより、未来のために今知っておくべきことも多くあります。
日本のテクノロジーはアフリカ以下
今最新のテクノロジーが集結している場所。当然日本ではありません。GAFAを始め世界的ハイテク企業が密集するアメリカのシリコンバレーでも、急成長中の中国でも、IT大国インドでもありません。
答えはアフリカです。
アフリカでは電子決済も当たり前。医薬品などはドローンが配達しているそうです。
インフラが整っていない国ほど技術進歩が急激に進む現象を「リープフロッグ現象」といいます。
なぜそんなことになるのか、通信技術を例に見てみましょう。
日本では未だに4Gが一般的で、一部の都会でしか5Gが使えません。別に4Gでも不便はありませんし、4Gを前提にしたインフラが完備されているので、5Gへの投資が大変なんです。
一方、アフリカにはもともと通信インフラが整備されていませんでした。だから何もないところにいきなり5Gインフラを整備すればいいのです。これは4Gインフラと折り合いをつけながらやるより、はるかに簡単で早くできます。
だから現在、アフリカの5G導入都市数は地域別で2位。1位がアジアで、3位がアメリカなのだそうです。
日本では今でもFAXを使う企業や団体(特に行政)は珍しくないですよね。FAXは非常に古い技術で、アメリカの博物館では歴史の遺物としてFAXが展示されているそうです。
5Gがすでに普及しているアフリカと、過去の遺物として展示されているFAXを使う日本。
アフリカは後進国で日本は先進国。という考え方を根本から変えないと、世界から取り残されてしまいます。
日本企業は21世紀石油を活かせない
20世紀は石油を活用した国が大きく飛躍しました。日本やアメリカの自動車産業がわかりやすい例ですね。
21世紀に大きく発展するのは、「21世紀の石油」を活用した国です。
「21世紀の石油」といえば、データですね。
アメリカは20世紀の石油に次いで、21世紀の石油を活かすことにも成功しました。
半世紀前、アメリカ企業といえばフォードなどの自動車企業、GEなどのディーゼルエンジン企業でした。これらは20世紀の石油を使った企業です。
でも今、アメリカ企業といえば、グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、通称GAFAMですよね。
これらは20世紀の石油ではなく、21世紀の石油であるデータを活用した企業です。
一方、日本では今でも時価総額第一位がトヨタ自動車。つまり、20世紀の石油を使った企業なのです。
アメリカが21世紀の石油に舵を切る間、日本は20世紀の石油にこだわり続けました。21世紀に入ってからの20年余り、日本が経済成長していない最大の要因はそこだと思います。
なのでおそらく、アメリカはこれからも世界の覇権国家であり続ける可能性が高いでしょう。
もちろん中国やインド、アフリカといった新興国もどんどん伸びていますが、データ産業は圧倒的に先駆者が有利なのです。
なぜアマゾンは便利なのか?
アマゾンは世界最大のECという規模を活かして、データを集め続けているからです。アマゾンより優れたサービスを生み出すことはできても、20年以上、全世界で収集され続けたデータを超えることはできませんよね。
なぜSiri(アップル)やGoogle homeの音声認識は精度が高いのでしょうか?世界中の人が使っていて、自動学習によって精度が上がっていくからですね。もっといいシステムが生まれても、膨大なデータを持っているアップルやグーグルの優位は動きません。
日本語だけに限れば、日本でも優れたサービスは生まれるかもしれません。LINEは膨大な日本語のテキスト情報を持っていますから、それを使えば自動のチャットボットなどはできるでしょう。
でもそれは縮小する日本でしか使えないサービスです。
一方、世界中で30億人以上が使うフェイスブックは、さまざまな言語のデータを持っています。
世界中で自動チャットボットやAIカスタマーサービスなどを展開する時、どちらが有利かは明らかですよね。
日本は企業の個人情報利用に反感が出やすく、失敗を許容しづらい、もしデータ流出などあれば大炎上する社会なので、企業がデータ活用にネガティブな側面もあるのかもしれません…
5Gに無駄な期待をするな
先ほどアフリカでは5Gがかなり普及していて、一方日本は…という話をしましたが、ひろゆき氏は無条件で新しい技術がいいとは考えていません。
例えば5Gの利用価値は、多くの人が期待するほどにはない、といいます。
5Gは通信速度が速く、遅延が少なく、同時に多数のデバイスが接続でき、といったメリットがありますが、通信範囲が狭いというデメリットもあります。
つまり、5Gを普及させるには、4Gより大量の基地局が必要になるんです。
そしてそもそも、多くの人はスマホで4Gの最大速度である1Gbpsも使っていません。だいたいその10分の一以下の数十Mbpsで不自由なく使っていると思います。
僕もよくインターネット速度を測ったりしますが、光回線でも数百Mbpsも滅多に出ません。大阪市内に住んでいますが、スマホで数百Mbpsはみたことがないですね…
つまり、スマホが5Gになっても、特に変わらない、というかVRコンテンツや8Kビデオをストリーミングではなくダウンロードして見たい、とかいう特殊な場合を除いて、4Gで十分なんです。
個人的に、5Gが活躍するのは無人店舗のように無数の商品タグをインターネットで管理する場所や、ファクトリーオートメーションといわれる工場、生産ラインの自動化など、いわゆるローカル5Gの分野だと思います。
テクノロジーの活用は必須ですが、新しいものをありがたがるより、今あるものを最大限に活用することも考えていきたいですね。
無敵の犯罪者が急増する
将来の生活を考えた時、やっぱり問題になるのはお金。特に年金や社会保障などです。
若い人の中には「年金はもらえない」と勘違いしている人がいますが、年金の仕組みを考えれば、破綻したり、もらえなくなったりすることは原則ありえません。少なくとも多くの場合、納めた金額以上にもらえます。
とはいえ、人口構成や日本の経済力を見れば、年金だけで生活できなくなるのは明らか。その分を自分でどう確保するかは考えていかないといけません。
Intro Booksでは投資関連の本も多く取り上げています。僕たち世代(20代、30代)は、国の制度を理解して使うべきものは使い、理想の生活のためには若いうちから資産形成しておくことが大切になりそうですね。
でも今、若い人の間でも格差が広がっています。格差は高度経済成長、バブルに支えられた高齢層と、低迷する中でもがいている若者、みたいに言われますが、若者の間でもかなり大きいんです。
例えば、平均貯蓄額。20代の平均貯蓄額は113万円もあって、かなり堅実に貯めている印象がありますよね。
でも、中央値を見ると、たった8万円。これでは貯蓄というより、ただ給料から余ったお金です…
この2つのデータからわかることは、大多数の人はほぼ貯蓄ができておらず、一部も富裕層が平均の何百倍もの貯蓄をしているという、二極化の現実です。
そうして二極化する社会で次に来るのはなにか。
ひろゆき氏の言葉を借りれば「無敵の人」による犯罪の増加です。
無敵の人というのは、社会に居場所がない、地位も名誉も、家族も、資産もない、何もない。だからこそ、犯罪で捕まっても失うものがない、そんな人です。
今中国では日本より格差が広がっていて「寝そべり族」と呼ばれる人が問題になっているそうです。
うまくいかない就職活動や格差に嫌気がさして、結婚して家族を持つことも、就職して稼ぐことも諦め、最低限の仕事しかせず余った時間は寝そべって過ごしている人たちです。
彼らは犯罪を犯して刑務所に入っても、何も変わりません。刑務所なら最低限の仕事もせず寝床とご飯があるので、むしろラッキーとさえ考えるかもしれません。
日本でも高齢者の軽犯罪がニュースになることがありますよね…軽犯罪で捕まればしばらく無料で衣食住が手に入る、しかも服役中も年金は入るので、出所するころには少しお金が貯まっている。そのお金がなくなればまた軽犯罪を犯して…というカラクリなのだそう…
超格差社会の中で、無敵の人は確かに無敵かもしれません。競争もなく、守るものもなく、少しはものをチラつかせるだけで衣食住が手に入り、しばらく税金で暮らすことができる。
僕たち個人ができることは、自分が無敵の人にならないよう、自分が生活する分はしっかりと資産形成する、ということだけですね…
頑張りすぎると給料が下がる
すでに周知の事実ですが、日本は先進国で唯一、賃金が低下している国です。この画像を見れば、日本の異様さがよくわかりますね。
基本的に、世界経済は発展と共にインフレし、給料も上がります。経済の発展をざっくり書くと
- 技術発展や工夫により、従業員はより少ない時間でより付加価値(利益)の高いものを生産できるようになる
- すると従業員の給料が上がり、使えるお金が増える
- 少し高いものでも買えるようになり、他の企業が値上げしても売れるため、他の企業の利益も増える
- 利益が増えた他の企業の従業員の給料も上がる
といった感じで、インフレと賃金上昇が同時に起こります。
それが起こっていない日本が異常なんです。
インターネットの発達で、取引先とのコミュニケーションは楽になりましたよね。仕事で使うパソコンやソフトウェアの性能は年々上がっていますよね。物流の発展で仕事に必要なものは明日にでも手に入りますよね。
なのに、日本は生産性が上がっていないんです。
ひろゆき氏はその原因を「頑張りすぎている」と言います。
日本は家電でも飲料品でも、毎年、毎シーズンごとに新しい製品を出しますよね。実はこれ、日本だけなのだそう。海外の企業は売れるものはそのまま売り続けます。
確かに、コカコーラは100年以上ほとんど変わっていませんが、日本の飲料メーカーは頻繁に新しいものを出しますね。ネスレのキットカットやマクドナルドのハンバーガーもそうかもしれません。
でも当然、新しいものを作るには開発コストはもちろん、新しい生産設備やプロモーションへの投資も必要。つまり、既存の製品を売り続けるより利益が下がるんです。
決して日本人の能力が低いわけではないんです。みんな一生懸命新しいもの、より良いものを生み出した結果、どんどん生産性が下がってしまうんです。
戦略という言葉にはいろいろな解釈がありますが、一般的なのは「戦いを略する」つまり、戦わないことです。真面目な日本人が真正面から戦って疲弊している間に、世界では戦いを略してどんどん生産性を上げていたんです…
収入が低い人はAIのために働き、収入が高い人はAIに仕事を奪われる
マッキンゼーの調査によると、「2030年までに既存業務のうち27%が自動化され、結果1660万人の雇用が代替される可能性がある」とのこと。有名な話なので聞いたことがあると思います。「10年後になくなる仕事リスト」みたいなものも定期的に話題になりますよね。
例えば、機械に仕事を奪われる代表例にレジ打ちがあります。正しくお会計ができたら問題はないので、機械がやっても別にいいのです。
AIは因果関係や意味を理解するのは苦手だけど、データから正しい答えを見つけるのは得意です。なので、レジ打ちのように正しい答えが出ればOKという仕事はAIの得意分野です。
でも、今後店舗スタッフがいなくなり、無人店舗ばかりになるかというと、決してそうではありません。お客さんの悩みに答えたり、いろいろ相談に乗ってくれる店員さんへの需要、つまり仕事は当分なくならないでしょう。
それに店舗スタッフに求められる対応は顧客層やブランドイメージ、店舗によって全く違いますよね。店舗スタッフはそもそも給料が高いわけではないので、わざわざ多額のコストをかけて店舗専用のAIを構築するメリットが小さいのです。
逆に、今は安泰と考えられているけど奪われる仕事が、いわゆるホワイトカラー業務です。代表は銀行員や弁護士、税理士ですね。こうした仕事は、多くの知識は求められますが、正しい答えを出せたらOKな部分が大半です。しかもこうした職業は高給で、似たような仕事をする人が大量にいます。なので、コストをかけて専用のAIを構築するメリットがあるんです。
AIの影響を受けない職種はたぶん存在しません。でもAIの構築にはコストがかかります。コストがかかるということは、その分の効果、つまりカットできる人件費が大きくないと、企業は導入しません。
つまり、AIで仕事を奪われる人の多くは、今は高給で安泰していると考えられている職種なんです。
といっても、賃金が安い単純労働も、簡単に機械化できるので仕事を奪われるでしょう。その人たちに残された仕事はというと、AIのためのデータ収集やデータの整理です。
給料が高い人はAIに仕事を奪われ、それ以外の多くの人も、AIのために仕事をすることになります。
金持ちだけが定年する権利を得られる
少し前、定年といえば60歳でしたが、今では65歳になりましたね。一方、最近「FIRE」という言葉が話題になるように、できれば働きたくないという人も増えているようです。
「FIRE」は資産を持てば定年前に仕事を辞める”権利”が手に入るという考え方ですが、逆に言えば今後、資産を持たない人は死ぬまで働き続けるしかなくなります。
実際、もともと高齢者の定義は65歳以上でしたが、2017年に65歳から74歳を「準高齢者」、75歳から89歳を「高齢者」という新しい分類が提唱されました。
今後、定年がどんどん伸びていくことは間違いないでしょうし、年金だけで生活できない以上、アルバイトなど老後も働き続けることが当たり前になっていくでしょう。
少子化が進む日本で競争力、つまり労働力を維持するためには高齢者の定義を変えてもっと長く働いてもらうしかありません…働く期間が長くなればなるほど、年金問題も緩和されていきますから…
FIREという言葉を使っているわけではありませんが、ひろゆき氏は本書で「お金持ちだけが定年する権利を得られる」と言います。
最初に見た日本の現状から考えても、ここまで読んでくれた人は納得できる言葉だと思います。
日本の未来は暗い。でも個人は別
ということで今回は、「ひろゆきのシン・未来予測」を紹介しました。
読んでいて胸が苦しくなりますね。この記事もかなりネガティブな内容になってしまいました…
本書では繰り返し「日本の未来は暗い」と言っています。人口が減少して栄えた国は歴史上存在しないので、ある意味当然かもしれません。
でも本書を読むと、不思議とネガティブな気持ちじゃなくなるんです。
例えば、金持ちだけが定年する権利を得られる、というのは逆に、ちゃんと資産を作れば定年して豊かな老後が送れるということですし、AIに奪われる仕事がわかれば、自分が今後身につけるべきスキルも自然に見えてきます。
つまり、沈みゆく元経済大国日本の中で、自分だけが幸せに生きていく方法はあるんです。もちろん、ひろゆき氏のように日本から出ていくというのも選択肢の一つ。
利己主義なメッセージに聞こえますが、全員が正しく利己主義であれば、全員が幸福になれます。
最初に言った通り、国とはそこに住む、関わる人と文化の集合体です。僕たち一人一人が、未来を見据え、幸せになる方法を考えて実践していけば、それは日本が幸せになることと同じなんです。
日本をどうにかしないといけない。そんなふうに考えるとどうしようもなくなりますが、自分だけでもなんとかしよう、と考えたらいろんな方法が見えてきます。
大きく考えず、まずは自分でできることを。具体的には、失うものがなく犯罪を繰り返してしまう「無敵の人」にならないよう、計画的な資産形成と未来を見据えたスキルアップから初めていきましょう!
この記事を書いた人
-
かれこれ5年以上、変えることなく維持しているマッシュヘア。
座右の銘は倦むことなかれ。
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