おひさしぶりです。妻です。
本年もIntro Booksを何とぞよろしくお願いします。
今日はわたし妻が2024年はじめに購入して読んだ本『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』を紹介します。
著者は食の総合コンサルタント小倉朋子(おぐらともこ)さん。
小倉さんは食を大切にする環境で育ち、美しく凛とした食べ方を推進すべく、テーブルマナー&食の教室「食輝塾」を主宰。
また、飲食店や企業のメニュー開発・フードプロデュース業なども行なっています。
実はわたし、夫と出会った頃と比べて(最近なんだか調子が悪い…)という日が格段に増えています。特に何をしているというわけでもなく、家事などはむしろ一人暮らしの時よりラクになっているはずなのですが。。本屋さんでこのタイトルが目に入ってきて、「たしかにこれが原因なのかもしれない!内容を知りたい!」と手に取りました。
まずは食への「敬意」を持つ
本のタイトルでもある「最近弱っている」という部分。この弱っているには肉体面だけでなく、精神面の話も含まれています。
例えば、つらいことがあるとつい甘いものを食べすぎてしまう、逆に食が細くなってしまうなど、思い当たる節がある方も多いかと思います。。
小倉さんはこれまでに1万人以上の方の食べ方を見てきました。そこで「食と心は密接に結びついている」ことを実感したと言います。
食への意識を少し高めるだけで、自信を持ち始めたりと変化する方を目にし、驚くことが多くあったそうです。
食を扱った本の多くは痩せる・健康になる・若返るなど、体にメリットをもたらすと教えてくれるものが多くあります。
栄養を摂るので身体に影響があるのは間違いないですが、おいしいものを食べると脳から快感物質が分泌されたり、ストレスホルモンの分泌を抑えたりと心にも良い影響を与えてくれます。
「食べる行為が心を映す鏡」なのだと小倉さんは実感し、ということは肉体的・精神的に弱らせているのも食が関わってるのでは…と気づきます。
お昼はいつもよく行く中華の日替わり定食、疲れたからスーパーの惣菜で済ませるなど「なんとなく食べる」で済ませていることが弱らせている一つの要因だと言えます。
では自分を弱らせる「なんとなく食べる」をやめるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは食への「敬意」を持つことだと小倉さんは言います。
目の前の料理だけでなく、料理を入れてくれた器、のせてくれたテーブル、作ってくれた人、素材を作った環境、健康や経済まで、食にまつわる万物への敬意を持つのが、本当の意味で「おいしく食べる」ということなのだと思います。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
小倉さんは20年間毎日、夕食は18時にお母様の特製フルコースを食べていたそうです。たとえ友だちと遊んでいても、勉強していてもそれらを中断して、食卓に向かっていました。また、お父様の仕事の都合で海外のお偉いさんと一流店で食事をする機会も多かったそうです。これらの経験からも敬意の大切さを実感しているんでしょうね…!
「おいしい」とより感じることができる体づくり
「なんとなく食べる」から「おいしく食べる」に変えていく方法は敬意を持つことのみではありません。
おいしいをより感じることができる体をつくっていく必要があります。
現代社会では、消費者が食べものにはじめて出合うのはスーパーなどの小売店がほとんど。食べものの素の状態を知らないまま、多くの情報を得て買って食べています。
この状態は食べものを自分の目で見て、匂いを嗅いで、実際に触って判断する前に企業など別の誰かが選別して準備してくれている「五感がラクできる環境」にあります。
情報に甘えられる現代では、五感という動物的な勘を磨く機会が減っています。
たまたま得た情報にただなんとなく流されて判断するのではなく、五感を使って原始的に自分で得た情報によって判断する。そうやって自分で決めていくことで、食べているものがおいしいと今まで以上に強く感じることができ、なんとなく食べることがなくなっていくのだそうです。
言われてみると、賞味期限など書かれている内容に基づいて無意識に選んでいます…五感という動物的な勘をよみがえらせ、よりおいしく感じるには何をすればいいのでしょうか…?
やり方は、野菜や果物を、「五感を意識しながら」生のまま食べること。これだけです。
<中略>
でもなぜ生野菜なのか?五感を磨くうえで、何より生野菜をおすすめしたい理由は、その個性にあります。
野菜は「野菜」というカテゴリーで表現されがちですが、ざっと800を超える種類があります。これほど形や大きさ、色ツヤ、種の種類が個性的で、香りも栄養成分も異なるものをひとまとめにしてしまうなんて、ちょっと残念に感じてしまいます。私たちだって、ひとりひとり個性があるように、野菜だって表情がひとつひとつ違うのです。
つまり、五感をフルに使ってじっくり野菜と向き合うことで、その個性の数だけ五感を磨くチャンスになるのです。
さらに生の野菜や果物には、たっぷりの水分、そしてビタミンや酵素、抗酸化物質などがぎっしり含まれていて、体の流れをスムーズにしてくれます。まさに生命力の塊です。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
小倉さんは毎食15種類くらいの野菜と果物をシャキシャキ・ポリポリと食べています。食べられないときの体は流れが重くなっていることが如実にわかるそうです。
ただ、いきなりわたしたちが毎食15種類を食べることは難しいだろうと、本書では比較的簡単にできそうなことを1つ教えてくれます。
まずは朝ごはんの最初に、空腹状態で、生野菜を1種類、食べるところからスタートしてみましょう。
<中略>
「ミニトマト3粒」からでもOKです。
<中略>
同じミニトマトを食べるのでも、「1粒目より2粒目のほうがすっぱい」「3つとも同じミニトマトだけど、色味が微妙に違う」など考えて食べるだけで、あなたの感覚はみるみる鋭くなっていくのです。そしてできる範囲で少しずつ野菜の種類を増やしたり変えたりしてみましょう。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
これを続けていくと、2週間ほどあとに「野菜が食べたい!」という気持ちが湧き上がってくるらしいです…!自制しているわけでもないのに、味の濃いものやジャンキーなものがだんだん欲しくなくなり、体調もおのずと良くなるのだとか。…よし夫よ、今日からプチトマトを常備しよう!
体の深部から野菜・果物が欲しくなる「五感の食べ方」
ということで、ここからは小倉さんが実際に五感を鋭くした食べ方を紹介します。
どれも普段あまり意識しないものばかりなので、気になったものだけでも試してみるといいかもしれません…!
「視覚」が鋭くなる食べ方
例)バナナ:形がゆるやかにカーブしている、色は食べどきが一目瞭然
「嗅覚」が鋭くなる食べ方
例)ミニトマト:自然のぷりぷり感や気持ちのいい芳香が体中を駆け巡る
「触覚」が鋭くなる食べ方
例)大根:サイコロ状にコロコロ切ると噛みごたえあり、甘い大根だと甘さも感じられる
「味覚」が鋭くなる食べ方
例)キャベツ:味付けせず食べると部位による味の違いあり(芯に近い葉の方が甘く柔らかいが、時間経過などで苦味も出る)
「聴覚」が鋭くなる食べ方
例)きゅうり:1本丸かじりで前歯で噛むのか奥歯で噛むのかちょっとだけ噛むのかざくざく噛むのかなどいろいろ試し、ボリッ・カリッ・ジュワッなどの音の違いを感じる
まとめ
- 五感をフルに使って、1種類以上(上限なし)の生野菜、果物を食べる
- 空腹時に行う(とくに朝。舌と本能が冴えているタイミングで野菜と触れ合うと、感覚が磨かれやすい)
- まず水を飲み、口と胃の中をニュートラルにしてから食べ始める(飲む量は3口がベスト)
- 生野菜を食べたあと、ふつうの食事を食べてOK
わたしたち夫婦はスーパーに行ったとき、お安くなっている生野菜のサラダを買ってその日〜翌日中に食べています。ただこれを食べるときは大半が夕食で、普段は生野菜を食べる機会がほとんどありません。大根を生で食べる機会も大根おろしくらいしかないので、少しずつ生野菜を食べる生活にしていきたいと思います…!
雑には食べず、自分をもてなす
五感を鋭くすることでよりおいしさを感じることができるようになりましたが、さらに感じるには食べる環境についても見直す必要があります。
例えばひとりごはん。
残り物でいいやとなんとなく食べたり、テレビをぼんやりと見ながらいつの間にか食べ終わっている…ひとりごはんは「まあいっか」率が増えてしまいがちです。
誰かに料理を作ってあげたり、人といっしょにごはんを食べたりするときは、すごく気を使っているのに、ひとりのときはいろいろ雑、という方は、無意識のうちに、自分を「人よりぞんざいに扱って良いもの」にしてしまっているのです。でも本来、自分はこの世でもっとも大切な存在のはず。ですから、自分を大切にできない、自分をなかなか好きになれないときは、まず、ひとりごはんを「自分へのおもてなし」と考えて、毎食向き合ってみましょう。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
人と一緒に食べていると目の前の食べものに向き合いづらいですが、ひとりならすべての感覚を目の前の食べものに向けることができます。
これで一口一口しっかり味を認識し、自分の気持ちや体をリセットする時間にもなると小倉さんは言います。
たしかに五感を鋭くなる食べ方は人がいるとやりづらいものもありますもんね…ということは逆にひとりごはんがチャンスなのかもしれない…!
また、お昼は会社から近い中華料理店の定食セットや別に食べたくないコンビニ弁当など、なんとなく食事を選んでいるなんてことはないでしょうか?
限られた選択肢の中で「今、もっとも食べたいもの」をたのしんで選ぶと、充実度が上がります。
小倉さんは仕事柄、次の仕事までの合間の短い時間で食事をとる場面がしばしばあります。
クライアントとの打ち合わせ後、別企業でセミナー。食事休憩が30分しかないといった場合は、だいたいパンを買って食べているそうです。
ただ、このパン、ただのパンではなく、実は数日前から食べる準備を始めています。
まず、仕事の近隣にパン屋さんがないかネットで探します。どの店で何を買うかおおよその目星をつけ、当日が来て、買って、食べるときにはもう気持ちが躍っています。
野菜や果物を15種類くらい食べられないときがあっても「今日はこれを食べる日だ!」と前向きに考え、満足度を高めているのだそうです。
欲しいときに24時間購入できる、豊かな現代の日本にいると、食糧難など実感しにくいわけですが、いつそんな時期が来ないとも限りません。また、突然体を壊して、好きなものばかりを食べられない日がくるかもしれません。
どんな環境でもその環境の中で「おいしい」感謝を見つける。飽食の現代社会に住んでいると逆に難しいかもしれませんが、そんなことを考えながら、自分が納得するものを毎食いただくようにしています。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
最後に、家のひとりごはんだとついダラダラ食べ続けてしまう、お酒をちびちび飲みながらスナック菓子をボリボリつまんでいつのまにか1袋なくなっちゃった…というケースも多いのではないでしょうか。
どうしてダラダラ食べてしまうのか?それは「誰も見ていないから」そしてひとりだとつまらなく「なんとなく寂しいから」だと思うと小倉さんは言います。
小倉さんはこの状態を、お腹はいっぱいなのになぜか気持ちがまだ食べたいという「満腹」だけど「満足」になっていない状態と表現しています。
ではこの状態を防ぎ、満足に導くための方法はあるのでしょうか?
小倉さんはひとりごはんの際、食べる順番を自分なりに決め、特に「食べ始め」と「食べ終わり」の儀式を行なっています。
儀式と言うと大げさに聞こえますが、やることは簡単です。
小倉さんは食事の最初、炭酸水を1杯飲みます。そして、食べ終わりにはコーヒーをブラックで飲みます。
これは心と体に食事の始めと終わりを知らせるもので、ダラダラ食べの防止につながります。
ちなみに、炭酸水とブラックコーヒーは小倉さんのすきな飲みものなので、必ずしもこれでなければならないというわけではありません。始めは人間の体の大半を占める水に近い炭酸水かお水をおすすめしていますが、終わりはホットミルクやお茶など自身のすきなものでOKとのことです。小倉さんはかれこれ15年以上この儀式を続けているそうで、食事の満足度が高まって食欲に一区切りつけることができているとのことです。
夜中の暴飲暴食を止める「お腹に手」
深夜にコンビニで買ったスイーツを食べたり、飲んだあとの麺類がなんだかおいしいなど、夜中の至福時間はたまらないですよね。
なぜこんな時間に求めてしまうのでしょうか?
それは、油脂も炭水化物も塩分も糖分も、人類にとって魅力的な要素だから。あなたが以前、疲れていた夜にラーメンやケーキを食べて、ちょっとしあわせな気分になったことを、脳は覚えているんです。だから、「またあの快感を味わいたい!」と無意識に脳が求めてしまう。
<中略>
夜遅くに食べると、寝ている間にも、胃腸はずっとはたらき続けなくてはならないので、もう朝には疲労困憊。あなたは眠っているかもしれないけれど、大事な体には徹夜させているのと同じです。朝起きて、寝たはずなのに疲れている理由のひとつがこれ。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
やめないといけないとはわかっているもののやめられない、こんなとき小倉さんはどうやって対処しているのでしょうか?
それは食べたいと思ったら、「お腹に手を当てる」。たったこれだけなんだそう。
心と体とそのときの自分に、本当に必要なものかどうかをお腹に手を当てて確認していくのだそうです。自分が食べたい!と思うと脳も食べたい気持ちでいっぱいになります。しかし、お腹サイドとしては今からは勘弁してくださいとSTOPを出しているかもしれません。
問いかけることで、頭と体の判断に時差をなくして一体化させます。
食べたあとの満たされた気持ちが、夜中に食べたごほうびだとしたら、「食べる快感をやめる」ごほうびは、数時間後の翌朝に訪れます、体も気分もすっきりしていて、「昨日、食べたい誘惑を我慢できた」という達成感で、元気に朝をスタートできるはず。
そして、夜中の気持ちのごほうびより、あなたの将来の自信につながったり、生活が活発になったり、食生活以外にもいい影響のある「長期的ごほうび」がきっとあるのです。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
夕食が早いときはお腹減った〜と夫を巻き込んで缶詰やお菓子を食べがちなわたし。これからは声に出す前に、まずお腹に手を当てるようにします…!
自分を肯定する言葉「おいしかった」
ということで、今日は『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』の中から一部紹介させていただきました。
本書には他にも、美しく食べる方法や手料理の大切さ、なかなか痩せない原因などが書かれています。
最後に、本書に書かれている食への敬意を表す方法のひとつを紹介して終わりたいと思います。
小倉さんは、自分が作った手料理がおいしくできて食べたときやひとりごはんのときなど、「おいしかった」と声に出すことがあります。
この一言に励まされたり、言ったあとにホッとするような気がして、つい言ってしまうのだそうです。
何かを食べているとき、悩みごとが頭から離れない状態とたのしい状態ではおいしさが変わります。逆に言うと、どんな環境でもおいしいものを食べたと思うだけで、満足度は高まります。
「おいしかった」は回り回って自分への賛辞の言葉、そして口に運ぶまでにかかわった人や食材・環境など万物への敬意の言葉でもあると小倉さんは言います。
たとえば友達が、抱えていたことを乗り越えて問題を解決できたとき、「よくがんばったね!」と口にしますよね。「おいしかった」はこれと同じ。人に言う肯定の言葉を、自分にもかけてあげるのです。
どんな環境でも、条件でも、「おいしかった」と自分の食事を肯定して言う。そうすると、舌で味わう味覚としての「おいしかった」だけではなく「いい時間だったな」と日々の時間枠にも感謝が湧いてくるのです。
引用:私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない より
わたしがなんだか調子が悪いのは食への敬意を払えていないことも1つであることが本書で分かりました。日々なんとなく食べて体を疲れさせる…そりゃしんどいですよね。笑 本書に書かれていることをもとに、自分に取り入れることができる部分から少しずつ実践していきたいと思います…!
ではまた。
ちなみに、食べ方のマナーは以前紹介した『おとなの清潔感をつくる 教養としての食べ方』で料理の歴史から見ることもできるので、気になった方はぜひ以下もご確認ください!
この記事を書いた人
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インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。
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