「結婚」だけが誰かと一緒に暮らすことではない|女ふたり、暮らしています。

小説・エッセイ
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こんにちは。妻です。

今日は韓国で話題の『女ふたり、暮らしています。』というエッセイ本について、書いていきたいと思います。

本書はソウルに住む2人の女性・4匹の猫との生活ついて、良い面はもちろん、困った面など包み隠さず書かれています。

著者はキム・ハナさんとファン・ソヌさん、訳者は清水知佐子さん。

キム・ハナ

読んで、書いて、聞いて、話すことを生業としている。Yes24のポッドキャスト「チェキラウトーキム・ハナの側面突破」の進行役を務めているほか、ラジオ番組などにも多数出演している。

ファン・ソヌ

20年にわたって雑誌を作り、そのうちの大半はファッション雑誌『W Korea』のエディターを務めた。今は、エディター時代に身につけたコンテンツ制作とキュレーション技術を活かして仕事をし、キム・ハナと一緒にYouTubeチャンネル「ペンユニオンTV」を運営している。

清水知佐子(しみずちさこ)

読売新聞記者などを経て翻訳に携わる。

わたし、初めて韓国エッセイを読んだんですが、住んでいる国こそ違えど日本に近い部分も多く、またお2人が書かれている文章が上手く訳されているからか面白くてスラスラ読めちゃいました。

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共同生活に至るまで

キム・ハナさんはひとり暮らしを何十年としていましたが、気楽さと身軽さを感じる一方、つらさを感じていました。結婚して誰かと暮らすことも考えましたが、違った形の暮らし方を模索し始めます。

ある日、友人が住んでいるマンションに心を奪われ、本格的に一緒に暮らすパートナーを探し始めることを決意します。

その後、Twitterでファン・ソヌさんの存在を知ります。
そして、とあるイベントをきっかけにふたりはオンラインで出会います。実際に話してみると好みが似ており、飲みに行ったり映画や美術館に行ったりと会う機会が増えました。

会う回数を重ねてキム・ハナさんは一緒に暮らすならこの人しかいない!とファン・ソヌさんに狙いを定めます。
キム・ハナさんはすぐさま友人が住んでいるマンションで飲み会を開いてもらい、マンションの良さをプレゼンします。そして、ファン・ソヌさんに「ローンを組んでこのマンションを一緒に買わないか」と提案します。
しかしファン・ソヌさんは「職場まで遠い」「家の近くにお店が何もないのが不便」「二人のお金を合わせても資金がかなり不足しているしそもそも家を買うなんて考えたことがない」とごもっともな理由を伝えます。

そんな時、マンションに空きが出ます。キム・ハナさんはファン・ソヌさんを必死に説得しますが、すぐに埋まってしまいました。
しかしキム・ハナさんは折れません。空きが出た時にすぐ動けるように再び説得を重ね、ファン・ソヌさんの心を動かしていきます。そして再び、マンションに空きが出ます。

実際に空き物件を見に行ったことで契約することを決意し、ファン・ソヌさんは銀行で住宅担保ローンを組み、キム・ハナさんは両親に頼んだりとなんとかお金を用意して、マンションを手に入れます。

キム・ハナさんが住みたいと言っていたのに、ファン・ソヌさんがローン組むんかい!と笑ってしまいましたが、キム・ハナさんはローンがあることで「入ってくる仕事はすべてやろう」と仕事に対する向き合い方が変わり、一生懸命仕事に打ち込んで仕事の幅を広げて1年でローンの半分を返済。また、ファン・ソヌさんは元々小心者の性格だったそうですが「大金を借り、返しながら、私はほんの少し度胸がついた」と気持ちの面で変化しました。

気が合うが性格は間反対

キム・ハナさんとファン・ソヌさん。2人は好みこそ似ていましたが、性格は全く違います。

キム・ハナさんは所有しているものが少なく、整理整頓をきちんとしているミニマリスト。ファン・ソヌさんは所有しているものが多く、片付けが苦手なマキシマリスト。
同じ家に引っ越してきたことでテレビや電子レンジなどの家電が2つになり、その他ものの量もとんでもないことになりました。家に入りきらない量になったため、キム・ハナさん基準で整理をしていきます。何を捨てる・捨てないで喧嘩をすることもありましたが、なんとか片付けていきます。

また、キム・ハナさんは食べることがすきで、ファン・ソヌさんは料理を作ることがすきでした。
自然と、料理担当のファン・ソヌさんと片付け担当のキム・ハナさんという構図ができ、各々が得意な家事をする形になりました。

今でも片付けについては喧嘩になることもあるそうですが、当時に比べれば格段に減り、むしろひとり暮らしの頃は嫌でもやらなければならなかったことを分担することができるありがたみをお互い感じています。

わたしたち夫婦も夫は常にポジティブ、わたしは常にネガティブと間反対の性格。また、家事も料理は夫・掃除はわたし、というふうにそれぞれが得意なことを行うようにしています。それが日常になってしまっていますが、ひとり暮らしだった頃を考えると決して当たり前ではありませんね…いつも美味しいごはんをありがとう夫よ…!

ひとり暮らしでも結婚でもない暮らしが現代にはある

という感じで『女ふたり、暮らしています。』には、それぞれの目線から暮らしについて書かれています。

ここに書いた内容を見るとあまり伝わらないかもしれませんが、キム・ハナさんとファン・ソヌさんの暮らしはお互いがお互いを尊敬しあっているからこそたのしい生活が続いています。

ファン・ソヌさんはキム・ハナさんのことを「仲間たちの中心となって会を作り、引っ張っていく小さな大将みたいな人」「良質の対話を生み出すため、丁寧な準備を行なっているためポッドキャストの進行がうまい」と自分にないものを持っていることに尊敬の念を抱いています。

キム・ハナさんはファン・ソヌさんのことを「毎月きちんと一冊ずつ雑誌を作り、突出したクオリティーの記事を書き、インタビューをし、グラビアや映像の撮影をし、小手先でごまかすことなくこつこつと仕事をしてきた」と仕事に対する姿勢に敬意を表しており、また「いつも体を動かしているファン・ソヌの健康的なエネルギーのオーラに触れたことでいつも本を手に路地を歩くのが好きだった私が、水泳を習い、本格的に自転車に乗りはじめた」と自身に変化をもたらしてくれたことに感謝しています。

お互いのことを尊敬し続けられているというのが良いですよね…!この関係性が羨ましいです…!

人はずっと一人でいることはできません。誰かとつながっているからこそ生きていけます。また、誰かと一緒に住む方法については今は「結婚」だけではなく、さまざまな手段があります。

すでに誰かと一緒に住んでいる人も、今はひとりで暮らしている人も、本書から「誰かと暮らすってたのしいことなんだな〜」と感じていただけるのではないかと思います。

クスッと笑える内容も満載なので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。

ではまた。

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この記事を書いた人

インナーカラーがやめられない。
座右の銘は日々成長。

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