こんにちは。夫です。
今日紹介するのは「個人投資家もマネできる世界の富裕層がお金を増やしている方法」です。ニッセイアセットマネジメントなどを経て、運用会社を設立。「モーニングサテライト」にも出演されている志村暢彦さんの書籍。
僕はモーニングサテライトは毎日録画して見ているので志村さんの名前は知っていました。わかりやすい解説だなーと思っていたら新書が出たのですぐ予約注文。僕は米国株を中心に個別株に投資しているので帯にある「グローバル株最強の10銘柄」に惹かれました。
本書では日本の現状なども踏まえ、世界の富裕層が実践している「グローバル投資」の必要性や、グローバル投資の実践ルール、ステップ別の資産構築方法や具体的な10銘柄が紹介されています。
世界の富裕層なんて個人の資産管理を担当するマネージャーとかが普通にはできないことを色々やってるんじゃないかと思っていましたが、今やネット証券でほとんどの銘柄を格安手数料で投資することができます。つまり、一昔前と違って、富裕層が実践している方法を僕たち庶民が実践することはそこまで難しくないんです。実際、本書で紹介されている「グローバル株最強の10銘柄」の多くは僕が利用しているSBI証券でも投資することができました。
本書では現代ポートフォリオ理論やオプション戦略など、ちょっと複雑な話も出てきますが、基本的にはグローバル株に長期で投資して資産を築こうというもの。つまり、株を買って持ち続けることが主題。なので本書の9割はネット証券に口座があれば誰でも実践可能な話です。
ということでこの記事では米国株投資3年目、まあ一応中級者と言って良いのかな…という僕が「これは大事だ!」「これは我が家の資産形成にも取り入れよう!」と感じたことを紹介していきたいと思います。
新富裕層のためのグローバル投資という選択
まずはそもそも「グローバル投資」について。言葉通り、日本株に限らず、アメリカなどの先進国、インドなどの途上国への投資を指します。ここ数年、日本でも一気に米国株投資が人気になりましたが、実は、世界の富裕層はもう次の投資へ目を向けています。
日本でも株式投資は、より身近な存在になってきました。日本株だけではなく、ここ数年の”米国株ブーム”の影響で、米国株を運用する個人投資家もかなり増えてきました。
しかし、株式投資の環境は急速に変化するもの。特に少なからずの「富裕層」と呼ばれる投資家たちは、その変化に即応して、米国株だけでも日本株だけでもなく、国際分散(グローバル投資)の傾向を加速させているのです。
本書が主眼にするのは、日本株だけでもなければ、米国株だけでもない株式投資。目を世界に向けた”グローバル株”への投資です。米国以外の欧州、インド、南米などに拠点を置く優良なグローバル企業にも投資するのです。
引用:個人投資家もマネできる世界の富裕層がお金を増やしている方法
そしてそのグローバル投資は日本にいながらネット証券を通じて簡単にできるということです。確かにもう1年くらい米国株は不調続き、政治・経済的な分断を見ていると「本当に大丈夫か…?」と思う瞬間もあります。もちろん世界一の経済大国を省いた資産形成は考えられませんが、他の国や地域に目を向けるのも大事かもしれません。
そして志村さんは日本人にこそグローバル投資が必要だと思います。ご存知の通り、日本は先進国の中で唯一、株価も上がらず、賃金も上がらない悪循環が30年も続いている国です。2022年の後半から「インフレ」と「円安」でさらに苦しくなりました。志村さんは「インフレ」と「円安」というダブルパンチから資産を守り、増やすには、グローバル投資こそ必要なんです。
実は2010年ごろ、日本の富裕層が日本脱出を考えていると騒がれた時期がありました。その実態を把握するため日本人が持つ国外資産を調査する制度や、富裕層の投資状況を調べるプロジェクトが始まったりしました。その結果、日本の富裕層は海外に脱出しにくくなってきたそうですが、その代わり資産の大半をグローバル投資で築くようになると志村さんは考えています。
グローバル投資から省かれる日本
本書では金融先進国、金融の本場アメリカでも、アメリカだけでなくグローバル投資に注目が集まっているなど、グローバル投資の歴史や現状を教えてくれています。中でも私たち日本人が把握しないといけないことは、グローバル投資における日本の立ち位置。
停滞しているとはいえ、GDPは世界第3位の経済大国…そんな認識はもう通用しないかもしれません。
グローバル化する世界経済で存在感を高め、国際的に評価されて株価を上げる日本株を発掘したいのですが、長期的な資産形成の観点で自信を持っておすすめできる日本株を上げるのは難しいというのが正直なところです。
いま長期的な視点から日本株を買うべき指数に基づく理由があれば、教えてほしいくらいです。
<中略>
株式投資の世界では、いまや日本株は先進国株的な扱いです。日本のほとんどの個人投資家が韓国株やニュージーランド株に興味を示さないように、世界の投資家はほとんど日本株に関心をはらっていっていないといっても過言ではないのです。
引用:個人投資家もマネできる世界の富裕層がお金を増やしている方法
2020年にはGAFAMだけで東証一部の全2170社の時価総額を上回ったことが話題になりました。過去、バブル経済を経験しながらもその時のピークを超えて成長し続けてきたアメリカ、今まさにバブル的な成長を見せる新興国、それらと比べると30年間停滞し続ける日本の株式市場の魅力は薄いですよね。
そんな厳しい現実を如実に表しているのが、株価指数の構成銘柄です。国際分散投資の代表的な指数にMSCIがあります。MSCIは全世界株のS&P500のようなもので、世界中から選りすぐりの企業が組み込まれています。当然そこには日本企業も含まれていますが、ここ数年、日本の代表的な企業がこの指数から除外されているんです。
2020年:川崎重工業、ニコン、三菱自動車工業、セブン銀行、ベネッセHD、住友ゴム工業、三越伊勢丹HD…他
2021年:日本ハム、九州電力、新生銀行、ヤマハHD、東急不動産ホールディングス、イオンモール、カルビー、しまむら他
2022年:日野自動車、良品計画、メルカリ、ローソン、関西ペイント、ライオン、林内、大正製薬HD…他
一方、アメリカからは世界を変えるダイナミックな企業が次々と出てきます。GAFAMに代表される超大手企業も、2、30年前はほとんど誰も知らない企業でした。そうした企業が次々出てくるからこそ、S&P500のような米国株価指数は新陳代謝を繰り返し、どんどん高値を更新していきます。
なぜアメリカにはこうしたダイナミックな企業が産まれ続けるのか。志村さんはその理由について、アメリカの大統領制を挙げています。アメリカにおいて政治と経済はほとんど一体で、大統領の役割は「経済を成長させ、雇用を増やすこと」です。その役割を果たすための人が4年に1度選ばれる。強大な権力を持つ一方、二期で入れ替わるため、最大8年ごとに既得権益が一掃され新しい競争が生まれるんです。
グローバル投資7つの鉄則
ということでここからは具体的な話。グローバル投資のルールを見ていきましょう。本書では投資を楽しみながら上達し、資産を増やしていくための7つのルールを紹介してくれています。このルールはグローバル投資だけに適応されるものではありません。日本株投資でも米国株投資でも、物によっては不動産や投資信託で役立つルールもあります。
長期的視点を持つ
まずは投資の大原則「長期的な視点を持つ」ことです。志村さんは本書で長期投資の定義を「10年以上」としています。
世界一の投資家ウォーレン・バフェットは資産の95%以上を65歳以降に築き上げました。若い頃からしっかり取り組むことが重要ですが、10年以上の時間があるなら遅すぎるということはないんです。
そしてこの長期的視点にこそ、個人投資家の大きなアドバンテージがあります。
投資の世界には、プロの投資アナリストや機関投資家など投資を専門的にやっている人が数多くいます。彼らの多くは高学歴で高収入。そんな人たちに個人投資家が仕事の合間にちょっと勉強したところで勝てるわけがない、だから投資信託の方がいい、または投資なんかしない方がいい、と思うかもしれません。
でもそれは勘違い。機関投資家などは仕事として投資をやっているので、四半期や年間など比較的短期の成績を求められます。志村さんはファンドマネージャーとしてプロの運用も行っていましたが、一時的に成績が悪くなるだけでもかなりの資金が流出、つまり自分の評価や給料に影響してしまいます。
一方、個人投資家は短期の成績を気にする必要がありません。マイナスの時があっても気にせず長期で取り組むことができます。
短期で結果を出す必要がない。この個人投資家だけに許された圧倒的アドバンテージを活かさない手はないですよね。秀才な機関投資家たちは長期でじっくり取り組んだ方がいいと頭ではわかっていても、短期で結果を出すためにあれやこれや難しいことをいろいろ頑張らないといけないんです。
長期で投資するメリットは大きく2つ。一つは予測がしやすいことです。個別企業の来年の業績予想は難しくても、「今後50年人口は増えていくよな」「世界的な高齢化で医療費が増えていくよな」といった長期の予想は高い精度で予測できます。
そしてもう一つのメリットが複利の力を活かせること。
似たような画像を何度も見せたことがありますが、毎月5万円の積立投資を年利8%で40年間運用すれば、1億7千万円の資産になります。凡人でも億超えの資産を築ける可能性がある。これが長期投資の醍醐味です。
投資を分散させる
2つ目のルールは分散投資。「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。卵を1つのカゴに盛って、もしそのカゴを落としたら全部の卵が割れる。一方、複数のカゴに分けておけば一つを落としても他が守られる、ということです。
余談ですが、この格言はマーク・トウェインがいった言葉だそうで全文は「『卵は一つのカゴに盛るな』と愚かな者は言う。これでは『金を分散し、注意を分散させよ』というに等しい。賢者は言う。『卵は一つのカゴに盛り、そのカゴをよくよく見守れ』」という物らしいです。つまり、分散投資は愚か者の選択で、賢者は1つの最高の選択肢に集中するということ。今は逆の意味で使われていますよね。もっとも僕は愚か者の部類だと思うので、格言に従って分散投資します(笑)
どの程度分散するかですが、志村さんは25銘柄程度がいいといいます。それ以上に分散してもリスクリターンにほとんど変化がない上、管理が面倒になってしまうからです。
また、分散は「セクター」「テーマ」「タイミング」の3つで行うようにいいます。セクターは「金融」「生活必需品」「ヘルスケア」など、世界基準では11に分かれています。ここまではよく聞く話ですがそこに「テーマ」を掛け合わせます。
長期的なテーマには「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「人口増加と高齢化」「脱炭素やESG」などがあります。
例えば「DX」と「金融」を掛け合わせると、DiFiと呼ばれる分散型金融に積極的な企業が候補に上がってくるでしょう。同じ金融でも「人口増加と高齢化」というテーマで考えると、年金運用や途上国でのビジネスに強みがある企業が候補に上がります。
このようにセクターとテーマで25銘柄程度を選び、ドルコスト平均法でタイミングも分散して投資していくということです。
また、自分が好きな対象に投資するのもいいといいます。自分が好きなことなら他の人より詳しいのでその分優位性があるからです。僕なら音楽とかがいいかもしれませんね。音楽業界で、人口増加やDXといった長期的なテーマに乗っている企業を調べてみようと思います。
3段階のピラミッド型で運用する
投資の世界ではリスクとリターンにある程度の相関があると言われています。もちろん、リスクとリターンの幅がイコールという意味ではなく、S&P500への積立長期投資のように歴史的に見てリターンの期待値がリスクの幅を大きく超える、つまりローリスク・ミドルリターンのものもあります。
しかし現実として、ローリスク・ローリターンだけだと思うような資産を築けず、ハイリスク・ハイリターンだけだと資産を失ってしまう可能性が高すぎます。
そこで推奨しているのがリスクによって3段階に分けて資産を築くことです。
ピラミッドの一番下、資産の大半はローリスク・ミドルリターンで運用します。ここでは年10%のリターンを狙っていきますが、S&P500など市場平均の推移を見る限り決して無理な水準ではありません。
二段目には積極的な投資をいれます。ここでは高成長企業を狙い株価10倍以上のテンバガー銘柄を狙います。またオプション取引などデリバティブを使うことも推奨しています。
3段階目は超積極的な投資で、ベンチャーキャピタルなども含めたハイリスク・ハイリターンを狙います。ここでは投資した資金がゼロになる可能性も低くはないため、一段目と二段目でしっかり資産を築き、その後の余剰資金で行います。
こうしたハイリスクな個別投資を嫌う人も少なくありませんが、実はリスクリターンは決して悪くありません。例えば、アップルはITバブル崩壊後、株価は400倍以上になっています。仮にITバブル崩壊時に200のIT企業に投資して、そのうち199社がゼロになったとしても、残り1社がアップルだったら、リターンは200倍以上です。勝率0.5%でも資産200倍が狙える。これがハイリスク・ハイリターンな投資です。
僕も資産は資産の土台となるメインポートフォリオと、資産の2割くらいを当てるブームポートフォリオに分けています。メインは高配当株や歴史的大企業で構成していて、ブームは小型のハイテク株なんかにも投資しているので二段目まではある程度実践していました。三段目は…もうちょっと土台のメインポートフォリオがしっかりできてからにします。
投資家の共通言語を理解する
S&P500などインデックスへの積立投資など、完全なほったらかし投資を除けば、投資は自分で学び、自分で考え、実践していく必要があります。
志村さんはそのために、少なくとも共通言語は理解しておこうといいます。
バンドメンバーとスタジオに入った時「もうちょっと後ノリで」「ここは4カンでやろう」などと話しています。こうした言葉はバンドメンバー内での共通言語なので、知らない人には通じないと思います。投資でも同じように、共通言語を知らないとそもそも情報を仕入れることが難しいんです。
投資の共通言語の代表には「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」などがあります。この辺は当然として、日本であまり重視されていない共通言語に「キャッシュフロー」があります。
キャッシュフローは企業が稼いだ現金、使った現金のことで、利益や経費とは別の概念です。利益や経費には減価償却など会計上の計算方法で実体とずれることがありますが、キャッシュフローは明確に稼いだ現金、使った現金、残った現金なので、投資においては非常に重要な指標です。
完全に合理的な株価を出す「理論株価」という考え方がありますが、理論株価の代表的な計算方法はフリーキャッシュフローをもとに計算されています。
本書では細かな計算方法やキャッシュフローの考え方も書かれています。僕も個別企業に投資する時は、損益計算書よりもキャッシュフロー計算書を見るようにしています。
学術的な裏付けを抑える
個人投資家は機関投資家などのプロほど細かな知識を知り分析する必要はありません。しかしそれでも「自分はこういう理由で投資しています」としっかり説明できることが重要です。
そのために必要になるのが、論理的、学術的な裏付けです。
本書では「現代ポートフォリオ理論」「ブラック・ショールズ・モデル」「ファーマ・フレンチ・3ファクター・モデル」という3つの理論が紹介されています。この3つはいずれもノーベル経済学賞を受賞した理論です。
それぞれ簡単に説明すると、「現代ポートフォリオ理論」は分散効果とリスクの関係性を理論にしたもの。どのように分散するともっともリスク・リターンのバランスがよくなるのかを知ることができます。
「ブラック・ショールズ・モデル」はオプション取引などのデリバティブ取引の価格を導き出す方程式。本書ではピラミッドの二段目、積極的な投資でオプション取引の実践も進めていますが、実践する際には概要だけでも知っておきたいモデルです。
「ファーマ・フレンチ・3ファクター・モデル」は名前こそ知られていませんが、インデックスファンドの運用に大きく関わる論理です。ETFやETF・インデックスに連動した投資信託に投資している人は少なくないと思いますが、それらの理論的な裏付けになっているのがこのモデルです。
この辺はちょっと難しい話ですがウォーレン・バフェットは「リスクとは、自分が何をやっているかよくわからない時に起こるものです」といいました。ETFに投資するなら最低限、ETFとはなんなのか、どのようにETFの価格が決まるのかなどはちゃんと理解しておきたいですね。
天地人の視点で考える
続いては投資先や経済の動向を見る時の考え方。上杉謙信は孟子の教え「天の時 地の利 人の和」を引用して「天地人」という言葉を生み出しました。物事をうまく成功させるには、天地人の3要素が重要だということです。
志村さんは投資においても天地人の3つの視点で考えるよういいます
「天」はマクロ経済、世界経済の動向で、「地」は個別企業の動向、「人」は投資家の行動です。
「天」の要素は非常に重要で、2022年は米国株式市場が大きく下落しましたが、その最大の要因がインフレと利上げ。つまりマクロ経済の要因です。2022年は企業業績が良くても大きく株価が下落しました。「天」のマクロ要因は「地」のミクロ要因より影響が大きい証拠です。
「地」は個別要因なので、決算情報や新商品のニュースなどです。もちろん「天」と「地」の両方が重なり合えば大きな株価上昇が期待できます。
「人」は投資家の行動ですが、個人投資家がSNSで盛り上がって特定の企業に投資するなどもこれにあたるでしょう。ですが当然その土台には天と地があるので、重要度で言えば「天>地>人」となります。
「天」のマクロ経済で重視すべきはアメリカの金利・物価・雇用。なぜアメリカかというと、「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪を引く」という諺があるように、アメリカ経済が最も大きく世界経済に影響するからです。個々の国のマクロ経済を分析するのは大変なので、最低限アメリカだけは押さえておきましょう。
金利と株式は逆相関する。2022年は多くの投資家が投資の原則ともいえる事実を実感しましたよね。他にも長短金利が逆転すると景気後退リスクが高まるなども知りましたし、FRBの会見やCIP、雇用統計など、マクロ経済に注目が集まりました。そういう意味では2022年の下落は投資家のリテラシーアップに一役買いましたね。
「地」のミクロ分析では、共通言語として覚えたPERやEPS、キャッシュフローの伸びなどを調べていきます。
投資手法を高度化する
グローバル投資最後のルールは投資手法の高度化です。投資手法を高度化させる理由は、長期投資に耐えるためです。長期投資ならインデックスファンドの長期積立、と考える人も少なくないと思いますが、1つの手法に長期の資産形成を頼るのはある意味ギャンブルです。確率は低いとは言え、対象インデックスの市場が長期で低迷した時に資産計画が大きく狂ってしまうからです。
だからこそ投資手法を高度化し、自分の勝ちパターンを見つけてその時その時に合わせて柔軟に対応しておくことも、長期投資では必要になります。
その高度化方法の一つがオプション取引です。
投資で得られる利益には3種類しかありません。「インカムゲイン(配当利益)」「キャピタルゲイン(売却利益)」そして「オプション料」です。
多くの投資家はインカムゲインとキャピタルゲインのことしか考えません。僕もそうで、オプション取引について勉強したことはありますが、やったことはありません。しかし、ナスダックのウェブサイトにはオプション取引の説明について「世界で最も優れた現金収入を得る戦略の一つ」としています。
オプション取引は保険のやりとりにたとえられますが、うまく行えばリスクを下げるために使うこともできますし、比較的短期に現金収入を得ることも狙えます。投資手法の高度化では代表的な方法です。
他にも本書ではトレーリングストップ(株価が一定割合以上で下落したら自動で決算するリスクコントロールの手法)やDRIP(配当を自動で再投資する仕組み)などを説明しています。
米国株投資から一歩先へ
ということで今回は志村暢彦さんの著書「個人投資家もマネできる世界の富裕層がお金を増やしている方法」を紹介しました。ここまでは本書の前半部分。ここからグローバル投資の具体的なステップとして、資産状況などに応じた3ステップを教えてくれます。さらに具体的なオプション取引の方法や銘柄分析のための決算書の読み方なども紹介してくれます。
さらに注目はグローバル投資「最強の10銘柄」として、具体的な銘柄名と分析も載っています。知っている企業もあれば初めて聞く企業もありました。奥野一成さんが「投資家の思考法」で紹介しているのと同じ企業もあります。別々の考え方で投資している2人の専門家が揃ってお勧めするなら安心して投資できそうですね。
(最近伸び盛りの富裕層は)私たちに専門的な情報提供やアドバイスは求めるものの、何にどのように投資するかは、自分の頭を使って判断する人が多い傾向があります。<中略>なぜその銘柄や投資手法がいいのか。仮説を立てて検証するトライアル&エラー(試行錯誤)を続けていると、銘柄の剪定や投資術に対する審美眼が養われるようになり”目利き”に近づいていくでしょう。
そういう”スマートインベスター”(賢い投資家)になることが、資産を確実に増やすためには不可欠なのです。
<中略>
買った銘柄の株価が下がり、売った銘柄の株価が上がる…。そんな残念な失敗体験をしても、それは自分だけの貴重な体験にほかなりません。
投資本やブログなどでも学べますが、実戦に勝る学びはありません。しかも、悔しいという感情をともなった記憶や体験は、あとあとまで残ります。記憶と実体験をミルフィーユのように積み重ねながら、個人投資家として成熟していきましょう。グローバル株も米国株も長期的に見れば右肩上がりを期待できますから、長く続けることで成果を得られるでしょう。
引用:個人投資家もマネできる世界の富裕層がお金を増やしている方法
僕も個別株を自分で分析して投資で資産を築こうとする個人投資家の一人ですが、本書を読んでまだまだ勉強不足だなーと思う部分がたくさんありました。個人的に一番大切だと思ったのは、共通言語を知ることと学術的な裏付けです。知ってるようで知らないことはしっかり自分で勉強していきたいと思いました。
日本でも米国株投資が盛んですが、日本は金融後進国。日本で米国株投資が話題になることには、世界的にはグローバル投資がスタンダードになり、個人投資家もオプション取引などを使いこなすのが当たり前になっているのかもしれません。
ぜひ投資を初めて少し経ち、ワンランク上の投資手法を手に入れたい方は本書を手に取ってみてください。投資のマインドセットやいろいろな手法を教えてくれるだけでも十分書籍代の元が取れると思いますが、グローバル投資「最強の10銘柄」のように具体的な投資先まで教えてくれるなんて、かなりお得な一冊だと思います。
この記事を書いた人
- かれこれ5年以上、変えることなく維持しているマッシュヘア。
座右の銘は倦むことなかれ。
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